楽天証券でiDeCoを始めるには何が必要?iDeCoの特徴や注意点などを解説
iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)を初心者向けにわかりやすく解説。メリットとデメリット、節税対策、加入資格、手数料など。
iDeCoとは、確定拠出年金法に基づいた私的年金制度です。国民年金、厚生年金に上乗せして個人が加入し、老後の年金給付を補う制度になっています。掛金は全額所得税控除の対象です。節税対策、加入資格、手数料など知りたい情報をお知らせします。
- iDeCoとは
- iDeCoのメリット
- iDeCoのデメリット
- iDeCoでいくら節税できる?シミュレーションしてみた
- iDeCoには主婦(主夫)や公務員も加入できるの?
- フリーランスはiDeCoに加入した方がいいの?
- iDeCoで正しく節税するために。年末調整、確定申告での注意点
- 気になるiDeCoの手数料を比較!お得に積み立てられる金融機関は?
- まとめ
iDeCoとは
iDeCo(イデコ)は確定拠出年金法に基づいた私的年金制度で、個人型確定拠出年金とも呼ばれています。
2021年現在、日本の年金制度は3階建て構造になっています。1階部分は、国民全員が加入している基礎年金。2階部分が会社員や公務員が加入する厚生年金。これに上乗せする3階部分が企業年金です。iDeCoは、この企業年金部分を補う制度となります。
iDeCoでは自分で掛金を決めて積み立てを行い、定期預金、保険商品、投資信託によって運用します。その掛金と損益を60歳以降に年金として受け取れる仕組みです。確定拠出年金には、個人型であるiDeCoのほかに企業型のもの(企業型確定供出年金・企業型DC)もあります。
iDeCoの掛金は最低月5,000円からはじめられ、1,000円単位で上乗せができます。また、掛金の上限は職業によって異なります。
iDeCoのメリット
iDeCoには、税制面での3つのメリットがあります。
①掛金が全額所得控除される
iDeCoで積み立てたお金は課税所得額から差し引かれ、所得税・住民税が軽減されます。
②運用益が非課税になる
通常、金融商品で運用して利益が出ると課税対象(源泉分離課税20.315%)になりますが、iDeCoでの運用であれば非課税で運用できます。
③受給時に所得控除を受けられる
iDeCoは受給時にも、控除を受け取ることが可能です。積み立てたお金を一時金で受け取る場合は「退職所得控除」で納付年数に応じて最大1,500万円まで非課税、年金として受給する場合は「公的年金等控除」に応じた控除の対象となります。
iDeCoが「最強の節税」と呼ばれているのは、これら3つの節税効果によるものです。
参照元:財務省 退職所得の課税方法
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iDeCoのデメリット
iDeCoにはデメリットもあることを覚えておきましょう。主なデメリットは次の3つです。
①60歳まで引き出せない
iDeCoで積み立てたお金は原則として60歳まで引き出すことができないため、注意が必要です。例外的に解約できるケースとしては主に次のケースです。
1. 加入者が死亡した場合
2. 加入者が高度障がい者となった場合
3. 加入者が生活保護の受給や学生になる、失業などにより保険料免除者となった場合
いずれも年金の払い込みが不可能になった場合と考えておくとわかりやすいでしょう。また、遺族が全額死亡一時金として受け取る場合、「みなし相続財産」の税優遇が適用されます。ただし、3つ目のケースで脱退一時金を受け取るためには条件があるので注意しましょう。
②元本保証されない商品もある
iDeCoで運用する金融商品の中には、元本保証がされないものもあります。その為、払い込んだ掛金よりも実際に受け取る金額が少なくなってしまう可能性についてよく理解しておかなければなりません。元本保証のあるものが良い場合は、定期預金での運用を選びましょう。ただし、定期預金のiDeCoの取り扱いのない金融機関もあるため注意しましょう。
③運用に手数料がかかる
iDeCoの運用をする際には加入時・移換時の手数料、口座管理手数料、給付事務手数料、還付事務手数料が必要です。また、運用方法に投資信託を選んだ場合、積み立て中の信託報酬も発生します。加入年齢によっても異なりますがiDeCoは長期の運用が前提となる制度なので、なるべく手数料の安い金融機関を選ぶようにしましょう。
楽天証券はiDeCoの運営管理手数料が0円。国民年金基金連合会、信託銀行に支払う手数料のみで済みます。運用商品で定期預金も選べるので、元本割れを起こしたくない人でも安心です。
iDeCoでいくら節税できる?シミュレーションしてみた
実際にiDeCoで積み立てを行うといくら節税できるのか、気になるところでしょう。そこで、iDeCoを利用する前の課税所得が300万円の会社員が1年間毎月1万円の掛金を拠出した場合を考えてみます。
・所得税
課税所得額が195万円以上330万円未満の場合、所得税の税率は10%です。iDeCoでは掛け金にした1万円×12ヶ月=12万円が全額控除されるので、この場合の所得税の節税効果は12万円×10%=1万2,000円です。
・住民税
住民税の税率は地方税法で定められており、全国一律で決められています。道府県民税の4%、市町村民税の6%を足した10%が住民税の税率となります。
引用テキスト「所得割の額は、課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額に、百分の四の標準税率によつて定める率を乗じて得た金額とする。この場合において、当該定める率は、一の率でなければならない。」
引用元:地方税法 第三十五条
引用テキスト「所得割の額は、課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額に、百分の六の標準税率によつて定める率を乗じて得た金額とする。この場合において、当該定める率は、一の率でなければならない。」
引用元:地方税法 第三百十四条の三
よってこの場合の計算式は所得税と全く同じものになり、掛け金の1万円×12ヶ月=12万円、12万円×10%=1万2,000円の節税です。
これらを合計すると、1年間積み立てを行うだけでなんと2万4,000円の節税が可能です。もし大学卒業後の22歳からすぐに積み立てを始めて60歳まで続けた場合、単純に考えれば2万4,000円×(60-22)=91万2,000円の節税効果が期待できます。さらに運用益にかかる税金も非課税になるため、これに上乗せされよりお得な資産運用が可能となります。
iDeCoには主婦(主夫)や公務員も加入できるの?
「iDeCoに加入できるのは自営業だけって聞いたけど…」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。かつてはそうでしたが、2017年1月からは公務員、会社員、主婦も加入できるようになりました。この制度改正により加入者はそれまで以上の増加をみせ、2021年2月時点のiDeCoの加入者数は約189万人にまで達しています。老後への不安と資産運用の関心の高まり、iDeCoの高い節税効果が広まってきたことが加入者数の増加を後押ししていると推測できます。ここで、iDeCoに加入できる人を確認しましょう。
① 国民年金の第1号被保険者
自営業者の方などが該当します。
② 60歳未満の厚生年金保険の被保険者
会社員や公務員などが該当します。ただし、iDeCoに加入することを認めていない企業型確定拠出年金の加入者など、一部加入ができない方もいます。
③ 国民年金の第3号被保険者
専業主婦(夫)の方などが該当します。毎月の掛金の上限は2万3,000円までと決められているので、注意しましょう。
フリーランスはiDeCoに加入した方がいいの?
フリーランスや自営業には年金の一階部分である国民年金しかないため、将来に対し不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
フリーランスが国民年金に基礎年金に上乗せして加入できる公的な年金制度には、国民年金基金と付加年金があります。まずはこれらの加入を検討することをおすすめします。この二つはいずれも終生受け取れるタイプにもできるので、途中で受け取りが終わることなく安心して加入できます。ただし国民年金基金と付加年金はどちらか一方しか利用できないため注意が必要です。
参照元:日本年金機構 付加年金
さらに将来に備えたい場合、iDeCoと小規模企業共済を検討すると良いでしょう。いずれも掛け金全額が所得控除の対象になります。ただしiDeCoは国民年金基金と合わせて月6万8,000円まで、小規模企業共済は月1,000円から7万円までの掛金の上限があるため、注意が必要です。
iDeCoと小規模企業共済の大きな違いは、資金の運用方法。小規模企業共済は中小機構が小規模企業共済法や経済産業省令で定められた運用の基本方針を作成し、それに基づいた運用を代理となって行なうことになっています。iDeCoも実際の運用を行うのは投資信託のファンドマネージャー達ですが、何をどう組み合わせるかといったポートフォリオや資金の運用方針は加入者が好みの投資信託を選ぶことができます。運用成績によっては受け取り時に大きなリターンが、しかも節税を行いながら狙える点がiDeCoのメリットです。
iDeCoで正しく節税するために。年末調整、確定申告での注意点
注意しておきたいのは、iDeCoは申込んで掛金を支払えば自動で節税になるのではないということ。税制の優遇を受けるためには、年末調整や確定申告の手続きが必要になります。
まず、税制の優遇を受けるために必要な書類は毎年10月頃に国民年金基金連合会から届く「小規模企業共済等掛金払込証明」のハガキです。これは「1年間にこれだけ掛金を払いました」という証明書がとなるため、紛失しないようしっかり保管しておきましょう。万が一なくしてしまった場合にはすみやかに再発行を依頼しましょう。続く手続きは加入者の職業によって異なります。
・会社員や公務員の場合(年末調整で申告する場合)
会社員や公務員の場合、職場で配布される年末調整書類にiDeCoで支払った金額を書きます。「給与所得者の保険料控除申告書」の右下、小規模企業共済掛金控除の中の「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」欄に記入しましょう。そして書類を提出する際に「小規模企業共済等掛金払込証明」のハガキを一緒に添付すれば、手続きは完了です。払いすぎた分の所得税は年末調整で還ってきます。そして住民税は、翌年分に前年分の所得控除が反映された金額が徴収されることになります。
・自営業の場合(確定申告で申告する場合)
自営業の方は確定申告での申告を行います。「確定申告書B・第一表」にある小規模企業共済等掛金控除欄にその年に支払った金額を書き込み、さらに「確定申告書B・第二表」の小規模企業共済等掛金控除欄にも「個人型確定拠出年金」の文字と、支払い金額を記入します。(年末調整で申告できなかった会社員や公務員の場合は、「確定申告書A」を使用)
あとは「小規模企業共済等掛金払込証明」のハガキを添付し、完成した確定申告書を税務署に持参や郵送、インターネット(e-Tax)で送付するだけです。年末調整同様に所得税を多く支払っている場合は過払い分が還付され、所得控除は翌年の住民税にも反映されます。
確定申告をe-Taxで電子提出をする場合、証明書(ハガキ)の添付は不要です。ですが5年間は保管する義務があるので、税務署からの求めがあった場合にはすぐ提示できるようにしておきましょう。
気になるiDeCoの手数料を比較!お得に積み立てられる金融機関は?
iDeCoの手数料は、管理する金融機関によって異なるものと一律で決まっているものがあります。手数料のうち、一律で決まっているのは次のものです。(金額は全て税込表示です)
・加入時手数料(支払先:国民年金基金連合会) iDeCo加入時に支払う手数料 一律2,829円
・加入者手数料(支払先:国民年金基金連合会) 掛け金を納付する際に支払う手数料 納付一回につき105円
・信託銀行管理手数料(支払先:信託銀行) 加入中毎月必要になる手数料 毎月一律66円
・受け取り時手数料(支払先:信託銀行) iDeCo受け取り時に必要な手数料 一回一律440円
iDeCoの運用には様々な手数料が絡んできますが、金融機関ごとに変わってくるものは口座管理手数料だけです。iDeCoの金融機関を選ぶ場合、口座管理手数料を比較しましょう。次に、オススメのiDeCoの金融機関をまとめました。
・ろうきんの個人型確定拠出年金
ろうきんの個人型確定拠出年金の月々の口座管理手数料は310円と、平均的な金融機関の金額と言えるでしょう。新プランが発表され、選べる投資信託の本数も増えました。公務員は自動的に労働金庫の会員となっているので、公務員の方は、利用しやすいのではないでしょうか。
・SBI証券の個人型確定拠出年金
ネット証券会社で有名なSBI証券のiDeCo対応投資信託は、インデックスファンドからアクティブファンドまで幅広い商品を選べるのが特長。取り扱う投資信託の数は80本以上と豊富な点が魅力。その上運用管理手数料(口座管理手数料)は無料で、コストを抑えた運用が可能です。
・楽天証券の個人型確定拠出年金
楽天証券もiDeCoの運営管理手数料が0円で運用できます。楽天証券のIDがあれば、その他の投資もiDeCoも同じIDで管理が可能です。新規申し込みや他の金融機関から移管する人を対象にしたキャンペーンが実施されているケースもあるので、チェックしてみると良いでしょう。また、初心者向けのセミナーやコラムも豊富で、安心のサポートが整っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。iDeCoは最強の金融商品とも言われ、積み立て中も受け取り時も節税効果が期待できます。
また、楽天証券でiDeCoを積み立てるメリットは手数料ばかりではありません。iDeCo以外の金融商品の買付金額は楽天ポイントで支払うこともできます。毎月楽天ポイントを利用して投資信託や株を購入、条件を満たすとSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象となり、楽天市場で商品を購入する際のポイント還元が最大+1倍になります。
楽天銀行に口座がある方は楽天証券の口座と連携させることで普通預金金利がなんと通常の5倍の年0.10%にアップします。iDeCoの申込と同時に楽天のサービスを複数利用すれば、老後に備えるのと同時に今の暮らしももっとお得に楽しく過ごせるかもしれませんよ。
※マネーブリッジの優遇金利「年0.10%」の適用は普通預金残高300万円以下の部分のみです。
普通預金残高300万円を超える部分に関しては「年0.04%」の金利が適用されます(2022年4月時点)
FAQ
- iDeCoとは
国の私的年金制度。自分で掛金を決めて積み立てを行い、定期預金、保険商品、投資信託によって運用。その掛金と損益を60歳以降に年金として受け取れる仕組み - iDeCoのメリット
・掛金が全額所得控除される
・運用益が非課税になる
・受給時に所得控除を受けられる - iDeCoのデメリット
・60歳まで引き出せない
・元本保証されない金融商品もある
・運用に手数料がかかる - iDeCoの加入資格
・国民年金の第1号被保険者(自営業者)
・60歳未満の厚生年金保険の被保険者(会社員など)
・国民年金の第3号被保険者(専業主婦) - 節税のための手続き
・会社員や公務員の場合:年末調整で申告
・自営業の場合:確定申告で申告
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。
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