医療費控除の対象はいくらから?確定申告のポイントを解説

リリース日:2022/03/11 更新日:2026/02/02

病院や薬局などで医療費の支払いがあり、1年間の医療費が10万円を超えると医療費控除の申請が可能です。なお、医療費控除の申請は確定申告によって行う必要があります。

ここでは、医療費控除の概要や申請に必要な書類、実際に所得からいくら控除されるかなどを解説していきます。

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  1. 医療費控除とは
  2. 医療費控除は何で申請する?
  3. 医療費控除の申請に必要な書類や申請方法
  4. 医療費控除を申請した場合、所得税はいくら控除される?
  5. セルフメディケーション税制について
  6. 医療費控除とセルフメディケーション税制、どちらがお得?

医療費控除とは

医療費控除とは、1年間で支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超えた金額を基に算出した金額を確定申告で所得から差し引くことができる制度です。

 

医療費控除は、基礎控除や配偶者控除と同様に、所得控除の一種となります。所得控除が適用されることで、課税対象となる所得が減少し、所得税や住民税の負担が軽減されます。

医療費控除の申請金額

医療費控除の申請金額

医療費控除がいくらから申請できるかは、「総所得金額が200万円以上かどうか」によって2パターンに分かれます。

 

まず、総所得金額が200万円以上ある人は、医療費の額が年間10万円を超えると医療費控除の申請が可能になります。

 

一方、総所得が200万円に満たない人は、医療費の額が総所得金額の5%を超えた場合に医療費控除の申請ができます

 

ただし、医療費を支払った病気や怪我に対し、保険金や自治体の給付金といったお金を受け取っていた場合、その金額は医療費控除の対象となる医療費の金額から除外されます。

 

つまり、自己負担した医療費が上記の金額以上であれば、医療費控除の申請ができるということです。

 

なお、医療費控除は、納税者が生計を一にする配偶者や家族の医療費も合算して申請することが可能です。自分だけの医療費では条件に届かなくても、家族の医療費を合算すれば申請が可能になる人もいるため、確認してみると良いでしょう。

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医療費控除の対象となる医療費

医療費控除の対象となる医療費は「病気やケガを治療するために支払った金額」です。医師による診療や治療、医薬品の購入、医療機関への交通費などが該当します。

 

医療費であれば何でも良いわけではなく、病気の予防や美容目的、健康維持のための医療費は医療費控除の対象となりません。

 

例えば、予防接種や美容整形、リラクゼーション目的のマッサージ代などは、医療費控除の対象として申請することはできません

 

健康診断や人間ドックといった検診費用も、基本的には対象外です。ただし、その検診の結果、重大な病気が発見され、実際に治療に進むことになった場合は、その検診費用も医療費控除の対象に含めることが可能です。

 

以下に医療費控除の対象となるもの・ならないものの一例を紹介します。

医療費控除の対象となる・ならない医療費の例

医療費控除の対象になる医療費 医療費控除の対象にならない医療費
  • 病院や歯医者での治療代
  • インプラント治療代
  • ケガの治療目的の針灸マッサージ代
  • 出産、分娩費用
  • 松葉杖などの医療器具代
  • 風邪薬の購入費
  • 通院にかかった交通費
  • 美容整形費用
  • 健康診断や人間ドックなどの検診費用
  • 予防接種費用
  • リラクゼーション目的の針灸マッサージ代
  • 入院時の差額ベッド代
    (※個室や少人数部屋を希望した際の費用)
  • メガネやコンタクトレンズ代
 

このほかにも、補聴器や目薬、湿布といった普段使いのための医療費がありますが、これらが医療費控除の対象になるかは判断がつきにくいものです。

 

「病気やケガの治療のために必要だったもの」や「医師による診断・治療の一環として必要とされたもの」であれば医療費控除の対象となる可能性があります。判断に迷った場合は、かかりつけの医療機関や税務署、税理士に確認しましょう。




医療費控除は何で申請する?

医療費控除の申請は、確定申告で行います

 

確定申告とは、対象となる年の1月から12月までの1年間の所得を書類にまとめ、税務署に提出する手続きです。原則として、毎年2月16日から3月15日までが所得税の確定申告期間とされており、自営業や個人事業主の人は、この期間に1年間の所得を申告して税金を納めます。

 

会社員やアルバイトとして働いている人は、会社が税金に関する手続きを年末調整で済ませてくれるため、確定申告にはあまりなじみがないかもしれません。

 

しかし、医療費控除は年末調整では申請ができないため、申請したい場合は会社員であっても確定申告が必要です。

 

医療費控除は、対象となる年の翌年1月1日から5年前まで遡って申請できます。過去5年間で医療費が高額になった年があった場合、今からでも申請すれば還付金を受け取ることができる場合があるため、心当たりがある人は確認してみましょう。

医療費控除の申請に必要な書類や申請方法

医療費控除の申請に必要な書類

医療費控除を申請するには、まず以下の書類が必要です。 

  • 確定申告書
  • 源泉徴収票(給与所得がある場合)
  • 医療費の明細書(領収書や、健康保険から届く医療費のお知らせハガキなど)
  • マイナンバー(個人番号)記載の本人確認書類(※確定申告書をインターネットで送信する場合は不要)

医療費控除の申請を行う場合は、1年間にかかった医療費の情報を整理して提出しなければなりません。

 

具体的には、病院からもらった領収書や健康保険組合から届く「医療費のお知らせ」などをもとに、支払った金額や支払先を書き出して一覧にまとめます。

 

書類の形式に決まりはありませんが、国税庁のホームページで書式をダウンロードできるので、それを利用するとスムーズに作成を進めることができます。日頃からノートやパソコンで医療費の記録を付けておくのも良いでしょう。

確定申告を作成するポイント

確定申告書を作成する際には、源泉徴収票に書いてある数字の記入を求められるので、なくさないように大切に保管しておきましょう。

 

源泉徴収票は、会社員やアルバイトの人であれば毎年12月もしくは1月頃に勤務する会社から受け取っていることと思います。もし受け取っていない場合は、勤務先の会社に確認してください。

 

作成した確定申告書はオンライン納税システムのe-Taxを使って自宅からネットで提出できます。e-Taxを使用する場合はマイナンバーカードが必要なため、事前に取得しておくようにしましょう。

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医療費控除を申請した場合、所得税はいくら控除される?

医療費控除を申請して所得税がいくら控除されるかは、その人の課税される所得金額によって計算式が変わります

 

そもそも所得税の金額は、その人の収入から導き出した課税所得金額に税率をかけて計算されるものですが、この税率は所得によって7段階に分かれています。税率は以下の表のとおりで、課税される所得金額の1,000円未満は切り捨てて計算されます。

所得税の速算表

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円から194万9,000円まで 5% 0円
195万円から329万9,000円まで 10% 97,500円
330万円から694万9,000円まで 20% 427,500円
695万円から899万9,000円まで 23% 636,000円
900万円から1,799万9,000円まで 33% 1,536,000円
1,800万円から3,999万9,000円まで 40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円

※1 令和7年分からは、基準所得金額(確定申告を要しない配当所得等を含めるなどした一定の所得金額)が3億3,000万円を超える場合で、その超える部分の金額の22.5%相当額が、その年分の通常の所得税及び復興特別所得税を上回るときは、その上回る部分の所得税額が加算されます。
※2 平成25年から令和19年までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1パーセント)を併せて申告・納付することとなります。

 

引用元: 国税庁|No.2260 所得税の税率

医療費控除は課税所得金額を減らす効果があるので、大まかにいえば「医療費控除額×税率」の分だけお金が戻ってきます

 

では、医療費控除で差し引ける金額は一体いくらなのかというと、1年間にかかった医療費のうち、先ほど紹介した医療費控除の申請条件となっている「10万円」、もしくは「総所得金額の5%」を超えた部分の金額です。なお、医療費控除には200万円の上限があります。

 

具体的に2つの例を挙げて説明しましょう。

【例1】所得が600万円、1年間にかかった医療費が35万円の場合

所得が200万円以上あるので、かかった医療費のうち10万円を超えた分を医療費控除額として所得差し引くことができます。よって医療費控除で所得から差し引ける金額は、以下のとおりです。

 

35万円 - 10万円 = 25万円

 

医療費控除の計算例①(所得が600万円の場合)

所得が600万円の人の場合、税率は20%なので、還付される所得税額は

25万円 × 20% = 5万円

医療費控除の計算例②(所得が600万円の場合)

【例2】所得が150万円、1年間にかかった医療費が20万円、治療時に5万円の給付金を受け取っている場合

所得が200万円に満たないので、差し引けるのは、かかった医療費のうち総所得の5%を超える部分です。

 

また、治療時に5万円の給付金を受け取っているので、この金額は医療費控除の対象となる医療費の金額から除きます。差し引ける金額は、以下のように計算します。

20万円 - (150万円×5%) - 5万円 = 7万5,000円

医療費控除の計算例①(所得が150万円の場合)

所得が150万円の人の場合、税率は5%なので、還付される所得税額は

7万5,000円 × 5% = 3,750円

医療費控除の計算例②(所得が150万円の場合)
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セルフメディケーション税制について

最後に医療費控除に関連する制度として、セルフメディケーション税制について紹介します。

 

セルフメディケーション税制とは、ドラッグストアで厚生労働省が定める特定の市販医薬品を購入した場合、その購入費を所得から差し引くことができるというものです。


この制度は、従来の医療費控除との選択適用であり、どちらか一方しか利用できません。

 

対象となる医薬品は「スイッチOTC医薬品と呼ばれるもので、もともと病院で処方される薬だったものが、市販でも購入できるようになった医薬品のことです。

 

このスイッチOTC医薬品の購入費が年間で1万2,000円以上あり、かつ健康の維持増進および疾病の予防への一定の取り組みを行っている場合に、セルフメディケーション税制を利用できます

 

所得から控除できる金額は、支払った購入費のうち1万2,000円を超えた部分です。ただし、控除できる上限は8万8,000円までとなっているので、8万8,000円を超える部分は控除の対象外となります。

 

対象となるスイッチOTC医薬品は、商品パッケージにセルフメディケーション税制対象という記載がされているほか、購入時のレシートにもマークが付くようになっています。

医療費控除とセルフメディケーション税制、どちらがお得?

医療費控除とセルフメディケーション税制は、併用することができません。利用したい場合は、どちらか一方を選択する必要があります。

 

では、いったいどちらを利用するのがお得なのでしょうか。判断のポイントは、差し引ける所得の金額です。

 

先ほど、医療費控除で差し引ける金額は医療費のうち10万円を超えた部分(総所得が200万円に満たない人は総所得の5%を超えた部分)と説明しました。

 

一方、セルフメディケーション税制で差し引ける金額は、医薬品購入費のうち1万2,000円を超えた部分(ただし上限8万8,000円)です。

 

つまり「10万円」と「1万2,000円」というそれぞれの基準から「はみ出た部分(控除額)」を比べてみて、この金額が大きいほうが、結果的に還付される金額や軽減される税額も大きくなり、お得ということになります。

 

例えば、スイッチOTC薬を年間5万円購入し、病院で7万円の医療費を支払ったとして、所得から差し引ける金額を比べてみましょう。

医療費控除

(5万円+7万円)- 10万円 = 2万円

セルフメディケーション税制

5万円 - 1万2,000円=3万8,000円

この場合は、セルフメディケーション税制を利用した方が控除額が大きく、結果として還付される金額が大きくなります。

病気やケガの治療では、急にまとまったお金が必要になることもあるでしょう。医療機関によっては、クレジットカードでの支払いが可能な場合もあります。

 

突然病院に運ばれて検査や入院が必要になったとしても、財布にクレジットカードが1枚あれば対応できるかもしれません。

 

楽天カードは支払金額に応じて楽天ポイントが貯まり(※1)、1ポイント=1円相当で楽天グループのサービスや楽天カードの使えるお店で利用することが可能です(※2)。

 

まだ持っていない人はぜひ楽天カードの作成を検討してみてはいかがでしょうか。

 

※1 一部ポイント還元の対象外、もしくは、還元率が異なる場合がございます。詳しくはこちら
※2 「ポイントで支払いサービス」にご利用いただけるポイント種別は、通常ポイントのみになります。

 

※この記事は2025年12月時点の情報をもとに作成しております。

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このテーマに関する気になるポイント!

  • 医療費控除の適用範囲はどこまでですか?

    医療費控除の適用範囲は、納税者本人だけでなく、生計をともにする配偶者やそのほかの親族のために支払った医療費も含まれます。同居していなくても、仕送りをしているなど生計が同じであれば対象となります。

  • 医療費控除の申請方法にはどのような種類がありますか?

    医療費控除の申請は、税務署の窓口で直接提出する方法、郵送で提出する方法、そしてe-Tax(電子申告)を利用してインターネット経由で提出する方法があります。e-Taxを利用すると、自宅から手軽に申請が可能です。

  • 医療費控除で還付金はどのように受け取れますか?

    医療費控除によって所得税が軽減されるため、確定申告後に税金が還付されることがあります。還付金は、確定申告書に記載した金融機関の口座に振り込まれる形で受け取れます。還付までには通常、数週間から1カ月程度かかります。

  • 医療費控除の申告漏れを防ぐにはどうすれば良いですか?

    医療費控除の申告漏れを防ぐためには、日頃から医療費に関する領収書や「医療費のお知らせ」などを整理して保管しておくことが重要です。また、国税庁のWebサイトや税務署の相談窓口を利用して、不明な点を事前に確認することも有効です。




miso
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)
miso

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

演奏家、ライター、FPとして活動する複業フリーランス。 お金の管理や記録が好きで、独学で簿記3級、FP2級を取得しました。 特に確定申告や税金分野への関心が高いです。お金にまつわる様々な制度や仕組みについてわかりやすく解説します。

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