失業保険は一度もらうと次はいつ受け取れる?

リリース日:2019/09/17 更新日:2025/06/20

失業保険は、退職後に再就職先が見つかるまで生活を送るための手当のことです。失業保険には受給の条件がいくつかありますが、一度受け取ったことのある人は注意が必要です。ここでは、失業保険の基礎知識や受給までの流れなどを解説します。退職や転職を考えている人は、何を準備するべきかなどを調べておくと良いでしょう。

風呂内亜矢
私が監修しました
1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP認定者
風呂内亜矢

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は夫婦で複数の物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 書籍は『コツコツ続けてしっかり増やす!誰でもできるNISAの教科書(ナツメ社)』など約30冊。YouTube「FUROUCHI vlog」も更新。

  1. 失業保険とは?
  2. 失業保険の受給条件は?
  3. 失業保険は一度受け取ると次はいつもらえる?
  4. 失業保険受給の注意点はある?
  5. 失業保険受給までの流れ
  6. 失業保険の制度を理解して正しく利用

失業保険とは?

失業保険と書かれたブロックと考えるビジネスヒューマン

失業保険とは、雇用保険に加入している人が会社を辞めた際に、生活を送るための手当を受け取ること制度のことです。一般的には雇用保険の「基本手当」のことを失業保険と呼ぶことが多いでしょう。

 

会社を辞めると、次の仕事が見つかるまでの生活費を工面する必要が出てきます。また、再就職先を探すのにも何かとお金がかかるでしょう。失業保険は、このようなお金の問題をカバーしてくれる公的な制度です。

 

金額は働いていた時の月給によって異なりますが、おおよそ元の給料の5割~8割程度が支給されると考えておきましょう。

失業保険の受給条件は?

失業保険を受給する条件は、下記2点です。それぞれ見ていきましょう。

就職先を探している

再就職を予定していて、求職をしている人が対象です。例えば、早期退職して今後働くつもりがないという人や、フリーランスになる予定の人などは、雇用保険の受給対象外になります。なお、2022年7月からは会社員を辞めてフリーランスになるなど、独立して事業を始める人は受給期間の特例が利用できるようになりました。事業を開始した日の翌日などから2カ月 以内に申請をしておくことで、最大4年以内に事業を廃業・休業し、再就職を目指すケースなどで失業保険が受け取れる可能性があります。新しいことに挑戦する際の守りの制度として覚えておくと心強いでしょう。

雇用保険の加入期間が一定以上である

雇用保険の加入期間は、退職理由によって条件が異なります。

分類 退職理由 雇用保険の加入期間
自己都合
  • 自己都合または定年により離職した場合
離職前の2年間で12カ月以上
  • 期間の定めのある労働契約が更新されなかった場合
  • やむを得ない理由により離職した場合
離職前の1年間で6カ月以上
(特定理由離職者)
会社都合
  • 倒産・解雇等の理由により離職した場合
離職前の1年間で6カ月以上
(特定受給資格者)
 

退職理由と雇用保険の加入期間によって条件が変わるので、自分がどの条件に当てはまるかを事前に確認しておくと良いでしょう。




失業保険は一度受け取ると次はいつもらえる?

失業保険は、1度受給すると、雇用保険の加入期間がリセットされます。つまり、1度受給した後に就職し、短期間で再度失業した場合などは、2度目の失業保険をもらうことはできません。

雇用保険の加入期間の仕組み

逆に、過去に1度受給したことがあっても、再度雇用保険の加入期間が一定期間を満たした場合は2度目の受給を受けることができます。特定理由離職に当たらない自己都合の場合、離職日以前2年間に雇用保険の加入期間が12カ月以上である必要があるため、一般的には前回の就職から1年以上が経ったタイミングから対象となります。会社都合など、自分で回避できない事象が原因の場合は、離職日以前1年間に加入期間が6カ月以上必要と、条件が少し緩和されます。

 

2度目の失業であっても、最初の失業時に失業保険をもらっていなかった場合は、加入期間の条件を満たしていれば、前回の就職から1年よりも早いタイミングだったとしても失業保険を受給できる可能性があります。

失業保険受給の注意点はある?

シックな部屋でPCを見つめながら考える女性

失業保険は、仕事を辞めた後の生活を支えてくれるものです。しかし、利用する場合はいくつかの注意点についても意識しておく必要があります。失業保険の受給について覚えておきたいポイントをまとめました。

自己都合退職の場合さまざまな制限

(特定理由離職に当たらない)自己都合で退職した場合、失業保険を受給する際にさまざまな制限を受けることになります。具体的には以下のとおりです。

受給まで1カ月以上かかる

会社都合退職の場合は、7日間の待期期間後、すぐに失業保険の受給が始まります。しかし、自己都合で退職した場合、失業保険が受給できるようになるのは7日間の待期期間の後、さらに1カ月の給付制限期間(2025年3月31日以前の退職は2カ月、5年間のうちに2回以上正当な理由のない自己都合による受給や自己に責任のある解雇は3カ月)が過ぎてからです。そのため、この期間の生活費については自分自身で用意しなければなりません。

再就職手当が支給されないケースがある

失業保険では、基本手当(失業日数に応じてもらえる手当)のほか、再就職ができた場合の「再就職手当」を受け取ることもできます。しかし、受給できる基本手当の3分の1以上(90日受給できる人の場合、30日以上)を残している場合などでなければ再就職手当はもらうことができません

 

基本的には手当をより多く受給することよりも、自分の納得がいく就職先を見つけられ、早期に再就職をすることの方が経済的にも有利ですし、優先順位は高くなります。再就職手当にこだわり過ぎる必要はありませんが、受給できる条件については把握しておくことで想定外が起こることを防げるでしょう。

給付期間が少ない場合もある

(特定理由離職に当たらない)自己都合退職では、会社都合退職の場合に比べて給付期間が通常短く設定されています。給付期間が短いということは、受け取れる総額も少なくなります。

失業保険受給までの流れ

失業認定申告書

失業保険は、自分で手続きをしないと受け取ることができない保険です。会社が手続きをしてくれるわけではないので、受給を希望する場合は速やかに手続きに行きましょう。

1. 必要書類を用意してハローワークへ提出

  • 雇用保険被保険者離職票
  • 本人確認書類
  • 印鑑
  • 通帳
  • 3カ月以内に撮影した縦3cm×横2.5cmの写真2枚(スピード写真で可)

これらを準備した上で、ハローワークに書類を提出します。その際に窓口で、「会社を辞めたので求職の申し込みと失業保険の手続きがしたい」と伝えたら、その後の説明をよく聞きましょう。

2. 「雇用保険受給者初回説明会」への参加

指定された「雇用保険受給者初回説明会」の日に、再度ハローワークへ行って説明を受けます。印鑑と筆記具、しおりといった持ち物も指定されるので、忘れないようにしましょう。ここで、「失業認定申告書」と「雇用保険受給資格者証」を受け取ります。

3. 求職活動をする

 求職活動を行い、状況を「失業認定申告書」に記入します。求職活動をしないと、失業認定されず、失業保険も受けられません。

4. 失業の認定を受ける

4週間に1度、「失業認定申告書」と「雇用保険受給資格者証」をハローワークに持って行き、失業の認定を受けます。


この3と4のステップを繰り返すことで、失業保険を受け取ることができます。きちんと求職活動をして、ハローワークに報告に行くことが条件になるため、忘れないようにしましょう。

失業保険の制度を理解して正しく利用

失業保険は、申請すれば受給することができますが、雇用保険に入っているだけで申請をしなければもらえないお金です。申請する際は受給条件を満たしているか改めて確認し、制度を活用しましょう。


※この記事は2025年4月時点の情報をもとに作成しております。

このテーマに関する気になるポイント!

  • 失業保険の受給期間はどのくらいですか?

    失業保険(雇用保険の基本日額)の給付日数は、雇用保険の加入期間や年齢、離職理由などによって異なります。原則として離職日の翌日から1年間(短期雇用特例被保険者は、離職日の翌日から6カ月間)を受給期間とし、給付日数を限度として受給できます。

  • 失業保険の不正受給が発覚した場合、どうなりますか?

    失業保険の不正受給が発覚した場合、支給停止や返還命令、さらに悪質な場合は詐欺罪として刑事告訴されることがあります。

  • 失業保険の延長はどのような場合に可能ですか?

    失業保険の受給期間中に病気やケガ、妊娠・出産・育児などで求職活動ができない場合、受給期間の延長が認められることがあります。

  • 失業保険を受給しながらアルバイトはして良いですか?

    失業保険の受給期間中にアルバイト収入がある場合、原則週20時間以上の労働となると就職の扱いになります。その場合、受給できないのでよく確認しましょう。また、収入額や労働時間などをハローワークに申告する必要があります。




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平林恵子
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
平林恵子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

人事労務関係の仕事からライターへ転身。経験を活かしてコラム執筆を行っています。2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。

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