確定申告にマイナンバーは必要?書き方を解説
ひとりひとりの国民に付与されるマイナンバーですが、確定申告のときに書かずに済ませることはできるのか、また、マイナンバーで副業がばれてしまうのかなど、マイナンバーと確定申告のアレコレについてまとめました。
もくじ
・マイナンバーの利用目的
・確定申告でマイナンバーは必要か
・マイナンバーを書かなくても確定申告できる?
・マイナンバーの提示で会社に副業がばれる?
・記載の仕方
マイナンバーの利用目的
そもそも、マイナンバーは税金や社会保障関連、災害時などに限って利用されるものと規定されています。また、マイナンバーを収集した会社や団体は、その管理にも厳重な注意が求められます。
普段の生活の中で気軽に「マイナンバーを教えて!」と言われることは基本的にありませんし、もしそのようなことがあった場合は、本当に信頼できる相手なのか、不審な点はないかどうかを確認する必要があるでしょう。
確定申告でマイナンバーは必要か
確定申告は、1年間の収入と経費、各種控除を計算したうえで、その年の所得税を求めるために行うものです。つまり「税金」に関することなので、マイナンバーが必要になります。
一方、個別に申告しなければいけない理由がない会社員の人は、年末調整で所得税の計算をしてもらうことができますが、この場合もマイナンバーが必要になります。
ただし、勤め先にはマイナンバー制度が始まったとき(あるいは入社時)にマイナンバーをすでに通知してあるはずですから、年末調整をするたびにマイナンバーの提示を求められるということはありません。社員のマイナンバーは、各会社が適切に管理して、最初に通知した利用目的の範囲内で必要に応じて使用することになります。
ところが、個人で行う確定申告の場合、そういうわけにはいきません。「去年マイナンバーを書いたから今年は書かなくてもいい」ということはないのです。確定申告をする場合は、書類作成時に毎回マイナンバーが必要になるため、気をつけましょう。
マイナンバーを書かなくても確定申告できる?
確定申告の用紙には、本人と扶養家族のマイナンバーを記載する欄が用意されています。また、提出時には、マイナンバーがわかる書類(通知カードかマイナンバーが記載された住民票)と身分証か、マイナンバーカードのコピーを添付することと定められているため、基本的にマイナンバーを隠したまま確定申告をすることはできません。
とはいえ実際には、郵送で確定申告をした場合など、マイナンバーを書かず、証明書なども添付しないで送ることも可能です。マイナンバーを記載することは法律で定められた義務ですが、違反者への罰則は今のところありません。
ですが、マイナンバーを書かなかった場合、提出後に税務署から問い合わせがくる可能性もあります。記載しないことで「何かやましいことがあるのか?」と疑われる可能性もあるので、マイナンバーはきちんと書くようにしてください。
マイナンバーの提示で会社に副業がばれる?
マイナンバーを確定申告書に書くことで、会社に副業がばれるという心配はありません。なぜなら、マイナンバーで紐づけされた個人の所得に関するデータを会社側が閲覧することはできないからです。
しかし、春になると月々の給与から天引きするための住民税の通知書が会社に届きます。この住民税の通知書には「給与収入」や「その他の所得」、「主たる給与以外の所得区分」などが明記されています。そのため、会社に内緒で副業をしていた場合、この通知書でばれてしまう可能性が高いといえるでしょう。
これを避けるためには、確定申告をする際に、副業分の住民税を「普通徴収にする」という選択をする必要があります。普通徴収を選択した場合、副業の所得に関して発生した住民税の通知や納付書は自宅に届くことになります。会社からは給与分のみ天引きしてもらい、それ以外は自分で支払うということです。
ただし、確定申告や住民税の納付でばれなかったとしても、些細なきっかけから副業がばれる可能性はなくなりません。後ろめたい思いをしながら隠すのではなく、副業を辞めるか、本業にとってもメリットのある副業であることを説明するなどして、きちんと了承を得ることが大切です。
記載の仕方
マイナンバーは、確定申告書第一表の一番上、氏名のふりがなのさらに上部に記載欄が設けられています。ここに、申告をする人本人のマイナンバーを記入しましょう。また、扶養親族や扶養対象配偶者がいる場合は、第二表にそれぞれの扶養親族・扶養対象配偶者のマイナンバーを記入することになります。
確定申告書を作成するときに、税務署の「確定申告書等作成コーナー」を利用する人も多いでしょう。この場合、画面の案内に従って順次入力を進めていくことで、マイナンバーの記入も必然的に求められることになります。
ちなみに、画面上でマイナンバーを記入しないまま進もうとすると「記載してください」というメッセージが出ますが、「キャンセル」を選択することで書かないまま作成を進めることができます。入力するのはちょっと怖いというときは、ブランクのまま印刷して手書きするのがオススメです。
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