年収500万円は上位何%?生活水準や手取り額、税金についても解説

リリース日:2024/04/16 更新日:2024/07/01

年収500万円は、給与収入を得ている会社員にとってひとつの目標となる数字でしょう。年収500万円と聞くと「すごい」「うらやましい」などの感想を持たれる人もいるかもしれません。

ここでは、年収500万円以上の人の割合や手取り額、想定される生活水準、世帯人数別の平均支出などを紹介しています。事業所規模別や年齢・業種別、男女別の平均給与についても解説していますので、目標年収を設定する際などに参考にしてみてください。

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  1. 年収500万円の人はどのくらいいる?
  2. 年収500万円の人の手取りは?
  3. 年収500万円の生活水準とは
  4. 少額からできる資産形成

年収500万円の人はどのくらいいる?

年収500万円の人はどのくらいいる?

毎年国税庁が実施している民間給与実態統計調査によると、2022年に1年を通じて給与所得を得た人数は5,078万人でした。

 

そのうち年収500万円超〜600万円以下の人は551.1万人で、全給与所得者の10.9%でした。

 

ここからは年収500万円は人口の上位何%か、また一般的に多いのか少ないのか、データを元に見てみましょう。

人口の上位何%か

年収500万円超の人は、給与所得者の33.5%です。

年収と人口の割合

年収 割合
100万円以下 7.8%
100万円超 200万円以下 12.7%
200万円超 300万円以下 14.1%
300万円超 400万円以下 16.5%
400万円超 500万円以下 15.3%
500万円超 600万円以下 10.9%
600万円超 700万円以下 6.9%
700万円超 800万円以下 4.8%
800万円超 900万円以下 3.3%
900万円超 1,000万円以下 2.2%
1,000万円超 1,500万円以下 4.0%
1,500万円超 2,000万円以下 0.8%
2,000万円超 2,500万円以下 0.3%
2,500万円超 0.3%
 

このデータから、年収500万円は給与所得者の上位33%あたりであると考えられます。

 

ただし当調査は給与所得者のみを対象としており、事業所得や不動産所得などは含まれません。日本の人口の何%か正確に把握できない点に注意しましょう。

年収500万円は一般的に「多い」か「少ない」か

2022年の平均給与収入は458万円であり、年収500万円は一般的に多い方といえる収入です。

 

ただし、業種や勤務先の従業員数、年齢層によって平均的な収入は異なるため、以下の3つの観点で年収500万円が多いのか少ないのかを確認してみましょう。

 

  • 業種別平均給与収入
  • 事業所規模別平均給与収入
  • 年齢層別平均給与収入

業種別平均給与収入

業種別の平均給与は、1位が電気・ガス・熱供給・水道業で747万円です。一方、業種別平均給与が最も低いのは宿泊業・飲食サービス業で268万円となっています。

業種別の平均給与
業種 平均給与
1 電気・ガス・熱供給・水道業 747万円
2 金融業・保険業 656万円
3 情報通信業 632万円
4 学術研究・専門・技術サービス業
教育・学習支援業
544万円
5 製造業 533万円
6 建設業 529万円
7 複合サービス事業 506万円
8 運輸業・郵便業 477万円
9 不動産業・物品賃貸業 457万円
10 医療・福祉業 409万円
11 卸売業・小売業 384万円
12 サービス業 377万円
13 農林水産業・鉱業 337万円
14 宿泊業・飲食サービス業 268万円
全体平均 458万円
 

全14業種に分けた中で、年収500万円に最も近い複合サービス事業は7番目となっており、ちょうど真ん中に位置しています。

事業所規模別平均給与収入

事業所規模とは、勤務先の従業員数と考えて差し支えありません。

 

調査によると、従業員数が10人未満の事業所の平均給与は371万円です。一方、従業員数5,000人以上の事業所の平均給与は538万円となっており、年収500万円を上回ります。

事業規模別の性別ごとの平均給与と平均勤続年数
事業所規模 性別 平均給与 平均勤続年数
10人未満 男性 470.0万円 16.6年
女性 261.5万円 15.6年
合計 371.1万円 16.1年
5,000人以上 男性 691.1万円 16.5年
女性 316.4万円 9.5年
合計 538.4万円 13.6年
 

基本的には事業所規模が大きいほど平均給与が高くなっています。

年齢階層別の平均給与

最も平均給与が高い年齢層は男性で55~59歳の702万円、女性は25~29歳の349万円です。

年齢別、男女別の平均給与
年齢層 男性 女性 合計
19歳以下 137万円 114万円 124万円
20〜24歳 291万円 253万円 273万円
25〜29歳 420万円 349万円 389万円
30〜34歳 485万円 338万円 425万円
35〜39歳 549万円 333万円 462万円
40〜44歳 602万円 335万円 491万円
45〜49歳 643万円 346万円 521万円
50〜54歳 684万円 340万円 537万円
55〜59歳 702万円 329万円 546万円
60〜64歳 569万円 267万円 441万円
65〜69歳 428万円 227万円 342万円
70歳以上 367万円 211万円 298万円
 

男性は59歳まで年齢が上がるに連れて平均給与も上昇していくのに対し、女性は29歳までの給与を最大として以降は59歳までほぼ横ばいとなっています。

年収500万円の人の手取りは?

年収500万円の人の手取りは?

年収500万円の人の手取りはおおむね400万円前後です。

 

手取りとは、額面の収入から所得税や住民税、社会保険料などを差し引いたあとの金額を指します。多くの場合、口座に振り込まれる数字と考えて良いでしょう。

 

ただし納税額、手取り額は既婚・未婚によっても異なります。世帯構成別の納税額、手取り額の計算方法を詳しく解説しますので、順番に確認していきましょう。

手取り額

一般的な手取り額は年収の75~85%程度となるため、年収500万円の場合の手取り額はおおよそ375万~425万円です。

 

単純に12カ月で按分した月々の手取り額は約31〜35万円となります。

 

仮に年に2回、2カ月分の賞与(ボーナス)があるとすると、賞与1回の手取り額は約62~70万円、月々の手取り額は約21~24万円になるでしょう。

 

なお、手取り額の計算は以下の式を参考にしてください。

手取り額の計算

収入-社会保険料-(所得税+住民税)

 

手取り額の計算に必要な所得税額の計算は、次で詳しく解説します。

納税額

給与収入が年収500万円の場合、所得税の年間納税額は独身で約30万円、既婚者で約20万円です。

 

給与所得にかかる所得税の納税額は、所得金額に対して所定の税率をかけて計算されます。所得税の算出に使われる税率は、所得金額が大きいほど高くなる累進課税という仕組みです。

所得金額に応じた所得税率

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円
 

引用元:No.2260 所得税の税率|国税庁

所得金額は収入から各種控除を差し引いて算出します。

所得の計算

収入-各種控除=所得金額

 

各種控除にはさまざまな種類がありますが、給与収入を得ている方は以下の控除を覚えておきましょう。

所得控除の主な種類
控除の種類 内容
基礎控除 合計所得2,400万円以下の人は48万円の控除
給与所得控除 収入額に応じて控除額を計算
年収500万円の場合の控除額は、
収入金額×20%+44万円
社会保険料控除 年金保険料や健康保険料など、支払った社会保険料を全額所得控除
生命保険料控除 支払っている生命保険料に応じて最高12万円の控除
地震保険料控除 支払っている地震保険料に応じて最高5万円の控除
寄附金控除 ふるさと納税などで寄付をした額は、全額所得控除
配偶者控除 配偶者の合計所得48万円以下、本人の合計所得1,000万円以下で最高38万円の控除
配偶者特別控除 配偶者の合計所得が48万円超133万円以下、本人の合計所得1,000万円以下で最高38万円の控除
小規模企業共済等掛金控除 iDeCoや企業型DCなど、積み立て額を全額所得控除
 

また給与所得にかかる住民税の税率は、住民税非課税世帯など特別な事情がある世帯を除き、基本的に一律10%です。


配偶者控除などの適用に関しては、本人や配偶者の所得金額に応じて適用の可否が分かれる点に注意しましょう。また、iDeCoやふるさと納税の利用でも控除を受けることができます。

 

各種制度を理解することが、手取り額を増やす工夫につながります。




年収500万円の生活水準とは

年収500万円の生活水準とは

年収500万円で実現できる生活水準は、地域や家族構成によっても異なります。

 

今回は以下の3パターンにおける年収500万円の生活水準をご紹介します。

 

  • 一人暮らしの場合
  • 夫婦(片働き)の場合
  • 夫婦(共働き)の場合

支出額の根拠は総務省の家計調査(2022年)です。調査対象となっている世帯の状況と自身の状況を照らし合わせ、現実的な生活設計を目指しましょう。

一人暮らしの場合

総務省の家計調査(2022年)によると、一人暮らし世帯の毎月の平均的な消費支出約17.8万円です。仮に年収500万円で毎月の手取り額が31万円だとすると、13.2万円の余剰額が生まれます。この数字からは、比較的余裕のある暮らしがイメージできるのではないでしょうか。

 

ただし当調査対象者の平均年齢は43.1歳であり、全国平均である点には注意が必要です。

 

アパート・マンション等の家賃は居住エリアにより大きく異なりますし、人によって携帯電話などの通信費用や交際費も異なります。

 

自分のライフスタイルにあわせて実際の支出を計算し、無理のない計画を立てるようにしましょう。

夫婦(片働き)の場合

総務省の家計調査(2022)によると、夫婦二人世帯で夫のみ働いている場合の消費支出は月々約28.9万円です。

 

仮に年収500万円で手取り額が毎月31万円とすると、余剰金は約2万円程度であまり余裕を感じられないかもしれません。

 

なお、当調査の対象者となる世帯主の平均年齢は61.1歳です。主な支出費目と金額の平均は以下のとおりです。

夫婦二人世帯、片働きの場合の毎月の主な支出

費目 金額
食費 7万3,553円
住居 1万9,973円
光熱・水道 2万1,763円
保健・医療 1万6,550円
交通・通信 4万4,910円
教養・娯楽 2万7,177円
交際費 2万1,749円
 

夫婦(共働き)の場合

夫婦二人世帯で共働きの場合、月々の消費支出は約31.5万円です。

夫婦二人世帯、共働きの場合の毎月の主な支出

費目 金額
食費 7万468円
住居 2万7,488円
光熱・水道 2万1,179円
保健・医療 1万3,384円
交通・通信 5万3,597円
教養・娯楽 2万7,471円
交際費 2万2,284円
 

世帯の年収が1,000万円であれば、毎月の手取り額の合計は60万円ほどでしょう。

 

そう考えると、旅行に行ったり、自動車を購入したりと比較的余裕のある生活を送れそうです。

 

ただ、当調査の対象者の平均年齢は54.1歳、世帯の実収入は約61.9万円となっています。実収入とは税金が差し引かれる前のいわゆる額面の金額です。調査結果はそれらの点も考慮しながら見る必要があるでしょう。

少額からできる資産形成

少額からできる資産形成

給与所得者の中には、資産形成に関心のある人も多いと思います。NISAは2024年から新しい仕組みとなり、2023年までと比較して運用期間や積み立て可能額が大幅に変更されました。特にNISAのつみたて投資枠(旧、つみたてNISA)は初心者でもはじめやすいとされる投資手法です。その内容を見ていきましょう。

NISAのつみたて投資枠

NISAのつみたて投資枠は少額から行えて長期積立・分散投資を目的とした、初心者でも取り組みやすい制度です。

 

また、通常の投資信託による資産運用の場合、利益に対して約20%の税率で課税されますが、NISAなら運用益は全額非課税のため、利益が出た場合に手元に残る金額が大きく異なります。ただし投資には元本保証はなく、損失が出る可能性もあることは頭に入れておきましょう。

 

そのほか、NISAのつみたて投資枠が初心者にも取り組みやすいといわれる理由は以下のとおりです。

NISAつみたて投資枠が初心者にも取り組みやすい理由

 

  • 金融庁の基準を満たした、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託のみが対象になっている
  • 少額投資が可能

楽天証券の場合、つみたて投資枠を利用しての投資は毎月100円から積立額を設定できます。

 

また、楽天カードを利用しての積み立ても可能です。積立額や投資信託の保有残高に応じて楽天ポイントも貯まるため、チェックしてみてはいかがでしょうか。

 
※この記事は2024年3月時点の情報をもとに作成しております。

このテーマに関する気になるポイント!

  • 年収500万円の手取り額はどれくらい?

    一般的に約375万円から425万円くらいです。ただし、所得の種類や家族構成、配偶者の収入などによって変動します。

  • 年収500万円超600万円以下の人は全体の何%?

    年収が500万円超600万円以下の人の割合は、給与所得者の10.9%です。

  • 業種別の平均給与が年収500万円を超える業種は?

    電気・ガス・熱供給・水道業、金融業・保険業、情報通信業、学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業、製造業、建設業、複合サービス事業です。

Tsun
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)
Tsun

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

現役の生命保険営業マン。FP2級資格を保有し、個人のライフプラン、マネープランから適切な保険の組み立てを提案しています。個人的にはFXでのデイトレードを得意とし、現在も積極的に運用中。




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