4月から新社会人の方にもおすすめ!財形貯蓄について解説

リリース日:2020/03/31 更新日:2024/11/07

勤める会社に導入されていれば、社員の資産形成手段として活用できる財形貯蓄の制度。利子が非課税になるなどの特徴があります。ここでは給与から天引きされることのメリットや、転職する際の手続きなどを解説しています。

4月から新社会人の方にもおすすめ!財形貯蓄について解説
  1. 財形貯蓄とは
  2. メリット・デメリット
  3. 手続き方法
  4. 参考サイト

財形貯蓄とは

財形貯蓄とは

財形貯蓄(ざいけいちょちく)は、企業が社員の資産形成を支援する制度です。一定額を給料から天引きして貯蓄する、というものです。利子が非課税になる場合があり、住宅資金の融資を受けられるというメリットがあります。正式名称は「勤労者財産形成貯蓄制度(きんろうしゃざいさんけいせいちょちくせいど)」で、所管するのは勤労者退職金共済機構です。単に財形と呼ぶこともあります。

 

財形貯蓄には、目的別に一般財形貯蓄・財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄と3つの種類があります。財形住宅貯蓄は住宅の取得や増改築を目的とするもので、財形年金貯蓄は老後の生活を安定させるのが目的です。財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、決められた目的で払い出しをする場合に限り、合計550万円まで利子が非課税となります(貯蓄型の生命保険の場合は元本385万円まで)。一般財形貯蓄では、利子は非課税になりません。

 

財形貯蓄では企業が提携する金融機関に、給料から天引きで貯蓄をすることになります。取扱金融機関は都市銀行や地方銀行のほか、信用組合や証券会社、生命保険会社の場合もあります。どんな金融商品を利用できるのかも気になるところです。一般に、定期預金や定額貯金、公社債投資信託や株式投資信託、国債や貯蓄型の生命保険などが利用可能です。住宅資金など、使う時期が近く金額がある程度決まっている場合は、リスクが小さいものを選ぶのが良いでしょう。

 

ここで20代の資産形成に対する意識を調べたデータを見てみましょう。日本FP協会が2018年11月に公開した「世代別比較 くらしとお金に関する調査2018」では、人生100年時代において「資産寿命を延ばすために必要だと思うこと」をたずねています。20代で最も多かったのは「現役で働く期間を延ばす」(41.3%)、2番目が「共働きや副業で収入を増やす」(40.5%)、そして3番目が「若いうちから少しずつ資産形成に取り組む」(36.5%)でした。財形貯蓄の活用を検討することは、資産形成スタートのきっかけとなるでしょう。

メリット・デメリット

メリット・デメリット

貯蓄をしようとする場合には、2つの考え方があります。ひとつは、受け取った給料から必要と思う金額を使い、残った分を貯蓄するという考え方。そしてもうひとつが、受け取った給料から予定する貯蓄額を差し引き、残った金額で生活するというものです。目標額を計画通りに貯められるのは、後者の考え方です。財形貯蓄では給料天引きで貯蓄できるため、計画的な資産形成を無意識に実現することが可能となるでしょう。財形貯蓄のひとつのメリットです。目標を持つこと、無理のない金額を設定することがポイントとなります。

 

具体的な例でイメージしてみましょう。貯蓄へ向ける金額は、一般的に手取り収入の15%程度と言われています。若いうちですと月に2~3万円が目標となります。月3万円を給料天引きで貯蓄すれば、元本だけで見ても5年で180万円、10年後には360万円の資金を準備することが可能です。5年後10年後に結婚を計画しているか、子どもの予定はあるか、住宅の購入を検討しているかは人それぞれでしょう。しかしその時点で一定の資金が準備できていれば、目標とするライフイベントの実現が容易になるのです。

 

住宅資金の融資を受けられるのも、財形貯蓄をするメリットです。融資を受ける場合、加入している財形貯蓄の種類は問われません。条件を満たすことで、残高の10倍(最大4,000万円)まで住宅資金を借りることができます。

 

そのほか財形給付金・基金制度があります。事業主が拠出するお金とその運用益を、社員が受け取れるというものです。この制度を導入する企業で財形貯蓄をおこなえば、より高い利回りを得ることができます。

 

一般財形貯蓄は、ほかの2つと違って非課税のメリットがありません。引き出す際には所定の手続きが必要となり、デメリットと感じることがあるかもしれません。ただ非課税にならないという点については、現状の低い金利ではそれほど大きなデメリットにならないと考えられます。手続きの存在も無駄遣いの歯止めになるという面があり、むしろメリットと捉えることもできるでしょう。

手続き方法

手続き方法

財形貯蓄を始めるには、まず勤めている会社が財形貯蓄制度を導入していることが大前提です。人事や福利厚生を担当する部署で確認できるでしょう。

 

一般財形貯蓄を解約して引き出す際には、財形貯蓄の証書や本人確認書類、振込先の口座番号などが必要です。財形住宅貯蓄を払い出す際は、持ち家の購入や増改築といった目的を証明する書類を用意します。住宅の登記事項証明書や工事の請負契約書、住民票の写しなどが必要です。

 

退職した場合は、新たな積立はできなくなります。財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄については、退職後一定期間が過ぎると課税あつかいになります。転職した場合では、転職先に財形貯蓄制度が導入されていれば、所定の手続きにより継続可能です。以前と同じ金融機関と提携していないときは、退職の日から2年以内であれば別の金融機関に預け替えることができます。

 

育児休業を取る際は一般財形貯蓄の場合、賃金の支払いがなければ中断となりますが、その後積立を再開することも可能です。財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄の場合、所定の手続きを行うことで、育児休業の終了後から非課税での積立を継続できます。

 

このように会社に導入されている財形貯蓄の制度を活用すれば、さまざまなライフイベントに向けて給料天引きでの貯蓄をつづけることができます。この春から新社会人になる方、心機一転して資産形成をスタートしようとする方は利用を検討してみると良いでしょう。

 

社会人になると、給与受取や各種料金支払いのために銀行口座が必要になります。また、お金を運用するために証券口座も作ることになるでしょう。楽天銀行なら、給与の受取で楽天ポイントが貯まります。楽天証券との連携では優遇金利が適用され、便利な投資環境も構築できます。これから資産形成を始めようとする方に、おすすめの組み合わせです。

参考サイト

・日本FP協会|世代別比較 くらしとお金に関する調査2018 2020.3.27
https://www.jafp.or.jp/about_jafp/katsudou/news/news_2018/files/newsrelease20181105.pdf

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黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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