ビジネスで使われる「コンセプト」とは?意味や考え方、「テーマ」との違いなどを解説

リリース日:2023/06/12 更新日:2023/06/12

ビジネスにおいて、新しい商品やサービスを提供しようとする場合、その「テーマ」や「コンセプト」についての検討からスタートすることがあります。ただ、テーマやコンセプトという言葉はビジネス以外の場面でも使われることが多く、その意味を正確に知らずに使っている可能性が考えられます。正確な意味を知っておいたほうが、コミュニケーションがスムーズになり、より良い結果を出せるでしょう。ここでは、ビジネスシーンにおける「コンセプト」について、例や「テーマ」との違いなどを解説していきます。

  1. 「コンセプト」とは
  2. 「コンセプト」の例
  3. 「テーマ」との違い
  4. 「コンセプト」の考え方(作り方)
  5. 「コンセプト」が重要視される理由
  6. まとめ

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「コンセプト」とは

「コンセプト」とは

ビジネスにおけるコンセプト

コンセプトという言葉は、哲学や芸術などの分野で使われるほか、ビジネス、特にマーケティングの分野などで使われる言葉です。ビジネスで使われる「コンセプト」は、どのような顧客にどのような価値をどのようにして提供するかといった、企画の骨組み・構想を表します。企業がこれから提供しようとする商品やサービスが、どのような方向を目指すのか。これを言語化して明確にし、共有するためのものです。

一般的なコンセプトとの関係

哲学や芸術、一般的な生活上で使われる「コンセプト」は、ビジネスにおける意味とは違いがあります。哲学における「コンセプト」は「概念」を意味し、命題の中で使われる言葉が意味する普遍化・抽象化された事象のことです。芸術の分野で使われる「コンセプト」は、ややビジネスに近いかもしれません。絵画や音楽、文章などの表現に、作者が込めた意図や目的のような意味合いになります。このように、分野ごとにコンセプトの意味を使い分ける必要があります。

 

ビジネス、哲学、芸術の分野を通じて、コンセプトという言葉に共通点を見いだすことも可能です。ビジネスと芸術の共通点を見ると、どちらも企業・作家の意図や目的を表しているといえます。芸術であれば音や色が素材ということになりますが、ビジネスではそれが提供しようとする商品・サービスを構成する要素になるというわけです。哲学との共通点を考えると、ビジネスにおけるコンセプトが、具体的な事業に入る前の抽象的な段階であるという意味でつながりがあるように思われます。

「コンセプト」の例

「コンセプト」の例

ビジネスにおける「コンセプト」の具体例をいくつかご紹介していきましょう。

「ポケットに1,000曲」iPod|Apple

Appleがかつて販売していた携帯音楽プレーヤー「iPod」のコンセプト、「ポケットに1,000曲」はよく知られています。このコンセプトから読み取れるのは、ポケットに入る大きさで、1,000曲分の記憶容量があり、そのまま再生できるオーディオ機器という商品の魅力です。このような具体的なコンセプトで製品化し、ユーザーに提供したい価値を明確に示すことにも成功しました。

「トーストを科学する」BALMUDA The Toaster|バルミューダ

家電は似たようなタイプのものが数多く存在する分野です。激しい競争にさらされていても斬新なコンセプトを打ち出すことで、ヒット商品を生み出せることがあります。

 

例えば、自宅でおいしくパンを焼きたいというユーザー向けに、それを可能とするトースターという高級路線のコンセプトで広く知られるようになった商品があります。バルミューダのトースター「BALMUDA The Toaster」は、「トーストを科学する」というコンセプトです。独自のスチームテクノロジーと細やかな温度制御という2つの科学技術を駆使した商品の魅力が、このコンセプトにまとめられています。
一般的なトースターより高価なものですが、コンセプトに共感した多くのユーザーに受け入れられています。

「10分の身だしなみ」QBハウス

提供しようとするサービスについても、「コンセプト」が重要です。例えば、ヘアカット専門店QBハウスは「10分の身だしなみ」というコンセプト。同じヘアカットのサービスでも、時間をかけて多彩なサービスを提供しようとする方向性もあれば、短時間で完了するかたちでサービスを提供するという方向性もあるでしょう。時間以外にも、コンセプトを決定する要素はさまざまです。明確なコンセプトを1つ打ち出すことで、事業の具体化を進めることができます。

「テーマ」との違い

「テーマ」との違い

「コンセプト」と「テーマ」の使い分け

「コンセプト」と「テーマ」は、意味が似た言葉という印象があります。「この映画のテーマは…」、「この映画のコンセプトは…」のように使ってみると、どちらも映画が伝えたい主題のことを指しているといっても違和感はありません。「コンセプト」と「テーマ」は、普段使う言葉としてはそれほど厳密に区別されていないのかもしれません。ただしビジネスの場では、この2つの言葉には大きな違いがあるので、区別して使えるようにしたほうが良いでしょう。

 

何らかの事業について企画する場合、そのコンセプトについて話し合うことがあります。しかし、いきなり「コンセプトを考えましょう」と言われたら「何についてのコンセプトですか?」、「コンセプトのテーマは何ですか?」と質問したくなるのではないでしょうか。

 

つまりテーマは、コンセプトを考える前提となる目標や目的、趣旨を表します。逆にコンセプトは、テーマよりも具体的な内容を表し、目的を実現するための手段について考えるステップといえます。

コンセプト=テーマ+切り口

コンセプトとテーマの関係について、よくいわれるのが「コンセプト=テーマ+切り口」。あるテーマについて考えると、考え方の切り口や枠組みは数多く存在します。無限の可能性があるといえるでしょう。あるジャンルの商品やサービスをテーマとして設定すれば、それについてどのようなコンセプトがあり得るか、会議などで考えることになります。際限なくアイデアが出ることもあるでしょう。ヒット商品を生み出すためのコンセプトは、無限の可能性の中に隠されているのです。

「コンセプト」の考え方(作り方)

「コンセプト」の考え方(作り方)

一般的にビジネスの場面で「コンセプト」を作り上げるには、次のような手順を踏みます。

市場の調査

市場にはすでに、さまざまな競合する商品・サービスが出回っている状況かもしれません。そこから市場のニーズを知ることもできますし、既存商品の弱み・強みを把握することもできます。市場に参入するに当たって、調査は欠かせないプロセスです。

ターゲットの選定

コンセプトを作る際に最も重要なことの1つが「ターゲットの選定」。どのような人に向けた商品・サービスなのかを明確にしておかないと、発想がぼやけてしまいます。消費者を年齢や性別、年収、ライフスタイルなどで分類しターゲットを絞ることで、コンセプトの具体化がよりしやすくなります。

ターゲットが持つ不満や問題を分析

ターゲットが抱える不満を知ることも、コンセプトの作成に必要な要素。競合する商品・サービスに対しターゲットとなるユーザーが抱く不満は、潜在的なニーズです。そのようなニーズの中に、コンセプトのヒントが見つかります。

ターゲットが抱える問題から解決方法を明確化

ターゲットが既存の商品やサービスに、何らかの不満や問題を抱えているとわかったとしましょう。その場合、まずはその不満や問題に対するターゲットの要望から考えていきます。例えば、「もっと小さいほうが良い」「必要な性能の商品が欲しい」「時間がかからないものが良い」といったものです。それは表に出てこない、小さな声かもしれません。要望を見つけ出したら、「コンパクト化する」「性能を追加する」「所要時間を短縮させる」など、それらに対する解決方法を考えましょう。

抽象化したキーワードの組み合わせとしてコンセプト化

ターゲットが持つ不満や要望は、複数存在する場合があります。それらを一つひとつキーワードにまとめ、そのうえで解決策をコンセプト化します。コンセプトは、新たな価値観をターゲットに示すビジョンです。明確で力強いコンセプトを打ち出せれば、ターゲットに届きやすくなります。

「コンセプト」が重要視される理由

「コンセプト」が重要視される理由

関係者が共有する指針

商品やサービスを提供する側から見ると、コンセプトは仕事をする際の共通の指針となります。ビジネスには多くの社員や関係者の協力が必要です。事業についての一貫したコンセプトが共有されていると、各自の意思決定や行動に統一感が出てくるでしょう。これにより完成した商品、実際に提供されるサービスに、コンセプトが反映されることになります。

 

仕事をどのように行うか迷った時など、明確なコンセプトがあれば、そこに立ち返って考えることもできるでしょう。

商品の独自性

コンセプト作りにおいては、市場や自社商品、そしてターゲットのリサーチをすることになります。広く集めた情報を分析して生み出されたコンセプトは、独自性を持ち差別化された商品やサービスの提供につながります。コンセプト作りの段階で、あまり力を入れず曖昧なものにしてしまうと、最終的なプロダクトの段階において悪い影響を与えるでしょう。事業の関係者が共有するコンセプトが曖昧では、意思決定も遅れる可能性があります。

企業とユーザーの信頼関係

コンセプトは、ユーザーとの関係においても重要です。ターゲットが抱く不満とその解決方法を明確にしたコンセプトは、より多くのユーザーに受け入れられる可能性があります。商品のコンセプトがターゲットに刺さりやすいものであれば、企業とユーザーの間により強い信頼関係が生まれるでしょう。ターゲット選定が曖昧だったり、どのような価値を提供するか不明確だったりすると、商品やサービスを通じてユーザーに伝わるものが少なくなると考えられます。

まとめ

まとめ

ビジネスにおける「コンセプト」とは、どのような顧客にどのような価値をどのようにして提供するかといった、企画の骨組み・構想です。これを関係者が共有することで、一貫した考え方のもと、商品・サービスが開発されます。またコンセプトはターゲット層が持つ不満や要望から生まれることもあり、企業とユーザーをつなぐものにもなっています。ヒット商品のコンセプトを見ると、その重要性がより明確に理解できるでしょう。

 

コンセプトのヒントは、ユーザーとしての私たち自身の中にあります。自分自身が持つ不満や要望から、独自のコンセプトを作り上げることができれば、自ら事業を立ち上げることも可能と思われます。最近ではクラウドファンディングを使った資金集めもできるようになりました。コンセプトがあれば、だれでもビジネスに参入できる環境ができつつあるのかもしれません。コンセプトには、お金を稼ぐ力があるのです。

 

ネットショッピングのサイトに並んでいる商品も、さまざまなテーマやコンセプトの検討を繰り返したうえで、商品化されたものが多いと思われます。そういった視点で商品を見直してみれば、違った視点での発見があるかもしれません。買い物をより知的で楽しいものにしてくれるでしょう。

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※この記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しております。

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このテーマに関する気になるポイント!

  • 「コンセプト」とは?

    どのような顧客にどのような価値をどのようにして提供するかといった、事業企画の骨組み・構想のことです。

  • 「コンセプト」の例は?

    「ポケットに1,000曲」、「10分の身だしなみ」などがあります。

  • 「テーマ」との違いは?

    テーマはコンセプトを考える際の前提となるものです。「コンセプト=テーマ+切り口」と表されることがあります。

  • 「コンセプト」の考え方(作り方)は?

    市場をリサーチしたうえで、ターゲットの持つ不満や要望を分析し、その解決方法を盛り込んだ抽象的なキーワードの組み合わせを作ることで、コンセプトとします。

  • 「コンセプト」が重要視される理由は?

    関係者が共有することで事業の方向性に一貫性を持たせることができ、またターゲットのニーズを明確に打ち出したものであれば、ユーザーと企業の関係をより強くしてくれるからです。

黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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