セーフティネットとは?コロナにまつわるセーフティネット保証制度についてもわかりやすく意味を解説
セーフティネットとは主に社会保障のことを指します。個人や企業がさらされている様々な経済リスクについて、公的機関が給付や融資といった救済措置を行うことで最悪の事態を回避する働きがあります。
セーフティネットって何?
セーフティネットとは、生活する中で起こる様々なリスクに備え、最悪の事態を回避するために用意された仕組みです。日本語に訳すならば「安全網」となり、墜落防止のために張られるネットと同じように、万が一の時に効果を発揮する救済策をいいます。
例えば国や公的機関が行う社会保障は、セーフティネットの典型的な例です。国が行う保障は主に経済的なリスクへの対策が中心で、具体的には老いによる収入減というリスクに備える年金、失業した時のための雇用保険やハローワークの存在、生活が困窮した時のための生活保護制度などが挙げられます。
セーフティネット保証制度とは
セーフティネットは個人のためのものだけではなく、事業者を対象としたものもあります。代表的なのがセーフティネット保証制度。資金繰りが厳しい中小企業や個人事業主など事業者を対象とした制度です。
そもそも中小企業が金融機関から事業資金を借りる場合、信用保証協会という団体を保証人にすることで、最大2億8,000万円までこの団体が保証してくれる信用保証制度というものがあります。
この信用保証制度を利用すれば、事業者は多額の事業資金をスムーズに借り入れることができるのですが、これにセーフティネット保証制度を適用すれば、2億8,000万円の枠をもう1つ別に設けて、さらに追加で最大2億8,000万円までの借り入れ保証を受けられるようになります。
リスクなく資金を借り入れることができるので、資金繰りが厳しい事業者にとってはとてもありがたい制度といえるでしょう。
セーフティネット保証制度を受けるには、市町村の認定を受ける必要があります。申請理由となるのは以下の8種類です。
1号:連鎖倒産防止
2号:取引先企業のリストラ等の事業活動の制限
3号:突発的災害(事故など)
4号:突発的災害(自然災害など)
5号:業況の悪化している業種(全国的)
6号:取引金融機関の破綻
7号:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整
8号:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡
昨今の新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、4号と5号を理由に申請する事業者が増えています。
コロナ禍のセーフティネット保証制度
コロナ禍により適用が増えているセーフティネット保証制度の4号・5号の内容を簡単に解説します。
・4号:突発的災害(自然災害など)
4号は自然災害が起きた地域で事業を営む企業を支えることを想定したものです。つまりもともとは、4号を利用できるのは「災害を受けた特定の地域」に限定されていました。
しかし今回の新型コロナウイルス感染拡大は全国的な災害なので、全国47都道府県すべてにおいて適用されます。
4号が適用された場合、借り入れた金額の100%を信用保証協会が保証してくれます。
・5号:業況の悪化している業種(全国的)
4号の基準が「地域」であるのに対し、5号の基準は特定の「業種」です。5号は、全国的に景気が悪化している業種について、その業種を営む事業者を支えるものです。
例えば、コロナ禍によって深刻なダメージを受けた業種の代表に、飲食業や旅行関係業があります。今回のコロナ禍による影響で新たに5号の対象となりました。
もちろん新型コロナウイルスが流行する前から指定されていた業種もありますが、感染の拡大により今も対象となる業種が増え続けており、2021年4月現在で実に500以上の業種が指定されています。
5号が適用された場合、借り入れた金額の80%を信用保証協会が保証してくれます。
個人に対するコロナ禍の経済的セーフティネット
個人向けの経済支援については、2020年に国民ひとり当たり10万円を給付する特別定額給付金がありました。現在も感染拡大の長期化に伴い様々な制度が整備されつつあります。
代表的なものをいくつか紹介しますので、使える制度がないか確認してみましょう。
・子育て世帯生活支援特別給付金
2021年3月に新設された制度です。
●児童扶養手当を受給する世帯(低所得のひとり親世帯)
●住民税非課税の子育て世帯(低所得の子育て世帯)
に対して、児童1人当たり5万円の給付が受けられます。
・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
新型コロナウイルスの影響で仕事を休むよう会社から指示されたにもかかわらず、休業手当を受け取っていない労働者を支援する給付金です。申請すると、休業前の平均賃金の80%が休んだ日数分支給されます。
対象となるのは中小企業に勤めている人と、大企業にシフト制で勤務している人です。
・住居確保給付金
収入減により家賃が払えず、住居を失う恐れがある場合、一定期間家賃に相当する金額の給付が受けられます。
給付を受けるためには、収入が著しく減少していること、住民税非課税世帯であること、預貯金の合計が100万円以下であることなど、いくつかの条件に当てはまる必要があります。
具体的な条件のボーダーラインや給付金額は市町村や世帯人数によって変わるので、詳しくは自分が住んでいる地域の自立相談支援機関に相談するのがよいでしょう。
参照元:厚生労働省 住居確保給付金
・個人向け緊急小口資金等の特例(緊急小口資金)
主に休業・失業などによって収入が減り、緊急で一時的に資金が必要になった場合、最大20万円を無利子で借り入れられます。
こちらは給付ではなく借り入れなので、お金は2年以内に返す必要があります。
各種給付金の受け取りは楽天銀行でもOK
FAQ
- セーフティネットとは?
生活する中で起こる様々なリスクに備え、最悪の事態を回避するために用意された仕組み、国や公的機関が行う社会保障などのことです。 - セーフティネットの代表的な例は?
年金、雇用保険、生活保護制度など。 - 信用保証制度とは?
中小企業が金融機関から事業資金を借りる際、信用保証協会という団体を保証人にして最大2億8,000万円までを団体が保証してくれる制度のことです。 - セーフティネット保証制度とは
信用保証制度に追加し、追加で最大2億8,000万円までの借り入れ保証を受けられる制度です。 - セーフティーネット保証4号の内容は?
突発的災害(自然災害など)で被害を受けた事業を支える制度で、適用された場合、借り入れた金額の100%を信用保証協会が保証してくれます。 - セーフティーネット保証5号の内容は?
全国的に景気が悪化している業種を営む事業者を支える制度で、借り入れた金額の80%を信用保証協会が保証してくれます。 - 特別定額給付金とは?
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として、国民ひとり当たり10万円を給付する2020年の制度です。 - 子育て世帯生活支援特別給付金とは?
児童扶養手当を受給する世帯、住民税非課税の子育て世帯に対して児童1人当たり5万円を給付する制度です。 - 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金とは?
新型コロナウイルスの影響で仕事を休むよう会社から指示されたにもかかわらず休業手当を受け取っていない労働者に対し、休業前の平均賃金の80%を休んだ日数分支給する制度です。 - 住居確保給付金とは?
収入減により家賃が払えず住居を失う恐れがある場合、家賃に相当する金額の給付を受けられる制度です。 - 個人向け緊急小口資金等の特例(緊急小口資金) とは?
休業・失業などによって収入が減り、一時的に資金が必要になった場合に最大で20万円を無利子で借り入れられる制度です。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
この記事をチェックした人にはコチラ!
|
|