日比谷線の新駅事業は、東京メトロとUR都市機構が共同で進めているものです。この駅は、2020年のオリンピック・パラリンピックに先駆けて、2020年6月6日の開業を予定しています。ただし、この駅の「最終完成」は2022年の見込み。開業した後も引き続き開発が行われていきます。

新駅が作られる場所は、日比谷線の「神谷町」と「霞ヶ関」の間です。これは、銀座線の「虎ノ門」駅からも近い場所で、虎ノ門ヒルズ森タワーのすぐ隣に位置することになります。

このエリアでは、近年、虎ノ門ヒルズが作られるなど、森ビルが主体となって盛んに開発が行われています。このことから、新駅も「虎ノ門ヒルズ駅」とするのがわかりやすいだろうということで名前が決められました。

虎ノ門ヒルズ駅が最終完成した後は、地下2階のコンコースが、再開発によって整備される予定の駅広場と直結する予定です。虎ノ門ヒルズ駅と近隣の再開発エリアが一体となった、アクセスに便利な駅になると考えられます。

また、銀座線虎ノ門駅にも地下通路直結で乗り換えができるようになります。最終完成時の乗り換え距離は約435m、徒歩7分と、それほど近くはありませんが、もともと地下鉄の乗り換えは距離が長い場合も多いため、極端に遠いとも言えないでしょう。地下通路直結なので雨や夏の日差しを気にせずに乗り換えができるというのは便利ですよね。

なお、この新駅の開業に伴って、東京メトロでは2020年6月6日にダイヤ改正が行われます。また、東京メトロで採用されている路線ごとのナンバリングも、虎ノ門ヒルズ駅以降（霞ヶ関駅より先）の駅についてはひとつずつ後ろにずれることになります。

日比谷線は1964年に全線開業しました。この後、新しい駅が作られるのは今回が初めてです。つまり、日比谷線に新しい駅が誕生するのは実に56年ぶりということになります。

歴史ある日比谷線のこれまでの駅の中に、新しく生まれる「虎ノ門ヒルズ駅」は、日比谷線が開通した頃よりも各段に進歩した技術力と都市計画の元で作られることになります。

虎ノ門ヒルズ駅とその周辺の都市開発について、「そもそも虎ノ門ヒルズとは」という側面から見ていきましょう。

虎ノ門ヒルズ駅の名前の元になった「虎ノ門ヒルズ」の「虎ノ門ヒルズ 森タワー」は、東京都と森ビルが官民連携して開発した地上52階建て、高さ247mの超高層ビルです。2014年3月に開通した環状二号線と一体開発を行い、道路の上にビルを建てるという「立体道路制度」を利用した手法で作られました。

虎ノ門ヒルズでは、住居、オフィス、ホテル、カンファレンス施設、店舗、駐車場といった多くのサービスが展開されています。暮らすにも、働くにも、レジャーに行くにも便利な東京の中心地という立地を活かし、2014年6月の開業以来、多くの人に利用されています。

ちなみに、虎ノ門ヒルズのロゴマークは、「門」という漢字をコンセプトに作られたものです。これは、さまざまな情報を受信、発信していく場所、いろいろな価値観を持った人が集まり、街を想像していく場所といった虎ノ門ヒルズのイメージを表したものだそうです。

現在でも多くの人が集う場所となっている虎ノ門ヒルズですが、さらに、2020年2月にはオフィスや店舗を中心とした「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」、2021年1月には店舗や子育て支援施設なども入居する高層マンション「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」も完成します。再開発が進む虎ノ門ヒルズから、今後も目が離せませんね！

虎ノ門ヒルズ駅が開業した後の2023年7月には、「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」という地上49階建て、高さ約265mの超高層タワーが完成する予定です。この虎ノ門ヒルズ ステーションタワーは、虎ノ門ヒルズの一環として森ビルが建設するビルですが、開発は虎ノ門ヒルズ駅と一体的に行われます。

2019年11月に着工したこのビルは、完成までにまだ長い時間がかかりますが、完成後は、駅の真上に位置する複合ビルとして、駅を訪れた人に多くのサービスを提供する場となる予定です。

広場と一体になった商業施設や国際水準のホテル、オフィスフロアなどの設置のほか、アクセスを良好にする歩行者デッキ、最上部の交流施設など、より快適に暮らしていくためのサービスが準備されているようです。

虎ノ門エリアは、官民が一体となって積極的な開発が行われています。虎ノ門ヒルズ駅の開業自体は2020年6月と、もう間もなくです。最終完成までにはまだ間がありますが、これからの発展にますます期待が持てる注目のエリアだと言えるでしょう。

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