NISAが何かわからない金融オンチが専門家にイチから教えてもらう

リリース日:2024/05/14 更新日:2024/05/17
篠田尚子
お話を伺った人
篠田尚子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

楽天証券資産づくり研究所 副所長 兼 ファンドアナリスト。慶應義塾大学法学部卒業。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。国内銀行にて個人向け資産運用相談業務を経験した後、2006年ロイター・ジャパン(現リフィニティブ・ジャパン)入社。傘下の投信評価機関リッパーにて、投資信託業界の分析レポート執筆や評価分析業務に従事。2013年、楽天証券経済研究所入所。2023年8月より現職。「トウシル」にて「今さら聞けない!一生役立つ投資信託のツボ」連載中。2024年4月に新刊『FP&投資信託のプロが教える新NISA完全ガイド』(SB クリエイティブ)を刊行。

新NISAについてイチから知りたい投資初心者の人必見!

積立投資に役立つ考え方やどんな銘柄がおすすめなのかなど、楽天証券資産づくり研究所副所長でファンドアナリストの篠田尚子さんに投資素人でもわかりやすいように丁寧に教えてもらいました。

  1. NISAは「税金がかからない投資」とだけ覚えよう
  2. 投資信託(ファンド)ってどんなもの? 初心者はとりあえず「全世界株式型/オールカントリー」で
  3. 「積立投資」の真髄を学ぶ
  4. 投資で重要なのは「やめない、続ける、めげない」こと

こんにちは、ライターのまいしろです。

 

最近なにかと話題のNISA。その恩恵を受けるために口座開設を早くした方がいいとは思いつつ、難しそうで最初の一歩が踏み出せないという方も多いのではないでしょうか。

 

かくいう私もそのひとり。金融の知識がまったくなく、「友だち同士でNISAなどお金の話が始まると黙りこくって水を飲む」「知人がオルカンの話をしていたが、何の話かわからずオルガンの言い間違いだと思っていた」というレベルの金融オンチです。

 

このままではダメだと、今回は専門家の篠田さんにNISAについてイチから教えてもらうことにしました。

 

篠田さんお手製のめちゃくちゃわかりやすい資料で説明いただきました(写真右が筆者)

NISAは「税金がかからない投資」とだけ覚えよう

まいしろ(以下まい):本当に根本的な質問なのですが、そもそもNISAって何なのでしょうか?

 

篠田尚子さん(以下篠田):ざっくりいうと「免税店」みたいなものです。免税店って、一定の条件下で消費税がかからずに買い物ができますよね。NISAも同じで「税金がかからずに投資できる」という権利なんです。難しく考えられがちですけど、実はそれ以上でもそれ以下でもないんですよ!

 

本当にゼロから優しく教えてくれる篠田さん

 

まい:税金を払わずにすむと、どれくらいお得になるのでしょうか?

 

篠田:利益の20%ぐらいですね。通常は、仮に投資をして100万円の利益が出たら約20万円の税金がかかりますが、NISAなら丸々100万円の利益を受け取れます。

 

まい:すごい! なんでそんなに税金を優遇してくれるんですか?

 

篠田:それだけ、政府が個人の資産形成(お金を貯めたり増やしたりすること)を後押しすることに本気だということですね。NISA自体は2014年に始まった制度ですが、2024年にリニューアルされて、いろいろできることも増えたんですよ。

 

リニューアルで変わったポイントは以下の3つです。

 

 

詳しく説明していきます。

 

まず1つ目は、期間限定ではなく、いつまでも使える制度になりました。以前は10年限定の制度でしたが、このたび恒久化されて、期間の縛りがなくなりました。そのため、「仕事が安定したら始めよう」「家を買ったからそろそろ始めたい」と、自分のライフプランにあわせて始められるようになりました。

 

まい:そもそも前が期間限定だったことを知らなかったので、知らぬ間に大変なことになっていなくてよかったです。

 

知らぬ間に大変なことになっていたかもしれなかったまいしろ

 

篠田:2つ目は、非課税で投資できる金額が引き上がりました。旧制度のつみたてNISAは年間40万円、合計800万円まででしたが、新制度は、年間合計360万円、1人あたり最大で1,800万円まで非課税で投資できるようになりました。

 

少し前に「老後に必要な資金は2,000万円」というニュースが騒がれたのを覚えていますか?新NISAでコツコツ積み立てを実践すれば、無理なく老後資金の2,000万円が貯められるようになっています。特に若い方であれば、毎月積み立てをすれば2,000万円は楽々クリアできると思いますよ。

 

まい:1,800万円までだと、なぜ老後に必要な2,000万円から、200万円だけ減らしてあるんでしょうか?

 

篠田:きれいに割り切れないからです。1,800万円の方が、「30日」「12カ月」といった積み立ての計算でよく使う数字で割ったときに計算しやすいんですよ。

 

まい:急に事務的な理由だ!

 

篠田:でも、実際は1,800万円を超えて投資することができます。保有する投資信託や株式を売却すると、翌年以降に、購入額相当分の非課税枠が復活します。

 

これを「非課税枠の再利用」と呼びます。この仕組みを使えば、実質的に1,800万円を上回る額を投資できます。

 

 

まい:うまく活用すれば、ずっと税金がかからずに投資ができるんですね。

 

篠田:注意してほしいのは、再利用の金額は、売ったときの金額ではなく買ったときの金額ということですね。100万円分投資をして200万円で売ったとしても、復活する非課税枠は100万円分になります

 

3つ目は、新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの非課税区分ができました

 

 

旧制度では、つみたてNISAか一般NISAのどちらかを選ぶ必要がありましたが、新NISAでは、2つの投資枠を同時に使うことも、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」のどちらかから始めることもできます。年間で投資できる金額の枠は、それぞれ120万円と240万円で合計360万円になりますね。

 

まい:すみません、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」って何が違うんでしょうか?

 

篠田: 「つみたて投資枠」は基本的に、時間をかけて資産を積み上げていく方法(積立投資)なので、手元にお金があまりない人や投資初心者向きといえます。選べる商品も、長期の積み立てと相性が良いものに限定されています。

 

一方、「成長投資枠」の方は「つみたて投資枠」からもう少しステップアップしたい人に向いています。購入方法が積み立てに限定されず、選べる商品の幅も広いです。

投資信託(ファンド)ってどんなもの? 初心者はとりあえず「全世界株式型/オールカントリー」で

まい:それでは「つみたて投資枠」で商品を購入しようと思います! 始めるにあたって何か選ばなくてはいけないと思うのですが、NISAで買える商品ってどんなものがあるんでしょうか?

 

篠田:「つみたて投資枠」は、初心者が失敗しにくい商品として、「長期」「分散」「積立」に適した投資信託が選定されています。これに対し、「成長投資枠」は、非課税枠も大きいので、幅広い種類の投資信託などが対象商品として認められています。

 

まい:本当にいまさらなんですけど…投資信託ってなんなんでしょうか?

 

恥ずかしさが顔に出てしまった筆者

 

篠田:複数の投資家からお金を集めて、ファンドマネジャーと呼ばれる運用のプロがお金を管理・運用するという仕組みの金融商品です。「ファンド」と呼ばれることもあります。投資家目線で見た場合、少額から投資できるというのが魅力ですね。

 

レストランで例えるなら、投資信託は料理で、運用を担う「プロ」はシェフです。株式や債券などの食材を市場から調達し、調理して、お料理としてお客様に提供するイメージです。

 

 

篠田:投資信託には、ざっくりと運用手法別に3つの種類があります。

 

 

1つ目がインデックス型。レストランで例えるならチェーン店ですね。マニュアルどおりの運用を行うことで価格を抑え、いつでもどこでも同じ味が食べられるのが魅力です。

 

2つ目がアクティブ型。こちらは、いわゆる個人経営のレストランをイメージしてください。シェフがこだわりの食材を仕入れ、腕を奮って料理を提供します。その分、価格帯もチェーン店と比べると高くなります。

 

3つ目がバランス型。株式、債券、不動産など、複数の商品を組み合わせて、1つで完結できるよう設計されたものです。これもレストランのメニューで例えるなら、「ワンプレートランチ」や「シェフのおまかせコース」といったところでしょうか。

 

まい初心者にはどれがおすすめでしょうか

 

篠田積み立てを実践するならインデックス型が良いと思います。インデックス型は、商品設計がシンプルでコストが抑えられているので、長期の積み立てと相性が良いのです。

 

まい:じゃあインデックス型を購入すれば良いのですね!

 

 

篠田:インデックス型といってもたくさん種類があるので、ます最初の1本として選ぶなら、「全世界株式型/オール・カントリー」と呼ばれるタイプが良いでしょう。世界中の株式市場を束ねた、「MSCIオール・カントリー指数」への連動を目指すインデックス型の投資信託です。

まい:これがあの噂の…!

 

篠田:「オール・カントリー」が投資対象としているのは、日本を含む先進国と新興国の株式です。株式市場の規模(時価総額)に応じて比率が決まっていて、アメリカが全体の60%超、日本は5%ぐらい、イギリスが3%程度です。新興国は全体の10%ぐらいです。

 

特定の国や地域だけでなく、多様な地域に投資をすることで、地域分散が実現できます。

 

まい:地域分散以外の分散投資も考えたほうが良いのでしょうか?

 

篠田:分散投資には「地域を分散する」ほかにも「商品を分散する」などいくつかの方法があります。ただ、今回のように積立投資をする場合、実は、「時間分散」がすでにできているんですね。なので初心者の方は深く気にせず、こつこつ積み立てるだけで十分リスクの管理はできていますよ!




「積立投資」の真髄を学ぶ

まい:「積立投資」って初心者でも始めやすい投資方法なのですね。いくらくらいから始められるのでしょうか?

 

篠田:楽天証券なら、投資信託は最少100円から、株式は1株から積み立てることができます。とはいえ、100円ではなかなか資産が積み上がっていかないので、理想は月1万円ぐらいを目指せると良いですね

 

まい:月1万円! 意外とすぐに始められそうな金額です。積立投資をするうえでまず覚えておいた方が良いポイントは、どんなことでしょうか

 

篠田:積立投資で重要なのは、同じ金額、同じ間隔で商品を買い続けることです。特にこの「同じ金額で買う」というところがすごく大事です。

 

まい:「今月は遊びたいから金額を減らそう」「価格が下がってるからこれはもう買うのをやめよう」とかはダメなんですね。

 

篠田:そうなんです。それをしてしまうと積み立ての効果が薄れてしまいます。では、ここで、積み立ての「カラクリ」を少しご説明しましょう。


そもそも、投資信託は、基準価額という「値段」が1日に1回公表されます。この基準価額は、「1万口あたり」の値段を指します

 

まい:口数あたりの値段…?よくわからないです…。

 

 

篠田:スーパーのパック売りのお肉をイメージしてみてください。100グラムあたりいくらという風に売られていて、特売日にはグラム数あたりの値段が安くなりますよね? 投資信託も同じです。「1万口あたり○○円」という考え方をするので、安い日(基準価額が下落した時)ほどたくさんの口数が買えてオトクになるんです

 

 

お肉は保存が難しいですが、投資信託なら「特売日」に買っても半永久的に保存できます。

 

まい:わ、わかるような、わからないような…?

 

篠田:そうですよね。では、ここでさらに理解を深めるためのクイズです。以下の4つのグラフのうち、毎月同じ金額を積み立てて5カ月間の基準価額の推移を表したものです。AからDの商品を毎月1万円ずつ積み立てた場合、 5カ月目の時点で一番投資リターンが大きいのはどれでしょう?

 

縦軸が基準価格、横軸が月数(時間)。縦軸の数字が違うことにも注意!

 

まい:えっ!(※ここで隣にいた編集さんに助けを求めるが目をそらされる)特売日があるといいんですよね? だから一番値段が下がっている「B」がもしかして一番良いのでは…?

 

篠田:すばらしい! そのとおりなんですよ。一番リターンが大きかったのはB、次はCです。

 

 

 

Bは、値段が下がった「特売日」に、より多くの口数を買うことができました

 

まい:投資って、Aのように上がり続けるものを買わないといけないんだと思っていました…!

 

篠田:よくある誤解ですね。Aのように、値段が上がり続ける商品を探そうとする人は多いですが、積立投資なら一時的に値段が下がったとしても、最終的に上がれば、利益を獲得できる可能性が高いのです。そもそも世の中に値段が上がり続ける商品なんてありませんしね

 

まい:値段が下がっても損をしないなら、どういうときに積立投資で損をするんですか?

 

篠田:グラフDのようなケースです。買った後に順調に上昇して嬉しくなって、その後下がった時に急に怖くなって積立をやめて、投資信託自体も解約してしまう。これをすると損失が確定してしまいます。

 

Dのような下落局面に遭遇したときに重要なのは、「続ける」ことです

 

 

まい:では、いつやめればいいんでしょうか

 

篠田:もしやめるなら、BやCのような「再び上がってきたとき」がやめどきですね。

 

積み立ての場合は、最初の値段に戻り切るまで待つ必要はありません。値段が下がったときもめげずに「特売日が来た!」と信じて買い続け、その後上がるのを待つんです。積立投資は継続が大切です。

投資で重要なのは「やめない、続ける、めげない」こと

まい:お話を聞いて早速NISAの口座を開設したい! という気持ちになってきたんですけど、始めるならやっぱり早い方がいいのでしょうか?

 

篠田:まずは証券口座を作って資産運用を意識するクセだけは、早いうちからつけるといいですね。実際に始めるのは収入が安定して無理せず続けられるようになってからで良いと思いますよ。

 

まい:自分でも投資について勉強したいなぁ、と思いSNSなどを見ているとさまざまな情報がありますが、ネットの情報はどれを信じればいいんでしょうか…?

 

篠田:ネットの情報は、正しいものもあれば、間違っているものもあります。間違いを避けるためにも、初心者の方は、SNSなどを見る前にまずは銀行や証券会社などのホームページを読んでみてください。各社、初心者向けのわかりやすいページを作っていますよ。

 

 

まい:楽天証券では、NISA口座も作れますよね。

 

篠田:そうですね。いまはスマートフォンの操作で簡単に口座を作れます。楽天グループの各種サービスと連携していただくことで、楽天ポイントが貯まったり、貯まったポイントを投資信託や株式の購入に充てたりすることもできます。

 

 

まい:最後に、これからNISAを始めたい方へのメッセージがあれば教えてください!

 

 

篠田:資産形成の中心である積立投資で重要なのはやはり、続けることです。

 

皆さん、基準価額が上がると嬉しくなってこまめにチェックしてしまう。そうすると、下がった時のショックが大きすぎて、焦って投資信託を解約したり、そもそも積み立てをやめてしまったりするんですね。積立投資で、一番邪魔になるのは人間の弱い心です。

 

そうならないように私がおすすめしているのは基準価額を毎日見ないようにすることです。

 

 

まい:肝に銘じます。

 

篠田:初心者の方なら基準価額は、1年に1回確認する程度で良いですよ! お誕生日など自分が覚えやすい日に「今年も頑張ってお金を貯めたな」と思って振り返るくらいがちょうど良いです。上がったときも下がったときも、あまり神経質にならないことですね

 

よく初心者の方に「どういう商品を選ぶのが良いですか?」と聞かれますが、積立投資ではどの商品を選ぶかよりも「やめない、続ける、めげない」ことが何より重要なんです。

 

まい:「値段が下がったときは特売日」「下がったときに絶対やめない」「そもそも値段を見ない」これだけ覚えてやってみます!

 

本日はありがとうございました!

インタビューの中で、篠田さんからは「気持ちが盛り上がったときにすぐに始める方がいい」というアドバイスもありました。

 

この記事を読んで始めようと思った方、忘れないうちにチェックしておきましょう!

取材・執筆:まいしろ
写真:小野奈那子
編集:はてな編集部




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