「好きなときに好きな人と好きなことをできる生活」を目指して行き着いたFIRE・海外移住。ゆうパパさんに聞く理想の生活実現までの道のり

リリース日:2024/02/07 更新日:2024/02/09
ゆうパパ
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投資歴14年の投資家。会社員時代に投資を始め、投資詐欺を受けたことで、本格的に投資の勉強を開始。2019年から海外移住を検討し、2021年4月に家族でポルトガルへ移住。“資産形成と自由なライフスタイルを送るコツ”をX(旧Twitter)、Voicy等で発信中。

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

一時期に比べるとコロナ禍が落ち着いたことで、国内外への旅行が再び活発化しています。特に、ここ数年行きづらかった海外に久々に足を運んだという方もいるのではないでしょうか。なかには旅行だけではなく、海外移住を検討し始めたという方もいるかもしれません。そこで、今回は投資でFIRE(Financial Independence, Retire Early: 経済的自立と早期退職)を達成し、ポルトガルに家族で移住したゆうパパさんに、FIRE達成までの道のりや海外移住を実現するまでのプロセス、実際の現地生活について伺います。

  1. 知識の浅さから投資詐欺被害に遭ったことも。FIRE達成までの道のり
  2. 「子供が英語を話せるようになったらいいな」が海外移住につながった
  3. FIREはゴールではなくスタート。「その後に送りたい生活」をイメージすることが大事

知識の浅さから投資詐欺被害に遭ったことも。FIRE達成までの道のり

マネ活編集部:ゆうパパさんは投資でFIREを達成し、現在はポルトガルにお住まいですが、まずはゆうパパさんがFIREに至るまでについてお伺いさせてください。投資を始めた頃からFIREを目指していたのでしょうか?

 

ゆうパパさん:いえ、最初から目指して進んできたのではなく、結果的にFIREに至ったというのが正確ですね。そもそも、私が投資について考え始めた頃にはまだFIREという言葉はなく、近い言葉でセミリタイアがあったくらいでした。ただ、大学時代から「好きなときに好きな人と好きなことを好きなだけできたらいいな」とは漠然と思っていました。

 

マネ活編集部:投資について興味を持ったのはいつ頃で、何がきっかけだったのでしょうか。

 

ゆうパパさん:2008年のリーマンショックですね。当時、私は新卒社員で、冬のボーナスがカットされたのがなかなかにショックな体験だったんですよ。親から「ちゃんと勉強して、安定した会社に就職しなさい」と言われて育ってきたけれど、リーマンショックを経験して「安定とは何だったのか」と思って。仕事以外にもお金を得られる方法を模索する必要性を強く感じました。

 

でも、当時は今のように副業解禁の流れはなく、私の勤めていた会社も副業は禁止されていました。そんな折に、親が銀行との付き合いで買っていた投資信託の分配金の金額を知り、自分の給料より高いことに衝撃を受けたんです。親はよくわからず買っていたのですが、とにかく投資信託だと知ることができたので、自分もやろうと思ったことをきっかけに始めました。実際に分配金をもらったことで、「投資ってすごいな!」と開眼したんです。

 

マネ活編集部:そこから順調に資産を増やしていけたのでしょうか。

 

ゆうパパさん:いえ、そう上手くはいかなかったですね。身近に投資の話をできる人がいなかったため、会社外に情報を取りに行ったんですが、そこで紹介されたのが、結果的に詐欺につながる話でした。聞いた感じではおいしい話で、知識のなかった私はテンション高くその話に乗ってしまったんですね。それで、当時持っていたお金のほとんどを失ってしまいました。

 

知識もなく、人にお金を預けることで失う恐怖を味わったことで、「もう騙されたくない」「投資スキルが欲しい」と強く思うようになりました。そこで、デリバティブ投資※をしている友人からカフェで2日間教えてもらい、そこから独学を開始。1カ月目、2カ月目、3カ月目と連続で勝つことができ、成功体験を積むことができました。ただ、そこで調子に乗ってしまい、4カ月目で負けてしまいました。でも、この失敗は詐欺に引っかかった時とは異なり、油断と知識の足りなさが原因だとわかっていたため、反省を次に生かすことができました。

 

※株式、債券、為替など、原資産から派生した商品。「金融派生商品」とも呼ばれる。先物取引、オプション取引、スワップ取引など、いくつかの種類の取引がある。

 

その後も、2015年のチャイナショックでの下落を受けてお金を失うこともあったのですが、地道に投資を続けることで回復し、資産を築けていったというのが大きな流れです。

 

マネ活編集部:ここまで、まだFIREが出てきていませんね。いつ頃がターニングポイントだったのでしょうか。

 

ゆうパパさん:FIREに進んでいった契機となったのは、2018年に米国株に投資をシフトしたことかなと思います。まだ日本人が米国株にそれほど投資していなかった時期のことです。興味を持ったきっかけは、シリコンバレーに行く機会があって、自分の目でアメリカを見たことでした。日本よりも魅力的な市場であり、今後もっと伸びていくだろうと思ったんですよね。

 

また、これは投資とは別の話なのですが、詐欺でお金を失った時から、何とかお金を稼がないといけないという気持ちが強かったため、お金を得る方法があればやろうというハングリー精神で突き進んできた、という背景があります。投資で勝てるようになってきたタイミングで人に教える側に立つようになり、そのタイミングで退職。東南アジアで高校を設立するという海外事業にも携わっていました。

 

FIREに至ったのは、複数の条件が組み合わさったためです。ひとつは、この東南アジアの事業を売却することになり、一段落ついたこと。そして、投資していたスタートアップの上場内定が降り、IPOが確実になったこと。さらに、個人資産が順調に伸びていたこと。これらが組み合わさったことで、ぼんやりと憧れていた海外移住が選択できる状況になったんです。2020年後半に、海外でFIREという言葉が使われていると知り、セミリタイアよりもかっこいいなと感じました。本当に行き当たりばったりの結果がFIREであり、海外移住なんですよ。

 

「子供が英語を話せるようになったらいいな」が海外移住につながった

マネ活編集部:海外移住に関しては、いつ頃から頭にあったのでしょうか。

 

ゆうパパさん:ずっと海外に住みたいと思っていたというよりは、子供が生まれて、彼らが英語を話せるようになったらいいなと思ったことが、結果的に海外移住という形になったという感じですね。

 

私自身は、TOEICの点数が250点ぐらいと、かなり英語が苦手なんですよ。でも、海外旅行は好きで、行く国々で英語の必要性を肌で感じてきました。子供たちは英語がスタンダードになる時代を生きなければならないんだろうなと思い、できるようになったらいいなと思ったのですが、私には教えられない。じゃあ、海外に住めばいいじゃんと思ったんです。

 

マネ活編集部:なるほど。そこから、どのように移住先を決めていったのでしょうか。

 

ゆうパパさん:そう思い始めた当時、私はまだ東南アジア事業に関わっていたんですね。子供たちにとって、移住するなら早いほうが良いだろうと思ったので、最初は東南アジアにしようと思ったんです。でも、妻が乗り気ではなくて。

 

その後、事業売却により移住先選びに制限がなくなり、夫婦ともに好きで何となく憧れていたヨーロッパが候補になりました。最初は、私が実際に行って惹かれていたバルセロナが候補だったのですが、当時の私の肩書はニートに近く、移住できるビザの情報が探せなかったんです。

 

そこで、次に出てきたのがオランダでした。オランダには個人事業主のビザがあり、比較的移住しやすいという情報を得たんです。それと同時に、候補に挙がってきたのがポルトガルでした。2019年に移住ビザを取れた日本人夫婦を紹介してもらって、彼らから「ポルトガルには、D7と呼ばれるリタイアメントビザというものがある」と教えてもらったんです。

 

ただ、家族で旅行に行ったことがあるのはパリやスペインで、ポルトガルはサッカー選手くらいしか知識がなく、場所すらよくわからないレベルでした。そのため、「いまいちピンとこないから、まずは旅行に行ってみよう」ということで、2019年末に家族で行ってみたんです。すると、冬でも暖かくて、海のあるロケーションでご飯もおいしくて、英語も割と通じる国だということがわかった。おまけに、現地の人がすごく優しかったんです。

 

正直、日本人が多く、学校や医療情報を得やすいのはオランダだったのですが、オランダは冬が寒いし…という理由で、まずはポルトガルに移住してみて、ダメだったらオランダに行ってみようというカジュアルな判断でポルトガル移住に向けて動き始めました。

 

マネ活編集部:では、その後にコロナ禍があったわけですね。躊躇はしませんでしたか?

 

ゆうパパさん:迷いは生じなかったです。状況を見ながら、何かあった時に混乱するのはどこの国にいても同じだなと感じていましたので。ビザの取得を粛々と進め、2021年4月に移住しています。

 

マネ活編集部:移住に関して、ご家族の捉え方はいかがでしたか?

 

ゆうパパさん:みんな前向きでしたね。妻は私より英語ができますし、子供たちは長い海外旅行くらいに捉えていたんじゃないかと思います。それまでも年に1、2回は海外旅行に行っていて、夏休みには3週間行くこともあったので。

 

FIREはゴールではなくスタート。「その後に送りたい生活」をイメージすることが大事

マネ活編集部:移住後、お子さんたちはスムーズに生活に馴染めましたか?

 

ゆうパパさん:移住した21年4月の段階で、日本でいう小1、小3で、日本では習いごとでしか英語に触れていなかったため、最初は言葉に苦労していた様子でしたが、1度も日本に帰りたいと言い出すことはなく今に至っています。今ではポルトガル語も喋れるようになり、地域社会のイベントにも参加するなど、ポルトガルの生活を楽しんでくれています。子供たちが元気に育ってくれているのが嬉しいです。

 

マネ活編集部:ご自身にとって、移住して良かったことは何でしょうか。

 

ゆうパパさん:毎日がエキサイティングで刺激的なことですね。ヨーロッパはほぼ陸続きなので、EU圏26カ国を47都道府県の感覚で旅できるんですよ。ポルトガルからバルセロナに行くのは飛行機で1時間半くらいと、東京~福岡間くらいですし、パリやイタリアに行くのも沖縄旅行と変わりません。いろいろな国に気軽に旅行に行ける生活を、妻も子供も楽しんでくれていますね。

 

あとはご飯がおいしい。肉も魚も野菜も豊富に採れる国なので、食事のバリエーションも豊かなんです。

 

暮らし始めて気付いた良さは、税制の違いですね。ポルトガルには外国人移住者に向けた優遇制度があったり、教育費の場合は贈与税が非課税だったり、国外の人への相続税がゼロだったり、移住者の資産形成にフレンドリーな国なんですよ。

 

マネ活編集部:反対に、ネガティブなことはありましたか?

 

ゆうパパさん:業者の対応の遅さですね。最初に契約した家は、コロナ禍だったこともあり現地に行けずにリモート契約した物件だったのですが、移住前日に雨漏りが発覚したんですよ。日本だとすぐに直してくれるだろうと思うのですが、なんと5カ月かかりまして、その間Airbnb生活を送ることになりました。ちなみに、ようやく工事が済んで住めるようになった1カ月後、今度は下に雨漏りをするようになってしまい、引越す羽目になりました。

 

あとはやはり情報アクセスの問題がありますね。医療や学校、ローカルルールといった情報はポルトガル語のままで、英語翻訳が減るんです。英語話者が多いと英語翻訳があるのですが、ポルトガルはポルトガル人とブラジル人が多いため、ポルトガル語のみしかない情報もまだまだあるんですね。そのため、まだまだ英語が喋れるだけでは十分に生活できる環境ではないんです。

 

ただ、コロナ禍を経て移住者が増えているので、今後は英語翻訳の情報が増えてくるのではないかと期待しています。

 

マネ活編集部:今後、海外移住やFIREを目指す方に向けて、アドバイスをお願いします。

 

ゆうパパさん:私の場合、移住判断はノリと勢いが強かったのですが、人生経験で1度はおすすめしたい選択だと思っています。そもそも、移住は永住ではないので、そこまで重く考えすぎなくていいんですよ。長い人生で3年や5年、母国以外の場所で暮らす期間があると、日本との違いや外国の良さ、日本の良さがわかるようになると思います。日本は、今後もっとグローバルな国になる必要があるでしょう。そうした社会で生きていく中で、海外移住で得た経験を生かせると思います。ポルトガルに興味がある方は、私が発信している情報も参考にしていただけるとうれしいです。

 

FIREに関しては、FIREを目指すあまり、今の生活を過剰に犠牲にしないようにしてほしいと伝えたいですね。節制、節約は資産形成フェーズで取り掛かりやすく、確かに大切なものではあります。ただ、若さと時間とお金を天秤にかけたとき、若さと時間はお金以上に価値があるものだと思うんですよ。私はお金に困らず自由に生きられる人生を目指したらFIREに行き着きましたが、自分のライフバランスは大事にしてほしいなと思いますね。

 

最近はFIREに関する本も多くありますが、形にとらわれすぎないことが大切だと感じます。資産額も大切ではありますが、それよりも毎月何円あれば自分が生活できるのかを把握するのが大事。私は月に40万円もらえる生活を提唱することがあるのですが、それは夫婦で老後に生活するうえで必要なのが35万円程度だと考えてのことなんです。その金額を得る方法が配当金だけである必要はなく、給与でも副業収入でも、老後の場合は年金でもいいと思っています。

 

FIREへの道のりはその人次第で、重要なのはその後の生活に何を見ているかでしょうね。FIREに至っても、やることがなくなったことで虚無になり、会社員生活に戻る人もいるんですよ。FIREはゴールではなく、時間を得られることで選択肢が増える、新たな生活のスタートラインだと思っています。

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