興行収入とは。大ヒットといえる映画の興行収入の目安と歴代ランキングを紹介

リリース日:2023/10/13 更新日:2024/11/21

「興行収入って何?」と聞かれたら、皆さんはどのように答えますか。テレビCMや広告などでよく見かける言葉ではありますが、どのような意味を表す言葉か説明できる人は多くはいないかもしれません。ここでは、興行収入について、大ヒットといえる映画の興行収入の目安と歴代ランキングを交えて、解説します。

  1. 興行収入とは?
  2. 日本での映画の興行収入は?
  3. 大ヒットといえる興行収入の目安は?
  4. 興行収入歴代1位の映画は?
  5. 日本の歴代興行収入ランキング
  6. 世界の歴代興行収入ランキング

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興行収入とは?

興行収入とは?

興行収入とは、映画館に観客が支払った入場料の総額のことであり、映画作品の人気の高さを表す指標です。

 

今では、興行収入と聞けば「映画」が連想されるようになりましたが、もともとは映画だけに使われる言葉ではありませんでした。興行は、映画に限らず、舞台や演劇、コンサートやスポーツ、イベントなどに有料で観客を集めて催すことを指します。

 

言葉の本来の意味を理解しておくと、さまざまな分野にも生かせます。

興行収入を求める計算式は?

興行収入を求める計算は簡単です。入場料に、入場料を支払って入場した人数を乗じれば、興行収入を求められます。

 

興行収入 = 入場料 × 入場料を支払って入場した人数

 

 例えば、入場料2,000円の映画に100万人の観客が入場料を支払って映画館に入場したとすると、その場合の興行収入は以下のとおりです。

 

入場料2,000円 × 入場料を支払って入場した人数100万人 = 興行収入20億円

 

 テレビのCMや広告などでよく目にする興行収入は、このようにして計算されています。

興行収入と似たような言葉がある

なお、映画の場合は「配給収入」を人気の指標とすることもあります。配給収入は、興行収入の中から支払われる配給会社の取り分のことです。映画業界では、興行収入とあわせて使われます。

 

現在ではあまり馴染みがない言葉になってしまいましたが、1990年代までは配給収入が映画作品の人気の高さを表す指標になっていました。

日本での映画の興行収入は?

日本での映画の興行収入は?

2022年の日本での総興行収入は約2,131億円です。前年比で約32%増と、2021年の総興行収入を大きく上回る結果となりました。

 

2020年から2021年の間は新型コロナウイルスの影響もあり、興行収入は低迷していました。しかし、アニメ映画の堅実な人気で、2022年の興行収入はコロナ禍前の2019年に差し迫る勢いで回復しました。2023年には人気アニメ映画の公開もあり、興行収入はさらに増えることが見込まれます。




大ヒットといえる興行収入の目安は?

大ヒットといえる興行収入の目安は?

現在、大ヒットといえる興行収入の目安は30億円といわれています。

 

各作品の製作費や宣伝費も、興行収入目標に沿って決められます。映画の製作コストは年々増加しており、目標となる興行収入も全体的に増加傾向にあります。今後さらに、映画館の入場料が上昇するようなことがあれば、大ヒットとされる基準も変わっていくかもしれません。

 

それでは、ここから現在映画産業でひとつの指標となっている日本の興行収入の規模について解説します。

興行収入10億円

映画業界では、興行収入10億円がボーダーラインで、興行収入が10億円を超えれば、その映画は成功したことになるといわれています。そのため、映画の製作会社は最低でもボーダーラインを超えることを目標に製作にあたることとなります。

興行収入30億円

興行収入30億円を超えると、その映画は大ヒットしている映画といわれています。大ヒットと呼ぶ基準を15億円や20億円にするメディアもありますが、いずれにしても興行収入30億円なら大ヒットといえるでしょう。実際、年間興行収入で上位にランクインする映画は、興行収入が30億円を超えています。

興行収入100億円

メガヒットと呼ばれる目安が、興行収入100億円です。年間興行収入ランキング1位の作品は、そのほとんどが興行収入100億円を超えています。2022年はメガヒット作が多く、4本もの映画が興行収入100億円を超えています。

2000年以前の大ヒットといえる目安は?

2000年以前は「配給収入10億円」が大ヒットの目安といわれていました。例えば、1995年公開の「男はつらいよ 寅次郎紅の花」の配給収入は11.6億円です。現在では、配給収入よりも興行収入を重視するようになり、ヒットの目安が変わっています。

興行収入歴代1位の映画は?

興行収入歴代1位の映画は?

ここまで説明してきたように、興行収入は映画の人気の高さを測る指標となります。ここで現在興行収入1位になっている映画を紹介します。

【日本】劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

日本の興行収入1位の映画は、2020年公開の「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」です。「週刊少年ジャンプ」の人気漫画「鬼滅の刃」のアニメ映画となっています。興行収入は約404億円であり、それまでトップであった「千と千尋の神隠し」(興行収入約316億円)を超える記録を叩き出しました。

 

「鬼滅の刃」は、世界でも人気の高い漫画・アニメです。原作は完結していますが、アニメはまだまだ続く予定の大作であり、今後の映画シリーズ化も期待されています。

【世界】アバター

世界の興行収入1位は、「アバター」です。興行収入は、約29億ドル、日本円にして約4,308億円(2023年10月5日時点、1ドル148.55円で計算)となっています。

 

監督はあの「タイタニック」を手掛けたジェームズ・キャメロンです。2009年の公開当時で興行収入約27億ドルを記録し、長年1位の座にいましたが、2019年公開の「アベンジャーズ/エンドゲーム」に興行収入を抜かれてしまいました。しかし、世界中で再上映されて、興行収入1位に返り咲きました。

日本の歴代興行収入ランキング

日本の歴代興行収入ランキング

ここからは日本での興行収入をもとにした映画ランキングを紹介します。ランキング上位の映画の多くがアニメ映画であることからも、日本のアニメ文化の強さがわかります。世界にも通用するアニメ文化は、今後も進化し続けることでしょう。

【第1位】劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

日本の映画ランキング第1位は「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」です。先ほども紹介したとおり、興行収入は約404億円です。ufotableというアニメ制作会社による、非常に色鮮やかで美麗な映像も大ヒットした理由といえるでしょう。原作漫画の人気だけでなく、制作会社の努力も一助となっています。

【第2位】千と千尋の神隠し

日本の映画ランキング第2位は「千と千尋の神隠し」です。2001年に公開され、興行収入は約316億円となっています。宮崎駿監督が手掛けたスタジオジブリ作品であり、今もなお人気の高いアニメ映画です。

【第3位】タイタニック

日本の映画ランキング第3位は「タイタニック」です。公開は1997年で、興行収入は約262億円になります。「アバター」の映画監督でもあるジェームズ・キャメロンが監督を務め、アカデミー賞では11部門で受賞しました。

【第4位】アナと雪の女王

日本の映画ランキング第4位は「アナ雪」で知られる「アナと雪の女王」です。興行収入は約255億円、公開は2014年となります。日本でのディズニー映画史上No.1の大ヒット記録を作り出した名作です。

【第5位】君の名は。

日本の映画ランキング第5位は「君の名は。」です。2016年に超ロングランの大ヒットを叩き出した「君の名は。」は、興行収入約251億円を記録しました。アニメ映画監督として有名な新海誠氏が監督を務め、声優・音楽も豪華メンバーが勢揃いした映画です。

世界の歴代興行収入ランキング

世界の歴代興行収入ランキング

世界での興行収入をもとにした映画ランキングに目を向けると、人気の高い映画は、熱狂的なファンの多い作品が名を連ねています。アメリカンコミックや歴代のシリーズ作品等、日本でも人気の高い名作ばかりです。

【第1位】アバター

世界の映画ランキング第1位は「アバター」です。2009年公開の「アバター」は、興行収入約29億ドル、日本円にして約4,308億円(2023年10月5日時点、1ドル148.55円で計算)の大記録を樹立しました。2022年12月には最新作も公開され、今後は人気シリーズとなるでしょう。

【第2位】アベンジャーズ/エンドゲーム

世界の映画ランキング第2位は「アベンジャーズ/エンドゲーム」です。2019年に公開された映画で、興行収入は約28億ドル、日本円にして約4,159億円(2023年10月5日時点、1ドル148.55円で計算)となっています。「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の続編で、両作品とも世界の興行収入トップランキングに入っていることから、人気の高いシリーズであることがわかります。

【第3位】アバター:ウェイ・オブ・ウォーター

世界の映画ランキング第3位は、2022年に公開された「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」です。先に紹介した第1位「アバター」の続編となるこの映画は、興行収入約23億ドル、日本円にして約3,417億円(2023年10月5日時点、1ドル148.55円で計算)となっています。

【第4位】タイタニック

世界の映画ランキング第4位は、日本でも人気の「タイタニック」です。日本で興行収入約262億円だった「タイタニック」は、世界では興行収入約22億ドル、日本円にして約3,268億円(2023年10月5日時点、1ドル148.55円で計算)となっています。タイタニックの主演は、レオナルド・ディカプリオが務めており、彼の代表作のひとつです。

【第5位】スター・ウォーズ/フォースの覚醒

世界の映画ランキング第5位は、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」です。2015年に公開されたこの映画は、興行収入約20億ドル、日本円にして約2,971億円(2023年10月5日時点、1ドル148.55円で計算)となっています。スター・ウォーズシリーズの続編として、10年ぶりに公開され、大ヒットとなりました。

 

コロナ禍での行動制限も緩和されつつあり、今後は再び盛り上がりを見せるのが映画業界です。製作会社や運営会社など、映画が盛り上がることで会社そのものが成長していくため、今後の将来性も見込めます。

映画業界の再興を受け、映画の制作会社や運営会社への投資を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。企業への株式投資は楽天証券などの証券会社で行うことができます。映画業界以外でも、今後の活躍が気になる業界を探して投資をするのも、ポストコロナの楽しみのひとつかもしれません。

 

※この記事は2023年10月時点の情報をもとに作成しております。

このテーマに関する気になるポイント!

  • 興行収入とは?

    興行収入とは、映画の観客が支払ったチケット代金の総額のことであり、映画作品の人気の高さを表す指標といえます。

  • 日本での映画の興行収入は?

    2022年の日本での興行収入は、トータルで約2,131億円でした。

  • 大ヒットといえる興行収入の目安は?

    興行収入が30億円を超えれば大ヒット映画といえます。

  • 歴代興行収入1位の映画は?

    日本の興行収入1位の映画は、「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」です。一方、世界の興行収入1位は「アバター」となります。

  • 日本での歴代興行収入ランキングは?

    日本の興行収入ランキングは、以下のとおりです。(2023年10月11日時点)
    【第1位】劇場版「鬼滅の刃」無限列車編
    【第2位】千と千尋の神隠し
    【第3位】タイタニック
    【第4位】アナと雪の女王
    【第5位】君の名は。

  • 世界での歴代興行収入ランキングは?

    世界の興行収入ランキングは、以下のとおりです。(2023年10月11日時点)
    【第1位】アバター
    【第2位】アベンジャーズ/エンドゲーム
    【第3位】アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
    【第4位】タイタニック
    【第5位】スター・ウォーズ/フォースの覚醒

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結井杏祐
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
結井杏祐

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

「ゆいあん」が愛称のライター&ファイナンシャルプランナー(FP)です。保険会社に5年間勤め、営業経験はもちろんのこと、営業教育や保険金支払いの業務にも携わりました。今はライターのかたわら、FP業として金融系メディアの監修も行っています。「みんなのマネ活」では、みなさんの”リアルな悩み”を解決するようなわかりやすい記事を書いていきます!

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