暗号通貨
トルコリラの特徴と現状 これからどうなる?上昇する可能性は?
FX取引で人気のトルコリラ。トルコリラはトルコの法定通貨で、比較的高金利なのが特徴です。今回はトルコリラが人気となっている理由、2020年前半のトルコリラ/円の動向、トルコリラの買い時について紹介します。
トルコリラとは?どうして人気なの?
まずは、トルコリラの特徴と人気の秘密を紹介していきたいと思います。
・トルコリラはトルコが発行している法定通貨
トルコリラは、トルコの中央銀行が発行している法定通貨です。法定通貨とは、国の法律で決められた通貨のことをいい、額面の価値が国に保証されています。
トルコリラは経済政策・金融政策で変動するのはもちろん、周辺国との地政学的条件の影響を強く受けるという特徴があります。
・先進国の金融政策などは変動しやすい
トルコは経済成長を続けていますが、その成長は外国資本に依存したものです。つまりトルコリラは、将来性の期待できる通貨である反面、国際経済の影響を受けやすい通貨でもあります。
・価格変動が大きい
トルコリラは比較的価格変動が大きい通貨です。短時間で大きな値が動きを見せる可能性もあり、短期的な利益を追求するにあたり取引の中でもトレーダーに人気があります。しかし、損失リスクも同様に高まるため、FX・投資初心者には取り組みにくい通貨かもしれません。
・日本円と比較して金利が高い
トルコリラは日本円と比較すると金利が高いため、通貨を買うことにより金利収入が期待できます。通貨の売買で発生してしまう金利差の調整額を「スワップポイント」といい、これは証券会社によって日ごとに変動します。
例:楽天証券 スワップポイント
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fx/charm/commission.html
トルコリラ/円を買い注文から入る(買いポジションを得る)と、1万トルコリラにつき1日あたり5円の金利収入が得られます。(2020年6月19日時点、楽天証券の場合)
ただしトルコリラの売りポジションを保持している場合は、逆に支払いが発生してしまいます。
・ドルやユーロと比較して少額取引ができる
トルコリラは、ドルやユーロといったメジャーな通貨と比較する中でも少額取引ができます。なぜなら1トルコリラの額が、ドルやユーロよりも小さいためです。
例)買いポジションのレート(2020年6月10日時点)
●1ドル107.64円
●1ユーロ122.08円
●1トルコリラ15.85円
このように取引単位が1桁違うので、状況によっては1万円以下の必要証拠金で取引を始めることができます。必要証拠金とは、FXの取引の際に必要な最低限の資金のことです。
トルコリラの下落の理由は?
続いては2020年2月、5月の下落について、一般的に考えられる要因を紹介します。
・2020年2月の下落はシリア内戦が影響
2020年2月18日頃に発生したトルコリラの下落の要因は、主にシリア内戦による政情不安が原因とされています。シリア内戦とはシリア政府軍と反政府軍(トルコが支援)の内戦のことです。2011年3月頃に始まり2020年現在も内戦は続いています。2020年1月~2月にかけてトルコ政府とシリア政府の緊張状態が高まったため、トルコリラ下落につながりました。
さらに1月当時、トルコは金利を大幅に引き下げ、投資メリットの1つでもあった高金利の魅力が薄まり売られてしまったことも下落要因といえるでしょう。
・コロナショックによる新興国を中心とした通貨下落(売り)の流れ
トルコも日本やアメリカと同様に新型コロナウイルスの感染拡大が続き、外出禁止令を実施していました(段階的に解除中)。そして新型コロナウイルスによる世界的な経済的ダメージはトルコにも波及し、通貨の売り注文増加につながったのです。トルコリラ/円は5月7日に14.61円まで下落し、過去10年で最安値を付けました。
トルコリラが今後上昇する可能性は?
トルコリラが今後上昇する可能性は、金利の引き上げや原油安・コロナショック後の経済再開など、それぞれが組み合わさることでトルコリラの上昇が期待できるでしょう。
ちなみに2020年6月10日までの約1か月間、緩やかに上昇しているものの16円台前半で反落している状況です。トルコリラ/円は終値で下記のように推移してきました。
●5月7日:1万4.877円
●5月15日:1万5.497円
●5月30日:1万5.795円
●6月1日:1万5.780円
●6月5日:1万6.169円
●6月9日:1万5.828円
これからの大きな課題とは、新型コロナウイルスの再流行リスクです。トルコを含め、世界的に第2波・第3波の可能性があり、再ロックダウンによるトルコリラ下落リスクも想定しておくべきでしょう。
トルコリラの買い時は?
トルコリラの買い時は投資家によって変わるのがポイントです。ただ、2020年6月現在を買い時とする考え方もあります。理由としては、以下のような状況が考えられます。
●コロナショック(第1波)が一段落しつつある
●トルコも経済再開へ向けて、2020年6月9日に18歳以下と65歳以上の外出禁止解除および緩和
●2020年6月1日から商業施設の利用再開
●2020年7月1日から映画館など一定数の人を収容できる施設も再開予定
●移動平均線が上昇トレンドの可能性を示すサポートラインに変化
しかし、さらなる金利引き下げ政策や、原油価格の高騰など、下落要因もあるため慎重に判断しなければいけません。
2020年2月はシリア内戦の影響による下落が起こり、その後3月から5月頭まで新型コロナウイルスによる下落が続きました。5月中旬頃から少しずつ上昇しているものの、今後の経済活動再開・金利政策などによっては上昇度合いは変わるといえるでしょう。
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※2020年6月時点の情報を元にした記事です。
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