新政権発足で増税はあるのか|消費税増税の影響とその他の税金についても解説

リリース日:2022/01/19 更新日:2022/01/19
まきあん
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ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)

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元栄養士で現在フリーのWEBライターとして活動している、まきあんです。基本的なお金の知識を身に付けたいと思い、独学でFP2級を取得しました。お金に関する知識や生活に役立つ情報を分かりやすく発信していきます。

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2019年10月に行われた増税は、消費税が導入されてから3度目の増税です。新政権が発足し、今後の増税はあるのか気になりますよね。この記事では、岸田政権の増税に関する方針や今後注目したい税金について解説します。

新政権発足で増税はあるのか|消費税増税の影響とその他の税金についても解説
  1. 岸田政権発足|消費税は増税される?
  2. 消費税導入から現在まで、増税の影響を振り返る
  3. 世界は「減税」、日本は「増税」?
  4. 消費税以外の税金、増税はあるのか
  5. まとめ

岸田政権発足|消費税は増税される?

岸田政権発足|消費税は増税される?

2021年10月4日、岸田文雄自民党総裁が衆参両院で第100代内閣総理大臣に指名され、岸田内閣を発足させました。

 

コロナ禍で失業や収入減となり家計が悪化した家庭も多く、新政権による消費税に関する動向については気になる方も多いのではないでしょうか。

 

2021年10月12日に行われた衆参両院本会議では、岸田文雄首相の所信表明演説に対する各党代表質問が行われました。そこで消費税減税の可能性について、共産党の志位和夫委員長から質問された岸田首相は、「当面、触れることは考えていない」と答弁し、消費税10%を維持する考えであることを表明しています。

 

その後の記者会見でも、岸田首相は消費税が社会保障を支える重要な財源であるとし、景気対策のために消費税の税率を操作する考え方に否定的な立場を表明しました。あわせて、消費税を一時的に引き下げたとしても、将来、税率を元に戻す場合の消費減退などの副作用が大きいため、経済対策には消費税のような恒久財源ではなく「機動的な財源」を検討する必要があるとの見解を述べています。

 

一方、消費税の増税については、特に重要な議題になっているわけでなく、岸田首相も自民党総裁選に臨んで、「10年程度は(消費税を)上げることは考えない」と話しています。当面は現在の消費税10%から増税されることも減税されることもないと考えて良いでしょう。

消費税導入から現在まで、増税の影響を振り返る

消費税導入から現在まで、増税の影響を振り返る

ここで、日本の消費税導入から現在の消費税10%に至るまでの流れと影響について振り返っていきましょう。

 

日本では1989年4月に初めて消費税が導入されましたが、この時の消費税率は3%でした。当時の日本は急激な少子高齢化により、医療費や社会保障費が膨らんでいく懸念がありました。医療や福祉のための財源確保を目的として、消費税が導入されたのです。

 

その後も増税は繰り返され、

・1997年:消費税3%→5%に引き上げ
・2014年:消費税5%→8%に引き上げ

 

そして、2019年10月1日から現在の10%に引き上げられました。さらにこの時の税制改革では初めて軽減税率を導入し、食品(外食・酒類を除く)と宅配の新聞の定期購読料は8%を維持することになりました。

消費税が一番初めに導入された時から30年以上たっているのね!もうこれ以上はあがって欲しくないわね!

消費税は国民全体で広く公平に徴収できる税金です。さらに消費税は景気動向に左右されにくく安定した税収が見込まれるので、日本の財源確保の大きな役割を担っています。

 

しかし、消費税増税はメリットばかりではありません。消費税が10%に引き上げられた後の2020年には、消費税増税はさらに、実質国内総生産(GDP)の押し下げ要因にもなりました。

 

消費税が増税されると、公共料金を含めた幅広いモノやサービスが実質値上がりし、家計の負担も増加します。これにより買い控えが起こり、個人消費は落ち込む傾向にあります。再び増税が行われれば、同様の影響は避けられないでしょう。

世界は「減税」、日本は「増税」?

世界は「減税」、日本は「増税」?

コロナ禍で世界中が減税へ進む流れの中、日本では2023年に導入される「インボイス制度」が実質増税になるとの見方もあります。

 

・世界中がコロナ禍で消費税を減税
新型コロナウイルス感染拡大により世界中で相次いでいるのが、日本の消費税にあたる「付加価値税」の減税です。既に付加価値税減税に踏み切った国・地域は50にものぼります。例えば、イギリスでは飲食や観光業に対して20%から5%に減税、ドイツでは19%から16%に、さらに食料品などの軽減税率を5%に引き下げました。韓国では小規模事業者への納税免除を実施しています。

 

スポーツや文化を減税によって支援している国もあります。ウクライナは文化イベントについての税金を20%から0%に。チェコはスポーツ・文化イベントで15%から10%に減税しています。

 

・日本はインボイス制度で増税への下準備
一方、日本は減税するどころか2023年10月に「インボイス制度」の導入を予定しており、そのことが実質的な増税になるとの見方があります。この制度の導入により、小規模事業者や個人事業主の消費税の負担が増加するためです。

 

「インボイス制度」では、登録事業者にインボイスの発行・保存が義務づけられます。インボイスとは、取引内容・消費税率・消費税額を正確に記録した請求書のことです。

 

事業者が商品やサービスを販売する場合、消費税を販売先から支払ってもらい、受け取った消費税を税務署に納めます。ただし、基準期間における売上高が1,000万円以下の事業者は、原則として消費税の納付の必要がない「免税事業者」となります。

 

インボイス制度で最も問題となるのが、インボイスを発行できるのは課税事業者に限られ、免税事業者はインボイスを発行できない点です。事業者が免税事業者からインボイスのない仕入れを行った場合、「仕入税額控除」が適用されず、納税額が多くなります。そのため、事業者は免税事業者からの仕入れを避けることになり、免税事業者は経営が立ち行かなくなることが予想されます。

 

結果的に、売上高が1,000万円以下の免税事業者でも税務署に届け出をして、課税事業者として消費税を納付する義務を負うという流れになるのです。今まで免税事業者だった企業にとっては実質的な増税といえるでしょう。

消費税以外の税金、増税はあるのか

消費税以外の税金、増税はあるのか

岸田政権下では、消費税以外の税金についての見直しが検討されています。

 

・金融所得の増税を検討へ
岸田文雄首相は、成長と分配の好循環に向けた政策の1つとして、「金融所得税」の見直しを掲げていました。

 

金融所得税とは、株式譲渡益や配当金などの金融取引で発生した所得に課される税金で、現在税率は20%(所得税15%、住民税5%)です。一律の税率のため、金融所得がいくら大きくなっても税率は20%で変わりません。

 

一方、給与所得の税率は、所得が増えるほど高くなる累進性で最高税率は45%です。この結果、金融所得を多く持つ高所得者層は、年間所得が1億円を超えると所得税の負担率が下がるという構造になっています。そのため、現状は高所得者層を優遇する制度になっていると批判されることがあります。

 

岸田文雄首相は、一律20%の税率を引き上げる案や、高所得者の負担が重くなるよう累進的に課税する案など金融所得課税の見直しを検討する意向を示していました。

 

しかし、2021年10月10日、岸田文雄首相は金融所得税の見直しは当面考えていないという認識を示しました。民間企業の従業員の給料引き上げや、看護・介護・保育といった賃金の引き上げなどに優先して取り組む必要があると述べています。

 

「当面」とのことですので、将来的には金融所得の増税が行われる可能性もあると考えて良いでしょう。

 

・地球温暖化対策のための炭素税も導入予定
地球温暖化対策のための炭素税についても、今後導入が検討されています。2021年3月には、環境省が炭素税の導入に向けて具体的な検討段階に入ったとの報道がありました。2022年度税制改正では本格導入を見送る方針とのことですが、今後導入されると考えて良いでしょう。

 

炭素税とは、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料に、炭素の含有量に応じて課せられる税金のことです。化石燃料やそれらを利用した製品の価格を引き上げることで需要を削減し、CO2排出量を抑えることを目的としています。

 

地球温暖化の防止やエネルギー消費の抑制など環境保全に向けた取り組みであり、この動きは世界中で広がっています。1990年にフィンランドが世界初の炭素税を導入。この後、スウェーデンやデンマーク、フランスなどEUを中心に既に導入されています。

 

日本では2012年より、化石燃料の輸入事業者などを対象に、化石燃料に対して課税する「地球温暖化対策のための税(温対税)」を導入しています。しかし温対税の税率は海外に比べて低く、温室効果ガスの大幅な削減には至っていません。こうした現状を打破するために、炭素税の導入に向けた議論が進められています。炭素税として徴収した税収は、省エネ促進など環境保全費用として活用される予定です。

 

環境保全というメリットがある一方で、炭素税が導入された場合には家計への負担は避けられません。ガソリンなどの生活必需品の価格上昇に繋がるためです。特に収入に対して生活必需品の購入費用が大きい低所得者層への負担増が懸念されます。

 

・住宅ローン減税の見直し
自民党と公明党は、2022年度の税制改革に向け、住宅ローン減税の見直し方針を明らかにしています。

 

現在の住宅ローン減税は、年末のローン残高の1%を上限に、10年間所得税が控除される仕組みです。1年で最大40万円分、10年間で400万円が控除されます。住宅ローン減税は元々住宅ローンの利息負担を軽減する仕組みですが、低金利が続く現在は利息分よりも控除分が大きくなることが指摘されていました。

 

このため、現在1%である控除率を0.7%に縮小する案が検討されているのです。元々住宅ローン減税利用者が得をする仕組みであったものを解消する目的であるとはいえ、実質的には増税になるといえるでしょう。マイホームを購入する予定の方は大きく影響を受ける可能性があります。

まとめ

たびたび消費税増税を繰り返してきた日本ですが、当面は消費税の税率は維持されると考えて良いでしょう。しかし、制度の変更により実質的な増税となったり、新たな税金が導入されたりと負担が増える可能性は高いといえます。日頃から資産運用や節約を行い、家計の負担に備えておきましょう。

 

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このテーマに関する気になるポイント!

  1. 岸田政権での消費税増税はある?
    岸田文雄首相は、2021年10月12日に行われた代表質問で、消費税10%を維持する考えであることを明らかにしています。

  2. 消費税はなぜ導入されたの?
    少子高齢化により社会保障費が膨らんでおり税収が追いついていない状況から、財源確保の目的で導入されました。

  3. コロナ禍で世界の消費税はどうなっている?
    世界中では日本の消費税にあたる「付加価値税」を減税する動きがあります。

  4. 現在検討されている税制改革は?
    金融所得の増税や炭素税の導入、住宅ローン減税の縮小が検討されています。
  • まきあんさん

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