調理器具が大好きなプロ料理家が厳選!予算15,000円で揃える「高コスパ調理器具」
進学や就職などで新生活をスタートさせる際、イチから買い揃えることになるのが調理器具。「一人暮らしをきっかけに料理を始めよう!」という人でも、最初はどんな調理器具を買えば良いのか悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで、レシピ開発から料理を使った地方創生まで幅広く活躍する料理家の河瀬璃菜さんに、便利かつ長く愛用できる「高コスパ調理器具」を紹介していただきます。調理器具が大好きな河瀨さんに、予算15,000円で揃えるマストアイテムを伺っていきます。
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調理器具を選ぶポイントは「兼用できること」と「丈夫なこと」
―― 始めに伺いたいんですが、一人暮らしの方が調理器具を買い揃えるとき、なにをポイントに選ぶと良いでしょうか?
河瀬璃菜さん(以下、河瀬):ポイントは2つです。ひとつは「兼用できること」。一人暮らしのキッチンって、そこまで広くないですよね。あれこれ調理器具を揃えると、キッチンが狭くなってしまいます。なので、「これひとつでいろいろ使える」といった調理器具のほうが、一人暮らしに向いていると思います。
もうひとつは「丈夫なこと」。調理器具はなにかヒット商品が出ると、その“亜種”みたいなものがよく出るんですよね。値段は安いんですが、本家と比べるとやっぱり作りが甘くて、壊れやすかったり…。結局、長く使えたほうが得なので、私は作りが丈夫なことも重視しています。
――なるほど。では、その2つのポイントから厳選したアイテムを教えてください!
※以下すべてインタビュー時点での価格であり、税込みです。また、販売店によって価格が異なる場合があります。
無印良品 柄の長い計量スプーン 350円(税込み[送料別])
河瀬:無印良品の調理器具、大好きなんですよ。とにかく丈夫! この柄の長い軽量スプーンも、柄の部分にしっかり厚みがあって、とても硬いんです。ちょっと力を加えても全然曲がらない。この値段でこんなに丈夫でいいの!? とびっくりしました。
柄が長いので、深い瓶でもちゃんと底まで届きますし、ボウルでドレッシングを作ったりするときもすごく混ぜやすいですね。
大さじ2分の1のところに線が入ってるので計量が楽です。私は大さじと小さじを揃えて、一緒に使っています。
無印良品 シリコーン調理スプーン 490円(税込み[送料別])
河瀬:シリコーン素材でできた調理スプーンです。そこそこ大きさがあるので、汁気のあるものも取り分けられるし、炒めものもできるし、盛り付けにも便利。何通りにも使えるので、一家に1本あると便利な商品だと思います。
柔らかいシリコーン素材でできているので、スプーンの先端がくにゃっと曲がるのもポイント。フライパンや鍋の形にフィットするので、底に残ったソースなどを無駄なくきれいにすくえるんです。柔らかいのでテフロン加工を傷つける心配もなし。おたまと木べらとゴムベラの役割がひとつになった「一石三鳥」のスプーンですね。
鮮度保持袋 愛菜果 (M) 6枚入 130円程度(税込み[送料別])
河瀬:一人暮らしで自炊をすると、野菜が1回で使い切れないことも多いと思います。レタス1玉を買ったけど大半が残ってしまって、気づいたら冷蔵庫の中でシナシナになっている…なんてことも。
そんなとき、野菜や果物を長持ちさせてくれるのが、この鮮度保持袋。老化を促進するエチレンガスを吸着透過させるそうで、体感で1.5倍~2倍くらい鮮度を保ってくれるんです。私はLサイズも買って、根菜用・葉物野菜用・果物用と袋を分けて使っています。実家から大きな白菜が届いた…なんてとき、この袋に入れておけばきっと最後までおいしく使い切れますよ。
ののじ おたま 穴あきオタモ1,430円(税込み)
河瀬:「おたま」と「しゃもじ」のハイブリッドで「オタモ」です。平たくて大きなスプーンなんですが、穴が空いているので、野菜を下茹でしたときの水切りや、揚げものの油切りに便利。味噌汁の味噌を溶くのにも使えますし、一人分のそばを茹でたときはザル代わりにも。とにかく万能です。
ポイントは洗いやすいこと。メッシュの網おたまだと、網目に汚れがたまったりするんですが、この「穴あきオタモ」はパンチ穴なので洗いやすい。いくら料理で時短しても、洗いものに時間がかかったら意味がないですからね。
ぶんぶんチョッパー・PRO 2,530円程度(税込み)
写真は「ぶんぶんチョッパー・PRO」ではなく「ぶんぶんチョッパー」
河瀬:普段料理をしない人でも、「ぶんぶんチョッパー」という名前は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。すっかり有名商品ですよね。私もずっと使っていて、いま家にあるのは3台目です。私が使っているのは「ぶんぶんチョッパー」ですが、後継機種の「ぶんぶんチョッパー・PRO」も出ているようですね。
餃子やハンバーグなど、みじん切りが必要なタイミングって意外とあるんです。電動のフードプロセッサーを使ってもいいんですけど、だいたい台所って電源が足りない(笑)。「ぶんぶんチョッパー」は手動ですぐに使えるので助かっています。電源が無いアウトドアでも使えるので、キャンプ飯にこだわりたい人にもオススメですよ。
HARIO スタッキング耐熱ガラスコンテナ+ミニ角小鉢 5個セット 3,850円程度(税込み)
楽天市場で「HARIO スタッキング耐熱ガラスコンテナ+ミニ角小鉢 5個セット」の検索結果
河瀬:料理をはじめると、必ず使うことになるのが保存容器。プラスチックのタッパーだと、麻婆豆腐やカレーを入れたときの色移りや臭い移りが気になるんですよね。この商品はガラス製なのでそうした心配がないですし、このまま食器として使えるのも良いところ。
フタが付いているので保存にも便利ですし、電子レンジ調理もラップ無しでできます。耐熱ガラスコンテナはオーブン調理も可能。グラタンなんかも、このコンテナで作ってそのまま食卓に出せちゃいますよ。
HARIO レンジフタ付き耐熱ガラス製ボウル2個セット 3,850円程度(税込み)
楽天市場で「HARIO レンジフタ付き耐熱ガラス製ボウル2個セット」の検索結果
河瀬:先程と同じメーカーのガラス製品なんですが、こちらはボウルです。1番の特徴は深いこと。深さがあると食材が混ぜやすいんです。もちろん耐熱なので電子レンジ調理も可能。カボチャの下茹でなんかも楽ちんです。
このボウルはフタも優れものなんですよね。ボウルって何個も使うとキッチンが狭くなるんですが、これはフタをすれば上に重ねられるんです。横に水切り用の穴が空いているのも、かゆいところに手が届く感じ。
これまで使ったボウルのなかで、1番優秀じゃないでしょうか。
山崎実業1合分別 冷蔵庫用米びつタワー 2,200円程度(税込み)
河瀬:自炊初心者にとって盲点なのが、お米の置き場所。お米は密閉容器に入れて冷暗所に保存するのがベストなんですが、冷蔵庫に保存しようにも場所に困ったりするんですよね。
この「タワー」は、冷蔵庫のポケットや野菜室にすっきり収まる米びつ。1.8kgのお米を12分割して収納できて、フタをスライドさせると1合ずつお米を取り出せます。
計量カップでいちいち量らなくていいので楽ですよ。なにより見た目がスタイリッシュですし、一人暮らしにはちょうどいいサイズだと思います。
……ここまでで、合計いくらですか?
――いま計算しますね……。8点で税込み14,380円です。
河瀬:これ以上紹介すると15,000円を超えてしまうんですが……。まだまだ激推しのアイテムがあるので、余裕があったら買い足すつもりで聞いてください!
すぐ切れるバターカットケース 1,490円程度(税込み)
河瀬さんは容器を逆さにしてバターを保管している
(こうするとカッター部分を取り外さなくて済むそうです)
河瀬:これまでも似たようなバターカッターケースがありましたが、バターが冷えてカチカチの状態だと切れず、バターが柔らかくなるまで室温に置いてから切るという使い方でした。
でもこのバターカットケースでは、冷たくてカチカチのバターでも、ギュッとひと押しすれば切れちゃうんです! 初めて使ったときは、もう嬉しくて(笑)。
200gのバターであれば押し込むと5gにカットされるので、料理だけでなくお菓子作りにも使いやすいです。切られた状態で売っているバターもありますが、やはり割高なので、ブロックで買って自分で切るほうが節約にもなりますよ。
OXOターナー 1,760円程度(税込み)
河瀬:フライパン上の食材を裏返したり、取り出したりするときに便利な「ターナー(フライ返し)」です。煮魚や目玉焼きのような柔らかいものを取るとき、厚みがあるターナーだと全然すくえなかったりするんです。フライパンの端まで寄せて、ようやく取れたりして。
このターナーは、ステンレスのヘッドが極薄なうえに弾力があり、すごく“しなる”んですね。柔らかいものや崩れやすいものでも、その下にスッと入ってくれます。魚焼きグリルから焼き魚を取るときも、身を崩さずにすくえるのでとても便利です。
富士ホーロー味噌ポット 2,475円(税込み)
河瀬:ホーローでできた角型の味噌ポットです。密閉できるフタがついているので、味噌の乾燥や酸化、ニオイ漏れを防いでくれます。買ってきた味噌のパックがそのままスポッと入るので、入れ替えも楽。私は袋タイプの味噌も、この中に全部出して保存しちゃいます。
ホーローは色移りや臭い移りがしにくく、洗いやすいので、キムチなど味噌以外の食材の保存にも使えますよ。取っ手がついてますし、IHや直火調理もできるので、1人分の味噌汁やカレーを作る鍋としてもちょうど良いですね。保存容器と調理器具の良いとこどりなグッズです。
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自炊を始めると“体からの声”を大切にできる
―― たくさん紹介してくださってありがとうございます! 登場したグッズを使って、何か簡単にできるレシピはありますか……?
河瀬:そうですね。HARIOの耐熱ガラスコンテナを使った「自家製ツナ」なんてどうでしょうか。「ちょっとだけお刺身が残った」みたいなときに、簡単に作れますよ。
<材料(作りやすい量)>
- マグロ切り落とし刺身…5~6切れ
- オリーブオイル…大さじ2
- ニンニク…1片
- スライスレモン…1枚
- 塩…ひとつまみ
- 黒こしょう…少々
<作り方>
- マグロに塩を少々(分量外)を振り、水分が出てきたらキッチンペーパーで拭き取る。
- ニンニクはつぶし、レモンはスライスする。
- 耐熱ボウルにすべての材料を入れたら、蓋をし、600Wのレンジで1分加熱する。
(赤い部分が残っていたら10秒ずつ加熱し、様子を見る) - 蓋をしたまま余熱で火を通し粗熱が取れたら、マグロをほぐす。
――なるほど、これなら料理初心者でも作れそうですね!
河瀬:ブリやカツオなどお好みの刺身でアレンジOKです! ご飯に乗せたり、パンに乗せたり、パスタにしてもおいしいですよ。
――いろいろなグッズを紹介していただきましたが、楽天はよくお使いになられるのでしょうか?
河瀬:使っています! 楽天市場では事前に欲しいものをチェックしておいて、楽天スーパーSALEのときに買い回ったり、買ったものを片っ端から楽天ROOMに登録したり…。
楽天市場はショップがバラエティに富んでいるので、調理器具のバリエーションも多彩で助かりますね。食材を売るショップもたくさんあって、秋田の「子持ちハタハタ」とか、普通のスーパーにはない旬の素材があったりするんですよ。出張でも楽天トラベルを使っていますし、楽天経済圏にはお世話になりっぱなしです(笑)。
――最後に、一人暮らしを始める人にアドバイスをいただけたらと思います。
河瀬:一人暮らしを始めると、どうしても外食が中心になるじゃないですか。学校や仕事にも追われて、体のことをおろそかにしがち。でも何をするにも、健康な体って大事なはずなんですね。
自炊は、健康な体を作るひとつの手段だと思っています。自炊を始めると、自分の体に敏感になって「胃腸が疲れているな」「最近塩分摂りすぎな気がする」と“体からの声”が聞こえるようになるんです。その声にあわせてメニューを考えたり、味や調味料を調整したりすれば、体も喜んでくれます。
もちろん、帰りが遅くなる日もあるでしょうし、「絶対毎日自炊しなきゃダメ」というわけではありません。今はおいしいレトルトや冷凍食品もありますし、そういったものも取り入れながら、無理のない範囲で自炊を楽しんでもらえたらと思います。
取材・執筆:井上マサキ
写真:河瀬璃菜
(「HARIO スタッキング耐熱ガラスコンテナ+ミニ角小鉢 5個セット」のみメーカー提供)
編集:はてな編集部
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