そもそも仮想通貨とはどのようなものなのか、その仕組みを簡単に紹介します。非常に複雑な技術で開発されているので、投資や決済に用いる場合はすべてを理解する必要はありませんが、概要を理解しておくことは重要です。

・分散型のシステムで流通している

仮想通貨は、各国中央銀行が発行している円やドル（法定通貨）などとは異なり、人の管理を受けていません。P2P技術をベースとした非中央管理方式で、データの処理や発行・流通に関するシステム管理をするのが基本的な仕組みです。

また、プログラムが管理・発行しているだけで、中央サーバーも存在しません。仮想通貨を取引している全世界の端末がサーバー代わりになり、各端末が少しずつデータ処理しながら膨大な計算やデータ管理を行っています。

・ブロックチェーン技術でデータを管理している

仮想通貨の非中央管理方式を支えているP2P技術を発展させたものが、ブロックチェーン技術です。P2P技術は中央サーバー不要で情報を分散できるものの、情報の信頼性という点で課題がありました。データを確認するシステム（マイニング）をP2P技術に追加することによって、情報の信頼性を高めたのがブロックチェーン技術です。

取引履歴を誰でも確認でき、データは改ざんができないか、できたとしても改ざんの履歴が残るという、セキュリティ面でも強みのあるシステムです。

続いてはアルトコインとは、どのような意味なのか基本から解説します。

・ビットコイン以外の仮想通貨を指す

アルトコインとは日本語で「その他の通貨」を指し、ビットコイン以外の仮想通貨をすべてアルトコインと一括します。

アルトコインは固有の通貨名ではなく、種類を示す用語です。たとえば以下のような仮想通貨は、アルトコインと呼ばれるカテゴリに含まれています。

●イーサリアム
●リップル
●モナコイン
●ビットコインキャッシュ

・個性的な仮想通貨が多数存在する

アルトコインは全世界で2,000種類以上発行されていて、それぞれ機能や開発目的が異なり個性的です。

例

●イーサリアム：ソフトウェアのプラットフォームとして開発されたアルトコイン
●リップル：ブロックチェーンを用いていないアルトコイン
●モナコイン：店舗などで決済手段として活用できる国産のアルトコイン

このようにアルトコインは、決済通貨としてだけでなく、送金手段やソフト開発に活用できるタイプもあり、単なる通貨としての役割を超えたものとして発展しています。

・ビットコインの価格変動に連動しやすいアルトコインもある

アルトコインの価格変動は銘柄によって異なりますが、中にはビットコインと連動しているタイプもあります。ビットコインと値動きが連動しやすいアルトコインの特徴は、以下のようなものです。

●ビットコインをベースに開発されている：ビットコインキャッシュなど
●時価総額トップ10にランクインしている：イーサリアムやリップルなど

一方、上記以外のアルトコインは必ずしもビットコインと価格が連動するとは限りません。

例

●ソーラーコイン
●コモド

これからアルトコインを購入する方は、ビットコインとの連動性に関しても注目することをおすすめします。

ここではアルトコインとビットコインの違いを分かりやすく紹介します。

・機能や用途が異なる

ビットコインは世界中の誰もが自由に使用できる決済通貨として開発されました。しかし、イーサリアムなどモナコインなどは、決済通貨としても利用できるものの、それ以上にソフト開発やコミュニティの活発化など、別の用途を目的としています。

・市場規模はビットコインよりも小さい

市場規模はビットコインよりも小さく、どれも1通貨あたりの価格は低い傾向です。時価総額トップ5に入るイーサリアムなどは1万円以上ですが、ビットコインのような100万円単位のアルトコインはありません（2020年2月5日時点）。

しかし、今後市場規模が拡大するという将来性に期待できますし、ビットコインよりも価格変動の大きなアルトコインもあるので、投資対象としても魅力的です。