【2019年版】1,000万円のおすすめ資産運用先!10年間のシミュレーションを立てよう
ファイナンシャル・プランナー
平林恵子
1,000万円というのは、多くの人にとってかなりの大金でしょう。しかし、1,000万円の普通預金があれば老後を乗り切れるかというと、「少し不安」と感じる人が多いのではないでしょうか?ここでは、「老後の豊かな生活のために、1,000万円をもう少し増やしたい」と考えている人に向けて、賢い資産運用の方法をご紹介します。
1,000万円を運用するには、貯金だけではダメ
昔は、資金の預け先と言えば銀行が定番でした。しかし今は、銀行にお金を預けていただけでは、ほとんど元金を増やすことができません。
2019年10月現在、普通預金の利率は多くの都市銀行で0.001%となっています。1,000万円を1年間預けた場合、受け取れる利子はいくらでしょうか?
1,000万円×0.001%=1,000円ですから、1年間で1,000円の利息がつくことになります。ここに20.315%の税金がかかるため、実際の受取利息は1,000×(1-0.20315)=797円です。1年で797円しか利子がつかないということは、この低金利がこの先も続いた場合、受取利息は10年預けても1万円にも満たない計算になります。
1,000万円を減らすことなく、いつでも使えるお金として手元に確保していきたいという場合は、貯金という手段をとるのもひとつの方法です。しかし、老後のために1,000万円を増やしていこうと考えているのであれば、もう少し利率のいい金融商品を探すべきだと言えるでしょう。
1,000万円を資産運用して、資産構築を早める方法
1,000万円を元手に資産運用するときに考えたいのが、「どの程度リスクをとるか」ということです。FXや仮想通貨の取引は、成功すれば一瞬で莫大な資産を得ることもできる投資先でしょう。1,000万円がたった1カ月で2,000万円になることだってあります。
しかし、ハイリターンな投資先は、ハイリスクでもあります。今現在数十億円の貯金があっても、1,000万円が500万円に減ってしまったり、最悪0円になったりした場合に諦められるということであれば、こうしたハイリスクハイリターンな投資もよいでしょう。
しかし、目的が老後の生活費を増やすことであるのなら、1,000万円をできるだけ減らさずに投資することが重要です。また当然ながら、投資を始めるための軍資金を借り入れるというのもNG。借金をしてまで投資をするのは、資産運用とは言えません。
1,000万円のおすすめ投資先と資産運用方法
豊かな老後を目指して1,000万円を増やしていく場合の、おすすめの投資先や資産運用先を紹介します。
・【投資先】投資信託
株を売買したり、FX取引をしたりする知識がないという人におすすめなのが投資信託です。専門家が複数の投資先に分散投資するため、元本保証ではないものの比較的リスクが低い投資だと言えます。なお、投資口座は後述のNISA口座を利用するのがおすすめです。
・【投資先】不動産投資
保有している不動産がある場合は、それを貸し出して利益を得ることも可能です。そうでない場合は、不動産を購入することになりますが、元手が1,000万円の場合、購入できる物件は非常に限られてきます。資産運用のために借金を負うのは、それだけリスクを負うことでもあり、よほど不動産業界に詳しい人や物件を保有している人以外には難しい投資先でしょう。
しかし、同じ不動産投資のなかでも、不動産投資信託「J-REIT」であれば少額から投資が可能で、運用はプロがしてくれます。少額から不動産にチャレンジしたい人は、「J-REIT」を検討してみましょう。
・【投資方法】NISA
資産運用や投資にある程度自信がある人には「一般NISA」、そうでない人には「つみたてNISA」がおすすめです。投資で得た利益が一定額まで非課税になるNISA口座は、資産運用の大きな味方。投資で老後資金を増やしたいと考えているなら、ぜひ開設してみてください。
・【投資方法】ロボ・アドバイザー
ロボ・アドバイザーとは、ロボットがその人に適した投資先を選択して運用してくれるシステムです。手数料は割高ですが、自分で投資先を考えるのは大変だと感じている人は検討してみてもいいでしょう。ロボ・アドバイザーにも種類があるため、手数料や運用実績を見比べて信頼できる預け先を選ぶことが大切です。
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1,000万円の資産運用10年間のシミュレーション
以上をふまえ、1,000万円を元手に、希望の金額を貯金するための方法についてご紹介します。10年というまとまった年数をかけて資産を増やしていくために、どのような手段が考えられるのか見てみましょう。
・10年後に1,000万円を1,500万円に増やしたい場合
目標利回りは4.2%です。それほど難しい数字ではないため、堅実に長期的な成長が見込める投資信託などを利用して運用しましょう。堅実で長期投資に適した商品が揃っているつみたてNISAを利用するのもおすすめです。一時的な値下がりに慌てず、継続して投資を続けることが成功につながります。
また、可能な限りリスクを避けたい場合は、500万円はなるべく利率の高い定期預金に預け入れたり、元本保証の保険商品などに投資したりして、残りを運用するのも良いでしょう。「預金はうっかり使ってしまうのが不安」という人は、国債を利用するという手もあります。
・10年後に1,000万円を2,000万円に増やしたい場合
目標利回りは7.2%です。投資信託などのなかにも、7%程度の利回りが期待できる商品が販売されています。ただし、本当にその結果が出せるかどうかは保証の限りではありません。信頼できると感じる投資先を複数見つけ、分散投資していくことで2,000万円を目指しましょう。
また、不動産投資など、ほかの投資手法とあわせて運用するのもおすすめです。各金融商品にどの程度の割合で投資をするのかは、想定利回りやリスクをふまえて検討します。
・10年後に1,000万円を3,000万円に増やしたい場合
目標利回りは11.7%です。手数料のかかる運用をする場合は、その分も考慮する必要があり、かなりリスキーな投資を積極的にしていかなければ達成できません。このとき預けっぱなしにしておくのではなく、こまめに状況を見ながら運用をする労力と、先を見通す投資センスが求められます。
当然ながら、利回りが高いほどリスクも高まるのも事実。利回りの高い商品を買う際は分散投資(バランス投資)を忘れずに、可能な限りリスクヘッジしていきましょう。
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著者:平林恵子さん
人事労務関係の仕事からライターへ転身。
経験を活かしてコラム執筆を行っています。
2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。
税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。
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