20年ぶり一新される新紙幣。津田梅子ってどんな人物?ウワサの画像反転も
「津田梅子」は2024年から新しく発行される五千円札の肖像画として採用されることになった明治時代の女性。どのような人生を送り、どのような功績をあげたのかについてまとめました。
一万円、五千円、千円の新紙幣について
新しいデザインになる新紙幣には、それぞれ次の人物がデザインされることが決まっています。
・一万円札:渋沢栄一(しぶさわ えいいち)
・五千円札:津田梅子(つだ うめこ)
・千円札:北里柴三郎(きたざと しばさぶろう)
なかには「名前くらいは聞いたことがある」という人もいるのではないでしょうか。簡単にご紹介すると、渋沢栄一は明治、大正、昭和初期まで活躍した実業家で、「日本資本主義の父」として知られている人物です。
津田梅子は、明治~大正時代の教育者で、女性の英語教育に大いに貢献しました。北里柴三郎は明治~大正時代の医学者であり、教育者でもある人です。「日本の細菌学の父」とも呼ばれています。
デザイン変更の理由
今回紙幣デザインが変更されることになった理由は、「お札の偽造を防止するため」と政府からの発表がありました。偽造紙幣は国の経済状況を大きく傾けてしまう恐れもある大きな犯罪です。これまでも紙幣には、偽造紙幣対策としてさまざまな工夫がされてきました。
昔からある紙幣の「透かし」も、偽造防止の工夫のひとつです。またホログラムや特殊インキの採用、ざらざらとした凹凸のある印刷方法の採用など、偽造防止の工夫は多岐に及びます。印刷技術は日々進歩しており、定期的にデザインを変更して新しい技術を採り入れることで偽造はどんどん難しくなるでしょう。
もちろんデザイン自体を変えてしまうことも、偽造紙幣の流通を阻むことにつながります。
津田梅子の人物像・偉業
津田梅子は、1864年に江戸で生まれた女性教育家です。1929年(昭和4年)に66歳で亡くなりました。主に活躍をしていたのは明治時代と大正時代で、当時はまだまだ後進的だった女性の教育について、大きな功績をあげた人物です。
津田梅子は1871年、わずか満6歳にして岩倉遣外使節団とともにアメリカに留学しました。この使節団には、かつて千円札のデザインに採用されたこともある伊藤博文も同行しています。
この使節団に参加した津田梅子を含む5人の女性は、日本女性初の留学生としても有名です。特に津田梅子は、最年少の女子留学生として教科書などにも掲載されています。そして彼女は約11年間を海外で過ごし、その間に洗礼も受けてキリスト教徒になりました。
帰国後、ともに留学した女性のなかには結婚をする人もいましたが、津田梅子は愛情のない結婚を拒否して、女性の教育発展のために生きることを決意します。その後も、アメリカやイギリスへたびたび渡り、オックスフォード大学など複数の大学で生物学、英文学、倫理学、教授法などを積極的に学びました。
イギリスの学術雑誌に論文を発表したり、アメリカの新聞に日本の教育についての記事を寄稿したりと、日本国内にとどまらない活躍をしています。1900年には、寄付金を集め女性のための教育機関である女子英学塾(現在の津田塾大学)を設立しました。
ウワサになっている津田梅子の肖像画像の加工・反転
江戸時代に生まれ、明治から大正時代に活躍した津田梅子の写真は、それほど多く残されているわけではありません。彼女が創設した津田塾大学は、十年ほど前に津田梅子が「18歳ごろ」「24歳ごろ」「36歳ごろ」「50歳ごろ」とされる4枚の写真を国立印刷局に提供しました。この4枚の写真のうち、紙幣に採用された肖像に似ているのは「36歳ごろ」の写真です。
しかし、この写真は向かって右側を向いているのに対し、発表された紙幣にデザインされた肖像は向かって左側を向いています。お札の肖像画は人の手によって描かれたもので、写真をそのまま印刷しているわけではありません。とはいえ写真を反転させ採用したことで、「画像を改変している」と抵抗を感じた人もいるようです。
実際に、新紙幣デザインが発表されたすぐあとで「加工されている」という話題があちこちで見受けられるようになりました。肖像権や著作権への関心も高まっている昨今、そのまま写真が使われるわけではなかったとしても、元の画像を加工して紙幣に採用することへの違和感を覚える人も少なくないということでしょう。
これに対して財務省は、「反転などの加工は問題ない」という声明を出しています。一方の津田塾大学側は、「コメントする立場にはありません」としました。反転させた意図は明確ではありませんが、紙幣の肖像画は内側を向く形が慣例となっており、そのためではないかという声もあります。
今回は、新紙幣について解説してきました。新紙幣は国立印刷局が印刷して、日本銀行に運び、全国の日本銀行の支店を通じて各銀行の支店やATMなどに補充されます。いち早く新札(新紙幣)を手に入れたいという方は発行日当日にATMでお札を引き出すと新紙幣が手に入るかもしれません。
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FAQ
- 津田梅子とは
1864年に江戸で生まれた女性教育家。2024年に一新される新紙幣。新五千円札のデザインに採用。 - 津田梅子の人生と功績は
6歳の時に岩倉遣外使節団とともにアメリカに留学。約11年間を海外で過ごし、その間に洗礼も受けてキリスト教徒になる。
帰国後、女性の教育発展のために生きることを決意し、その後も、アメリカやイギリスへたびたび渡り、オックスフォード大学など複数の大学で生物学、英文学、倫理学、教授法などを学ぶ。
1900年に、寄付金を集め女性のための教育機関である女子英学塾(現在の津田塾大学)を設立。 - 津田塾大学とは
1948年に東京都小平市津田町2-1-1に本部を置く日本の私立大学。
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