つみたてNISAの非課税期間が終わる20年後はどうしたらいいの?

リリース日:2021/03/22 更新日:2024/08/28

20年間非課税で投資を行うことができるつみたてNISAですが、非課税期間が終わった後は、一体どうなってしまうのでしょうか?20年間が過ぎた後に取れる選択肢と、20代、30代の人におすすめの運用方法についてご説明します。

 

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  1. NISAのようにロールオーバーできない
  2. 1.売却して現金にする
  3. 2.もう一度つみたてNISAの枠を使う
  4. 3.課税口座で引き続き運用する
  5. 4.iDeCoに移し替えて運用する

NISAのようにロールオーバーできない

NISAのようにロールオーバーできない

つみたてNISAと似た制度に、NISAがあります。つみたてNISAの投資額が年間40万円までであるのに対し、NISAの投資額は年間120万円までです。

 

また、つみたてNISAの非課税運用期間は20年ですが、NISAの場合は5年です。つまり、高額を短期間で運用するのがNISA、低額を長期的に運用するのがつみたてNISAということになります。投資先も、NISAでは株式やREITに投資可能であるのに対し、つみたてNISAでは不可となっています。これは、つみたてNISAがよりリスクの低い投資商品のみに限って利用可能とされているためです。

 

NISAのようにロールオーバーできない

さて、非課税運用期間が5年しかないNISAですが、ロールオーバーという制度を利用することで、再度5年間、非課税投資として資産を運用することが可能です。これは、翌年のNISAの投資可能枠を利用することで、それまでの投資額を引き続き非課税で運用できるようにするという制度です。これを利用すると、もしも保有資産が120万円を超えていた場合でも、全額を非課税口座で引き続き運用することができます。

 

一方、つみたてNISAにはこのようなロールオーバー制度がありません。20年を過ぎた後は、なんらかの対処をとらなければいけないのです。

1.売却して現金にする

1.売却して現金にする

20年経過後のつみたてNISAをどうするかを考えたときに、一番簡単なのが「現金化する」という方法でしょう。もっとも、売却は20年待つ必要のない方法です。つみたてNISAは「つみたて」という名前がついてはいますが、要するに投資です。投資した金融商品が値上がりしたタイミングで随時売却すれば、売却益を非課税のまま受け取ることができるので、20年の間に随時売買を行い、利益を得ていくのが賢い方法だといえるでしょう。

 

もちろん、長期的に上がり続けると考える場合は、そのまま金融資産を保有し続けて20年キープすることも可能です。その場合でも、非課税期間が終了するまでの利益に関しては、税金を課せられることはありません。

 

ただし、20年待って非課税期間ぎりぎりになってしまうと、高値で売れるタイミングをつかみ損ねる可能性もあります。売却を考えている場合は、ある程度余裕を持っていつ売るのが一番得なのかを検討する必要があるでしょう。




2.もう一度つみたてNISAの枠を使う

つみたてNISAをロールオーバーすることはできませんが、再びつみたてNISAとして投資をすることはできます。しかし、ロールオーバーをするわけではないため、年間の投資額は40万円までです。それを超えた分については、ほかの対応をする必要が出てきますし、年間の投資枠をすべて使ってしまうため、それ以上の運用もできません。方法として可能でも、あまり大きなメリットはないといえるでしょう。

3.課税口座で引き続き運用する

つみたてNISAは非課税ですが、20年間経過することで運用を続けることができなくなります。売却せずに引き続き運用をしたいという場合は、課税口座に資産を移管し、そこで運用を行うことになります。

 

ただし、課税口座への移管には注意も必要です。なぜなら、つみたてNISA口座から課税口座に移管した時点での保有金額が“購入額”とみなされてしまうからです。

 

つみたてNISA口座の資産を課税口座に移管した場合、非課税期間中の利益について課税されることはありません。そのため、非課税期間中に保有資産が増加していた場合はメリットがあるといえるでしょう。一方、値下がりしてしまっていた場合はかえって損をしてしまう可能性があります。

 

たとえば、つみたてNISA口座で40万円分の金融資産に投資し、20年間運用した後の評価額が20万円になっていたとしましょう。この場合、利益は出ていないため、どちらにせよ課税されることはありません。

 

これを課税口座に移管した後、評価額が上昇し、購入時と同じ40万円になったため売却をしたとします。この場合、実際には利益は出ていませんが、課税口座移管時と比較すると20万円の利益が出ていることになり、この分について課税されてしまうのです。

4.iDeCoに移し替えて運用する

4.iDeCoに移し替えて運用する

これは、最初にご紹介した「売却」との合わせ技です。売却した後の資産をiDeCoに移し替え、再び投資信託などを購入することで、再度非課税で資産運用を行うことができるようになります。iDeCoでの運用益も非課税のため、つみたてNISAで得た利益を元手にさらに非課税で運用を続けることができるというわけです。

 

もちろん、最初からiDeCoを利用するという方法もありますが、iDeCoは一度始めてしまうと資金を途中で引き出すことができません。20代、30代の方は、まずは自由度の高いつみたてNISAから始めて、ある程度生活基盤ができあがる40代、50代になってからiDeCoに移行するのがオススメします。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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平林恵子
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
平林恵子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

人事労務関係の仕事からライターへ転身。経験を活かしてコラム執筆を行っています。2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。

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