「拝命」の意味や使い方は?任命との違いや例文なども解説

リリース日:2023/12/11 更新日:2025/09/10

ビジネスシーンにおいて、「拝命(はいめい)する」という言葉を耳にすることがあります。「拝命」とは、上司など目上の人から命令された役割や官職を謹(つつし)んでお受けするという意味の言葉です。

昇進時の所信表明や就任挨拶のスピーチなどでよく使われる言葉ですが、詳しい意味や正しい使い方がわからない人もいるかもしれません。正しい言葉遣いができないと、相手に与える印象が変わることもあります。

ここでは、「拝命」の意味や使い方、類語を解説し、例文も紹介します。挨拶やスピーチをする際に困らないよう、「拝命」についてしっかり理解しておきましょう。

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  1. 「拝命」の意味
  2. 「拝命」と「任命」の違い
  3. 「拝命」の正しい使い方と例文
  4. 「拝命」の誤った使い方や注意点
  5. 「拝命」の言換表現とは?
  6. 「拝命」の意味や使い方を理解してマナーに沿った挨拶文を作りましょう

「拝命」の意味

握手しているビジネスヒューマン

「拝命」とは、上司など目上の人から命じられた役割や官職を、謹(つつし)んでお受けするという意味の言葉で、「任命される」の謙譲語(へりくだった表現)にあたります。

「拝」は「うやまう」や「あがめる」といった意味があり、相手に敬意を示す謙譲語です。「命」は「言いつけ」や「仰せ」という意味で、命令を受けることをへりくだって表現します。

「拝命」と「任命」の違い

疑問マークとビジネスヒューマン

「拝命」と似た言葉に「任命」があります。いずれも役割や官職に就く命令に関する言葉ですが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

「拝命」は前述のように、目上の人からの命令をお受けするという意味の謙譲語で、命令を受けた側が用いる言葉です。一方、「任命」は命令をする側が用いる言葉で、「役割や官職に就くことの命令」という意味があります。

つまり、「拝命」と「任命」は、命令を受ける側・命令をする側それぞれが用いる言葉として、違いがあります。

そのほかの言葉との違い

「拝命」と混同される言葉に「就任」「新任」「着任」がありますが、これらは「拝命」とは意味も使い方も異なります。誤って使わないように、それぞれの意味の違いや使い方の違いを理解しておきましょう。

就任

就任には、「任務や職務に就くこと」という意味があり、「代表取締役に就任する」などの使い方をします。

新任

「新任」は、「ある職務や地位に新しく任ぜられること。また、新しく任ぜられた当人」を指す言葉です。「新任の〇〇です」のように使います。

着任

「着任」には、「新しい任地に到着すること、または、新しい任務に就くこと」といった意味があり、「A支店の店長がB支店の店長に着任した」という使い方があります。

このように、「就任」「新任」「着任」にはそれぞれ異なる意味や使い方があり、いずれも謙譲の意味は含まれていません謙譲語である「拝命」とは異なる表現です。




「拝命」の正しい使い方と例文

上司と握手をするビジネスヒューマン

「拝命」は、新たな役割や官職についての命令を受けた場合に、社内や赴任先の人への挨拶などで用いられる言葉です。具体的には、所信表明や就任挨拶などが挙げられます。

「拝命」と「任命」の使用例

  • 拝命:プロジェクトの責任者を拝命した
  • 任命:〇〇課長を新部署の部長に任命した

また、ビジネスシーン以外にも使われることがあります。マナーにあった使い方ができるよう、例文を参考に正しい使い方を確認していきましょう。

「拝命」を用いた例文1 :ビジネスシーン

ビジネスシーンにおける「拝命」の例文を、以下に紹介します。

 

  • 今般(こんぱん)、営業部部長を拝命しました、〇〇です。会社の発展に尽力する所存でございます。
  • 新プロジェクトのリーダーを拝命しました。プロジェクトの成功に向け、全力で取り組む所存です。
  • このたびの定期異動により、4月1日付けで総務課課長を拝命しました。
  • クライアントとの会議の司会を拝命しました。
  • 先日拝命しました案件は、順調に進んでおります。
  • 支店長を拝命した経緯を、ここにご報告いたします。

「拝命」を用いた例文2:ビジネスシーン以外

「拝命」がビジネスシーン以外で使用される例をいくつか紹介します。

 

  • 子供が通う中学校のPTA役員を拝命しました。
  • 夏祭りの運営委員長を拝命した〇〇です。
  • サッカーチームのキャプテンを拝命しました。

「拝命」の誤った使い方や注意点

人差し指を立てるスーツ姿の女性

「拝命」は、日常生活で使う機会が少ないため、使い方が難しい場合があります。へりくだったつもりでも、かえって相手に不快な思いをさせてしまうことがないよう、注意点について解説します。

二重敬語にならないように気を付ける

「拝命」は謙譲語であり、もともとへりくだった表現ですが、より丁寧にしようとして二重敬語になってしまうことがあります。二重敬語を使うと「マナーを知らない」と思われたり、過剰な丁寧表現が「相手から見下されている」という気持ちを持たれたりする恐れがあります。

「拝命」を使用する際によくある二重敬語は、以下のとおりです。

拝命の二重敬語

拝命いたしました 拝命<謙譲語>+いたす<「する」の謙譲語>
拝命承りました 拝命<謙譲語>+承る<「受ける」の謙譲語 >
拝命させていただきます 拝命<謙譲語>+させていただきます<「させてもらう」の謙譲語>
ご拝命 ご<尊敬の意味(または謙譲の意味)の接頭語+拝命<謙譲語>
※接頭語「ご(お)」は、文脈により尊敬語・謙譲語・丁寧語のいずれにもなる。
 

「拝命」の誤った使用例

「拝命いたしました」と「拝命承りました」は、いずれも謙譲語+謙譲語で、二重敬語です。

「拝命させていただきます」も謙譲語+謙譲語で二重敬語ですが、文化庁によると、そもそも「させていただきます」が使用できるのは、以下の2つを両方満たす場合に限るとされています。

「拝命」の誤った使用例
  1. 相手側や第三者の許可を受けて行う場合
  2. それを行うことで自分が恩恵を受ける場合

なお、上記の2つを満たしていても、満たしている度合いによって適切な場合と不適切な場合があるため、使い方が難しい表現のひとつです。

ほかにも、「拝命される」という表現を耳にすることがありますが、日本語としては不適切です。「拝命」自体に「命令を受ける」という意味があり、「される」を付けると意味が重複してしまいます。二重敬語だけでなく、意味の重複にも注意しましょう

社外の人には使用しない

「拝命」は、命令を下した目上の人に対して、へりくだることで相手を立てる表現です。そのため、社外の取引先や顧客などに対して使用するのはマナー違反とされています。社外の人に「プロジェクトリーダーを拝命しました〇〇です」などと挨拶すると、自社や自分の立場を敬っているように受け取られる可能性があります。

社内の上司などに対する敬意を社外の人に使うのは不適切なため、この場合は、「プロジェクトリーダーを命ぜられました〇〇です」または、「プロジェクトリーダーを務めます〇〇です」などと挨拶するのが適当でしょう。

ちなみに、履歴書の職歴欄などに「拝命する」を記載するのも不適切です。

「拝命」の言換表現とは?

考えるビジネスヒューマンたち

「拝命」と同じような場面で使える言葉にはいくつかあります。「拝命」の使い方は難しい場面は、状況に応じて使い分けられると良いでしょう。

任される

「拝命」の言い換え表現として、「任される(まかされる)」という言葉があります。「任す」の未然形「任さ」と、受け身や尊敬などの助動詞「れる」を組み合わせた言葉で、「権限などを人から委ねてもらう」という意味です。
上司などの目上の人から任務を受ける際に使用されます。

「任される」の使用例

  • 希望していた役職を任された
  • プロジェクトリーダーという大役を任された

引き受ける

「引き受ける」は、相手からの要望や命令された役割・仕事について、責任をもって受け持つという意味の言葉です。人から頼まれたときや任された場合に、接頭語「お」をつけて、「お引き受けします」と使用することが多いです。

「引き受ける」の使用例

  • 町内会の会長を頼まれたので、引き受けることにした。
  • 「可能でしたら、お願いできませんか」「私でよければ、お引き受けします」

仰せつかる

「仰せつかる(おおせつかる)」は、上司など目上の人から命令や指示を受けるという意味の言葉です。「言いつかる」の敬語表現なので、二重敬語にならないよう注意しましょう

「仰せつかる」の使用例

  • 身に余る役職を仰せつかり、より一層身の引き締まる思いです。
  • 入社して5年目、初めて大役を仰せつかったので全力で取り組みます。

命ぜられる

「命ぜられる(めいぜられる)」は、目上の人から命令を受ける、または命令されるという意味で、「命じる」の受身表現です。拝命と同じく命令を受けるという意味ですが、拝命のような謙譲のニュアンスは含まれません

また、拝命は社外の人に使うのはマナー違反ですが、「命ぜられる」は謙譲表現ではないため、社内・社外のどちらでも使用できます

「命ぜられる」の使用例

  • 海外出張が命ぜられた。
  • このたび、店舗責任者を命ぜられました〇〇です。

「拝命」の意味や使い方を理解してマナーに沿った挨拶文を作りましょう

「拝命」は、「目上の方から命じられた役割や官職を謹んでお受けする」という意味の謙譲語です。へりくだることで、命令を下した目上の人を立てる表現ですが、二重敬語にならないように注意することや、社外の方には使わないといった点にも気を付けましょう。

また、「任命」など混同しがちな言葉もあるため、意味や使い方を十分に理解したうえで使用することが大切です。もし「拝命」が使いにくい場合は、「任される」などのより柔らかいニュアンスの言換表現を使うのも良いでしょう。

なお、ここで解説した「拝命」のほかにも、ビジネスシーンで知っておきたい言葉やマナーがあります。より魅力的なビジネスパーソンになるためには、TPOに応じたビジネスマナーが必須です。

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このテーマに関する気になるポイント!

  • 「拝命」をスピーチで使う際、どのような点に気を付ければ良いですか?

    スピーチで「拝命」を使用する際は、謙譲語であることを意識し、過度な丁寧語や二重敬語にならないよう注意しましょう。また、聞いている人に与えられた役割への決意や感謝の気持ちが伝わるように、簡潔かつ誠実に表現することが重要です。

  • 「拝命」と「受諾」はどのように使い分けますか?

    「拝命」は、目上からの命令や役職を謹んで受けるという謙譲の意を含みます。一方、「受諾」は、提案や要求、条件などを承知して受け入れる、というより一般的な意味合いで、謙譲のニュアンスは持ちません。ビジネスの依頼を「受諾する」といった形で使われます。

  • 新しい役割を「拝命」した場合、周囲への報告はどのように行うべきですか?

    新しい役割を拝命した際は、まず直属の上司や関係部署へ報告し、その後、必要に応じて社内全体や関係者へ通知します。報告の際は、「このたび〇〇を拝命しました」といった形で、謙虚かつ明確に伝えることがマナーです。




木内菜穂子
この記事を書いた人
木内菜穂子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

金融機関や税理士事務所勤務での知識を生かし、FP1級、AFP、日商簿記2級などの資格を取得しました。現在は、金融・保険をメインとしたライターとして執筆活動をしています。お金に関する情報をわかりやすくお伝えできるよう日々努めています。

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