「モラル」とは?言葉の意味や使い方、似ている言葉との違いもわかりやすく解説!

リリース日:2023/03/30 更新日:2023/03/30

日々生活を続ける中で「モラル」について気になるときがあるかもしれません。モラルに対する考え方があわない人との付きあいでは、困惑することや違和感を覚えることもあるでしょう。このように人々の考え方や行動に影響を与える「モラル」。この言葉について、さまざまな観点から解説していきます。

  1. モラルとは?モラルという言葉の意味
  2. モラルの類義語
  3. モラルの使い方・例文
  4. モラルに似た言葉
  5. モラルを含む言葉
  6. ビジネスシーンや会社におけるモラルとは?
  7. 「モラルがない人」とは具体的にどのような人?

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モラルとは?モラルという言葉の意味

モラルとは?モラルの言葉の意味

モラルとは、人が現実社会において守るべきとされる規範のことです。善悪の判断をともなう個人の感性であり、法的な拘束力はありません。日常生活を送るうえで、道徳的に正しいと考えられる行動、例えば「ウソをつかない」「他人に迷惑を掛けない」「ゴミをポイ捨てしない」などが含まれます。

 

モラルは英語だと「moral」。形容詞としては「道徳上の」「善悪の判断に関する」「良心の」、名詞としては「教訓」「品行」「道徳」といった意味で使われます。例えばmoral actであれば「道徳的な行為」、moral companyのような使い方であれば「倫理的企業」を表すのに使われます。

 

モラルの語源となっているのはラテン語の「mores(モーレス)」。社会の集団生活において、重要とされる行動様式のことで、日本語では習俗や掟(おきて)、慣習のように訳されます。

モラルの類義語

モラルの類義語

類義語

モラルの類義語として挙げられるのは「道徳」や「良識」「倫理」などです。道徳というのは、この世には人が従うべき道があり、それを体得している状態のことを指します。また良識とは、物事について正しく判断できる能力のことで、デカルトの『方法序説』の中では「理性」とも呼ばれています。考え方が健全な状態を表す言葉です。倫理という言葉は、社会生活を送るうえで守るべき一般的な決まり事や秩序という意味を持っています。それぞれ意味はモラルと似ているのですが、ニュアンスが少しずつ違っているのがわかります。

対義語

モラルの対義語は「インモラル(immoral)」です。モラルが正・善に従った状態を意味するとき、インモラルは正・善を排除している様子を表します。日本語だとこれに相当するのは「背徳」という言葉です。またモラルが正・善を尊ぶありさまを表すのであれば、インモラルは正・善を尊ばないこととなり、日本語では「不道徳」といった言葉がこれに相当するでしょう。

モラルの使い方・例文

モラルの使い方・例文

【例1】モラルがある

「モラル」を使った言い回しでよく耳にするのは「モラルがある」です。人や企業などが、倫理観や道徳を保持している状態を表す言い方です。例文としては、「社会人になったので、モラルがある人間として見られるよう心掛ける」「投資をするのであれば、モラルがある企業を選びたい」のようなものがあります。

【例2】モラルに欠ける

「モラルに欠ける」という表現が表すのは、倫理や道徳からはずれている状態です。例えば「モラルに欠ける行動が多い人は、信頼できない」「周囲から尊敬されるためには、モラルに欠ける言動は慎んだほうが良い」といった使い方ができます。

【例3】モラルを守る

「モラルを守る」もよく使われる言い方です。「ネットでの情報発信は匿名でも可能なため、モラルを守らない人が増えている」「秩序を回復するには、人々がモラルを守ることが必要だ」のような言い方ができます。

【そのほかの使い方】

「モラル」の使い方としてはこれ以外にも、「モラルの問題」「モラルに反する」「モラルの向上」などがあります。

モラルに似た言葉

モラルに似た言葉

マナー

モラルに似た言葉として思いつくのが、「マナー」。どちらも「守る」ものですが、モラルが善悪の判断など、内的な価値に深く関係するのに対し、マナーはより実践的な決まり事と考えられます。交通マナーやビジネス上のマナー、食事のマナーといった使われ方からもわかるように、マナーには行儀作法や礼儀といった意味があります。社会や集団での活動を円滑にするための方法ともいえるでしょう。

エチケット

マナーやモラルと並んで、こちらも守るべきとされているのが「エチケット」。マナーが広い社会での活動に関わるのに対し、エチケットは個人間で、互いが不快にならないために取るべき行動といえます。

 

最近では感染症への対策に敏感になっていることから、「咳エチケット」のような言葉も使われるようになりました。咳が出るようであれば、マスクをしたり手で押さえたりすることで、相手や周囲を不快にしないことがエチケットとなるのです。

モラール

モラルとモラール、よく似ていますが別の意味で使われます。英語でモラルは「moral」、モラールは「morale」という違いがあります。

 

モラールの意味は、「士気」「やる気」。困難に立ち向かう際の気持ちを表す言葉です。職場や集団において、目標へ向けて団結して頑張ろう、という場面で使われます。「うちの職場はモラールが高い」といった言い方をします。職場の士気が高い状態を指すのですが、「モラル」と勘違いすると別の意味になってしまうので注意が必要かもしれません。

モラルを含む言葉

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モラルハザード

モラルハザードには、2つの意味があります。倫理や道徳心が欠けている状態を指すことがありますが、これは日本におけるカタカナ英語での意味。英語の「moral hazard」では別の意味となります。保険や金融など、マネーの世界で使われる言葉です。

 

例えば保険の場合、自動車保険に加入すると事故への注意がおろそかになってしまう、というような現象を指します。本来、運転中は事故に気を付けなくてはならないのに、保険に加入したためにそれが失われるのが問題だということです。

 

金融の世界では、セーフティネットの存在がモラルハザードになるとして問題視されることもあります。銀行などの金融機関が経営難から破綻しそうになると、国が公的資金を使って救済するケースが多く見られます。救済されることが当たり前になってしまうと、金融機関がリスクの高い融資に走ってしまうなど、経営に悪影響を与える可能性があるのです。

 

銀行を利用する側も「銀行は救済されるためつぶれることはない」と考えてしまい、経営状態をよく見ずに選んでしまうようになってしまいます。こうした状況をモラルハザードと呼んでいるのです。

情報モラル

最近、教育の世界などで重視されるようになっているのが情報モラル。「情報モラル教育」といった言葉を聞くことがあります。教えているのは、情報社会におけるモラル。インターネットが発達し、スマホやSNSの利用が増え、多くの問題が指摘されるようになりました。そうした情報社会で適切な行動を取るために必要な考え方が、情報モラルです。社会全体で守るべきモラルもありますが、とくに情報を扱う際に必要となるモラルということになります。

 

例えば知的所有権の問題があります。デジタルデータを扱ううえでは、作った人の権利を尊重しなければなりません。プライバシーも、情報モラルとして捉えられます。誰もが簡単に広く情報発信ができるようになり、個人情報の拡散には気を付けるべきでしょう。SNSなど顔の見えないコミュニケーションにおいて、相手を傷つけない心掛けも情報モラルとなります。

 

匿名性などから、情報社会では失われがちになりかねないモラル。大人も子供も意識する必要がありそうです。

ビジネスシーンや会社におけるモラルとは?

ビジネスシーンや会社におけるモラルとは?

企業がビジネスを続けるに当たっては、より高いモラルが求められるようになりつつあります。そのひとつがSDGs。「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことです。近年「SDGs経営」という言葉も登場しました。自社の活動がSDGsの目標達成のため、どのように貢献しているのかを示す企業が増えています。持続可能な世界の実現に貢献する、モラルの高い企業であることが、消費者や投資家へのアピールとなるのです。

 

投資においては、「ESG投資」という考え方が広がっています。ESGは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)のこと。ESG投資は、企業のESGへの取り組みを評価して、投資先を選別するという意味です。具体的には、気候変動などの環境問題、格差などの社会的課題、情報開示などガバナンスに関する課題への取り組み判断基準になります。企業も投資家も高いモラルを持つことにより、より良い世界が実現するという考え方です。

 

また、マネーに関する資格にFP(ファイナンシャル・プランナー)があります。家計に関してお金のアドバイスをするのですが、ここでもモラルが重要です。日本FP協会では、会員が守るべきモラルとして「会員倫理規程」を定めています。内容は、「顧客の最善の利益を追求しなければならない」、「利益相反事項がある場合は、これを顧客に開示しなければならない」といったもの。モラルの高さが、顧客から信頼を得るための条件となるのです。

「モラルがない人」とは具体的にどのような人?

「モラルがない人」とは具体的にどんな人?

モラルがない人の特徴

マネーやビジネスの世界だけでなく、日常生活の中でも、モラルがない人に出会うことがあります。例えば「すぐにウソをつく」「約束を守らない」「バレなければ何をしても良いと考えている」「人を見下す」「他人に迷惑を掛けても気にしない」などといったことが、モラルの低さを感じさせる特徴となっているようです。他人についてもそうですが、自身についてもチェックしておくべきなのかもしれません。

モラルがない人への対処法

中にはモラルがないように見える人も存在しますが、そのような人とは、距離を取ったほうが良いかもしれません。モラルは社会で広く共有されている一方、個人の善悪の感じ方によるところもあるので、改善するのが難しい部分もあり、関わり続けることがストレスにつながってしまう可能性もあります。

マネーに関しては、より高いモラルが求められるケースが多いかもしれません。まずは基礎的なルールやマナーを身につけるため、「みんなのマネ活」を活用してみてはいかがでしょうか。

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※この記事は2023年3月時点の情報をもとに作成しております。

このテーマに関する気になるポイント!

  • モラルとは?

    人が現実社会において、守るべきとされる規範のことです。善悪の判断をともなう感性であり、法的拘束力はありません。

  • モラルの類義語は?

    倫理や道徳、良識などがあります。

  • 「モラル」の言葉の使い方は?

    「モラルがある」「モラルに欠ける」「モラルを守る」といった使い方をします。

  • モラルを含む言葉は?

    マネーの世界では「モラルハザード」、スマホやSNSの利用時においては「情報モラル」のように使われます。

  • ビジネスシーンや会社におけるモラルとは?

    近年SDGs経営やESG投資など、世界の持続性に配慮した、モラルの高い企業経営や投資行動が求められるようになっています。

  • 「モラルがない人」とは具体的にどのような人?

    「すぐにウソをつく」「約束を守らない」「バレなければ何をしても良いと考えている」「人を見下す」「他人に迷惑を掛けても気にしない」などといった人が「モラルがない人」に当てはまるでしょう。

黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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