「周りはモブ」と心得よ。ソロ活名人・朝井麻由美さんに聞く、一人時間の極め方

リリース日:2021/10/20 更新日:2022/06/06
朝井麻由美
この記事を書いた人

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朝井麻由美

ライター・編集者。「一人焼肉」「一人カラオケ」など、一人を楽しむ生活を送るうちに、コラムの連載、書籍「『ぼっち』の歩き方」「ひとりっ子の頭ん中」の出版など、「ソロ活」の第一人者に。最新刊は「ソロ活女子のススメ」(大和書房)。テレビ東京「二軒目どうする?」出演中。

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

新型コロナウイルスの流行により、これまで当然のようにあった「みんなでワイワイ」する時間が急速に減ってしまいました。友達との旅行や飲み会が難しくなったことにつらさを感じている人がいる一方で、ステイホームを機に「あれ、一人の時間って案外楽かもしれない」と気づいた方もいるのではないでしょうか。一人の時間を楽しく過ごす方法やアイディアを、ドラマ化でも話題の書籍『ソロ活女子のススメ』の著者・朝井麻由美さんにお聞きしました。

更新日:2021/10/20
  1. 「一人が好き」は自虐すべきことじゃない
  2. コロナ禍であらためて見つめ直す「一人」と「集団」の心地よいバランス
  3. 役に立たなくてOK。「楽しい」への出費も投資です
  4. 第三者はモブ。自分の楽しいを追求せよ

「一人が好き」は自虐すべきことじゃない

マネ活編集部:朝井さんのご活動について教えてください。

 

朝井:基本的にはライターの仕事をしています。内容はインタビュー記事やコラム、書評などさまざま。食べ歩きが好きなことから派生して、テレビの居酒屋番組に案内人として出演したりもしています。

 

もともと、一人でいろんなことをするのが好きで、それを「ソロ活」として記事にしていたところ、書籍の出版やドラマ化につながりました。

 

マネ活編集部:一人の時間を楽しむ=ソロ活なんですね。朝井さんがソロ活を始められたきっかけは何だったのでしょうか。

 

朝井:明確なきっかけがあったというより、まず 一人でいることが昔から当たり前だったんですよ。両親が共働きの一人っ子で、近くに同世代の子もいなかったので、家で 一人遊びをするのがふつうだったんです。

 

でも、学校ではグループ行動が多くて、グループに上手く入れないと気まずくなるとか、いじめられちゃうこともあるのを肌感覚で学んでいきました。 一人でいることに居心地の良さを感じながらも、集団行動になじまなきゃと思うようになっていったんです。子どもにとって、学校は世界のすべてですもんね。

 

マネ活編集部:集団行動にはなじめたのでしょうか。

 

朝井:苦しさはずっとつきまとっていました。だましだましやってきたという感じです。大学に入って、すごく楽になりました。クラスもなく、取る授業も一人ひとり違う環境になってあらためて、ああやっぱり私は集団行動が苦手だったんだなとはっきりと自覚した感じです。

 

マネ活編集部:そこから、ソロ活を始められた?

 

朝井:少しずつですね。子ども時代から刷り込まれてきた感覚なのか、「ここは一人で行く場所じゃない」といった思い込みがあったんです。例えば15年ほど前は、一人でラーメン店に行く女性はあまりいなくて、「 一人ラーメンをする女性ってちょっと変わってるよね」という雰囲気があり、そういうものなんだと私も思い込んでました。焼肉もそうですよね。誰かを誘っていくことが当然とされているものを、少しずつ一人でやってみて、「一人でやっても楽しいものだ」と学んでいった感じです。

 

これがたまたまご縁あって、ライターとして「ソロ活」についてのコラムを書くようになり、そうこうしているうちに、気づけばソロ活の第一人者のようになっていました。

 

マネ活編集部:「ソロ活」という響きがポジティブでいいなと感じました。

 

朝井:ありがとうございます。もともと世間には“一人で何かすることに対して自虐する文化”のようなものがあり、ひと昔前って、「一人で来ましたwwwぼっちですwww」みたいなネタってインターネットには溢れていたんですよ。それが徐々になくなり、今はそういう自虐はほとんど見かけないと思います。私がウェブサイトで連載を始めた7年ほど前には、その風潮がまだ少し残っていました。だから私も「自虐ネタっぽくした方がいいのかな」と思っていたんです。でも、自虐する根っこにあるのは、 一人でいることを良しとしていない感情だと気づいて。「本当はみんなでいたいけど、できないから一人なんです」みたいな意味になるなと。

 

マネ活編集部:元から一人が好きなので、事実とは異なりますよね。

 

朝井:そうなんです。そのあたりを書きながら分析していって、私は本心から一人が好きなんだから自虐する必要はないなと。本当の意味でソロ活をポジティブに捉えられるようになっていきました。

 

一人BBQを楽しむ朝井さん

▲一人BBQを楽しむ朝井さん

コロナ禍であらためて見つめ直す「一人」と「集団」の心地よいバランス

マネ活編集部:「本当はみんなといたいのに、それができない」という感情が自虐の元になっているという話に、なるほどと思いました。学生生活の中では「みんなで仲良く」が求められるシーンが多いため、本当は一人が好きなのに気づけていない可能性もあるのかなと。

 

朝井:あると思います。私自身、本当は一人が好きなタイプなのに、世間の一人を自虐する雰囲気に流されて、自分の本心が見えなくなっていたので。

 

私は一人が好きだからソロ活を紹介していますが、みんなでいる方が元気が出る方に向けて無理に勧めたい訳ではありません。みんなとワイワイすることで元気をもらえるタイプの人にソロ活の良さを熱弁したところで、その人はピンとこないでしょう。それは、私が「みんなと一緒にいたら元気が出るよ!」と言われてピンとこないのと同じなんですよね。

 

マネ活編集部:合う合わないがあるだけのことなんですね。

 

朝井:はい。ただ、当然のようにあった「みんなといる時間」がステイホームにより減った今こそ、自分の本心を見つめ直すチャンスじゃないかなと思います。案外一人でいることで元気になれる自分が見つかる人もいるんじゃないかなと。なお、これは「 一人派」「みんな派」と派閥に分かれる話ではなく、バランスの問題です。誰だって一人で過ごしたいときもあれば、みんなでワイワイしたい気分のときもある。自分の中で心地いいバランスを知っておくことが大切だと思います。

 

マネ活編集部:ただ、ステイホームによって、「みんなでワイワイ」がしづらくなった側面はありますよね。

 

朝井:そうですね。こればかりはどうしようもないので、一人が苦手な人も、少しでも楽しめるポイントを探せたらいいのかなと思っています。

 

マネ活編集部:ソロ活も今はおうちで行えるものが中心かと思います。朝井さんはどうやって 一人時間を楽しむ方法を見つけているのでしょうか。

 

朝井:自分の好きなこと、趣味をどれだけ見つけられるか、が大事です。自宅でできる趣味がもともとあった人は、コロナ禍でも割と楽しく過ごせているのではないでしょうか。趣味を見つけるのは、結局自分が何に対して楽しいと感じるのかを知ることが大切なので、とにかくいろいろ試してみるといいと思います。

 

何も思いつかない人は、スマホで「家時間 趣味」と検索してみると、いろいろな例を知れますよ。リストの上から順番に片っ端からやっていってもいいし、気になるものをピックアップしてもいい。SNSで発信するために始めたっていいと思います。やってみてつまらなかったとしても、その「つまらなかった」が話題のネタになる日がくるかもしれませんし、ハードルを低くしてトライしてみるといいんじゃないかと。

 

マネ活編集部:ちなみに、最近朝井さんがやってみて面白かったのは何でしょうか。

 

朝井:キノコ栽培とスパイスカレー作りですね。キノコ栽培はキットを買って、霧吹きで水をあげて育てています。生長の様子を見るのも楽しいんですよ。スパイスカレーは、難しいと思って試していなかったんですが、「いつかやりたいリスト」に入れていたものです。ステイホームになり、あらためて調べてみたら、基礎となるスパイスが4種類あればできると知って、やってみようと。万が一失敗しても、カレールーを入れてしまえばおいしく食べられます(笑)

 

マネ活編集部:「いつかやりたいリスト」を作っているんですね。

 

朝井:SNSやネットで見た情報って、そのままだと忘れてしまうじゃないですか。それをリストにしておいて、何かしたいなと思ったときに見返すようにしています。

役に立たなくてOK。「楽しい」への出費も投資です

マネ活編集部:「楽しそう」「やってみたいな」と思うものの中には、材料費などお金がかかるものもあります。失敗を恐れずやってみようと思っても、出費がネックで始められない場合、どう気持ちに折り合いを付ければいいでしょうか。

 

朝井:何かをやってみてハマるかどうかって個人の感覚でしかないので、ほかの人のブログや口コミをいくら見たところで一生わからないんですよね。高いと感じるならば、費用とやりたい気持ちを天秤にかけて、自分の中のやりたい基準に達していない、ということだと思いますので、潔く諦めましょう(笑)。

 

私の中では、お試しでやって失敗しても許せる金額のボーダーラインは3,000円ですね。個人的な感覚では、「3、6、9」のボーダーラインがあって、3,000円なら払うけど4,000円だと高く感じる、6,000円なら払うけど7,000円になるとやめるかも…、9,000円までならいいけど1万円超えるものは相当好きじゃないと嫌、などの基準で「そこにお金を使う価値があるか」をジャッジしています。

 

あと、道具を使う系のものだと、買って使わずに場所を取ることになるのが嫌で、あまり手を出さないかもしれません。トライアルキットや、体験会のようなものがある趣味ならば入りやすいはず。それに、お金をかけずにできることも案外たくさんありますし、どちらかというと、「これだ」というものに出会って極めていきたいとなったときの方がお金がかかるような気もします。

 

あとは、自分の中でお金をかける優先順位を付けています。私の場合は食ですね。コロナ以後は外食が難しくなってしまっているのですが…その分をお取り寄せに回して家で食を楽しんでいます。食のほかには、「これを今買わないと後で二度と手に入らないかもしれない」ものとかは、迷ったら買う!一択です。グッズだったら生産中止になる、本なら絶版になる、などで何年か後に中古で探そうとしても見つからないことって多いですから…。

 

ちなみに、電子マネーやクレジットカードは自分の性格的に気にせず使って記録も一切つけないため、お金を使うハードルを下げ過ぎないよう、QRコード決済サービスは今はまだ使わないようにしていて。わざわざATMに足を運んで自分の手でお金を下ろして貯金残高が減って落ち込む、紙幣を自分の手で出して財布の中身が軽くなって落ち込む、という機会を敢えて作っています(笑)。

 

また、コロナ以後は仕事で出歩くことも減ったため、「ついコンビニで買ってしまう」といった浪費がなくなりました。飲み会ができなくなってお金を使わなくなった方もいるでしょう。収入がコロナ前と変わっていない人は、自分のために使える浮いたお金が見つかるかもしれません。

 

マネ活編集部:自分の好きなことにお金を使うことと浪費との区別がつきづらいなと感じることがあります。自己投資にも使えるのに、好きなことに使うなんて…と思ってしまうといいますか。

 

朝井:「好きなことを仕事に」とか「手に職」「副業」といったように、何かをやるのであればスキルとして身につけたり成長に繋げたりする方が良いとする風潮はありますよね。それはそれでいいと思いますが、「楽しい」だけにお金を使ったっていいじゃないと言いたいです。

 

学びにならなくてもいいんですよ。そもそも楽しくないと続けられないですし、義務感だけで続けようとして挫折して、「成長できない」と落ち込むのは悪循環。だから何かを身につけてものにする上で、「楽しい」や「好き」は最強だと思うんですよね。今はSNS時代ですから、もしかしたら「楽しい」を続けていった先で、その道の第一人者になれるかもしれません。自分が楽しめる好きなことを見つけたら、それを続ける。一見遠回りのように見える方法ですが、実は近道かもしれません。だから、「楽しい」という気持ちを大事にして欲しいですね。

 

私は「人生って大変」と思っているタイプなんです。生きていくのはしんどいけれど、生まれてきてしまった以上、生きていかないといけない。だったらどうにか楽しみたいと思っています。今の「楽しい」にフォーカスして、自分を楽しませるためにお金を使うのは、悪いことではないと思いますよ。

 

朝井

第三者はモブ。自分の楽しいを追求せよ

マネ活編集部:一人を楽しんでみたいと思いながらも、つい周りの目が気になってしまうところもあります。その心理的ハードルはどう越えたらいいでしょうか。

 

朝井:それは本当に自分との戦いでしかないんですよね。私がよく言うのは、「昨日どこかにご飯を食べに行ったとして、はす向かいのお客さんがどういう人で何人いたのか、思い出せますか?」。

 

マネ活編集部:思い出せないですね。

 

朝井:周りの人って、そんなに自分を見てはいないんですよ。たとえ、「うわ、あの人、 一人で来ている」と思われたとしても、その人と今後会ったり仲良くしなければいけないわけでもない。言ってしまえば、その人たちは私の人生にとってモブ。モブの視線を気にして行動が制限される方が嫌だなと私は思います。

 

マネ活編集部:「周りはモブ」、心のお守りにできそうな言葉です。コロナの流行により、密を避けて一人で行動する方も増えたと思いますし、ステイホームで「一人が好きなんだ」と気づいた方もいるでしょう。あらためて、これからのソロ活への想いをお聞かせください。

 

朝井:これまで「お一人様NG」だった飲食店でも、コロナ禍を受けて解禁するところが増えてきました。この流れは、コロナ収束後も続いてほしいですね。一人客は滞在時間が短くて回転数的にもプラスなので、一人で入りやすいお店が増えたらいいなと。

 

人の目を気にしたり、罪悪感を持ったりすることなく、自分が楽しいと思えることに対して気楽にソロ活できるようになるといいなと思っています。

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