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法人税の節税方法!種類や計算方法など基礎から学んでしっかり対策
企業の利益を課税対象とする法人税。法人税の概要と、その種類、計算方法などを詳しく説明します。また法人税の納付方法や節税のテクニック、さらには法人税をめぐる国の政策についても言及します。
法人税とは
まずは、法人税の概要を説明します。
・法人企業が得た利益にかかる税金
法人税とは、国に納める「国税」の一種で、企業が得た利益(所得)にかかる税金です。所得税と同じような課税項目として捉えるとわかりやすいでしょう。
納税方式は「直接税」で、「納税者」と税負担を担う「担税者」は同じです。消費税のように、間接的に納税する仕組みではありません。
さらに納税方法も所得税と同じく、申告納税(企業が確定申告書類の作成・税務署へ提出・納税)方式です。
まとめると、法人税は企業の所得を課税対象とする国税となります。
法人税の種類
法人税はいくつかの種類に分かれていて、企業形態により課される法人税の種類が変わります。
1. 各事業年度の所得に対する法人税:一事業年度(1年間)の間に得た所得に対してかかる税金です。
2. 各連結事業年度の所得に対する法人税:グループ企業(複数の関連企業を所有している企業)が法人税を申告・納税する際に適用されます。こちらが適用される場合は、「各事業年度の所得に対する法人税」は適用されません。
3. 特定信託の各計算期間の所得に対する法人税:信託会社のみに適用される法人税。
4. 退職年金等積立金に対する法人税:退職年金業務を行っている信託会社・保険会社に対して適用される法人税です。
課税される法人と課税されない法人
法人には、法人税が課税される法人と、課税されない法人があります。
・課税される法人
法人税が課税されるのは、以下の形態で事業を運営している法人です。
●普通法人
普通法人とは、株式会社をはじめ有限会社・合同会社・合資会社・企業組合・日本銀行などを指します。また、期末資本金(会計年度終了時期)が1億円以下の中小企業には、軽減税率が適用されるのも大きな特徴です。
●協同組合等
協同組合等とは、農業協同組合(JA)や労働者協同組合・信用金庫といった法人を指します。普通法人との違いは、税率が下げられている点です。
・課税されない法人
一方法人税が課税されないケースとは、非営利目的の法人や国・地方公共団体が運営している法人などです。
●公益法人:社団法人や宗教法人など
●人格のない社団:PTAや何らかの実行委員会
●公共法人:日本放送協会や住宅金融金庫など
ただし、公益法人と人格のない社団については、利益が出る事業を手掛けた場合は課税対象となります。
計算方法
法人税を算出するには、まず利益から費用を差し引いて課税所得を求めます。
益金(利益)-損金(費用)=課税所得
課税所得×法人税率-控除額=法人税
ただし、益金と損金の算出については、利益・費用の概念とは一致せず、なおかつ細かな指定もあるため注意が必要です。
法人税率は種類と売上の規模によって変わります。
年間の所得が800万円以下
●普通法人:19%
●協同組合等:19%
●公益法人等(収益事業を行った場合):19%
●人格のない社団等(収益事業を行った場合):19%
年間の所得が800万円を超える部分
●普通法人:23.2%
●協同組合等:19%
●公益法人等(収益事業を行った場合):19%
●人格のない社団等(収益事業を行った場合):23.2%
正しい納税を行うためにも各税率は覚えておきましょう。
納付の仕方
法人税の納付方法は、3種類の中から選ぶことができます。
1. 電子納税
電子納付とは、電子申告システム「e-Tax」の「ダイレクト納付」を利用して納税することです。預貯金口座から即日で振替されます。ただし事前に利用開始手続きをし、税務署に届出を出しておくなどの準備が必要です。
2. クレジットカードで納付
「国税クレジットカードお支払サイト」というサイトを利用すれば、法人税がクレジットカードで納付できます。
3. 納付書と現金を提出
「納付書と現金の提出」による法人税納付は、所轄の税務署・金融機関・コンビニ(納税額30万円以下)のいずれかでできます。ネット銀行からの振込も可能です。
時と場所を選ばずスピーディに納付したい場合は、電子納税がおすすめです。電子納税は、インターネット環境が整っているパソコンがあれば、申告書の作成から納付まで一括で手続きを進められます。
アベノミクスでの税率見直しで何が変わったのか
法人税の税率は、安倍政権の成立から徐々に下げられています。法人税率は2013年度から2016年度にかけて段階的に引き下げられ、それ以前の30.0%から23.2%になりました。法人実効税率も37%から29.97%に下がりました。これを20%にまでする案も検討されており、今後さらに下がる可能性もあります。
・法人税率の見直しは経済成長にとってメリットとなる
法人税率の見直しで、大企業・中小企業が利益を残しやすくなるだけでなく、税負担の削減によって起業チャンスが増えるようになります。そのため、結果的に経済成長という大きなメリットにも繋がるのが魅力です。
海外にも企業誘致のために法人税率を下げている国がありますが、日本の法人税率が引き下げられれば、国内企業の海外移転抑止の効果をもたらすでしょう。
節税方法
最後に永久節税と繰延節税という2種類の節税方法を紹介します。どちらも各種費用を経費として計上することで実現する節税です。
・永久節税と呼ばれる節税方法
1つは永久節税という節税方法で、以下のような項目を経費として計上します。
●毎月一定額の役員給与を支給している場合、役員給与を経費として計上可能。
●役員賞与の金額や支給日などを税務署へ伝えることで、経費として計上可能。提出期限は、株主総会等の決議の日から1カ月経過した日、または会計期間開始日から4カ月経過した日のうち、先にくる日にち。
●出張旅費
また、決算前に行うことができる節税方法も存在します。
●1つ10万円以下の消耗品は経費として計上可能。
●中小企業であれば、30万円未満の資産を全額経費として計上可能。ただし、年間総額は300万円未満となること。
・繰延節税と呼ばれる節税方法
続いて、繰延節税と呼ばれる節税方法を、以下に紹介します。
●生命保険の保険料支払いは経費として計上可能。ただし、保険金を受け取った場合は、収益として計上。
●特別目的会社(日本型オペレーティングリース)への出資金は全額経費として計上可能。
繰延節税も永久節税と同じく、決算前にできる節税方法もあるので参考にしてください。
●翌年度に支給する従業員への決算賞与を未払い計上する。
●すでにサービスを受けたが支払いが翌年度になる経費を、今年度の経費として計上。
課税のタイミングが遅くなるだけなので、必ず翌年度の負担も考慮しましょう。
法人設立を検討している方は、事前に法人税の仕組みや税率・納付方法を知っておきましょう。
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