平成30年度税制改正で給与所得控除はどうなった?上限額・控除額など改正点を解説

リリース日:2018/11/26 更新日:2024/10/08

平成30年度税制改正では、給与所得控除や基礎控除に変更がなされました。この改正で増税になるのか、給与所得や給与所得控除額の計算はどのように行えばよいのかなど、気になることはたくさんあります。ここでは、会社員に関わりが深い部分だけをかいつまんで紹介しましょう。

平成30年度税制改正で給与所得控除はどうなった?上限額・控除額など改正点を解説

もくじ

・平成30年度税制改正における給与所得控除の変更ポイント

・【平成30年の税制改正】給与所得控除の計算方法

・【平成30年の税制改正】給与所得の計算方法

・【平成30年の税制改正】基礎控除の変更ポイント

・【平成30年の税制改正】住民税・基礎控除の変更ポイント

平成30年度税制改正における給与所得控除の変更ポイント

平成30年度税制改正における給与所得控除の変更ポイント

給与所得控除の適正化を図る目的により、平成32年分から以下3つの変更がなされることが決定しました。後ほどくわしく紹介しますが1については、給与所得で働いている国民全員に関係すること。2と3は、給与等の収入が850万円を超える人だけに関係する内容です。

 

  1. 給与所得控除額を一律10万円引き下げ
  2. 給与所得控除額の上限を220万円→195万円に引き下げ
  3. 上限額が適用される給与等の基準を1,000万円超→850万円超に引き下げ

 

税計算の用語がたくさん出てきたため、噛み砕いて説明します。そもそも給与所得控除は「個人事業主は経費を引いて所得を出すのに、会社員だとなにも経費にできないのはおかしい。だけれど、経費の把握が難しいから統一的な計算式で考えよう」といった趣旨で使われていた控除です。スーツを買ったり勉強用の書籍を買ったりと、仕事のために使ったお金を個別に記録していくのは大変なので、計算式にあてはめて簡易的に把握するということです。

 

それが「これでは会社員の経費とするには多すぎる」「外国の水準と比べても、やっぱり過大」という話になり、段階的な見直しが進んでいます。今回も見直しの趣旨に従って、上記3つの改正がなされることに決まりました。

【平成30年の税制改正】給与所得控除の計算方法

【平成30年の税制改正】給与所得控除の計算方法

平成30年の税制改正が適用されたときの給与所得控除は、次の表に従って計算されます。給与等の収入金額とは、源泉徴収票に書かれている給与所得の支払金額を指すものです。給与等の収入金額に応じて控除額の計算式が変わってきます。

850万円を超えていても、以下いずれかの条件を満たす人に対しては、特例措置がなされます。所得金額調整控除という新しい控除を使って、負担を軽減可能です。

 

・本人が特別障害者

・23歳未満の扶養親族がいる

・同一生計配偶者もしくは扶養親族が特別障害者

 

所得金額調整控除は、給与等の収入金額(1,000万円を超える人は1,000万円とする)×10%。給与等の収入金額が900万円であれば、900万円の10%で90万円を総所得の計算の際に控除できます。

【平成30年の税制改正】給与所得の計算方法

給与所得の計算方法は、今のものと変わりません。給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いた金額です。大まかな数値を把握するにはこのルールでよいのですが、年末調整で使う正確な給与所得は「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」から調べます。給与所得控除の変更に伴って内容が更新されているので、新しいものを使ってください。

【平成30年の税制改正】基礎控除の変更ポイント

ここまでの話だけだと、所得金額調整控除が適用されない給与所得者は、すべて増税される形のように感じます。実際には、年収850万円までの人は横ばい・年収850万円超で段階的な増税です。

 

このカラクリは、給与所得控除の改正と合わせて行われる基礎控除の適正化を見ると分かります。これまでの所得税に対する基礎控除額は、一律38万円とされてきました。平成30年以降は以下の表に従って、基礎控除額が決まります。

給与等の収入金額500万円・ほかの取得はない人だと、給与所得控除の減額10万円と基礎控除の増額10万円が相殺されて差し引きゼロです。給与等の収入金額850万円までが差し引きゼロのボーダーライン。それ以上になると、給与等の収入金額900万円の人で1.5万円の増税、1000万円だと4.5万円と少しずつ負担が重くなります。

 

 

【平成30年の税制改正】住民税・基礎控除の変更ポイント

【平成30年の税制改正】住民税・基礎控除の変更ポイント

基礎控除は、所得税と住民税で控除額が変わってきます。これまでの住民税・基礎控除額は一律33万円とされてきました。平成30年からは、以下のように変更になります。

住民税の決定通知書をもらったら、基礎控除額が変わっていることを確認しましょう。住民税の決定通知書とは、5~6月くらいに会社を通して配布される書類です。所得控除の詳細も書かれているので、引かれるべきものがきちんと処理できているかをチェックするにも役立ちます。

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この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)/宅地建物取引士
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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

大学卒業後に国内準大手証券会社、広告代理店勤務を経てフリーライターになりました。沖縄にふらっと来てから気付いたら住みついていて、目覚ましをかけない生活がマイブームです。AFP・宅地建物取引主任者資格保持。
お金に関する悩みは尽きないものですが、つらいことはなるべく考えなくても良いようにストレスを減らすことはできます。自然体で生活できて安定した家計を保持、もしもの時の備えもできるとしたら、すごくうれしいとは思いませんか? そんな生活を実現すべく、ライフプランや家計管理のアドバイスをさせて頂きます。

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