ボーナスにも税金がかかるって本当?その理由と計算方法を解説
多くの企業で年間2回程度付与されるボーナス。月給と同様、ボーナスからも税金や年金が天引きされます。今回はボーナスと税金の関係や、ボーナスから引かれるさまざまな項目の内訳などについて紹介します。
なぜボーナスにも税金がかかるの?
ボーナスにも税金がかかります。
・法律改正によって所得税もかかるようになった
会社員として20年以上働いている方の中には、ボーナスにかかる税金の額が上がったと感じる方も多いのではないでしょうか。
確かに2003年4月以前は、ボーナスに社会保険料はかかりませんでした。しかし、所得全体と税金の関係で不公平なケースもあったため、2003年4月に法改正されました。それ以降は、ボーナスも含めた「総報酬制」で税額を算出するよう定められています。
ちなみに法改正前の不公平な状況とは、以下のようなケースを指します。
例:月収のみで所得税を計算していたため、年収が低い2の方が高い税負担となっていた。
1. 月収30万円、ボーナス500万円:年収860万円
2. 月収40万円、ボーナス100万円:年収580万円
このような問題を解決するための税改正ですので、一概にデメリットばかりともいえないでしょう。
どの項目がいくら引かれているの?
続いては、ボーナスから天引きされる項目を分かりやすく紹介します。税金以外にも引かれているので、この機会に確認してみてください。
・厚生年金などの社会保険料
ボーナスで引かれる項目の1つは、社会保険料です。具体的には以下2種類に分けられます。
●厚生年金:標準賞与額(総額)×保険料率9.15%
●健康保険:標準賞与額(総額)×保険料率4.955%
厚生年金と健康保険は、本人と企業が折半して(50%ずつ)負担します。
・雇用保険料
会社に雇用されている方は、毎月の給与から雇用保険料を支払っているはずです。ボーナスからも雇用保険料が引かれます。
●雇用保険料: 賞与の支給金額×保険料率
●保険料率:一般事業の場合0.3%の負担(さらに企業負担が0.6%)
保険料率は給与から引く場合と同じです。保険料率は業種によって異なり、例えば農林水産・清酒製造などでは、保険料率が0.4%になります。
・各種税金
冒頭でも触れていますが、ボーナスには税金もかかり、所得税が源泉徴収されます。しかし、住民税はボーナスから引かれることはありません。
●源泉徴収額:社会保険料を差し引いた賞与×税率(前月の給与から定める)
●税率:国税庁HPにて公開されている源泉徴収額表から当てはめる
社会保険料や雇用保険料とは異なり、扶養親族の有無と前月の給与によって税率が変わります。また、ボーナス額が前月の給与の10倍を超える金額の場合は、月額表と呼ばれる別の税額表から算出します。
手取り額の計算方法
ボーナス額から手取り額を計算しましょう。以下のような手順を踏みます。
1. 賞与(総額)から社会保険料を算出
2. 賞与(総額)から雇用保険料を算出
3. 賞与(総額)-(社会保険料+雇用保険料)=賞与(2)
4. 賞与(2)×源泉所得税率=所得税
5. 賞与(2)-所得税=手取り額
社会保険料と雇用保険料は、ボーナスの総額から差し引いてから所得税を計算します。
それでは前月の給与(手取り)が25万円・扶養親族1人・ボーナス額面が100万円の場合で、ボーナスの手取り額を計算してみましょう。
例)
社会保険料:14万0,460円
雇用保険料:3万円
100万円-17万0,460円=82万9,540
(社会保険料と雇用保険料を差し引いた金額)
源泉所得税:82万9,540円×4.084%=約3万3,878円
手取り額:約79万5,662円
ここではボーナスの約20%が差し引かれていますが、25%ほどになることもあります。そこで次の項目では、ボーナス額を少しでも多く受け取る方法を紹介します。
ボーナス額を少しでも多く受け取るには?
ボーナスの手取りを少しでも多く残すには、何をすればよいのでしょうか。その主な対策を紹介します。
・ボーナス前月の残業などを抑える
ボーナスの手取りを変動できる項目は、源泉所得税と前月の給与額です。扶養親族が増えれば税率を抑えられるものの、現実的な対策ではありません。
そこで、前月もしくは4月~6月分の給与額を抑えることで、ボーナス額を少しでも多く受けられるようにします。方法はシンプルで、残業や夜勤を抑えることです。
●ボーナス前月の給与を抑える:源泉所得税の税率を抑えられる
●4月~6月分の給与額を抑える:4月~6月の平均給与が社会保険料の金額に反映されるため、該当期間の給与を抑えることで社会保険料の削減につながる
もちろん、残業の多い職場や夜勤シフトのある仕事でなければできません。ただ、手当を抑えられる余地がある場合は、ボーナス前月だけでも対策を立ててみてはいかがでしょうか。
・iDeCoを活用し節税する
もう1つの方法はボーナスにかかる所得税を、個人型確定拠出年金「iDeCo」の所得控除で節税することです。老後の生活資金となる積立金(掛金)は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となるので、その年の所得税と翌年の住民税を節税できます。さらに運用によって得た利益も非課税というメリットもあり、ボーナスの手取り額以外の魅力も多いといえるでしょう。
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