女性複業コミュニティ主宰・美宝れいこさんに聞く、パラレルキャリアのススメ

リリース日:2021/09/03 更新日:2022/06/06
美宝れいこ
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エール株式会社代表取締役。パラレルキャリア推進委員会代表。広告代理店で女性初の部長職に就任。母の死により今後の生き方・働き方を見つめ直し、複業としてアロマサロンを開業。女性から複業の相談を受ける機会が増え、2016年にパラレルキャリアコンサルタントとして独立。

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

複数のキャリアを持つ「パラレルキャリア」という生き方を広めている美宝れいこさんは、ライフステージの変化に合わせて柔軟に働きたい、今の自分に自信が持ちたいと考えている女性にこそ、パラレルキャリアがおすすめだと話します。パラレルキャリアの魅力と始め方についてお話をうかがいました。

更新日:2021/9/3
  1. ライスワークだけの人生に疑問を感じ、複業にトライ
  2. パラレルキャリアの魅力は「世界が広がること」
  3. 3:3:4を意識してパラレルキャリアを考えよう
  4. まずは一歩踏み出そう。パラレルキャリアで広がる未来

ライスワークだけの人生に疑問を感じ、複業にトライ

マネ活編集部:美宝さんはどんな活動をされていますか?

 

美宝:パラレルキャリア推進委員会®という女性のキャリア支援団体を運営しています。現在、参加してくれている女性は国内外から2,000名以上。「学び×つながり×挑戦」をテーマに、パラレルキャリアで一歩踏み出したい方へのオンラインスクールの提供、女性同士が横につながれる交流会の開催、企業や行政、メディアの方々と団体メンバーとのプロジェクトマッチングなどを行っています。

 

マネ活編集部:パラレルキャリアのような複数のキャリアを実現させる「複業」と、「副業」との違いは何ですか?

 

美宝:サブの意味である「副業」は、本業とは別に収入を得ることを目的とした働き方です。「本業の空いた時間にコンビニでアルバイトをしよう」「アフィリエイトやFXでサブ収入を得よう」といった行動が当てはまります。これに対して、複業やパラレルキャリアはスキルやキャリアを活かすという視点が含まれるのが副業との違いです。収入の有無は関係なく、自分をどう活かして社会に貢献していくかという、働き方に留まらない「生き方」についての考え方なんですね。

 

マネ活編集部:美宝さんはなぜパラレルキャリアの活動を始めたんですか?

 

美宝:私自身が選んだ働き方がパラレルキャリアと呼ばれるものなのだと知り、良さを広めていきたいと実感したことがきっかけです。私は19歳で父を、33歳で母を亡くしていて、特に社会人になって経験した母の死から、大きな影響を受けたんです。

 

時代もあり、母は生きるための仕事、いわゆるライスワークに追われてばかりの人生でした。母の人生について考える中で、ライスワークしかできていないのは私も同じだと気づいたんです。そこで「好きなことをやろう」と考え、仕事を続ける傍らアロマテラピーの資格を取得。300万円ほど投資し、仕事のない夜間と土日限定のアロマサロンをオープンしました。でも、始めてみたところ、「これが本当にやりたかったことなの?」と疑問が浮かんでしまって。

 

マネ活編集部:「好き」を選んだのに、ですか?

 

美宝:そうなんです。あらためて考えてみると、「好き」にもいろいろな種類があって、私のアロマに対する「好き」は趣味としての好きだったのだと思います。アロマよりも私がやりがいを感じたのは、サロンを始めたことによって寄せられるようになった、複業したい女性たちからの相談に乗ることでした。そこで方向性を変え、働く女性のプラットフォームを作ろうと思ったんです。

 

▲様々な女性が参加するパラレルキャリア推進委員会®のメンバー

パラレルキャリアの魅力は「世界が広がること」

マネ活編集部:パラレルキャリアにはどんな魅力がありますか?

 

美宝:私自身が実践してみて強く感じたのは、とても世界が広がることです。会社員としてしか働いていなかったころは会社や家庭だけだった人間関係が、パラレルキャリアで活動し始めてから全国に広がりました。加えて、固定されたポジションで働く「雇われマインド」が、自分でできることを探して作っていく複業を通して、経営者に近いマインドになり、視点や視座が変わりましたね。

 

パラレルキャリアを始めた方は、「複業と本業の両立を続けるパターン」と「独立を選ぶパターン」の大きく2つに分けられます。両立パターンの中には「堂々と複業できるよう、複業OKの会社に転職した」方もいますね。どのパターンの方も「仕事が楽しくなった」とおっしゃることが多く、両立パターンの方からは「本業も楽しくなった」とお聞きします。

 

マネ活編集部:本業が楽しくなるのはなぜでしょう。

 

美宝:雇われマインドから脱して、主体的に仕事に取り組めるようになるからでしょうね。ただお給料のためだけに与えられた仕事をこなすだけではなく、自分のスキルを活かす視点で考えられるようになるので、結果的に成果にもつながります。

 

複業で社内では得られなかったスキルを身につけたり、持っていたスキルを磨くことで、本業でも積極的に手を挙げられるようになる方もいます。女性は自分に自信を持てない人が多いと感じるのですが、スキルを身につけ自信をつけて、新しい仕事やポジションを任されたり、リーダーになったというお話を聞くこともあります。

 

また、パラレルキャリアは「月〇円稼ぐ!」など収入を目的にしたものではありませんが、結果的にやっていることが収入につながっていくことも魅力ですね。

 

マネ活編集部:お金の面が気になる方は多いのではと思います。率直にどれくらい収入が増えるのでしょうか。

 

美宝:月5万円から100万円を超える人まで、本当にさまざまです。金額の大小はやりたいことやスキル、何を目指したいかによって変わってきます。例えば空いた時間にライティングをやって月5万円、女性向けにダイエットサポート講座を開くようになって月100万円…などといった具合です。

 

マネ活編集部:「月100万円」と聞くとテンションがつい上がってしまいますね。

 

美宝:そうですね(笑)。ただ、稼ぐことを入口にしてしまうと、やっぱり続けることが難しくなりがちだと思います。パラレルキャリアは「稼ぐ手段」ではなく「生き方」なので、自分のやりたいことや好きなことでなければなかなか続けていけません。稼ぐ視点からではなく、自分を活かすところから考えてみていただきたいです。

3:3:4を意識してパラレルキャリアを考えよう

マネ活編集部:パラレルキャリアを始めたいと思ったら、どこから手を付ければいいですか?

 

美宝:受講生に伝えているのは、サービスを作るときには「やりたいこと」「できること」「求められるところ」の3つの視点を持とう、ということ。このバランスが、3:3:4になるようにと伝えています。例えば、やりたいことが5だけどできることは2、というサービスだと実現可能性が低いですし、求められることやできることだけだと気持ちが入りません。極端にアンバランスになると続かないんですよ。

 

他に取り組みたいのは、自分のスキルの言語化ですね。具体性や独自性を言葉にして、自分に依頼してくれる利点をお客様に伝えられる力があると、価格競争に巻き込まれずに済むでしょう。とはいっても、いきなり「これができる」と言える人は少ないでしょうし、やりたいことがわからない方もいると思います。

 

やりたいことがわからない方は、最初から稼がなきゃと気負わず、まずは気になるコミュニティやNPO法人に参加してみるのも一つの手です。自分のやりたいことを見つけられるだけではなく、人と関わる中で自分のできることが見えてくると思います。やりたいことはあるけど、他の人と差別化できる強みがわからないという方は、専門家の力を借りて強みを引き出してもらうことも大切かなと思いますね。

 

マネ活編集部:オンラインサロンなどいろいろなコミュニティがある中で、何となくあやしげだなと感じるものもあるのですが…。

 

美宝:そうですね。やみくもに入るのではなく、所属先はきちんと選ぶ必要があると思います。「簡単」「安い」「早い」といったキーワードには人を引き付ける力がありますが、注意も必要です。情報提供者、コミュニティ運営者の実績やバックボーン、掲げているビジョンや信頼性を見極め、自分に合ったところを見つけていただきたいですね。

 

マネ活編集部:美宝さんは300万円の投資をしてパラレルキャリアをスタートさせましたが、初期投資についてはどうお考えですか?

 

美宝:私のようにいきなり不動産を借りたり、在庫を抱えたりといった大きな自己投資はおすすめしません。パラレルキャリアを始めてしばらくは、まだ走っていく方向が定め切れていないことのほうが多いと思うんです。最初から一気に投資をしてしまうと後々苦しくなると思うので、自分の貯金から持ち出して大きく投資するのは避けたいですね。貯金が減ると心のゆとりがなくなり、心のゆとりがなくなると資金を回収しようとお客様に良いサービスを提供できなくなると思うんですよ。ただ、知識がないまま闇雲にスタートしてもうまくいかないことも多いので、起業や経営の基礎知識は最初にきちんと学んだ方がいいですね。

 

マネ活編集部:資格取得のための自己投資についてはいかがですか?

 

美宝:私もアロマの資格を取りましたし、資格取得を目指す女性は多くいると感じます。悪いことではないのですが、取得したい理由が安心材料にしたいだけの場合は注意が必要です。資格を取ること自体が目的になってしまうと本末転倒ですよね。自信のなさをカバーするためだけに時間やお金を費やすくらいなら、早くサービスの提供を始めてお客様からフィードバックをもらって改善していくほうが早いですし、経験値もぐんと上がりますよ。

 

今って、お金を掛けずにパラレルキャリアを始められる時代なんです。クラウドソーシングサービスを使って自分のできることから提供し始めてもいいですし、Zoomなどを使って自分の知識やノウハウをオンラインで講座やセミナーを始めてみてもいい。まず始めてみて、複業で得られた収入からさらに自己投資して自分自身をアップデートしていくことをおすすめしています。

 

マネ活編集部:「お金をいただく」ことに心理的ハードルを感じている方もいると思います。価格設定はどうしたらいいでしょうか。

 

美宝:スキルの安売りはおすすめしませんが、最初は無料や格安でお試しのモニターを始めてみて、お客様の反応やヒアリングを得て自信をつけサービスをブラッシュアップさせながら「5,000円にしてみよう」「1万円にしてみよう」と上げていければいいですね。サービス内容を改善し付加価値を高めながら、見合った価格にしていくイメージです。

 

マネ活編集部:複業が軌道に乗るのはうれしいですが、夢中になって働きすぎになってしまうおそれもあると思います。本業もある中で、どうバランスを取っていけばいいでしょうか。

 

美宝:本業の繁忙期や閑散期の波をうまく使うと良いと思います。スケジュールや収入を月ではなく年単位で見て、パラレルキャリアに注力できる度合いを調整しましょう。続けられなくなってしまった人は、そのほとんどが働きすぎて疲れてしまったからなんですよ。

 

平日は本業、土日祝は複業となるとずっと仕事状態になってしまい、心も体も疲弊してしまいます。私も最初は1週間全部を仕事にあてていたので気持ちはわかるのですが、続けていくにはやはり休むことも大切。うまく休むには、自分で自分にアポを入れるのがおすすめです。自分のための時間や家族と過ごす時間をあらかじめ予定に入れておくことが、長く走り続けるために必要だと思います。

 

マネ活編集部:お子さんや夫を放ったらかしになってしまうのも良くないですもんね。

 

美宝:そうなんです。家庭と両立させるには、家電や家事代行サービスなど、自分でやらなくていいものは手放すことも大切です。節約も大事ですが、「使う分、収入を増やそう」と考える視点も、パラレルキャリアを進める上では大切かなと思います。また、家族に気持ちよく応援してもらうための工夫や努力はした方がいいと思います。

 

まずは一歩踏み出そう。パラレルキャリアで広がる未来

マネ活編集部:コロナ禍になり、副業を解禁したり週3日休みにしたりと、会社側にも変化が見られます。今後の社会の変化やキャリアについて、美宝さんはどうお考えですか?

 

美宝:今もすでにそうなってきていると思いますが、アフターコロナはさらに実力主義社会になるのではないでしょうか。正社員として雇用するスタイルが減り、プロジェクトごとにスキルのある人たちが集まるプロジェクトインみたいな形が主流になっていくのではと予想していますし、すでにそのようなご依頼をパラレルキャリア推進委員会には多くいただくようになりました。そうなると、スキルや強みが言語化できること、◯◯の専門家と明確にわかることが求められると感じますね。

 

個人的には、「どう働いていくか」より「どう生きていくか」に思考が変化していくのではと思っています。キャリアも「どう生きていくか」から逆算して考え、「じゃあ今はこうやって働こう」と選んでいく。そんな風にフレキシブルな働き方ができる社会になっていってほしいなと思っています。

 

マネ活編集部:最後に、パラレルキャリアに関心のある読者に向けて、メッセージをお願いします!

 

美宝:パラレルキャリアに興味を持ったら、小さくていいのでぜひ一歩踏み出してみてほしいと思っています。

 

パラレルキャリア推進委員会に入ってきてくれた女性たちは、「自分に何ができるかはわからないけど興味がある」「私にはできそうもないけど、パラレルキャリアを知ってみたい」という方がほとんどなんです。だからこそ、自信がない人でも参加しやすいようチームで取り組んだり、リーダーを増やしたりと、最初の一歩を踏み出しやすい仕組みにしています。

 

自信は待っていればつくものではなく、動くことでついていくもの。小さな成功体験が積み重なった先に、自信を持った自分がいます。人が変わるためには出会う人と身を置く環境を変えるしかないと思っているので、まずは実践している人に出会える場に飛び込んでみてほしいですね。

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