固定資産税の課税標準額とは?不動産に毎年かかる税金を解説

リリース日:2019/12/24 更新日:2024/10/25

毎年1月1日時点の不動産の所有者にかかる固定資産税と都市計画税。これらは課税標準額に税率をかけることで税額が求められます。課税標準額の元となる評価額は3年に一度見直されます。税額の計算方法や軽減措置をまとめました。

固定資産税の課税標準額とは?不動産に毎年かかる税金を解説
  1. 固定資産税と都市計画税
  2. 新築住宅についての減額措置
  3. 年の途中で不動産を購入した場合の税金はどうなる?
  4. 課税明細書は必ずチェック

固定資産税と都市計画税

固定資産税と都市計画税

固定資産税と都市計画税は毎年1月1日時点で土地や家屋を所有している人にかかる地方税です。毎年5月頃、都(東京23区内)や市町村から所有者あてに、納税通知書・課税明細書が届くので、一括または4期に分けて納税します。

固定資産税は土地や家屋以外の償却資産(構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品)にもかかってきますが、ここでは土地と家屋に絞って話を進めます。

都市計画税は市街化区域にある土地や家屋にかかる税金のため、場所によってはかからないことも。固定資産税と異なり、都市計画事業や道路事業、土地区画整理事業など使いみちが決まっているのが特徴です。

・課税標準額とは?
課税標準額は固定資産税や都市計画税の計算の元となる金額。課税標準額に税率を掛け合わせた算出税額から軽減額を引いたものが実際に支払う税額です。

課税標準額は土地や家屋を買ったときの価格ではなく、3年に一度決定される評価額が元になります。評価額は固定資産評価基準にもとづき、各市区町村が決定するもの。土地の評価額は時価の7割程度が目安と言われています。家屋の評価額は、評価時点で同じ建物を新築した場合に必要とされる再建築価格に、経年減点補正率をかけて算出します。

家屋は評価額がそのまま課税標準額になりますが、土地は評価額に特例率(後述)を乗じたものが課税標準額です。

課税標準額が極端に少ない場合は固定資産税や都市計画税がかかりません。具体的には、同じ市区町村内に同一人が所有する課税標準額の合計が土地30万円、家屋20万円未満のときは免税されます。

・固定資産税の計算
固定資産税は課税標準額×1.4%です。

土地の課税標準額の計算方法は土地の利用状況や面積によって異なります。

・住宅1戸につき200平米以下の土地 評価額×1/6
・住宅1戸につき200平米を超える部分の土地 評価額×1/3

まとめると、200平米以下の土地と家屋についての固定資産税は、次の計算式で求められます。

(土地の評価額×1/6+家屋の評価額)×1.4%=算出税額

・都市計画税の計算
都市計画税は課税標準額×0.3%です。ただし0.3%は上限税率なので、自治体によってはこれより低い税率を設定していることもあります。

固定資産税と同様、土地の課税標準額は土地の利用状況や面積によって異なりますが、住宅用の土地の課税標準額算出式は次のとおりです。

・住宅1戸につき200平米以下の土地 評価額×1/3
・住宅1戸につき200平米を超える部分の土地 評価額×2/3

たとえば、200平米以下の土地と家屋についての都市計画税の額は、次の計算式で求められます。

(土地の評価額×1/3+家屋の評価額) ×0.3%=算出税額

新築住宅についての減額措置

新築住宅についての減額措置

専用住宅または併用住宅(居住部分が2分の1以上)で、居住部分の床面積が50平米以上280平米以下の新築住宅については、固定資産税が2分の1に減額されます。減額の対象となるのは住居として用いられている部分のみ。床面積が120平米までのものは全部、120平米を超えるものは120平米までが減額の対象となります。この減額措置は固定資産税のみで、都市計画税は対象ではありません。

減額の期間は3階建て以上の中高層耐火住宅等で新築後5年度分(認定長期優良住宅の場合は新築後7年度分)、それ以外の一般の住宅では新築後3年度分(認定長期優良住宅の場合は新築後5年度分)です。

・その他の減額措置
耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修を施した場合、要件を満たしていれば翌年度の固定資産税が減額されます。詳しいことは市区町村の税務担当課にお尋ねください。

年の途中で不動産を購入した場合の税金はどうなる?

年の途中で不動産を購入した場合の税金はどうなる?

固定資産税と都市計画税は1月1日時点での所有者にかかる税金です。年の途中で所有権が移る場合は、引き渡し日を基準として日割り計算をするのが一般的です。ただし1年の起算日をいつにするかは明確な決まりがありません。

慣例的には1月1日か4月1日のいずれかです。引き渡し日が5月1日とすると、1月1日を起算とした場合には5月1日~12月31日の分を、4月1日の起算とした場合には5月1日~3月31日の分を購入者が負担することになります。いずれの起算日を選ぶかによって負担額が変わってくるので、売買契約のときに明確にしておきたいものです。

課税明細書は必ずチェック

以上、固定資産税と都市計画税について説明しました。家屋については評価額、土地については評価額の1/6や1/3が課税標準額と覚えておくだけでも有用です。新築から数年経つと固定資産税が上がるということも知っておいたほうがよいでしょう。毎年届く課税明細書は必ずチェックしてくださいね。

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宮島ムー
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)/宅地建物取引士
宮島ムー

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

関西に住む子育て中の主婦です。 お金や不動産に興味があり、日商簿記1級・FP2級・宅建などの資格を独学で取得しました。 記事ではなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明するよう心がけています。

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