理論株価とは?株価の計算方法や、成長株を長期保有するうえで知っておくべきことを解説

リリース日:2022/04/06 更新日:2026/01/08

「あの時買っておけば…。」と後悔した経験はありませんか。企業の本当の価値を測る「理論株価」を知ることで、そんな後悔を減らせるかもしれません。

理論株価とは、企業の財務情報や利益の予想をもとにした計算上の株価です。もし理論株価が市場価格よりも大きく上回っている場合、将来的に株価が大幅に上昇し、「テンバガー銘柄」と呼ばれる10倍株へ成長する可能性もあります。

ここでは、理論株価の考え方と具体的な計算方法などを徹底解説します。賢い投資家への第一歩を踏み出してみませんか。

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  1. 理論株価とは
  2. 成長株を長期保有するうえで知っておくべきことは?
  3. テンバガーとは
  4. 理論株価を上手に活用するには
  5. 株価と理論株価の関係は?
  6. 理論株価の計算方法は?

理論株価とは

金融をイメージした地球儀

理論株価とは、企業に関するさまざまな情報や予測をもとにした企業価値から算出された理論上の株価です。理論株価を求める計算式には多くの種類があり、ただ1つに決まっているものではありません。

 

また、企業価値についての考え方はさまざまです。信頼できる計算により企業全体の価値を算出し、それを発行済株式数で割れば、企業価値に基づいた株価、いわゆる理論株価を求めることができます。

 

導き出した理論株価と市場での株価を比較すると、株を売買する場合の判断基準のひとつとすることができるのです。

 

理論株価を求める計算式には、企業の価値を「財産価値」と「事業価値」に分けて考え、最終的に合算するものがあります。財産価値は、企業が保有する財産の価値のことです。

 

ただし、実際には有利子負債を差し引くなど、資産ごとに流動性や現金化のしやすさを考慮して金額を調整することがあります。財務諸表でいうと、貸借対照表に載っている資産を合計した数字を使います。

 

事業価値とは、会社が運営する事業の価値のことです。計算で使うのは、企業が事業を通じて将来得られるであろう利益やFCF(フリーキャッシュフロー)などです。財務諸表でいうと、損益計算書やキャッシュフロー計算書の数字を使います。


一方、株価には市場での株価というものもあり、こちらの方を一般的な株価として想像される人が多いかと思います。市場での需要と供給のバランスにより、実際に売買取引される場合の株価のことです。

 

もし投資家が全員同じ理論株価を算出していれば、すぐにその価格まで買われて株価が動かなくなるでしょう。しかし現実にはそうなりません。

 

投資家の予想は人それぞれですし、理論株価以外の基準で株式を売買している投資家もいます。市場での株価が、ある理論株価の10分の1しかない、ということもあり得るのです。

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成長株を長期保有するうえで知っておくべきことは?

徐々に増えていく硬貨と木の模型

理論株価を算出する計算式が、将来得られるであろう利益を強く反映するタイプの計算式であれば、成長性が高い企業の理論株価はより高い数字となるでしょう。

 

もし市場での株価が、この高い成長性を織り込んでいないのであれば、理論株価と比べてかなり安い価格で放置されていることになります。そのような企業の株価は、多くの投資家の注目を集め、長期的には理論株価に近づいていく可能性も考えられます

成長株

成長株とは、売上高や経常利益といった業績が、年々大きく伸びている企業の株のことです。将来的にも高い成長率が期待される銘柄は、市場でも高く評価され、株価が上昇していく傾向があります。こうした成長株は、その時代のテーマとなっている業種や、最先端の技術を持っている企業に多く見られます。

 

成長株を見つけて投資することは、「成長株投資」もしくは「グロース株投資」と呼ばれる、割安株を狙う「バリュー株投資」と対比して使われます。

成長株投資で知っておきたいポイント

高い成長率が見込まれ、長い目で見れば株価が大きな上昇が期待できる「成長株」。このような銘柄が成長率に見合った株価に達するには、ある程度の時間がかかることもあります。

 

成長株の長期保有では、いくつか知っておきたいポイントがあるので紹介しておきましょう。

成長株投資で知っておきたいポイント

まずは、短期的な値動きに左右されて売却しないことが大切です。10年でも20年でも保有し続けるつもりで購入することをおすすめします。そのためには常に事業の成長性を確認し、その企業をよく知ることが大切です。


次に、PER(株価収益率)をあまり気にしないことです。PERは、株価が企業の1株あたり利益の何倍に相当するかを示す指標です。一般的に、PERが低ければ割安、高ければ割高と判断されることも多く、売買の目安として使われます。しかし、PERは主に当期の予想利益をもとに計算されるため、将来の成長性まで十分に反映されているとは限りません。

 

また、一時的な利益の落ち込みでPERが高くなることもあれば、長期的な高い成長性を市場が見込んだ結果、PERが高い状態が続くこともあります。




テンバガーとは

テンバガーとは

成長株の中でも、特に株価が大きく上昇し、10倍以上になった銘柄やその可能性がある銘柄を「テンバガー銘柄」と呼ぶことがあります。テンバガーは英語の「ten-bagger」、野球の成績でいう「10塁打」のことです。

 

1試合で10塁打を記録するほどの勢いで株価が急騰するという意味で、米国のウォール街で株価が10倍になった銘柄を指す言葉として使われ始めました。


米国のIT企業ではAppleやAlphabet(Google)なども、株価が10倍以上の値上がりをしてテンバガー銘柄になりました。現在の株価を見ると、「安い時に買っておけば大きな利益を得られただろう」と惜しく思う人も多いのではないでしょうか。

 

日本の株式市場でも、数多くのテンバガー銘柄が誕生しています。有名なテンバガーとして、半導体関連のレーザーテック株式会社(6920)があります。

 

2019年6月28日時点の高値が2,135円だったところ、2024年6月30日時点で3万6,090円と約16.9倍に上昇しました。

時価総額が小さめの中小企業株では、始めは規模が小さく株価の安い企業だったとしても、業績の急上昇や事業の拡大などをきっかけに、テンバガーを達成することもあるかもしれません。

 

最近では、IT関連などの企業で多く見られる現象です。それ以外でも、もともと大きな企業がテンバガー銘柄になるケースも存在します。

 

大企業でも業績が低迷した状況が続くと、株価が安値のままになっていることがあります。市場環境の変化で業績が拡大し、注目されてテンバガーを達成することがあるのです。

理論株価を上手に活用するには

株価チャートと虫眼鏡

テンバガーを達成する成長株を見つける場合、理論株価が役立つツールとなります。ただし、活用する場合には注意すべき点もいくつかあります。


まず理論株価は計算する人や使われる計算方法によって大きく異なる場合がある点に注意が必要です。雑誌やWEBサイトなど、株価情報のメディアでは独自の理論株価を紹介していることがあります。

 

同じ銘柄でも、計算方法が異なれば理論株価も異なります。計算方法の詳細が掲載されていることもあるので、確認しておきましょう。


計算結果として出てくる理論株価の違いは、将来の利益予想からも生じてきます。企業が販売する商品やサービスがどれだけ売上高を伸ばすのか、企業のコストは増えるのか減るのか、そういったことも、市場や企業を分析する人の見方によって、少しずつ違ってくるでしょう。

 

将来の業績予想が、どのような根拠に基づいて算出されているのかを説明している箇所があれば、内容をよく確認して、信頼性などを慎重に判断しましょう。


十分に信頼できる理論株価があり、市場での株価と比較して割安と判断できる場合、その株への投資を検討する価値があります。


ただ、注意が必要なのは、理論株価の前提となる成長シナリオが崩れた場合です。長期での保有を前提に購入した株式も、状況によっては保有を続ける理由がなくなってしまうかもしれません。信頼できる理論株価を根拠に成長株を保有している場合でも、その企業の動向には注目し続ける必要があるでしょう。

株価と理論株価の関係は?

株価チャートと考える男性

理論株価は、企業の資産や利益といった数字を計算式に当てはめて算出します。一方、一般的な株価は市場での需要と供給によって決まります

市場での株価の決まり方を確認しておきましょう。投資家はある株式について、「何円」で「何株」買いたい、または売りたいという注文を出します。

 

市場に集まった注文は「板」と呼ばれる表の板情報に整理されます。価格を指定しない「成行注文」や高い買値、安い売値を優先的に約定していくと売買注文のバランスが取れていき、株価が決まるという仕組みです。

売買注文のバランスが取れている状態から、買いたい人が増えると、より高い株価の売り注文が成立しやすくなり、株価は上昇します。逆に売りたい人が増えると、より安い買い注文が成立しやすくなり、株価は下がります。

市場参加者は理論株価をもとに売買している人だけではなく、国際情勢や金利、市場の値動きなどの情報を見ながら売買する人もいます。このような状況下では、市場での株価と理論株価は、一致していない状態のことが多いでしょう。

理論株価と市場での株価が一致していない時には、理論株価の方が市場の株価よりも10倍高いというケースもあるかもしれません。理論株価の信頼性が高い場合は、その銘柄は割安と判断することができ、成長株として、成長性を見極めながら長期保有を検討する価値があります

 

理論株価と市場での株価が一致している場合は、現在の株価は適正で、投資しても利益が出にくいと判断できるでしょう。要するに、理論株価と市場での株価が一致しないときに、投資の動機が生まれるのです。

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理論株価の計算方法は?

理論株価の計算方法にはさまざまありますが、先に説明したシンプルなタイプの計算方法を式に表すと以下のようになります。各項目について詳しく見ていきましょう。

理論株価の計算方法

理論株価=(財産価値−有利子負債+事業価値)÷発行済株式数

財産価値は財務諸表の貸借対照表から読み取ることができると上述しました、企業の資産は貸借対照表の左側に記載される数字です。ただし、会社が持っている建物などの資産は、貸借対照表に載っているそのままの金額で現金化できるとは限らないため、多くの場合、項目によって小さめに見積もります。

 

有利子負債は借入や負債を合計したもので、貸借対照表の右側を見るとわかる数字です。有利子負債は、企業の価格を考える場合マイナスになります。

事業価値を計算するのに必要な数字は、財務諸表のキャッシュフロー計算書に関連している企業が事業を通じて将来得られるであろう利益やFCF(フリーキャッシュフロー)などであると上述しました。

 

営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足した「フリーキャッシュフロー」は、企業の稼ぐ力を評価する尺度です。企業が活動した結果手元に残る、自由に使える現金といった意味合いです。

 

このフリーキャッシュフローについては、数年分を予想して積み上げていきます。この数字は、計算する人の考え方によって違ってくる部分となるでしょう。

「財産価値−有利子負債+事業価値」は企業全体の価値を表しているので、株式市場での時価総額を理論的に計算したものといえます。この数字を発行済株式数で割ると、1株当たりの理論株価になるというわけです。

株式投資にはさまざまなタイプがあります。デイトレードによる短期的な投資もあれば、老後資金を準備するための長期分散投資というのもあります。いずれにしても、企業が手にする利益が今後どのように推移していくのか、丹念に見ていくことが必要です。

理論株価を算出し、テンバガーを狙うような長期投資を行うには、計画的な資金管理が重要です。楽天カードは、日々の支出をスマートに管理し、ポイント還元で賢く資産形成をサポートします。

 

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※この記事は2025年9月時点の情報をもとに作成しております。

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このテーマに関する気になるポイント!

  • 割引率は理論株価の計算にどう影響しますか?

    割引率は、将来得られると予想されるキャッシュフローを現在の価値に換算する場合に用いられる利率です。

    割引率が高いほど将来のキャッシュフローの現在価値は低く評価されるため、理論株価も低くなる傾向があります。企業のリスク度合いなどによって設定されます。

  • 株価指標は理論株価以外にどのようなものがありますか?

    理論株価以外にも、株価の割安・割高を判断するための株価指標には、PBR(株価純資産倍率)やROE(自己資本利益率)、配当利回りなどがあります。これらはそれぞれ異なる側面から企業価値や収益性を評価するものです。

  • 市場価格が理論株価から大きく乖離している場合、どのようなリスクがありますか?

    市場価格が理論株価から大きく乖離している場合、その乖離が修正される過程で株価が大きく変動するリスクがあります。

    特に市場価格が理論株価よりも高い場合は、過大評価されている可能性があり、株価調整のリスクが高まります。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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