パーソナルスペースを知ることで仕事や恋愛を成功させる、基礎知識から応用
人との距離感で悩んでいる方は、その人が感じている親しさによって変化する「パーソナルスペース」について理解すると、仕事や恋愛において相手の心理を想像しやすくなります。パーソナルスペースの考え方を人間関係に役立てましょう。
- パーソナルスペースとは?
- パーソナルスペースの広さの違い
- パーソナルスペースが狭い人の特徴(心理)
- パーソナルスペースが広い人の特徴(心理)
- パーソナルスペースを恋愛に生かす方法
- パーソナルスペースを仕事に生かす方法
- パーソナルスペースを日常生活で役立てよう
パーソナルスペースとは?
パーソナルスペースとは、他人が近づいてくると不快に感じる空間または距離のことです。アメリカの文化人類学者エドワード・ホールが提唱したプロクセミックス理論によると、パーソナルスペースの距離感は以下の4つに分類されます。
・密接距離
家族、恋人などの身近で心を許せる人だけに侵入が許される距離
・個体距離
お互いに手を伸ばせば接することのできる距離で、友人と話す場合などにとる距離
・社会距離
相手と接することはできない距離で、仕事上の関係の人と会話するときにとる距離
・公共距離
公の場で人と対面したときにとる距離
人はこの4つの距離を相手に合わせて変化させています。例えば、電車やバスの中で空いている席がたくさんある場合について考えてみましょう。恋人や家族であれば隣に座りますが、見知らぬ人の隣には座ろうとせず少し距離を置いて座ります。
パーソナルスペースの広さの違い
パーソナルスペースはどんな人でも同じ広さではなく、年齢や性別、文化によって変わってきます。ここでは、パーソナルスペースの範囲の違いを、子どもと大人、男性と女性、日本人と外国人で比較してみましょう。
・子どもと大人
子どもは距離を意識せずに人と接する傾向があり、両親以外の人に抱かれたり、手をつないだりということを気軽にします。自分が子どものころを思い出してみればわかると思いますが、人との距離を意識する場面はほとんどなかったでしょう。ただし、見た目が怖い人に対しては本能的に恐怖心を感じて距離をとることがあります。
ところが、成長して大人になるにつれて人との距離を意識するようになります。大人になっても、子どもころと同じように人と接することは通常ありません。年齢によってパーソナルスペースは変化すると考えられています。
・男性と女性
パーソナルスペースは男性と女性でも差があります。
男性のパーソナルスペースは楕円形で、横の幅がなくて、前のスペースが広くなっているといわれています。男性の前後に人が立つと嫌がる傾向がありますが、横から近づくと警戒されないことが多いです。前のスペースが広くなっているため、男性は正面から向かい合うと嫌悪感を抱かれます。
女性のパーソナルスペースは円形で、前後左右のバランスが一定ですが、男性よりもパーソナルスペースは狭くなります。個人差はありますが、女性はだれとでも気軽に接するため距離感も近くなるようです。ただし、すべての人をパーソナルスペースぎりぎりまで近づけるわけではなく、嫌いな相手がパーソナルスペースに近づくだけで嫌悪感を持たれることがあります。
・日本人と外国人
日本人と外国人では文化が異なるため、パーソナルスペースも違うと考えられています。アメリカの文化人類学者エドワード・ホールが提唱した4つの分類における距離は、以下のようなものです。
密接距離:0cm~45cm
個体距離:45cm~120cm
社会距離:120cm~350cm
公共距離:350cm以上
以上は外国人の場合ですが、日本人の距離は以下のようになります。
密接距離 男性60cm、女性58cm
個体距離 男性72cm、女性69cm
社会距離 男性89cm、女性107cm
公共距離 男性108cm、女性118cm
外国人はハグをする人が多いのに日本人はほとんどしないので、パーソナルスペースは外国人のほうが距離は近いイメージがあるかもしれませんが、データで見ると意外にも日本人のほうが距離は近いのです。
パーソナルスペースが狭い人の特徴(心理)
パーソナルスペースの範囲には個人差がありますが、その人の広さによって心理的な部分も異なります。パーソナルスペースの狭い人には、以下のような特徴があります。
・人と触れ合うのを好む
パーソナルスペースの狭い人は他人との接触を好む傾向があり、いつも友人と過ごすことを好みます。人と触れ合うことに抵抗感がなく、コミュニケーション力が高いのが特徴です。
・外部に関心がある
外部のことに関心があり、新しい友達を作ったり、知らない土地へ行ったりすることを好む傾向があります。自分の知らないことや環境に興味があるので、知らない人が近づいてきても距離をとろうとしないのが特徴です。
・自分に自信がある
自分に自信があるので他人と距離をとらないと不安になることはなく、他人とのふれあいに積極的になる傾向があります。
パーソナルスペースが広い人の特徴(心理)
一方、パーソナルスペースの広い人には、以下のような特徴があります。
・慎重な性格
パーソナルスペースの広い人は慎重な性格の人が多く、他人に対する警戒心が強い傾向があります。これは一種の防衛本能です。
・他人より自分に関心がある
他人に関心がなく、自分だけに関心がある内向的な人はパーソナルスペースが広くなります。自分にしか興味がないので、他人が自分のスペースに侵入してくるのを嫌うのです。そのため、他人との間に壁を作ろうとします。
・内にこもろうとする
自分に自信がない人は、他人から非難されることへの不安から、周囲に人を近づけようとしなくなります。そのため内にこもるようになり、パーソナルスペースが広くなるのです。
パーソナルスペースを恋愛に生かす方法
相手に好かれているかわからない時に役立つパーソナルスペースを測る方法があります。まず相手が仲のいい友人とどれくらいの距離で会話しているかを確認して、それと同様の距離感で話してみるという方法です。相手が体を傾けたり少し離れたり、拒否反応があればまだあまり親しくはないということになります。また相手が男性の場合は、横のパーソナルスペースが狭いため、バーカウンターのある店にいくと距離を縮めることができると言われています。
パーソナルスペースを仕事に生かす方法
仕事場の仲間や上司、取引先に不快な思いをさせないためにもパーソナルスペースには気をつけて接する必要があります。上記の特徴から相手のパーソナルスペースを想定して接しましょう。想定できない場合には、最低限「社会距離」を取るように気をつけましょう。パーソナルスペースに誤って入ってしまうと、相手に対して不信感やストレスを抱かせてしまいます。
パーソナルスペースを日常生活で役立てよう
パーソナルスペースについて理解して、相手との距離に注意しながらコミュニケーションすると良好な人間関係を構築できます。今回ご紹介したパーソナルスペースについての豆知識を活用すれば、人との距離感で悩むことも少なくなるでしょう。仕事や恋愛の場面で、パーソナルスペースの知識を役立ててください。
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