株を貸して稼ぐ!?貸株のメリット・デメリットとおすすめの活用法

リリース日:2022/05/10 更新日:2024/07/26

株式取引では、配当金や株売買の差益によって儲けることができます。そしてもうひとつ、株で利益を出す方法が貸株。貸株のやり方や注意点、貸株をする場合の証券会社の選び方などについて説明します。

株を貸して稼ぐ!?貸株のメリット・デメリットとおすすめの活用法
  1. 貸株(かしかぶ)とは
  2. 貸株のメリット・デメリット
  3. 株主優待も受け取れる!デメリットの回避方法
  4. 上手な活用法
  5. 貸株金利が高い証券会社は?

貸株(かしかぶ)とは

貸株とは、その名の通り、保有している株式をだれかに貸すことです。証券会社を通じて第三者に株を貸す対価として、「貸株金利」と呼ばれる利息を受け取ります。たとえば、愛着のある企業の株式を長期保有したい場合や、伸び盛りの業界の株を長期的に保有して値上がりを狙う場合などは、その間、保有している株を遊ばせておくことになります。貸株は、そのような株を有効利用できる制度です。

 

貸株のメリット・デメリット

貸株のメリット・デメリット

貸株のメリットとデメリットを比較してみましょう。

【メリット】
・利息が受け取れる
・長期保有予定の株式を活用できる
・売りたくなったとき自由に売却できる

「株を貸してしまうと、有利な局面で自由に株を売却できない」と考える人がいるかもしれませんが、これは誤解です。貸株をしていたとしても、売却したいと思ったら、売り注文を出すことができます。そうすると、自動的に貸株が解除されます。

【デメリット】
・貸している間は株主優待が受けられない
・配当金が「貸株配当金相当額」となり、配当所得ではなく雑所得扱いになる
・貸している証券会社が倒産してしまった場合は貸株を返却してもらえない

 

「配当金が貸株配当金相当額になっても、配当金自体が受け取れればいい」というのは、目先のことしか見えていない考え方です。配当所得は、申告分離課税でほかの所得とは分けて課税させることのできるものです。しかし、雑所得の場合は、総合課税になるため、株の譲渡損との損益通算もできません。さらに、確定申告が必要になることから、通常の源泉徴収有の特定口座で行う株取引に比べ、手間がかかります。

とはいえ、これらのデメリットは回避する方法もあります。次で詳しくご説明しましょう。

株主優待も受け取れる!デメリットの回避方法

株主優待も受け取れる!デメリットの回避方法

貸株の大きなデメリットは、「株主優待が受けられない」「配当金が貸株配当金相当額になってしまう」の2点です。

このような問題を回避するために役立つのが、「株主優待・予想有配優先」サービス(楽天証券のサービス名。証券会社により呼び名が違う場合があります)です。これは、株主優待または配当があると予想される場合、株主優待や配当金の権利確定日に貸株を一時的に自動解除するというもの。普段は貸株金利を受け取りながらも、権利確定日には株の保有者になっているので、株主優待をもらい、「配当金相当額」ではなく「配当金」を受け取れるようになります。

ただし、このようなサービスは利用できる証券会社とできない証券会社があり、また株主優待優先はできても配当金については設定できない会社もあるので確認が必要です。

上手な活用法

上手な活用法

それでは、具体的な貸株の活用方法を2つご紹介します。

・その1. 信用取引と組み合わせる
「信用貸し」や「信用売り」などの信用取引をするには「委託保証金」と呼ばれる担保が必要です。現金を委託保証金にするのが一般的ですが、保有している現物株式を「代用有価証券」として担保に差し入れることもできます。この代用有価証券となった株式も、さらに貸株として利用することができるのです。

ただし、このような設定ができるのは、一部の証券会社だけです。代用有価証券を貸株として活用したいのなら、楽天証券をはじめとする「信用口座を開設していても貸株が利用できる」証券会社を選びましょう。

・その2. 一部を残して貸株を利用する
株主優待の中には、長期保有が条件になっているものもあります。このような優待は豪華なものも多いので、貸株をすることで保有期間が切れてしまうのはもったいないことです。

貸株の場合、「株主優待優先」を利用すれば、権利確定日には株式を一時的に保有状態に戻すことができますが、長期保有の期間は途切れてしまいます。そこで、保有株式のうち、一部を「長期保有」の条件のために手もとに残し、残りの株式を貸し出して利息をもらうという方法がおすすめです。そうすれば、長期保有の条件もキープできますから、問題なく優待を受け取れます。

貸株金利が高い証券会社は?

貸株金利が高い証券会社は?

貸株の金利は、証券会社と銘柄によって異なります。例えば、2022年4月現在、楽天証券の貸株金利は0.1%~19.5%、auカブコム証券は原則0.02%~、GMOクリック証券は0.1%~16%です。なお、SBI証券のように、具体的な銘柄ごとの貸株金利は口座を持っている人しかわからない証券会社もあります。

貸株金利は、証券会社ごとに違うという側面ももちろんあるものの、銘柄による違いが大きいものです。貸株の金利よりは、それ以外の、手数料や株主優待・予想有配優先が利用できるか、信用取引の担保にしている株を貸せるか、といった点で証券会社を選ぶのがおすすめです。

 

また、この機会に楽天証券で新規口座開設し投資や株を始めてはどうでしょうか。貸株サービスの他、金利もお財布にやさしくご利用できるのでチェックしてみても良いでしょう。

このテーマに関する気になるポイント!

  1. 貸株(かしかぶ)とは
    保有している株式をだれかに貸すことです。

  2. 貸株のメリットは
    ・利息が受け取れる
    ・長期保有予定の株式を活用できる
    ・売りたくなったとき自由に売却できる

  3. 貸株のデメリットは
    ・貸している間は株主優待が受けられない
    ・配当金が「貸株配当金相当額」となり、配当所得ではなく雑所得扱いになる
    ・貸している証券会社が倒産してしまった場合は貸株を返却してもらえない

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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平林恵子
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
平林恵子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

人事労務関係の仕事からライターへ転身。経験を活かしてコラム執筆を行っています。2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。

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