初心者におすすめの資産運用とは?投資予算は毎月の貯蓄額の何%位が目安か。

リリース日:2021/11/17 更新日:2023/08/31

資産運用は、銀行の普通預金・定期預金や証券会社の投資信託などを利用します。初心者は貯蓄を預貯金と投資にどう配分するかを考えるところから始めるのが良いでしょう。ここではライフプランに合わせた資産運用を説明しています。

  1. 資産運用とは
  2. おすすめの資産運用は
  3. 資産運用の種類
  4. 投資予算は、貯蓄の何%程度が目安?
  5. 資産運用で失敗しないためには

資産運用とは

資産運用とは

・家計の収支と貯蓄
「資産運用」を理解するために、まず家計における収入・支出・貯蓄の関係を把握しましょう。この3つは「貯蓄=収入-支出」という関係にあり、資産運用はこのうち貯蓄の部分に深く関わっています。家計の収支が黒字であれば、貯蓄は増えていくでしょう。資産運用では貯蓄として貯まっていくお金を、預貯金や投資へ配分しながら、目標に沿った形で増やしていきます

 

・ライフイベントに必要なお金
人生にはいくつかのライフイベントとよばれるものがあります。大きなライフイベントといえば、就職・転職や結婚、出産・子育て、住宅購入など。こうしたイベントごとに、自分はどれだけお金を必要とするのかを見積もっていきます。さらにその先には、老後資金の準備も計画しておかなければなりません。

 

そのお金をどう調達していくかを含めた人生設計がライフプラン・ファイナンシャルプランとよばれるものです。必要となるお金の準備を効率的に実行していくことが、資産運用に求められます。

 

・預貯金と投資の配分
資産運用を効率的に行うためには、貯蓄しているお金を「預貯金」と「投資」に配分します。「預貯金」はそう遠くない将来に使うお金。リスクが小さい金融商品で確実に貯めていきたいお金です。「投資」は、老後資金など長い期間をかけて、大きく増やしておきたいお金。ある程度のリスクを取りながら増やしていくお金です。

 

目標となるライフイベントをその時期により、短期的・中期的・長期的なものに分類し、預貯金・投資へと配分していくのです。もしこの配分が上手にできなかったら、どうなるでしょうか。

 

例えば資産をすべて預貯金で持っていたとしましょう。これは、20年、30年と使う予定のないお金をリターンが期待できない金融商品で持ち続け、お金を増やすチャンスを逃していることになります。

 

逆に、資産をすべて投資に回してしまうとどうなるでしょうか。リスクのある金融商品では、リターンが期待できますが、値下がりする可能性もあるのです。5年後に使うと決まっているお金が、その時期に大きく値下がりしてしまっているかもしれません。

 

こうしたことが、資産運用の基本的な考え方となります。

おすすめの資産運用は

おすすめの資産運用は

・年代やタイプによるおすすめの資産運用
20代、30代では子どもの教育資金や、マイホームなど住宅購入へ向けたお金の準備に関心が高いと思います。こうしたお金の準備には、リスクの低い預貯金での運用がおすすめ。例えば子どもが大学進学する時期に、資金が大きく目減りしているといったことは避けたいものです。普通預金や定期預金の利用が良いと考えられます。全体的な資産に余裕があり、もう少し高い利回りを望むということであれば、公社債を中心とした投資信託も選択肢となるでしょう。

老後の生活資金へ向けた準備は、長期的な目標となります。ここではリスクを取りながら資産を増やしていく、投資の考え方が必要で、20代・30代でも資産の一部を投資に配分しておきたいところです。本格的な老後資金の準備は、40代を過ぎてからという場合も多いと思います。

 

こうした投資でおすすめしたいのが、投資信託の活用。20代・30代ではリスク・リターンが大きめの株式中心の投資信託が良いかもしれません。40代・50代からであれば、株式とともに債券や不動産にも分散投資する「バランスファンド」もおすすめです。

・長期投資でおすすめしたい運用方法
資産運用の解説では「長期・分散・積立」というフレーズがよく出てきます。「分散」は投資する資産の種類や銘柄を、ひとつではなく複数にしておくということです。目的はリスクの低減です。

 

もし老後資金を長期的に1銘柄の株式で準備するとしたらどうなるでしょうか。その企業が倒産してしまうとほとんどの資金が失われてしまいます。同様に老後資金を1つの投資用不動産でまかなうのも、リスクが大きすぎると思われます。老後資金が空室や災害のリスク、値下がりのリスクに左右されやすい状況になってしまうでしょう。

 

そのようなリスクを避けるため、国内外の株式・債券・不動産など、数ある資産の中から適切に選んでリスクを分散します。分散投資を自分で実行するのは難しいのですが、投資信託を活用することで解決できます。資産の組み合わせによりリスク・リターンが変化するので、自分に合ったものを選択するのが良いでしょう。

 

・積立による時間の分散
「積立」は時間の分散とも考えられます。個別銘柄の株式よりもリスクが小さいとはいえ、投資信託も価格が大きく上下に変動します。こうしたときに役立つのが「ドルコスト平均法」という考え方です。これは毎月一定の金額で、購入可能な口数の投資信託を積み立てていく手法。価格が高いときには少ない口数を購入し、価格が安いときに多くの口数を購入することになります。これにより長期的な購入単価が平準化されていくのです。

 

貯めておいたお金で、一度に投資信託を購入するとどうなるでしょうか。安く大量に購入できればよいのですが、多くの資金を高い価格での購入に使ってしまうことも考えられます。将来の値動きを予測できない状況で、できるだけ購入単価を下げておきたいところですが、これを実現するのが積立なのです。長期的な資産運用で、覚えておきたい考え方です。

資産運用の種類

資産運用の種類

・預貯金に向いた金融商品
収益よりも安全性を重視するのが預貯金。いつでも引き出して使える「流動性」もポイントです。この場合おすすめなのは銀行の「普通預金」「定期預金」「積立定期預金」などです。普通預金では、自由に預け入れと引き出しができます。利子が付きますが、あまり収益性は期待できません。定期預金では1年・3年など一定期間引き出せませんが、利子は普通預金よりやや高くなります。

 

これらの金融商品は「預金保険制度」の対象になっています。万が一金融機関が破綻した場合でも、金融機関ごとに預金者1人当たり1,000万円までの元本と、破綻日までの利息などが保護されるという制度です。安全・確実に準備したい資金は、こうした金融商品で運用するのが良いでしょう。

・投資に向いた金融商品
安全性よりも収益を重視するのが投資。元本割れするリスクがあったとしても、長期的に大きな収益が期待できる金融商品で運用します。初心者におすすめするのは「投資信託」。株式や債券などに分散投資したパッケージ商品で、運用は専門家がおこないます。

 

投資対象となる資産・地域の組み合わせにより、「国内株式」「海外株式」「国内債券」「海外債券」「国内不動産」「海外不動産」「コモディティ」などがあり、安全性や収益性はさまざまです。一般的に株式の割合が多いと安全性は低いですが収益性が高くなり、債券が多いと反対に安全性は高まりますが収益性は低くなります。また海外資産を含めると、より広い地域への分散投資が可能となるでしょう。

 

投資信託選びでは、リスクが取れる若いうちは株式の割合が多いものを、リタイアが近くなりリスクを抑えたいときには債券の割合が多いものを選ぶという考え方があります。資産運用では、自分のリスク許容度に応じて、金融商品を選ぶようにしましょう。

投資予算は、貯蓄の何%程度が目安?

投資予算は、貯蓄の何%程度が目安?

・収入の何%を貯蓄するか
収入から支出を差し引いた黒字の部分が、貯蓄に回せる部分です。ここには預貯金と投資が含まれます。支出や貯蓄の割合でよく知られているのが「50/30/20ルール」。収入のうち50%を必要なものの購入に、30%を欲しいものの購入に、残りの20%を貯蓄にあてるという考え方です。実際には貯めやすい時期と貯めにくい時期が存在します。たとえば子どもが大学進学するという時期には、ほとんど貯蓄ができないこともあります。

 

2019年全国家計構造調査の「勤労者世帯の実収入及び消費支出(総世帯)」のデータを確認してみましょう。世帯主の平均年齢46.6歳、平均世帯人員2.38人という世帯では、実収入が44万8,693円で、支出を差し引いた黒字が12万4,167円でした。黒字を貯蓄とすると、収入の約28%が貯蓄に回せる分とみることができます。

・貯蓄の何%を投資に向けるか
それでは貯蓄のうち、安全性重視の預貯金、収益性重視の投資にそれぞれどのくらい配分するかを考えてみましょう。この割合は、年代やライフイベントの状況によって変化します。20代・30代は、教育費や住宅資金など、安全性を重視したい資金を準備する時期。確実に貯めたい部分を預貯金に回し、余裕があれば長期的な投資へ配分することができるでしょう。預貯金の割合が多くなる時期と考えられます。

 

40代以降、リタイアまでの10年~30年の間は、老後資金の準備へ向けた投資に貯蓄の多くの部分をあてることになると考えられます。ただし時期が決まっているリフォームや旅行などの予定があれば、その分だけは預貯金で貯めることになるでしょう。このように貯蓄の何%を投資に向けるかは、ライフステージによって見直しが必要になるのです。

資産運用で失敗しないためには

資産運用で失敗しないためには

・資産運用で気を付けたいコスト・税金・金利
資産運用で投資を考える際には、投資信託の活用が便利です。しかしここで気を付けておきたいのが、年0.5~2.0%程度かかる「信託報酬」。運用にかかる費用として、信託財産から差し引かれるお金です。投資信託を選ぶ際には信託報酬をチェックしましょう。高ければ高いほど、長期的な影響は大きくなります。

 

また資産運用では、税金への対策も必要です。非課税制度の「NISA」と「つみたてNISA」、所得税・住民税の節税効果がある「iDeCo」といった、投資を有利にする制度を使うと良いでしょう。こうした制度は、銀行や証券会社で利用できます。

 

預貯金については、金利が少しでも高い銀行を選びたいところ。たとえば楽天銀行では、楽天証券との連携で金利の優遇を受けられるマネーブリッジがあります。

 

・資産運用の方針は定期的に見直しを
資産運用では、毎月どれだけ貯蓄をするか、預貯金と投資の配分をどうするかといったことを管理していきます。年齢や家族構成、収入などの変化によって、最適な数字も変わってくるため、定期的な見直しが必要となるのです。

 

初心者がこれから資産運用を始めるというのであれば、まずは家計の収支が黒字になっているか確認し、貯蓄できる金額を把握しましょう。最初に貯めたいのは、生活費3~6カ月分程度の緊急用資金。それから将来のライフプラン実現という目的に沿って、貯蓄額を調節したり、預貯金と投資の配分を決めたりしていくのが良いでしょう。

 

資産運用にはさまざまな金融サービスを利用します。普段使うお金や、すぐに使える形で貯めておきたいお金などは、楽天銀行などネット銀行での預貯金が便利です。そして投資で長期的に増やしたいお金については、楽天証券などネット証券の利用がおすすめです。さらには運用資金の出し入れなどでは、銀行と証券を連携させるマネーブリッジもあり、時間と手間を節約することができます。初心者の場合、まずは資産運用に対する考えをまとめ、使いやすいツールとして銀行・証券の口座を開設していきましょう。

このテーマに関する気になるポイント!

  1. 資産運用とは?
    家計の収支における黒字部分を貯蓄に回し、預貯金と投資に配分することです。

  2. おすすめの資産運用は?
    預貯金は安全性の高い金融商品で運用し、投資は収益性を重視した金融商品で長期的な分散投資をするのが良いでしょう。

  3. 資産運用の種類は?
    預貯金と投資に分類できます。預貯金としては、銀行の普通預金・定期預金。投資におすすめなのが、証券会社の投資信託です。

  4. 投資予算は、貯蓄の何%程度が目安?
    貯蓄は収入の20%程度が目安です。そのうちいくら投資予算にあてるかは年齢やライフイベントの時期に応じて変化します。

  5. 資産運用で失敗しないためには?
    ライフプランに合わせた、資産配分の定期的な見直しが大切です。
黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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