「保険証をなくしてしまった！」と思ったら、まずすべきなのは、警察に届けることです。財布に入れていた保険証を財布ごとなくしたというような場合は、誰もが警察に届けるでしょう。しかし、保険証だけが見当たらないような場合では、「警察に届けるほどのことでもない」と思ってしまう可能性があります。保険証は身分証代わりにもなる公的な書類のひとつですから、なくしてしまったときは警察への届け出が必要です。

最寄りの警察署や交番へ行って、「保険証をなくしてしまった」「落としてしまったかもしれない」と伝えましょう。「遺失届出書」という書類を提出することになりますが、具体的な書類の書き方などは、その場で教えてもらえます。

ちなみに、ひったくりにあった、空き巣にあったなど、保険証を奪われたということが明らかな場合は、警察で被害届を出すことになります。なくしたときの状況も警察で聞かれることになるので、正しく答えましょう（はっきりしない、というときはそのように伝えれば大丈夫です）。

警察への届け出が済んだら、次に保険証の発行元に連絡します。会社員の場合、国民健康保険に加入している場合など、ケース別の届け出方法を見てみましょう。

【会社員の場合】

会社の健康保険に加入している会社員が、自分の健康保険証をなくしてしまった場合は、勤務先の総務部など、健康保険や社会保険関係の手続きを行っている部署に相談しましょう。会社を通して、健康保険組合に再発行してもらいます。

【会社員の家族の場合】

会社員の扶養に入っている家族が健康保険証をなくしてしまった場合も、健康保険組合に加入している会社員を通して勤務先に連絡します。

【任意継続で加入している場合】

会社を退職後、任意継続で働いていたころの健康保険に加入し続けている場合は、自分で健康保険組合に紛失の連絡をしてください。

紛失の際の手続き方法は、各健康保険組合のホームページなどに記載されているので、確認してみましょう。また、健康保険組合に電話をして、手続き方法を確認することもできます。

【国民健康保険に加入している場合】

国民健康保険に加入している人は、住んでいる地域の保険年金課に行って、再発行手続きを取ります。手続きに行くときは、マイナンバー（世帯主となくした人のもの）と、本人確認書類を持参してください。

保険証の再発行にかかる手数料と期間は？

保険証の再発行にかかる手数料は、それぞれの健康保険組合の制度や、失くした理由などによって異なります。無料の場合もあれば、1枚1,000円程度かかることもあるので、自分の場合を確認しておきましょう。

また、再発行期間は通常1～2週間程度です。ただし、国民健康保険に加入している場合、窓口に手続きに行った人が世帯主、あるいは一緒に住んでいる家族であれば、その場ですぐに受け取れることもあります。

再発行依頼をした保険証が届く前に、緊急で病院に行きたいというときは、どうすれば良いのでしょうか。2つの方法をご紹介します。

1. 一時的に窓口で10割の金額を支払って、後から返金してもらう

保険証の再発行手続き中であることを窓口で伝えて受診しましょう。保険証が来てから、払いすぎた分を返してもらいます。

2. 証明書を発行してもらう

健康保険組合などから「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらえれば、健康保険証がなくても3割負担で治療を受けられる場合があります。再発行依頼をした時点で、近々病院にかかることがわかっている場合は、証明書を発行してもらえないか問い合わせてみましょう。

万が一、紛失した保険証を悪用されて、身に覚えのない請求などを受けることがあった場合でも、これに応じる必要はありません。このような状況に陥ったときは、すぐに警察に届け出ましょう。

「保険証をなくしてしまって、悪用されるのが心配」というときは、次の3つの信用情報機関に届出をしておくと安心です。

1. 全国銀行個人信用情報センター（郵送手続きのみ）
http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/

2. 株式会社シー・アイ・シー（郵送・窓口・インターネットで手続き可能、手数料1,000円）
http://www.cic.co.jp

3. 株式会社日本信用情報機構（郵送・窓口で手続き可能）
http://www.jicc.co.jp

これらの情報機関に「本人申告」をしておくと、信用情報の確認が行われた際、健康保険証を紛失しているということをチェックしてもらえます。ただし、手続き方法が郵送のみであったり、手数料が必要だったりと、届け出るにも労力やコストがかかります。また、1カ所のみで行えば大丈夫というわけではないので注意しましょう。

無用なトラブルに巻き込まれないためにも、保険証の管理には十分気を配るようにしてください。

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