不妊治療とは?具体的な治療法と出産できる確率
避妊しないで性行為を行っているにも関わらず、1年経っても妊娠できない状況だと不妊症が疑われます。不妊治療にはいろいろな方法があって、状況に応じた選択が必要です。不妊治療の種類や原因、辛さや痛みのレベルなど、これからお母さんを目指す女性が知っておきたい基礎知識を見ていきます。
もくじ
・不妊症の治療にはどんな方法がある?
・不妊治療が必要になる、女性と男性の原因
・不妊治療をして出産できる確率
・不妊治療は何が辛い?
・不妊治療の具体的な治療例
不妊症の治療にはどんな方法がある?
不妊治療は、4種類に分けられます。最初に検討されることが多い治療は、排卵日を把握して自然妊娠を目指すタイミング法。女性の身体の状態によっては、排卵誘発剤を併用することにより、妊娠しやすくする手法が検討されます。
フーナーテストの結果が思わしくない人やタイミング法がうまくいかない人にとっては、人工授精が選択肢です。男性の精液を子宮内に注入して、妊娠をサポートします。人工授精も難しいとなったら、体外受精が候補です。体外受精を行っても受精できない夫婦だと、顕微受精が選択肢に。受精させる精子を人為的に選択して卵子に注入することにより、よい結果を目指します。
不妊治療が必要になる、女性と男性の原因
妊娠しにくい原因を知ることが不妊治療の第一歩です。女性の原因としては、以下のようなものが考えられます。
排卵因子:
甲状腺疾患や極度の肥満もしくは痩せ、ホルモンバランスのトラブルなどにより、排卵が行われないトラブルです。排卵がないと妊娠は難しいため、原因に応じた治療を考えなくてはいけません。
卵管因子:
卵管とは、精子が卵子に向かって進んでいくときの通り道です。性感染症や子宮内膜症によって卵管が詰まっていると、精子と卵子が出会えません。虫垂炎など骨盤内部の手術を経験している女性にも、卵管周囲の癒着が見られるケースがあります。
頸管因子:
頸管粘液量が少ないもしくは通りにくい状態になっていることも受精障害の原因とされます。頸管炎や頸管ポリープ、頸管狭窄、内分泌異常など、原因に応じた対処が必要です。
免疫因子:
精子を異物と認識して攻撃する抗体があると、妊娠しにくくなってしまいます。精子を攻撃する抗体には受精を妨げる特性もあって、卵子のところまで到達しても、妊娠しにくい原因です。
子宮因子:
子宮筋腫や子宮内膜症、先天性のトラブルなどにより、着床しにくい状態です。先天性のトラブルでは着床しても流産しやすくなるリスクがあり、原因に応じた対処が検討されます。
男性が原因のトラブルについても、くわしく見ておきましょう。
造精機能障害:
精子の数が少ない・運動性が低いといったトラブルです。精液検査を行って、量や濃度、活発度合いを調べたうえ、適切な対応が検討されます。
精路通過障害:
過去の炎症や先天性の要因、鼠蹊ヘルニアなどにより、精子が出ないトラブルです。精子が作られているのに通り道が塞がっている・狭くなっていることにより、妊娠が難しくなってしまいます。
性機能障害:
仕事のストレスやプレッシャーが原因で性行為が難しくなる状態です。不妊治療を熱心に行いすぎたことが理由で性機能障害になるケースもあるので、コミュニケーションを大事にしましょう。
不妊治療をして出産できる確率
出産できる確率は年齢によって変わってきます。30 歳では19.9%と5人に1人は赤ちゃんを授かって、無事に出産可能です。35歳では16.3%まで下がり、40歳では7.7%。45歳ではさらに確立が下がって、0.6%になってしまいます。早い段階から家族計画を話し合って、後悔のない治療が大切です。
不妊治療は何が辛い?
不妊治療を進める中で、痛みを伴う検査や治療がたくさんあります。治療に入る前の検査段階から痛みを伴う施術があって気が重くなる女性も多いようです。痛いのを我慢して頑張っても、よい結果が出ることばかりではありません。働きながら治療していると、だるさをこらえて仕事に向かう日も多く、心身が疲弊しがちです。
不妊治療を始めると、ホルモンバランスの変化から情緒不安定にもなりやすいことにも注意しましょう。本人を気遣ってかけたつもりの言葉も辛く感じることがあります。夫婦のすれ違いが多くなって、何のために行っているのか分からなくなるのは本末転倒。お互いを思いやり、支え合う気持ちが大切です。
また、不妊治療にかかる費用が高額になることもストレスを悪化させます。体外受精や顕微受精を1回受ける費用は20万円~60万円ほど。自治体の助成金では足りないくらいの金額です。家計が楽ではない中から費用を捻出することへの後ろめたさに耐えきれなくなり、治療を断念する女性もいます。
不妊治療の具体的な治療例
夫婦の数だけ不妊治療の進め方があって、検査や治療のタイミングが変わってきます。結婚してから2年以内で具体的な不妊原因が見つからなかった夫婦だと、タイミング法からスタートするのが通常です。基礎体温表をつけて排卵日近くにクリニックを受診、排卵日をできるだけ正確に予想して、タイミングを合わせます。
2~3ヶ月で結果が出ない夫婦には、排卵誘発剤を使った治療が検討されます。排卵誘発剤を使うことで妊娠しやすい身体にしたうえで、タイミングを合わせる方法です。飲み薬では効果が出にくい場合、注射する方法も検討されます。それでもやっぱり難しいときには、人工受精・体外受精とステップアップしていく流れです。各段階で医師と話をする機会がありますから、夫婦の意向や金銭的な問題も考慮されます。
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