情報は投資家から得て評論家を避ける!本業投資家・上原さんに聞く、資産形成知識の身に付け方

リリース日:2022/09/20 更新日:2022/10/03
上原
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外資系証券会社で株のアナリストとして働いたあと、運用会社でファンドマネージャー(機関投資家)に転身。長期で稼ぐ株式投資ノウハウを発信。企業分析、決算予想、バリュエーション分析を強みとしている。現在の投資先は日米株式、新興国株、海外不動産。副業としてTwitterでの情報発信、投資家バーや株式投資のオンラインスクールの運営も行っている。

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

子供の教育資金や自分の老後のため、資産形成の知識を付けたいけれど、情報が溢れていて何を信じてどう学んでいけばいいのかわからない。そんな悩みを抱えている方がたくさんいると思います。今回は、プロの投資家として活動しながら、資産形成についての情報発信を行う上原さんに、「資産形成知識の身に付け方」についてお話を伺いました。

  1. 「本業投資家」がアイデンティティ
  2. 投資の基本方針は長期投資
  3. 初心者はインデックス投資から始めよう
  4. 株式投資の普及のため、情報発信の裾野を広げたい

「本業投資家」がアイデンティティ

マネ活編集部:今回は、プロの投資家として情報発信をされている上原さんに、資産形成の正しい知識の身に付け方についてお伺いしていきます。まずは、現在の活動についてご紹介いただけますか?

 

上原さん:現在は投資家としての活動の傍ら、Twitterやブログでの情報発信、銀座での投資家バーの経営、バリュー株投資アカデミーというオンラインスクールの運営をしています。投資活動以外の3つの活動は、すべて副業という位置付けで、「投資家が本業であること」というポリシーを持って活動しています。情報発信やスクール運営が本業になってしまうと、発信する情報の信頼性が下がってしまい、途端に怪しい人になってしまうと思っているので。

 

マネ活編集部:上原さんがプロの投資家になるまでのキャリアについてお聞かせください。

 

上原さん:学生時代の18、19歳頃から投資を始め、投資の面白さに魅了されました。投資に携わる仕事がしたいと思い、大学卒業後は外資系の証券会社へ。世界の機関投資家に対し、株式売買のアドバイスをする日本株のアナリストの仕事をしていました。

 

機関投資家とは、ファンドや年金、ヘッジファンドなど、お客様からお金を預かって運用しているプロの投資家です。そうした機関投資家に個別銘柄の状況や業績動向、株価の見通しをお伝えしていました。

 

その後、私自身も機関投資家である外資系のファンドに転職しました。最初は日本株のアナリストとして働き、割とすぐに日本株のファンドマネージャーと呼ばれる立場になりました。証券会社時代はアドバイスをする立場だったのが、機関投資家のファンドマネージャーとして日本株を実際に運用する立場になり、今に至るといった流れです。

 

投資の基本方針は長期投資

マネ活編集部:現在の上原さんの投資方針や保有銘柄についても教えていただけますか。

 

上原さん:長期的な成長が期待できる会社をできる限り割安で買おうというのが基本方針です。会社の業績見通しや割安度合いを見て、5年10年保有できそうな銘柄かどうかを見るようにしています。

 

とはいえ、景気に良し悪しがあるように、株価にも上がり下がりがありますので、景気が悪くなりつつあるときには、株の持ち分を減らして現金比率を高めるといった判断もしていますね。

 

実際に今は現金比率を高くしており、これからくると考えている数年に一度の投資チャンスに備えているといった感じです。コロナ後に株価が大底を打ったときや、リーマンショック後に株価が急落したときのように、次の投資チャンスがいずれ巡ってくると思っていますので。

 

マネ活編集部:投資家が本業でありながら、副業としてTwitterでの情報発信や投資家バー、オンラインスクールを始めたのはなぜですか?

 

上原さん:最初は自分のアウトプットの一環としてTwitterで情報発信を始めました。学んだことをアウトプットすることで、自分のスキルを高めたかったんです。とはいいつつ、フォローしていただいている方たちに何かしら価値を提供したいということも意識していまして、機関投資家のマーケットの見方や投資に対する考え方など、個人投資家とは少し違った視点をできるだけわかりやすく伝えるよう心がけています。

 

情報発信をする中で見えてきたニーズにあわせて活動範囲を広げていき、スクールや投資家バーの活動に繋がりました。

 

スクールを始めたのは、「投資のことを学びたい」という声が多く寄せられるようになったからですし、投資家バーは「東京にあったら面白そう」という私のツイートに反響があり、それじゃあやってみようということで実際に開いてみたという感じです。投資ってお金のことですから、なかなかリアルな友達には話しにくい、でも自分がやっている投資のことを話したいし相談したいといった声が多いんですよ。

 

マネ活編集部:個人投資家とプロの投資家の着眼点の違いについて、何か例をお話いただけますか?

 

上原さん:例えばマーケットの見方でいうと、個人投資家の方は短期的な相場のニュースに一喜一憂される方が多い傾向にあると感じますが、プロの投資家はもう少し長い目線で相場のサイクルを見るんです。私の発信も、数年スパンで見たとき、今マーケットがどういう状況になっているのかを扱っています。

 

マネ活編集部:それぞれ、どのようなレベルの方に向けて活動をされているのでしょうか。

 

上原さん:Twitterでの情報発信は中級者以上の方向けですね。投資をすでにされていて、かつ個別株への投資をしている方。初心者の方には難しい内容も多いと思います。

 

投資家バーは初心者の方にもたくさん来ていただいています。コロナ禍が予想以上に続いているため、フルで営業ができるようになったのが想定よりかなり遅れたのですが、月に600~700人ほどが訪れてくれています。30~40代が最も多く、女性のお客様も3割ぐらいいらっしゃいます。投資家バーが、投資に興味を持ち始めた初心者の方の入り口になれたら嬉しいです。

 

オンラインスクールは、完全な初心者というよりも、株式投資を始めてみたけれども、結局どうしていいかわからないと悩んでいる方がメイン層ですね。こちらはこれまでに700人以上の方にご参加いただき、満足度アンケートでも高い評価をいただけています。年齢層まではわかりませんが、やはり男性が多めです。

初心者はインデックス投資から始めよう

マネ活編集部:資産形成の初心者が1から知識を身に付ける場合、どこからどう取り組めばいいでしょうか。

 

上原さん:最初はインデックスの積み立て投資を始める、これに尽きると思います。それで実際にどういう風に利益が出ているのかを見ながら、なぜ上がったのか下がったのかを自分の頭で考えてみましょう。実際に投資を始めてみたら、マーケットや経済の動きに自然と興味を持つようになると思います。

 

その次に、2、3冊、初心者向けの本を読んでみる。投資理論は時代によって変わるものではないので、出版年数はこだわらなくて大丈夫です。できれば違う著者のものを読むことと、その人が実践している投資経験を元に書かれているものかどうかを意識してほしいです。

 

マネ活編集部:その方が本当に投資で実績を上げているかどうか、初心者に見極められるポイントはありますか?

 

上原さん:確かにそういわれると難しいですね…。TwitterやYouTubeの発信内容を見て信頼できそうかどうかを見るか…。逆に怪しい人を避けるコツは、SNSで煽るような発言をしている人を避けることです。書籍のタイトルには出版社の意向が入るので一概にはいえないのですが、YouTubeやTwitterなど、その人の人柄がそのまま出る媒体で煽ったような発言をしている人はあまり信頼しない方が良いかもしれません。

 

マネ活編集部:インデックスの積立投資を始める。初心者向けの本を2、3冊読む。そのあとのステップは何ですか?

 

上原さん:資産運用会社が出しているマーケットレポートを読むのがおすすめです。各国の景気や株式市場の動向について、さまざまな運用会社がレポートを発行しています。運用会社の市場見通しが当たるかどうかは別の問題ですが、自己流で投資をしている方の情報よりは信頼できますし、なぜ株価が上がっているのか、下がっているのか、現在のマーケット環境を理解するのに役立ちます。

 

複数の運用会社のレポートをまとめて表示してくれている証券会社もありますし、証券会社によっては、YouTubeなどで初心者向けにわかりやすく情報を発信してくれているところもあります。

 

マネ活編集部:初心者が注意すべき点についてはいかがでしょうか。

 

上原さん: 1番注意してほしいのはマーケットの雰囲気に踊らされないことです。例えば個別株投資の話になりますが、マーケットで盛り上がっている銘柄に飛びついたり、みんなが強気になっているから買う判断をしたりといったことは、1番やってはいけないことなんです。

 

そもそも、自分のところに情報が来ている時点で、情報の鮮度は相当落ちていると認識しましょう。特に初心者の元に「これは買いだ」と情報がきているものは、その時点で他の人もみんな知っている情報ですから、自分のあとに追加で買う投資家はすごく少ないはずなんです。

 

2つ目は、短期間に次々と異なる投資手法に手を出さないこと。投資には、長期投資と短期投資、景気や金融政策などの経済状況をもとにするファンダメンタルズ分析と過去の株価チャートなどをもとにするテクニカル分析、本来の価値より割安な企業の株式を買うバリュー株投資と今後成長しそうな企業の株式を買うグロース株投資など、本当にさまざまな手法があります。

 

1つの手法を極めて、しっかり利益を出せるようになるまですごく時間がかかるのですが、初心者はやり方をコロコロ変えてしまいがちなんですよね。これではいつまで経っても自分の投資スタイルが定着しないので、「やる」と決めたら本腰を入れて、利益が出せるようになるまでその手法をしっかりと勉強していくのがいいと思います。

 

利益を安定して出せるようになり、かつ「なぜ利益を出せたのか」を自分で説明できるようになったら、合格点ですね。運良くたまたま利益を出せることはあるので、勝つべくして勝てるようになれば一人前の投資家かなと。

 

マネ活編集部:先ほど、初心者はインデックスの積立投資から始めるべしというお話がありました。その次、個別株投資にチャレンジできる段階にきたかどうか、判断できる目安はありますか?

 

上原さん:インデックス投資を始めてみて、株価の動きやマーケットを見るのが面白いと思えるのかどうかが1番大きなポイントかなと思います。大前提として、個別株投資で利益を出すのはプロでも難しい茨の道なんですよね。ですから、知識云々以前に、興味があるかどうか、投資を楽しいと思えるかどうかが大きいと思います。

 

マネ活編集部:そのほか、スクールやTwitterなどで初心者から多い質問があれば、内容と回答を教えていただけますか。

 

上原さん:「誰を信じていいのかわからない」「いつ始めればいいのかわからない」「米国株と日本株、どちらがいいですか」の3つが多いですね。1つ目は、先ほどお話した通り、信頼できる現役の投資家を選ぶこと。煽り屋は絶対に避けましょう。2つ目は、「できるだけ早く始めること」が回答です。人生20年30年先までを考えると、始める時期が2、3年違ってもそれは誤差の範囲です。株価が底打ちしたり天井を打つタイミングを予想するのはプロでも難しいので、タイミングは気にせずに、できるだけ早く始めるのが正解だと思います。

 

3つ目は、ある程度分散して投資をすること。株・債権・金の割合は運用者の年齢や取れるリスクによっても変わるので、これという回答はできないのですが、投資先を1つに集中させない方がいいと思います。

 

あえておすすめを挙げるなら、インデックス株で20年30年と長期に投資する場合は米国株、または世界株がおすすめですね。日本株のインデックス投資はあまりおすすめしないです。個別株投資をするのであれば、米国株でも日本株でも自分の得意な方でいいと思います。例えば私は日本企業の方が圧倒的に詳しいし稼ぎやすいので、個別株では米国株ではなく日本株に投資をしています。

 

株式投資の普及のため、情報発信の裾野を広げたい

マネ活編集部:上原さんの今後の展望についてお聞かせください。

 

上原さん:株式投資がもっと普及してほしいなと思っているので、少なくとも自分の周りにいる人たちの金融知識や投資スキルを引き上げられるよう、これからも情報発信をしていきたいですね。TwitterやYouTubeで間違った情報を発信している人も多いので、私は怪しい人の情報を打ち消せるくらい、正しい情報を届けていきたいと思っています。

 

そのため、今後は書籍やYouTubeなど、発信媒体も広げていきたいと考えています。今、Twitterでは中級者の方以上を対象としているので、ここからは初心者向けの発信にも取り組んでいきたいですね。

 

マネ活編集部:最後に、読者にメッセージをお願いします。

 

上原さん:まずは、投資を始めてみてください。私は、株式投資は世界経済の成長を自分の収入に反映させることだと思っているんですね。残念ながら、日本人の給料は横ばいで、経済成長にも明るい見通しがない。そんな中で資産を形成していくには、投資しかないと思うんです。世界経済が成長している限り株式市場も成長していくはずですから、できる限り早めに始めてほしいです。

 

始めてみたいけどやり方がわからないという方は、投資家バーに来ていただければ、経験談もたくさん聞けると思いますので、気軽に遊びにきていただけると嬉しいですね。

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