企業年金連合会とは 会社を退職した際の企業年金はどうしたらいいの?
毎月支払っている年金は給与明細でも確認できます。毎月支払うため、まとまった金額になっていることを意識する人もいるでしょう。しかし、退職した場合企業年金はどうなるのでしょうか。
もくじ
・退職した場合の企業年金の行方
・企業年金連合会とは
・任意で選ぶ退職後の企業年金
退職した場合の企業年金の行方
企業年金と聞いても、国民年金や厚生年金との違いについてあやふやな人もいるでしょう。まずは年金制度の仕組みについて説明します。日本の年金制度は一般的に3階建てと言われています。年金の1階部分は国民年金です。これは国民が全員加入することになります。
次に2階部分が職業に応じた上乗せ給付となる厚生年金です。この1、2階部分は国が運営する年金で公的年金と呼びます。これらの公的年金のさらに上にあるのが企業や団体が運営している企業年金です。
企業年金の導入は、会社が福利厚生の一環として任意に行います。別法人を設立して基金を運用する厚生年金基金、確定給付型企業年金、確定拠出年金などが企業年金にあたります。ただし、2013年からは厚生年金基金の新設が認められなくなっているため、現在では確定給付年金と確定拠出年金が主流です。
この厚生年金基金は基本的に1ヶ月でも加入していれば、年金が給付されます。しかし、短期間で退職した場合はどうでしょうか。また企業年金基金がある企業に再度就職してすぐに退職してしまったようなケースではどうなるのでしょうか。
企業年金に限らず、年金を受給するためには請求という手続きが必要になります。すると短期間で退職した場合でも支給開始年齢に到達した場合は過去に加入していた企業年金すべてに請求することになってしまうでしょう。
複数の企業年金に連絡して手続きするのは手間がかかりますし、そもそも忘れてしまうかもしれません。そこで短期間しか加入していない企業年金は企業年金連合会が引き継ぎ、一括して給付するのです。
企業年金連合会とは
「企業年金連合会」は企業年金制度の発展を目指して活動する組織です。もともとは厚生年金基金の連合体「厚生年金基金連合会」という名前で設立されましたが、2004年に法律が改正され、現在の名称になりました。
企業年金連合会では、企業基金を脱退して加入期間分の年金原資が企業年金連合会に移管されている人に対して、年金を給付しています。また加入していた企業年金が解散した場合なども同様です。
企業年金連合会から年金を受け取ることができるのは、企業年金の加入員期間が10年以内で、退職時の年齢が60歳未満の場合です。まずは自分が企業年金連合会から給付を受けられるかどうかを確認しましょう。
また、企業年金連合会では企業年金記録確認サービスもおこなっています。基礎年金番号とカナ氏名、生年月日などからインターネットですぐに確認できます。自分が加入していた企業年金がどうなっているのか知りたいという場合は、まず検索してみてもいいでしょう。
任意で選ぶ退職後の企業年金
退職した場合の企業年金の取り扱いは自分の意思で選べます。企業年金によっても違いはありますが、簡単に言うと年金を脱退するか、持ち運ぶかです。すぐに受け取りたいという場合は一時金として受け取ることができます。
一時金として受け取った場合は企業年金を脱退した扱いになり、税制面では退職所得として優遇されることになります。退職時は引っ越しや就職活動でお金がかかることもあり、そんなときにも一時金は役に立つでしょう。
企業年金を持ち運ぶというのは、今まで支払った企業年金を転職先の企業年金などに移転して継続することです。この方法を選んだ場合は、受け取りは先になるものの自分に代わって資産を運用してもらうことができます。
ただし、すべての企業年金が持ち運べるというわけではありません。厚生年金基金や確定給企業年金、確定拠出年金、そして企業年金連合会の間でしか持ち運びができません。また企業年金のルールによって持ち運びができない場合もあります。
企業年金は個人型確定拠出年金iDeCoに移管することも可能です。iDeCoは自分で申し込んで運用する私的年金の制度。長寿化が進む日本において、自分で老後に備える制度として生まれました。平成29年1月から、基本的に20歳以上60歳未満のすべての人が加入できるようになり、老後の資産形成方法の一つとして位置づけられています。
iDeCoは運用益が非課税で再投資できるうえ、受け取るときにも年金の場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除の対象。税制面でも優遇されています。ただし、iDeCoを選んだ場合は自分で運用することになるので、結果的に損失が出てしまうことがあるかもしれません。
どのようなライフプランを立てるかによって年金や資産形成の手段は変わります。退職はライフプラン見直しの好機です。退職すると目の前の生活に目を向けがちですが、加入している年金についても確認の必要があります。
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