トレンド入りで注目の「台風コロッケ」とは?ネット発の謎風習

リリース日:2020/12/23 更新日:2020/12/23

台風上陸が近づくと、「台風コロッケ」という言葉がツイッターのトレンドに現れます。ここでは元ネタとなった2ちゃんねるの投稿内容と拡散の経緯、スーパーのコロッケ販売にまで与えた影響について解説しています。

トレンド入りで注目の「台風コロッケ」とは?ネット発の謎風習

近年、日本は多くの台風災害に見舞われています。気象庁が公表しているデータによると2019年に発生した台風の数は29回で、そのうち日本に上陸したのは5回となっています。台風の上陸が予想されると、様々な災害情報をインターネット経由で収集することが多くなるでしょう。そんなときTwitterなどSNSのトレンドに表示されるのが、「コロッケ」や「台風コロッケ」というキーワード。少し不思議に感じるかもしれませんが、今回はこの「台風コロッケ」について、ネット上での元ネタや現実へ及ぼした影響などを詳しくみていきたいと思います。

  1. 台風コロッケ
  2. なぜ台風の日にコロッケを食べるのか
  3. 現実に及ぼした影響

台風コロッケ

台風コロッケ

台風が近づくとネット上でよくみられる言葉、「台風コロッケ(たいふうコロッケ)」とはいったい何なのでしょうか。定義を調べると「台風が来たときにコロッケを買ったり食べたりする行為、風習・文化」といったようなことが書かれています。

 

「どうしてコロッケ?」「そんな風習があったの?」と思われるかもしれませんが、TwitterなどのSNSをみると、多くの人が台風コロッケを実行しているのが分かります。たとえばTwitterのトレンド。Twitterでは現在ユーザーに注目されているトピックを独自のアルゴリズムで解析し、トレンドとして表示しています。そして、台風が近づくとそのトレンドに「コロッケ」や「台風コロッケ」が入ってくるのです。PCだとTwitter画面の右側、スマートフォンアプリの場合は虫メガネのアイコンをクリックすると、「トレンド」のタグが表示されるのでチェックしてみるとよいでしょう。

 

どんな書き込みがあるのか、いくつか例を挙げてみます。台風接近のニュースが流れると、「コロッケ買ってきた」、「台風がくるのでコロッケを作ります」、「台風か、コロッケ買わなきゃ」、「台風直撃するならコロッケ買いだめしないとかなあ」といった感じのツイートを多く見つけることができます。Twitterだけではなく写真共有サイトのInstagram(インスタグラム)でも、台風が接近すると手作りコロッケやカフェのコロッケなど「インスタ映え」を意識したコロッケの写真が多くアップされるようです。

なぜ台風の日にコロッケを食べるのか

なぜ台風の日にコロッケを食べるのか

「台風コロッケ」の元ネタは、電子掲示板「2ちゃんねる」での書き込みです。「2ちゃんねる」は、1999年に開設されたインターネット掲示板。2017年10月からは名称が「5ちゃんねる」に変更されました。様々なジャンルのテーマを扱っているため、利用したことがある方も多いのではないでしょうか。

 

元ネタとなったのは、2001年8月21日の13時10分、ニュース速報板に立てられた『【台風11号パブーク】上陸秒読み実況スレッド 14号』への書き込み。それは次のようなものです。

 

「念のため、コロッケを16個買ってきました。もう3個食べてしまいました。」

 

書き込んだ人のハンドルネームは「こちら横浜」。2001年8月21日は台風11号が、約2年ぶりに日本へ上陸するかもしれないという状況でした。災害発生の可能性が高まる中、掲示板は不安や緊張について書き込むユーザーが多かったようです。そうした雰囲気の中で突然の平和な書き込みということで、ほかのユーザーから笑いや「自分もコロッケを食べたくなった」といった共感など、多くの反応を集めています。それ以来「台風が来たらコロッケを食べる」という流れがネットを中心に広がったということです。

 

書き込んだ人はコロッケが好きなのでしょうか。台風が来る前に「もう3個食べてしまいました」という、思わずだれもがツッコみたくなるようなポイントがあることも、多くの共感を誘ったのかもしれません。

 

2001年の元ネタ登場以来、しばらくの間は2ちゃんねる限定の流行でした。しかし2012年6月に台風4号が発生した際、Twitterのトレンドワードとして「台風コロッケ」がランクインしています。ネットメディアが取り上げることで、広く知られることになったようです。飲食店検索サイトでも、台風が発生すると「コロッケ」をキーワードとした検索が増えるという現象が確認されています。

現実に及ぼした影響

現実に及ぼした影響

ネット上で広がった「台風が来たらコロッケを食べる」という風習は、現実の世界にも影響を与えています。たとえば大手スーパーでのコロッケ販売。2017年10月に台風21号が日本に接近しました。その際イオンの一部店舗ではコロッケを増産し、お総菜コーナーでは「台風接近中」と書いたポップ広告を出して販売キャンペーンを行っています。

 

同年9月に台風18号が発生した際に、一部店舗でコロッケが完売したことがきっかけになったそうです。ネットメディアの情報から「台風コロッケ」の流行も知識としてあったようで、現実のコロッケ販売戦略に活用されました。

 

他にも各地のスーパーやお弁当屋さん、お総菜屋さんなどで「台風コロッケ」にちなんだセールが行われているようです。SNSでは台風が接近した際に「台風コロッケ1円祭り」を開催するお店があったという報告もみられました。台風が近づいたときはSNSをチェックするだけでなく、余裕があれば近くのお店をのぞいてみるのもよいかもしれません。

 

このように「台風コロッケ」は災害が近づく中、ほっとする話題としてネット上で多くの共感を呼んだことが始まりとなっています。「台風が来たらコロッケを食べる」という風習が人々の間で広がり、お店で関連セールが行われるまでになりました。もちろん台風に対しては、コロッケだけでなく備蓄や避難経路などの確認も必要です。加入している保険が台風による被害をカバーしているか、もう一度確認しておくことも安心につながるでしょう。

 

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2019年の台風被害も記憶に新しいところ。この機会に火災保険・家財保険の見直しはいかがでしょうか。楽天保険の総合窓口なら自分にあった料金プランなどお見積りができます。詳細を確認してもよいでしょう。

黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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