副業で「稼ぎ」「遊び」「学び」を満たす。あんみつさんに聞く個人で仕事をする秘訣

リリース日:2022/03/31 更新日:2022/06/06

VUCA(ブーカ)の時代と言われる現代。VUCAとはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った「将来の予測が難しい状況のこと」を表すビジネス用語で、コロナ禍の今、さらに不安定であり変化の激しい時代がきているといっていいでしょう。 こうした社会で生きていくため、フリーランスや副業など、個人で仕事を始める人が増えています。しかし、「自分には何もない」と思い込んでいる人もいるのではないでしょうか。そこで、今回は学生時代に未経験からデザイナーの世界に飛び込み、出張撮影サービスラブグラフ(2022年3月に株式会社ミクシィの子会社化・グループ入り)を学生起業したあんみつさんに、個人で仕事をするために大切なエッセンスについて伺いました。

更新日:2022/3/31

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  1. 学生起業した会社のCCOとして活動
  2. 「誰かの役に立つ」ことが仕事に繋がる
  3. 副業で「稼ぎ」「遊び」「学び」を満たそう
  4. 自信過剰と謙虚は別。仕事として自信を持つことが大切

マネ活編集部:あんみつさんのご活動内容について教えてください。

 

あんみつさん:出張撮影サービスを運営している株式会社ラブグラフのCCOをしています。7周年を迎えた会社で、起業したときは学生でした。CCOはチーフクリエイティブオーサーの略称で、デザインやクリエイティブ、ブランドの責任者として、プロダクトやデザインの意思決定、メンバーのマネジメントなど、広報・見せ方の部分を担当しています。
あと、副業で週末にバーの経営や香水のD2C販売も手掛けています。

 

マネ活編集部:あんみつさんは、過去に「未経験からデザイナーの世界に飛び込んだ」とTwitterや各種媒体でお話しされていますね。

 

あんみつさん:周りからは「なりたかったデザイナーになれていいね」と思われているんですが、実はデザイナーは私の中で最後に残った砦のような「なりたい」だったんです。小さい頃はモー娘。などのアイドルが好きだったので、もしかわいくて歌がうまかったらアイドルになりたかったなあと思いますし、ダンスがうまかったらダンサーにもなりたかった。挑戦したり努力したりしたものの、どれも才能がなくて、いろいろ諦めて。最後の最後、他の人より才能がありそうかなと思えたのがデザインだったので、そこに猛進したんです。おとなしい系といいますか、「営業とか絶対にできない!」というタイプの美術部タイプだったので、デザインの仕事ができなかったら生きていけないとまで思っていました。

 

マネ活編集部:未経験からインターンに飛び込んだそうですね。

 

あんみつさん:そうなんです。今でこそ、ラブグラフが行っている「Lovegraphアカデミー」やSHEが運営している「SHElikes」のような、スキルを身につけられるスクールや講座がありますが、当時はそうした場がなく、インターンに入って身に着けていくしか手段がなかったんですよ。インターン先では上司にダメ出しされてばかりで、「才能がなかったんだな」と落ち込みましたね。でも、デザインを手放すわけにはいかなかったので、とにかく食らいつきました。その上司に褒められるまで1年ほどかかっています。その後、ラブグラフを学生起業。就職し、副業として会社を経営していた時期を経て、今に至っています。

 

マネ活編集部:出張撮影サービスの会社を立ち上げられたのはなぜですか?

 

あんみつさん:学生デザイナーをしている中で、もっとピュアに自分が好きだと思えるものにデザインで貢献したいという思いが強まったんです。「それって何だろう?」と考えたときに思い浮かんだのが、家族やカップルなど、誰かが誰かを思う気持ちみたいなものだったんですよね。そんなときに、「友達カップルの写真を撮る活動を始めた」と言っている人をTwitterで見かけて。「いい!」と思ってやり取りを始め、一緒にラブグラフを創業しました。

 

ラブグラフを起業して1年目のあんみつさん。

学生起業した会社のCCOとして活動

「誰かの役に立つ」ことが仕事に繋がる

マネ活編集部:ラブグラフで活動しているフォトグラファー「ラブグラファー」の中には、副業の方もいらっしゃるのでしょうか。

 

あんみつさん:はい。副業が4割で一番多いですね。あとはフリーランスなど専業カメラマンが3割、学生が2割、その他が1割、という内訳です。

 

マネ活編集部:ご自身や周りの方、ラブグラファーの方を見ていて、個人で仕事ができるようになるために何が必要だと思われますか。

 

あんみつさん:「人のためになるかどうか」ですね。私は「役に立つ」が形になったものがお金だと思っていて。「好き」「楽しい」の一歩先、それが誰かのためになるところまで持っていけたら、副業を含め個人の仕事になると思います。

 

マネ活編集部:その一歩を超えるためにはどうしたらいいでしょうか。

 

あんみつさん:SNSで「好き」を発信できる人はたくさんいますよね。例えばカレーが好きだとして、「今日はこのカレーを食べた。おいしかった」みたいな発信を毎日するのは、「好き」の状態なんです。

 

これを続けられるのもとても素晴らしいことだと思っていますが、その状態ではなかなかお金には繋がらない。そこで大切になってくるのは、相手目線になることなんです。「このカレー店のこのメニューはこういう点が良くて、場所はどこで、周りには他にこういう店があります」と情報としてまとめて発信すると、「その街に行ってみよう!」となる人が出てくるかもしれませんよね。そうやって「好き」を相手目線から見たときに役に立つ形に変換、編集する視点が大切かなと。

 

これはラブグラファーでも同じなんです。撮影を仕事にするには、「写真が好き」のままではダメで、ゲスト(ラブグラフでのお客さんの呼び名)が撮ってほしいものを撮れることが大切。自分の撮りたいものを優先して「こういうポーズを撮ってください」ではダメなんですよね。

 

マネ活編集部:個人で仕事をするためには、まずとにかくスキルや資格をという方もいますが、大切なのは「役に立つこと」なんですね。

 

あんみつさん:スキルや知識も必要ですが、それはあくまでも手段なんですよね。ゲストが成人式の写真を撮ってほしいなら、晴れ姿が映える構図や光についての知識、着物の色を綺麗に出すためのレタッチや編集など、細かなスキルが必要になってくる。「喜んでもらうために、このスキル、知識が必要」という順番なんですよ。

 

先にスキルを身に付けるのも素晴らしいですが、仕事にするにはむしろ遠回りになってしまう可能性があると思います。海で泳いでいて、どの島に行きたいのか決まっていないのに「着かない!」「装備が悪いのか?泳ぎ方がダメなのか?」と言っている感じですね。

 

マネ活編集部:まずは行き先を決める。

 

あんみつさん:はい。その方が効率的だと思います。

 

副業で「稼ぎ」「遊び」「学び」を満たそう

マネ活編集部:あんみつさんは、副業をすべき人、そうではない人には違いがあると思われますか?

 

あんみつさん:「すべき人」に関しては、副業をやる3つの意味に該当する、得たいと思う人かなと思います。その3つの意味とは、「稼ぎ」「遊び」「学び」です。まずは稼ぎですが、今って本業で年収を上げていくのは難しいじゃないですか。そこを、副業で叶える。ラブグラフにも副業で月平均5万円、多い人だと20万円など、がっつり稼いでいる人がいるんですよ。未経験の方でも、Lovegraphアカデミーで学んで最短3カ月でラブグラファーデビューしています。

 

マネ活編集部:すごいですね!残りの「遊び」「学び」はどうですか。

 

あんみつさん:遊びは「楽しい」という意味だと思っていまして、私は仕事は遊びになり得ると思っているんですね。ゲームに例えると、本業のゲームソフトから週末は副業のゲームソフトに変えて、どっちも楽しむ、みたいな感じです。

 

学びは、そのままの意味ですね。本業だと会社のフェーズや事情で挑戦できないことも、副業なら自由です。例えば、今、私が仮想通貨のことをラブグラフでやることはできないけれど、副業で関連会社のデザインを手伝うことで学ぶ機会を得ることはできるといったイメージですね。

 

マネ活編集部:「副業をしない方がいい人」については、いかがでしょう。

 

あんみつさん:強いて言うなら、余裕がない人ですかね。さっきのゲームの例えでいうと、今のゲームで手一杯だったり、やり込むべきだったりするタイミングで、別のゲームも始めてしまう感じです。それだとどっちつかずになってしまうというか、まずは今のゲームをクリアした方がいい気がしますよね。まず仕事ができるようになりたい人、今の会社で成果を上げたい人の場合、本業だけに注力した方がいいタイミングはあるのかなと思います。

自信過剰と謙虚は別。仕事として自信を持つことが大切

マネ活編集部:あんみつさんの今後の展望についてお聞かせください。

 

あんみつさん:クリエイターがしっかり稼げる世界を作りたいと思っています。仕事で大変なとき、大好きな芸人の動画をYouTubeで見たり、バンドの曲をSpotifyで聴いたりして支えられてきたんです。どちらも無料で、課金できるときには課金するものの、「私が受けている恩恵はこんな額じゃ足りない!」と思っていて。もっと感謝をお金に変えてクリエイターに渡せる世界になってほしいと思うんですよ。そうした世界が、最近耳にするようになったNFTやweb3.0で実現に近づいていっていると思っていて、これからはNFT領域に注目していきたいと考えています。

 

マネ活編集部:ご自身で「副業」と位置付けているもう一つの会社での活動に関してはいかがですか?

 

あんみつさん:この仕事を始めた背景には、「ラブグラフだけでは救えない人がいる」という気付きがあります。パートナーや家族がいない人もいますし、人生にはハッピーじゃないときもある。私自身、独身ですしね。そんな人にも寄り添っていきたいなと思って「失恋バー」を開きました。ラブグラフが太陽、こちらが月といった感じで、こちらの活動も続けていきたいと思っています。

 

マネ活編集部:最後に、読者にアドバイスやメッセージをお願いします。

 

あんみつさん:「自信がない」と言われる方もいますが、謙虚と自信過剰とは別です。お金をもらう以上は副業も仕事ですから、お客様に「任せてください」と言える自信は持ってもらいたいですね。「僕、マジで料理下手で初心者だし、おいしいかわからないんですけど」と言い出す料理長がいるお店を想像してもらえたら発言のまずさがわかると思うんですけど、そんな状態になってしまっている人っているなと思うんですよ。まずは「任せてください」と自信を持ち、その上で周りの同業者へのリスペクトを持つことが「謙虚」だと思っています。

 

あとは、SNSなどで「副業が上手くいっている人」を観察したり、先を行く人の中からロールモデルになる人を見つけ、道筋を見ながら後を追ってみたりするのもいいと思います。私もいつもロールモデルを据えていて、道しるべにしているんです。例えばフォトグラファーにもさまざまな道があるように、ある仕事一つを取ってみても向かえる方向は幅広い。目指したい先を明確にするのが成功への近道だと思いますね。

あんみつ
この記事を書いた人
あんみつ

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

株式会社ラブグラフ共同創業者CCO。同志社大学在学中からWebデザイナーとして活動。新卒で入社したリクルートホールディングスを3ヵ月で退職し、大学在学中に立ち上げた出張撮影サービスを運営する株式会社ラブグラフのCCOを務める。2022年3月ミクシィにグループイン。経営戦略、ブランディング、デザイン、開発、マーケティングに至るまでマルチにこなす女性Webクリエイター。

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