「ドル円」と「円ドル」の違いとは?コロナショックから米ドルの動きに変化はあるのか
FXやニュースで目にするドル円。円ドルという呼び方も間違いではありませんが、ドル円と円ドルでは、為替の考え方が異なります。そこで今回は、ドル円と円ドルの違いとコロナショック後のドルについて解説します。
ドル円、円ドルの違いとは
通貨と為替レートの理解ができれば、ドル円と円ドルの違いがわかります。
・為替レートの意味
米ドルと日本円は、アメリカと日本と、それぞれの中央銀行が発行している通貨を指します。為替レートとは、2つの通貨の交換比率のことです。米ドルと日本円の組み合わせでは、通常「1ドル120円」のように表します。1ドルを120円に、120円を1ドルに交換できるということです。
このような通貨とレートの基本を押さえた上で、次にドル円・円ドルの違いを確認していきましょう。
・ドル円と円ドルは基準となる通貨が反対になる
ドル円と円ドルは、単に呼び方が変わるだけではありません。考え方も変わります。
仮に1ドルが100円だとすると、ドル円の場合、「1ドルは日本円100円に交換できる」と考え、1ドル100円と呼びます。
しかし、円ドルといった場合は、円を基準として「1円は0.01ドルに交換できる」といった考え方に変わります。「1円0.01ドル」または「100円1ドル」となります。
●ドル円:1ドルを基準に日本円での価値を算出
●円ドル:1円(ときには100円)を基準に米ドルでの価値を算出
法律や条約で定められているわけではありませんが、FXや経済の世界では、ドル円で取引や計算をするのが一般的です。投資をこれから始める場合は、取引ツール・注文画面・経済ニュース・レポートと、どれも「ドル円」を基準としているので、ドル円で為替レートを見ることをおすすめします。
・円高や円安の考え方にも影響する
ドル円と円ドルは、レートの考え方のほかに、円高や円安といった動きを見るときに影響を与えます。
例えば1ドル100円だったのが1ドル120円に変更した場合は、ドル高円安となります。ドルの価値が円に対して相対的に高くなったことを示しています。
同じ事象を「1円0.01ドルから1円0.008ドルに動いた」と捉えることもできるのは、すでに紹介した通りです。この場合は、円安ドル高になったと考えます。
ただし、ドル高円安のように、全てドル円で説明するのが一般的です。
コロナショックでの米ドルの動きはどのように予想される?
ここからは、直近の米ドルの動きと今後の展望について解説します。
・コロナショックによるドル売りは4月頃に一旦落ち着いた
コロナショックはアメリカ経済にも大きな影響を与えました。ドル円の為替レートの動きにもそれが表れています。
コロナウイルスがアメリカでも確認され、感染拡大が始まった2~3月の当初は、経済悪化の懸念からドル売り円買いが加速しました。ちなみに、ドル売り円買いとはドルを売り円資産を形成する動きのことです。
ドル円が大きく変動したのは2020年2月24日頃~3月末。特に3月9日には、それまで1ドル110円付近にあったドル円が、一時1ドル101.180円になりました。
その後アメリカ政府は、ロックダウンや緊急経済対策などと次々と感染拡大防止策と支援策を打ち出したため、ドル売りの動きは軟化しました。しかし、コロナ禍そのものが収束したわけではないこともあり、2020年4月から現在(2020年7月)まで、方向感の薄い相場が続いています。
今後コロナウイルスに起因する米ドルの売りがあるとすれば、第2波の拡大がきっかけになると考えられますが、それがいつになるのかは予想できません。ワクチン実用化のニュースが報じられることになれば、大きな変化が起こる可能性があります。
※2020年7月時点の情報を元にした記事です。
・直近では米中対立が再度表面化
また、2020年7月に米中対立が再び表面化しています。中国の国家安全維持法成立や香港の活動家逮捕を機に、アメリカは非難声明を出し、中国共産党員のビザ制限や中国製スマホアプリの禁止検討などの対抗措置をとりました。
両国の対立姿勢がさらに鮮明になれば、過去の米中対立と同じように米ドルを買いに動く可能性も考えられます。ただし、大きなインパクトがなければ、1ドル107円台で反落し106円台で反発するボックス相場が続くことになるでしょう。
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ドル円相場はどう見ればよい?
ドル円相場の日々の動きはチャートで表すと一目でわかります。チャートとは、横軸に時間、縦軸にドル円の為替レート(単位は円)を表示したグラフのことで、さまざまな情報を読み取れるツールです。チャートを見れば、たとえば2020年7月8日の終値が107.250円、高値(その日についた最も高い値段)が107.700円であったことがわかります。
ドル円相場はFX取引で必要な情報の1つなうえ、海外株式・外国株式ファンドの取引を行う上でも、チェックしておくべき情報です。
楽天証券では、外貨決済サービスを取り扱っています。為替取引で米ドルを保有していれば、それを米国株式の買い付け代金として利用することも可能です。関心を持った方は、楽天証券の口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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ここでもコロナの影響は大きかったのね。国同士の関係もしっかり把握しておかないと…