冷凍を使いたおせ!食育インストラクター・山岡真千子さん直伝、冷凍保存を起点とする節約料理の考え方

リリース日:2021/07/06 更新日:2022/06/06
山岡真千子
この記事を書いた人

山岡真千子

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山岡真千子

一般社団法人全国料理学校協会 准教師、一般社団法人 和漢薬膳食医学会 薬膳マイスター、NPO法人 食育インストラクター、食品衛生責任者。
新宿区主催のSDGs料理イベントの講師の他、企業主催の料理教室で講師を務める。レッスン対象はプライベートでのレッスンから団体まで幅広い。
メディアへのレシピの寄稿、テレビ番組への出演も行う。
受賞歴・レシピ掲載
・新宿区料理コンクール最優秀賞受賞:新宿区役所発行PRレシピ
・楽天レシピ内コンテスト優秀賞受賞:『楽天公式本 減油・減塩・減糖で高血圧予防 食べるダイエット』にレシピ掲載

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

ステイホームで家にいる時間が増えたことで、自炊の機会も必然的に増加。当初は少し新鮮だった自炊タイムも、ここへきて上手く食材を使いきれなかったり、自炊疲れでフードデリバリーの頻度が上がったりしていませんか? 今回は、料理講師の山岡真千子さんに食費の節約につながる基本的な考え方をお聞きしました。後半にはすぐに実践できるレシピの紹介も。無理なく節約料理を続けられる秘訣、ぜひチェックしてみてください。

更新日:2021/7/6
  1. 中学時代から続けた夕飯づくりから、プロの道へ
  2. 冷凍保存を活用して「使い切る」。楽しむことが節約につながる
  3. 食材費はたったの 500円!「冷凍保存」が立つ節約レシピ

中学時代から続けた夕飯づくりから、プロの道へ

マネ活編集部:山岡さんが料理講師になろうと思ったきっかけを教えてください。

 

山岡:母が手料理で来客をもてなすことが多く、幼いときから手伝っていたんですね。中学からは、一家の夕食づくりを担当するように。両親が共働きだったうえに、大好きな祖母が認知症といった状況だったので、私が自然と料理をするようになったんです。

 

大学卒業後、社会人として働きながら料理教室に通って料理のスキルを上げるだけでなく、各種の資格も取得しました。今もなお探究心を大切にしたいという想いから料理を習い続けています。

 

料理講師を始めた理由は2つあります。1つ目は、ボランティアとして主宰していた小学校での料理教室。友人から「料理を教えて」と言われたり、お母さん方から「うちの子にも教えてください」と依頼されたりするなかで、自分が習ってきたことが活かせるのかなと思うようになっていきました。

 

もう1つの理由は、料理コンクールで受賞したことです。数件応募してみたら、優秀賞や最優秀賞と、いくつか賞を頂くことができました。この2つの理由から、自然と料理講師の道を歩み始めることになったんです。

 

マネ活編集部:料理講師のやりがいはどんなところにありますか?

 

山岡:やはり生徒さんに喜んでいただけることですね。私のコンセプトは「コツや裏技で普通の食材を本格的に」なんですね。簡単に手に入る食材を使って、できるだけ本格的な料理の作り方を教えています。

 

また、お子さまに向けた料理教室も積極的に開催していまして、料理を通して親子の関係性を深められるような時間を提供しています。

 

マネ活編集部:コロナ禍の影響により、家計が苦しくなった家も出てきています。節約料理に対するニーズの変化はありますか?

 

山岡:そうですね。節約料理に加えて、簡単さも求められていると感じます。料理には流行があると感じているのですが、今は時短や作り置きのニーズはとても高いです。また、料理に興味を持つ男性が増えたようにも感じていますね。

 

「特別な食材を使わずに本格的な料理」がレッスンのモットー

冷凍保存を活用して「使い切る」。楽しむことが節約につながる

マネ活編集部:山岡さん自身が料理をするとき、節約への意識は持たれているのでしょうか。

 

山岡:頭から「節約をしよう」と考えるのではなく、食材を「使い切ろう」と意識してきたことが、結果的に節約につながってきたのだと思います。幼い頃から料理に親しんできた中で、食べものを無駄に捨ててしまうことにならないように、できるだけ使い切りたいと思うようになったんですね。

 

「どうやったら美味しい料理になるのか」「どうすれば余すことなく食材を活用できるのか」というのを、楽しみながら料理をすることで、結果的に節約につながっていますね。

 

「使い切ることが節約にもなる」という考え方は、社会課題になっているフードロスの解決にもつながるマインド。現在、日本では年間612万トンのフードロスがあり、そのうち約45%は家庭から出る食材廃棄と言われています。

 

その廃棄される食材のうち、約55%は剝きすぎた皮や厚く切られたヘタの部分など、意識を高めて調理すれば本来は食べられる部分。できるだけ食材を無駄なく調理する、イコール「使い切る」ことで、廃棄量を減らすことができるんです。

 

マネ活編集部:使い切るためには、そもそも買ったものを腐らせないように気をつけなければなりませんよね。節約の観点から、買いものは、まとめ買いとその都度買うちょこちょこ買い、どちらのほうが適しているのでしょうか。

 

山岡:私はちょこちょこ買いをおすすめしてはいるんですけど、どちらのほうが節約になると言い切れるわけではありません。コロナ禍の影響でスーパーに行く頻度を減らすようにしている方も多いと思いますし、そもそも平日は仕事なので休日のまとめ買いしか時間が取れない方もいるでしょう。

 

節約を考えるなら、買い物の頻度より買う際の意識が重要です。食材を選ぶとき「『冷凍保存』すること」を念頭に置いてみましょう。そのまま冷凍できるもの、茹でたり、塩漬け・酒漬けなどの下準備が必要なもの、そもそも冷凍に向かないものをざっくりでも把握しておけば、食材を選ぶ軸が自分の中にできると思います。

 

特に野菜は種類によって適した冷凍保存の方法が異なります。食品メーカーのWebサイトなどに分かりやすくまとめてあったりしますから、ぜひ参考にしてみてください。冷凍できるものは思っている以上に多いので、「冷凍保存」ありきで買い物リストを考えると、食材を消費するまでの時間的な猶予も、料理のメニューの幅も断然広がりますから。

 

マネ活編集部:山岡さんも冷凍を活用しているのですか?

 

山岡:できるものは、ほぼ冷凍していますね。大根やトマトといった野菜類やきのこ、ハムやパンも買ってきてすぐに冷凍しています。

 

肉や魚はほぼ長期冷凍保存が可能なので、特売日にまとめて買って置いておくとお得です。食材には賞味期限と消費期限があり、安心して食べられる期間を提示しているのが消費期限です。冷凍することで食材の寿命を延ばせるので、ぜひ冷凍保存を活用するといいですね。

 

トマトは冷凍することで、湯剥きせずに皮が剥けるというメリットもありますし、リコピンなどの栄養価はキープされたままなんです。きのこは冷凍することで細胞が破壊されると、グルタミン酸などの旨味成分を作り出す酵素が働き出すんです。旨味や栄養価が上がるだけでなく、調理時間の短縮にもなるんですよ。

 

マネ活編集部:いつ冷凍したのかわからないものがずっと冷凍庫の隅っこに眠っている…なんていうことも起こりがちなのですが、冷凍ものもうまく使い切るにはどうすればいいでしょうか。

 

山岡:まとめ買いをするときに、1週間分くらいの献立を考えておかないとと思っている方もいるかもしれませんが、考えるのは数日分でOK。冷蔵で数日以内に使い切るもの、新たに冷凍保存するもの、すでに冷凍しておいたものを組み合わせて使うイメージです。次の買い物が少し先になるようなら、冷凍する食材の量を多くすることで、買い足しをせずにストックをうまく回していくといった具合です。

 

冷凍保存をすることで食材を長く保てる反面、新しいものと古いものがごっちゃになるなど管理面が難しいと思う方は、まずは冷凍した日付を表面に大きく書き留めておくことから始めてみましょう。

 

マネ活編集部:今ある食材でメニューを考えるのが苦手な人はどうしたらいいでしょうか。

 

山岡:やはりレシピサイトやアプリが便利ですよね。ただ、投稿型のレシピサイトは情報の偏りや衛生面の視点が弱い場合もあるので、特に夏季は気をつけたいところです。

 

私は「お気に入りのプロの先生の名前」と「食材名」を組み合わせて検索することが多いです。プロの先生は食品衛生管理の知識があるので、美味しさだけではなく安全面でも信頼できるんです。

 

マネ活編集部:余りものを活用したい場合、どういったキーワードで調べるのがおすすめですか?

 

山岡:私は「食材名◯◯+余りもの+レシピ」の他、「イタリアン」「和食」といった料理ジャンルであったり、「アレンジ」「活用」「代用」「プロ」などを付け加えて検索することが多いです。教室の生徒さんの話を聞くと、「節約」「簡単」「時短」といったワードも人気を集めていると感じますね。

 

マネ活編集部:あらためて、節約料理を続けていくコツについてお聞かせください。

 

山岡:まず大切にしてほしいのは、料理を楽しむマインドです。節約節約と考えながら「1週間◯千円で収めなきゃ」と気負いすぎてしまっては、おそらく私も続けられないと思うんですよ。私の場合は、「ここまで使い切れる!」「こんな風に活用できた!」の繰り返しを楽しむことが、結果的に節約につながってきたように思います。

 

野菜の皮剥きの手間が面倒なら、剥かずに皮ごと調理するのもありです。特に国産の野菜や果物はしっかり洗えば問題なく食べられます。可食部が増えて節約になると同時に、食材廃棄を減らすことになるわけです。

 

今回ご紹介したように、「冷凍」を保存の中心に据えることで、とにかく「使い切る」ことへのハードルを下げていってください。そして使い切る気持ち良さを楽しみながら、節約につながる料理を続けていただけたらと思います。

 

オリジナルのフリップを用意しながら分かりやすくお話しくださった山岡さん

食材費はたったの 500円!「冷凍保存」が立つ節約レシピ

鶏肉と冷凍大根の煮込み
 

 

✔︎大根を冷凍することで、柔らか&味の染み込みが早くて時短に!
✔︎ 食材費:約 500 円(3人分)

 

<食材の3週間冷凍保存法>
【大根】約 15cm の皮を剥き 1.5cm の厚さに切りジッパー付き保存袋に入れ冷凍保存する
【手羽元】は購入後、冷凍保存する。

 

<材料>大人3名分(小さなお子様のご家族4名分)
手羽元 8 本
サラダ油 大さじ 1
冷凍大根 400g
A【酒大さじ 1、砂糖小さじ 1、醤油小さじ 1、生姜汁小さじ 1 】
B【水 1カップと 1/2=300cc、醤油大さじ 2、砂糖大さじ 1と 1/2、オイスターソース大さじ 1、酒大さじ 2 】

 

<手順>
1. 解凍して水分をふきとった【手羽元】の表面をフォークで刺して穴をあける。
2. ボールまたはビニール袋に【手羽元】を入れて【A】を揉みこみ 10分以上漬けこむ。
残った汁は捨てずに、一緒に鍋に加える。
3. 鍋に【サラダ油】を入れ点火し【手羽元】を入れる。
4. 【冷凍した大根 400g】と【B】と 【Aの残り汁】を入れ強火で一度沸騰させる。
5. あくが出たら取り除く。
6. アルミホイルで落し蓋をして中火にして 20 分程煮込んで完成。

 

いかおくら納豆
 

 

✔︎ ご飯や豆腐にかけたり、そのままおつまみにしても美味しい!
✔︎おくらみじん切り+ひきわり納豆(いか無し薄味)に変えて離乳食や介護食にもGood!
✔︎  食材費:約 500円(3人前)

 

<食材の3 週間冷凍保存法>
【おくら】をおいて塩少量をまぶし、まな板と手でこすりつける。その後、茹でる。
小口切りにしてすぐにジッパー付き保存袋で冷凍保存。
【納豆】は購入後、そのまま冷凍保存する。

 

<材料>大人3名分(小さなお子様のご家族4名分)
おくら 6 本
刺身用いかそうめん又は冷凍いかそうめん約 40g
納豆 1 パック かつおぶし少し
醤油&納豆のタレ

 

<手順>
1. 【納豆】【おくら】は自然解凍する。または半日前に冷蔵庫に戻す。
2. 湯を少し沸かす。
3. ざるに【いかそうめん】を入れておく。
4. 熱湯を【いかそうめん】にかけ、歯ごたえ、旨味をアップさせる。
5. ボールに【3】、【小口切りしたおくら】、【納豆】、【かつおぶし】を入れて混ぜる。
食べる直前に【醤油&納豆のタレ】をかけて完成。

※レシピ提供:エムズレッスン

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