ETFとは|国内・米国のおすすめ銘柄や投資信託との違いを表で説明

リリース日:2021/09/16 更新日:2023/08/29

ETFは取引所に上場されている投資信託。TOPIXなど指数に連動するものが多く、信託報酬が低めで、長期的な資産形成におすすめです。この記事では、ETFと通常の投資信託の違いや、おすすめのETF商品などを紹介しています。

ETFとは|国内・米国のおすすめ銘柄や投資信託との違いを表で説明
  1. ETFとは
  2. ETFの仕組みをわかりやすく説明
  3. ETFと投資信託の違い
  4. ETFのメリット
  5. ETFのNISA、つみたてNISA(非課税制度)への対応状況
  6. 長期的な資産形成には向かないETFに注意
  7. 日本銀行も購入しているETF
  8. ETFのおすすめ銘柄

ETFとは

ETFとは

ETF(Exchange-Traded Fund)とは、上場投資信託のことです。投資信託のなかでも、証券取引所に上場され、株式と同じ形で売買できるタイプのものです。TOPIXや日経平均株価など市場全体の値動きを示す指数に連動するものが多く、個別企業の株式に投資するのと違い、幅広い銘柄への分散投資に役立ちます。

 

ETFは国内株式だけでなく、海外の株式市場や原油・金などを対象としたものもあり、ETF投資によってさらに投資対象を広げることも可能です。

ETFの仕組みをわかりやすく説明

ETFの仕組みをわかりやすく説明

ETFについて理解するにあたり、ETFがどのような仕組みで作られているのかを簡単に確認していきましょう。

 

ETFを作る方法としては「株式バスケット型」・「ファンド・オブ・ファンズ型」・「リンク債型」・「デリバティブ型」・「商品現物型」など様々なタイプがあります。今回はこのなかからわかりやすい「株式バスケット型」を例に詳しくみてみましょう。

 

・「株式バスケット型」のETF
TOPIXや日経平均株価に連動するETFを作るには、まずは株式が必要です。おもに証券会社(ETFの仕組みでは「指定参加者」と呼ぶ)が、買い付け代金を支払って複数の株式を購入します。

 

証券会社は買い付けた株式をひとまとめにしてアセットマネジメント(運用会社)に拠出します。この株式の集合体が「株式バスケット」。アセットマネジメントは、株式バスケットをもとにETFを設定し、証券会社に「受益証券」を発行します。

 

ETF(受益証券)を受け取った証券会社は、それを証券市場で売却します。個人投資家は
証券会社に注文を出して、市場価格でETFを購入することになるわけです。ETFは市場で売買されるだけでなく、機関投資家などが一定数以上のETFを証券会社に持ち込むと、そのETFは株式バスケットと交換できるようになっています。

 

株式バスケットの拠出を受けたアセットマネジメントの役割は、株式バスケットが指数と連動するように運用することです。株式バスケットは、通常の投資信託と同様、信託銀行に預けられ、アセットマネジメントが受益権を得ます。

 

このように株式バスケット型ETFは、証券会社が買い付けた株式をもとに発行され、市場で自由に売買されます。「株式バスケット型」以外の型においても、拠出する金融商品がファンドだったりリンク債(指標に連動する債券)だったりする点は異なりますが、基本的な仕組みは同じです。仕組みがわかれば、ETFという金融商品への理解もより深まるでしょう。

ETFと投資信託の違い

ETFと投資信託の違い

ここまでの説明で「ETFは通常の投資信託と何が違うの?」と疑問に思われた方も多いでしょう。ETFが通常の投資信託と違うのは、証券取引上に上場され、取引所を通じて売買される点です。通常の投資信託は証券会社や銀行・郵便局などを窓口として購入しますが、ETFは証券会社を通じて取引所に注文を出して売買します。表にして比較してみましょう。

 

ETFと投資信託の違い

ETFと投資信託の違い

 

通常の投資信託に比べ、ETFは信託報酬が安めに設定されています。長期的な資産形成を目的として保有する場合は、メリットとなるでしょう。信託報酬が高めの投資信託では、銘柄の選定などにより、高い利益を追求するタイプもあります。コストに見合ったリターンが期待できるのであれば、やや信託報酬が高めのタイプも選択肢となるでしょう。

 

またETFはリアルタイムで変動する市場価格をみながら売買できますが、通常の投資信託では1日1回算出される基準価額で購入や換金をおこないます。1日の変動幅のなかで、できるだけ安いところで買いたいというときはETFが有利となるでしょう。ただ長期的な積立をおこなうというケースでは、それほど大きな差にはならないかもしれません。

ETFのメリット

ETFのメリット

ETFの仕組みを説明したところで、ETFに投資するメリットを整理してお伝えします。

 

・市場全体の動きに連動する
ETFのメリットは、そのわかりやすさにあります。株式に投資しようとしたとき、まずイメージするのは、個別銘柄の売買でしょう。そうなるとどんな業種に投資すればよいのか、どの企業を選ぶべきか、最近の業績はどうだろうかとあれこれ調べなくてはなりません。

 

ETFなら投資対象は市場全体です。TOPIXや日経平均株価といった、普段からニュースなどでみなれた指数が指標になります。一般的な経済情報を把握していれば、値動きもイメージしやすく、初心者の方でも投資をスタートしやすいでしょう。

 

・簡単に分散投資になる
もうひとつのメリットは、分散投資が簡単に実現できること。資産形成においては「長期・分散・積立」が推奨されています。分散というのは、株式投資でいえばひとつの株式だけに投資するのではなく、できるだけ多くの株式に投資してリスクを小さくするということです。

 

その点、ETFの場合は1つを購入するだけで、市場全体の株式を広く購入するのと同じ効果があり、手軽に分散投資を実現できます。

 

・コストが低い
さらにETFはコストが低めなのも魅力。ETFは一般的な投資信託よりも、信託報酬が安く設定されたものが多くなっています。長期的な資産形成では、コストにも気を配りたいところ。投資期間が長くなるほど、差が出てくるでしょう。

ETFのNISA、つみたてNISA(非課税制度)への対応状況

ETFのNISA、つみたてNISA(非課税制度)への対応状況

「NISA」や「つみたてNISA」といった非課税制度を利用すると、毎年一定金額の範囲内について、金融商品から得られる利益が非課税になります。通常配当所得にかかる約20%の税金を節約できるため、お得に投資ができるのです。

 

「NISA」については、国内ETFも海外ETFも対応しています。「つみたてNISA」の場合は対応しているETFは限られており、2021年6月時点で「つみたてNISA」の対象となっているのは7本の上場株式投資信託(ETF)です。

NISAでもETFが買えるのね!運用コストも安めだし、これなら安心して始められるわね

長期的な資産形成には向かないETFに注意

長期的な資産形成には向かないETFに注意

一般的なETFは長期的な資産形成の手段としておすすめすることができます。しかしETFのなかには短期的な売買に向いたタイプもあるので、ETFを選ぶ際には知っておいた方が良いと思われます。

 

短期売買向きのETFは、レバレッジ型・インバース型と呼ばれるタイプ。レバレッジ型の値動きは、TOPIXや日経平均株価といった指数の日々の変動率に対して数倍です。インバース型は、指数と逆の値動き、つまり値が下がると利益が出るというタイプです。

 

レバレッジ型とインバース型のETFの値動きは、1日ごとでみると、設定どおりの倍率となります。しかし長期的に上下の値動きを繰り返すと、その倍率どおりにはなりません。またレバレッジ型やインバース型のETFでは、先物取引などを利用しているため、そのコストの負担があることも知っておきたいところです。

 

このようなETFは長期的な資産形成のためというよりも、短期的な売買で大きな利益を狙うときに活用される商品です。

日本銀行も購入しているETF

日本銀行は、物価を安定させるため、様々な金融政策を実行しています。その一環として国債の買い入れなどをおこなっていますが、実はETFも日銀が買い入れる資産の対象となっているのです。日銀はTOPIXに連動するETFを買い入れることで、市場に資金を供給します。これによりデフレから脱却し、2%の物価上昇を目指しています。このようにETFは国の金融政策の実現にも、役立てられているのです。

ETFのおすすめ銘柄

ETFのおすすめ銘柄


ETFにはTOPIXや日経平均株価といった株価指数に連動するタイプ以外にも、不動産や債券などの指数に連動するものもあります。組み合わせることで、幅広い種類の資産に分散投資することが可能です。いくつか具体的な銘柄をあげてみましょう。

 

ダイワ上場投信−トピックス(1305)
TOPIX(東証株価指数)に連動するETFです。カッコ内の数字は証券コード。証券会社のサイトで情報を調べたり注文を出したりするときに、知っておくと便利です。

 

NF日経225連動型上場投信(1321)
日経平均株価の値動きに連動するETFです。日本を代表する株式に広く分散投資したい場合に活用できます。

 

MAXIS全世界株式(2559)
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動するETFです。このインデックス(指数)は、多くの先進国と新興国を含む、世界の株式を対象としています。

 

NF東証REIT連動型投信(1343)
東証REIT指数への連動を目指すタイプのETFです。REITは、オフィスビルや商業施設、マンションなど不動産からの収益を分配する金融商品です。

 

ETFには、海外の取引所に上場している「海外ETF」もあります。様々なタイプがあるので、海外ETFに目を向けてみるのも良いでしょう。楽天証券で取り扱いのある海外ETFをいくつかあげておきます。

 

iシェアーズ・コア S&P500 ETF(IVV)
米国のNYSE Arcaに上場されているETFです。米国の株価指数、S&P500に連動しています。米国株に広く分散投資したい場合におすすめです。

 

SPDR ゴールド・シェア(GLD)
こちらも、米国NYSE Arcaに上場されているETFです。金地金価格への連動を目指すタイプのもので、株式だけではなく金も長期的な資産形成の手段として活用されています。

 

SPDRポートフォリオ米国中期国債ETF(SPTI)
上二件同様、米国のNYSE Arcaに上場されるETF。こちらは米国の国債を対象とした指数に連動するタイプのものです。債券も、株式・不動産とならんで、分散投資をする際に組み入れたい資産のひとつです。

 

このようにETFを活用すると、国内外の株式や不動産、債券などに幅広く分散投資ができます。組み合わせを工夫することで、自分のリスク許容度や期待するリターンに合致した、オリジナルの資産構成が可能です。運用コストが低めなのも、長期的には有利になるでしょう。

 

楽天証券ではETFを数多く取り扱っています。国内ETFのほか、海外ETFへの投資も可能です。ETFへの投資を検討する際は、様々な地域やセクターを対象としたETFを発見できる「海外ETF」もチェックしてみましょう。興味・関心のあるETFを見つけたら、長期的な資産形成に向けた、分散・積立投資をスタートできます。

このテーマに関する気になるポイント!

  1. ETFとは?
    証券取引所に上場されている投資信託。TOPIXや日経平均株価などの指数に連動するタイプがあります。

  2. ETFの仕組みは?
    証券会社が拠出する株式か資金をもとに、アセットマネジメントがETFを発行。取引所に上場され、個人投資家が売買できるようになります

  3. ETFと投資信託の違いは?
    投資信託は1日1回算出される基準価額もとに、販売窓口となる金融機関で購入するのに対し、ETFは証券会社を通して取引所に注文を出し、リアルタイムに変化する値で売買します。

  4. おすすめのETFは?
    TOPIXや日経平均株価といった株価指数に連動するタイプのほか、不動産・金・債券などの指数を対象とするETFを活用した、分散投資もおすすめです。
  • 黒川ヤスヒトさん

    証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。
    現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

    ブログページ Twitterアカウント:@igawasin5

黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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