40代・50代からの老後資金はいくら必要?お金を貯めるポイントなども紹介

リリース日:2025/05/09 更新日:2025/05/09
木内菜穂子
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木内菜穂子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

金融機関や税理士事務所勤務での知識を生かし、FP1級、AFP、日商簿記2級などの資格を取得しました。現在は、金融・保険をメインとしたライターとして執筆活動をしています。お金に関する情報をわかりやすくお伝えできるよう日々努めています。

長寿大国である日本。平均寿命は、厚生労働省の「令和5年簡易生命表」によると男性が81.09歳、女性が87.14歳とのことです。

長生きができると、旅行や趣味に没頭する時間もできるかもしれません。一方で、リタイア後の生活が長いと、老後の生活費が足りるかと不安な人もいるでしょう。公的年金だけで老後資金がカバーできない場合、貯蓄を切り崩していくことになるため、現役で働いているうちに老後資金を準備する必要があります。

ここでは、必要な老後資金の目安や、40代・50代から始める老後資金の貯め方を解説します。また、老後資金を貯めていく中で、近年増えている投資詐欺に遭わないために気を付けるべきポイントも紹介していきます。

  1. 老後の資金、いくら貯めれば良い?
  2. 40代・50代が老後資金を貯めるために意識するべきこと
  3. 老後資金を準備する方法
  4. 投資詐欺に遭わないようにするための注意点
  5. おすすめの資産形成は投資信託!

老後の資金、いくら貯めれば良い?

お金について考えるシニア夫婦のイラスト

老後のための資金は、65歳以降20年間生活した場合、少なくとも2人世帯で約910万円、単身世帯では約738万円が必要になると考えられます。なぜこの金額が必要になるのか、総務省統計局が公表した「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」をもとに確認してみましょう。

 

以下に、65歳以上の年金生活者(無職世帯)の収支平均を載せています。

65歳以上の無職世帯のうち、夫婦のみと単身それぞれの家計収支の平均

夫婦のみの無職世帯 単身無職世帯
実収入 24万4,580円 12万6,905円
可処分所得 21万3,042円 11万4,663円
消費支出 25万959円 14万5,430円
収支(可処分所得-消費支出) △3万7,917円 △3万767円
 

65歳以上夫婦のみの無職世帯の1カ月の実収入は平均24万4,580円、そこから社会保険料や税金などを差し引いた手取り(可処分所得)が平均21万3,042円となります。ここでの実収入は主に年金です。

 

1カ月の生活費として平均25万959円かかっていることになるため、可処分所得から差し引くと、毎月平均3万7,917円の赤字となります。

 

一方、単身世帯では実収入が平均12万6,905円で、社会保険料や税金などを差し引いた可処分所得が平均11万4,663円です。そこから消費支出の平均14万5,430円を差し引くと、毎月平均3万767円の赤字となります。

 

夫婦2人世帯でも単身世帯でも、毎月3万円以上の赤字となり、例えば老後生活が20年間続いた場合、夫婦2人世帯では910万円、単身世帯では738万円不足する計算となります。

 

ただし、この金額はあくまでも生活費の不足分であり、高額な医療費や介護費がかかった場合や、家のリフォーム・子供への援助金などにかかるお金は含まれていません。

 

そのため、上記の計算以上に老後資金が不足する可能性もあります。

40代・50代が老後資金を貯めるために意識するべきこと

老後資金を貯めるときのポイント

40代や50代の人が老後資金の準備をするときに、理解しておきたいポイントがあります。

 

それぞれのポイントを詳しく確認していきましょう。

1.公的年金の受給額を確認する

老後の主な収入となる公的年金が、毎月いくら受給できるのかを確認します。日本年金機構によると、令和6年4月分からの、夫婦2人の標準的な年金受給額は23万483円(※)とされています。

 

自分の年金受給額は、毎年誕生月に送付される「ねんきん定期便」で確認可能です。特に、50歳以降に送付されるねんきん定期便には、現在の加⼊条件が60歳まで継続すると仮定した場合の受給見込額が記載されているため、老後に受け取れる金額の目安になるでしょう。

 

※平均的な収入(平均標準報酬43万9,000円)で40年間勤務した場合に受け取れる老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)の給付水準です。

2.リタイア後の支出額を見積もる

老後の生活費やライフイベントにかかる費用などが、おおよそいくら必要なのかを見積もることも大事です。

 

老後の毎月の生活費は、現在の生活費を把握すればおおよその目安がつくでしょう。なお、医療費や介護費、趣味や旅行などの費用は、現在よりも多くかかると考えて見積もると安心です。

 

年齢が上がるにつれて、身体に不調をきたすようになると医療・介護にかける費用が増えるでしょう。また、就労時間が短くなったり、仕事を引退したりすると趣味や旅行にかけられる時間が確保できるため、必要なお金も増えることが考えられます。

 

また、ライフイベントごとの支出も検討する必要があります。例えば、自宅のリフォームやバリアフリー化するための費用、子供の結婚や出産のときの援助、車の買い替えなど、考えられる支出を洗い出してみましょう。

 

これらの金額を合計すると、リタイア後に必要なおおよその金額を把握できます。

3.必要な貯蓄額を計算する

老後生活に必要な金額が計算できたら、理想とする貯蓄額も見えてきます。

 

老後の主な収入となる公的年金の受給目安額と、退職金の予定額、現在の貯蓄額などを合計し、必要な金額を差し引いて、不足額を求めましょう。

 

年金受給開始までにいくら貯蓄すれば良いのかが見えると、計画的な貯蓄が可能になります。

4.住宅ローンの見直しをする

定年退職後は、現役時代よりも収入が減少する場合が多いため、住宅ローンの見直しを行い、定年退職前に完済できるのが理想です。

 

例えば、ボーナスなどの臨時収入があったときに繰上返済すると、完済時期の前倒しが可能です。繰上返済した分は住宅ローンの元金に直接充当されるため、その分の支払利息を節約する効果もあります

 

定年までの完済が難しい場合は、返済プランの見直しや借り換えも視野に入れ、リタイア後の返済負担を軽減できるように検討しましょう。

5.リスクを分散させて安定した資産形成を目指す

老後資金を早急に準備したいと考えている場合でも、資産運用の知識がない状態でハイリスク・ハイリターンな金融商品に手を出すのは控えましょう。ハイリスク・ハイリターンの金融商品は、大きな利益が得られる可能性がある一方で、大きな損失が出てしまうこともあるためです。

 

大切な老後資金を着実に準備できるよう、始めはローリスク商品から、さらには投資する商品・分野を分けて分散投資する方法を検討すると安心でしょう。




老後資金を準備する方法

老後資金を準備する方法

老後資金を準備する方法として、以下の4つをご紹介します。

 

  • 個人年金保険
  • 不動産投資
  • NISA(少額投資非課税制度)
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)

自分にあったものを見つけて、早めに取り組むことをおすすめします。

個人年金保険

個人年金保険は、民間の生命保険会社が取り扱っている年金保険で、公的年金とは別に任意加入するものです。

 

保険商品によって、受取期間が10年間などの一定期間のものや一生涯のものなどさまざまです。ほかにも、受取人が亡くなった場合でも遺族が残りの年金を受け取れるものもあります。

 

払い込んだ保険料は、一定条件を満たした場合、年末調整や確定申告のときに、生命保険料控除のうちの「個人年金保険料控除」を受けられる可能性があります。

 

ただし、中途解約する場合、タイミングによっては解約返戻金が払込保険料を下回る、いわゆる「元本割れ」を起こす可能性があることに注意しましょう。

不動産投資

活用していない土地を所有している場合は、不動産投資で老後資金の準備に役立てられるかもしれません。

 

アパートなどの賃貸住宅を建設して賃貸すると、毎月一定金額の家賃収入が得られます。老後も継続して家賃収入が得られれば生活費の補填が可能なため、公的年金だけでは不足する分をカバーできます。

 

ただし、空き室リスクや、修繕費・維持費がかかるなどのデメリットもあります。

NISA(少額投資非課税制度)

NISAとは2014年1月からスタートした「少額投資非課税制度」のことで、NISA口座内で運用して生じた利益が非課税になるという特徴があります。日本に住む18歳以上の人なら利用可能です。

 

2024年1月から新制度がスタートし、非課税保有期間が無期限化されたり、非課税保有限度額が最大1,800万円まで(うち成長投資枠は1,200万円まで)に拡大されたりしました。

 

つみたて投資枠は年間120万円まで、成長投資枠は年間240万円まで投資可能です。旧NISAではいずれか一方しか利用できませんでしたが、新しいNISA制度では併用できます。


つみたて投資枠で購入できる商品は、長期の積立・分散投資に適した投資信託(金融庁の基準を満たした投資信託に限定)です。投資初心者や老後資金を貯めたい人が活用するのにピッタリの制度といえるでしょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは私的年金のひとつで、毎月掛け金を拠出し、自ら金融商品を選び運用することで、老後に掛け金と運用益を受け取れる制度です。20歳以上65歳未満(一定の条件あり)の人が加入対象で、受給開始年齢は60歳以降となります。

 

iDeCoは税制上、以下の3つのメリットがあります。

 

  • 掛け金の拠出時に所得控除が使える
  • 運用益が非課税になる
  • 受給時に公的年金控除または退職所得控除が適用できる

ただし、原則として60歳までは引き出しができないことや、加入期間によって受給開始年齢が異なることに注意しましょう。

投資詐欺に遭わないようにするための注意点

投資の説明をする詐欺師のイラスト

投資商品を利用して老後資金を貯める場合、詐欺に遭わないように注意する必要があります。

 

金融庁の金融サービス利用者相談室には、投資詐欺の相談が多数寄せられており、被害者の多くは高齢者です。しかし、50歳以下でも被害に遭う人は増えています。

 

投資詐欺に遭わないために、投資先を選ぶときは以下の点に注意しましょう。

 

  • 金融庁の登録を受けている業者かを確認する
  • 「必ずもうかる」「元本保証」などと断言していない業者を選ぶ

一般の投資家に対して投資勧誘をできるのは、金融庁の登録を受けた業者のみです。未登録の業者が勧誘することは法律違反となり、悪質な業者である可能性があります。

 

中には、金融庁などから勧誘業務を委託されたと虚偽の事実を述べ、消費者をだます業者も存在します。

 

少しでも怪しいと感じたり、聞いたことがない業者だったりした場合は、まず金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で検索しましょう。そして、投資詐欺の疑いがある場合は、金融サービス利用者相談室や消費者ホットラインなどへの相談をおすすめします。

おすすめの資産形成は投資信託!

グラフと電卓と投資信託と書かれたブロック

老後に必要な資金を公的年金だけでカバーすることは難しいことが多いです。そのため、現役のうちから老後資金を準備する必要があります。

 

資産形成の方法はいくつかありますが、投資初心者の人は投資信託を検討してみてはいかがでしょうか。特にNISAやiDeCoの制度を利用すると運用益が非課税になります。始めはハイリスク・ハイリターンな商品ではなく、長期・分散投資に適した商品を選ぶと、リスクを軽減できそうです。

 

投資で資金を用意することが不安な人は、預貯金と投資を組み合わせるのも良いでしょう。

楽天ユーザーに嬉しいサービスを多数提供する楽天証券は、投資信託を毎月積立でコツコツ購入していくことも可能。クレカ積立(「楽天カード」クレジット決済)を利用することで、「楽天カード」や投資信託の種類によって定められた進呈率で、決済額に応じた「楽天ポイント」も貯まります。


さらに、「楽天・プラス」シリーズの投資信託であれば保有額に応じた「楽天ポイント」が毎月貯まります。

 

※この記事は2024年12月時点の情報をもとに作成しております。

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このテーマに関する気になるポイント!

  • 老後資金はいくら必要?

    65歳以降20年間生活した場合、生活費の不足分だけでも2人世帯で約910万円、単身世帯で約738万円不足する可能性があり、そのほかの出費もあわせるとそれ以上の資金が必要になるでしょう。

  • 40代・50代が老後資金を貯めるときに注意することは何?

    老齢年金受給額を確認する、定年後の支出額を見積もる、ローリスクの安定した資産形成を目指すなどが挙げられます。

  • 老後資金を備える方法は?

    個人年金や不動産投資、NISAやiDeCoといった制度を活用する方法などがあります。

  • 投資詐欺に遭わないために注意することは?

    金融庁の登録を受けている業者かどうかを確認しましょう。また、「必ずもうかる」「元本保証」と断言する業者にも注意が必要です。




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