雇用保険の加入条件とは?加入するとどんな手当が受けられるの?

リリース日:2019/07/03 更新日:2024/10/08

雇用保険は、「加入したい!」と思った人が自由に加入できるのではなく、条件を満たした場合のみ加入できる保険です。では、雇用保険に加入するための条件とは一体どのようなものなのでしょうか?パートやアルバイトの場合も雇用保険に加入できるのかどうかや、加入した場合に得られるメリットについてまとめました。

雇用保険の加入条件とは?加入するとどんな手当が受けられるの?

もくじ

・雇用保険って一体どんなもの?

・雇用保険に加入できる人の条件

・雇用保険の手続き方法

・雇用保険に加入すると受けられる手当

雇用保険って一体どんなもの?

雇用保険って一体どんなもの?

雇用保険はその名の通り「雇用されている人」のための保険です。つまり、会社員やパート、アルバイト、派遣社員などですね。誰かを雇っている会社は、例外なく雇用保険に加入する必要があると法律で決められています。

 

雇用保険に加入するかどうかは、正社員かどうかで決まるわけではなく、継続して雇用されているかによって決まります。そもそも雇用保険は、働く人が安心して働き続けられるように、あるいは失業したときの生活基盤を失わないようにサポートすることを目的とした保険です。そのため、一定時間以上継続して働いている人(=雇用が失われたときに大きな損害を被る可能性がある人)が、雇用保険によって守られているのです。

雇用保険に加入できる人の条件

具体的な加入条件は、次の2点です。

 

1. 31日以上継続して雇用される予定の人

期間を決めずに雇用される人や、実際に31日以上雇用されている人などが対象です。

 

2. 1週間に20時間以上働いている人

正社員の場合、31日以内で辞めることは最初から予定されていませんし、フルタイム勤務であれば労働時間は週20時間を当然超えることになります。そのため、正社員で雇用保険に加入していない人はいません。正社員なのに雇用保険に加入していなかったり、試用期間だからという理由で雇用保険に加入させてもらったりしていない場合は、会社が法律違反をしている可能性が高いでしょう。

 

さらに、パートやアルバイトなどの短時間勤務でも上記2つの条件に当てはまるのであれば、会社は雇用保険に加入させる必要があります。平日のみの4時間勤務や、週3日、1日7時間勤務などでも週に20時間を超えることになるため、該当する人もいるでしょう。この場合も、加入していないようであれば会社に問い合わせる必要があります。

 

ただし、昼間学校に通っている学生は、一部の例外を除き雇用保険に加入することはできません。雇用保険に加入するにあたって、「年齢はいくつから」という制限はありませんが、学業を主に行う学生については対象外となっているのです。

 

一方、上限については現在撤廃されており、65歳以上の人でも「31日以上継続して雇用予定」で「週20時間以上」勤務するのであれば、雇用保険に加入することになります。

 

なお、これまで20時間以上だった勤務時間が20時間未満になってしまった場合は、雇用保険の加入条件を満たさなくなったとみなされ離職票が発行されます。求職活動を行うのであれば、在職中であっても失業保険が受け取れる可能性があるので、ハローワークに問い合わせてみましょう。

雇用保険の手続き方法

雇用保険の手続き方法

雇用保険に加入するための手続きは会社が行います。社員やパート、アルバイトなど雇用される側の人がしなければいけないことはありません。

 

一方、会社を辞めて失業保険を受給したい場合は、自分で手続きを行います。「雇用保険被保険者証(雇用保険加入時か退職時に会社からもらいます)」と「雇用保険被保険者離職票(2枚あり、離職時に会社からもらうか郵送されます)」を持って、自宅住所を管轄している最寄りのハローワークへ行きましょう。

 

受給資格決定のための手続きをした後に、受給説明会に参加して「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取り、求職活動を始めます。なお、失業保険は継続的に求職活動をしていて、再就職の意思がある人しか受給することができないため注意しましょう。詳細な手続き方法は、ハローワークで教えてもらえます。

雇用保険に加入すると受けられる手当

雇用保険に加入すると受けられる手当

では、雇用保険に加入するとどんな手当や給付を受けられるのでしょうか。ここでは、代表的な3つの項目をご紹介します。

 

・失業保険

認知度も高く多くの人が利用している失業保険は、会社を辞めて新しい仕事を探すときに大いに役立ちます。パートやアルバイトの人は、正社員の人に比べて雇用が安定しないこともあるかもしれません。失業保険を受け取れるのであれば、気持ちに余裕をもたせながら自分の能力を活かせる仕事を探すことができます。

 

・教育訓練給付金

教育訓練給付金は、「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練給付金」の2種類に分けられ、それぞれ給付される金額や対象となる講座が異なります。一般教育訓練給付金は、給付金額がそれほど大きくない代わりに対象講座が多いため、気軽に利用することができるでしょう。

 

・育児休業給付金

育児のために休業したときに受け取れる給付金です。育児休業給付金は、女性だけでなく男性が育児休業をしたときも受け取ることができます。ですから、産休後はママが職場復帰してパパが育児をしたい!というときや、ママの育児休業後にパパが育児休業を取りたい(パパ・ママ育休プラス制度)というときでも、問題なく収入を確保することができるのです。

 

月々の支給額は、休業する前の6カ月分の給与÷180で求める「賃金日額」×対象期間(終了日が属する月以外は1カ月30日)の67%(6カ月経過後は50%)です。つまり、月給が毎月30万円だった人の場合は、「30万円×6÷180=1万円」が賃金日額となり、1万円×30日×67%=20万1,000円を受け取ることができます(6カ月経過後は15万円となります)。

 

 

このように、雇用保険に加入するとシーンに応じた給付金を受け取ることができます。毎月の給与からいくらかの保険料を支払うことにはなりますが、その分メリットも大きいため、「あと少し働くと雇用保険に加入できる」という人は、会社と相談した上で加入を検討してみてもいいのではないでしょうか。

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平林恵子
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
平林恵子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

人事労務関係の仕事からライターへ転身。経験を活かしてコラム執筆を行っています。2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。

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