生命保険料控除とは?いくら戻るのか、計算方法や適用限度額をわかりやすく解説
生命保険の死亡保険金に相続税はかかる?計算方法などを解説

生命保険は、万が一の場合に備えて、自分や家族の生活を守るために加入するものです。被保険者が死亡した場合に支払われる死亡保険金は、遺族の生活費などに充てられます。
しかし、死亡保険金は高額なことが多く、相続税がどのくらい必要か不安という人もいるでしょう。相続税の金額はどのくらいになるのか、いくら手元に残るのか気になるものです。
ここでは、死亡保険に相続税がかかるケースや計算方法、死亡保険の注意点などを解説します。

-
年会費が永年無料
-
100円につき1ポイント貯まる※1
-
新規入会&利用で
もれなく10,000ポイント※2
- ※1 一部ポイント還元の対象外、または還元率が異なる場合がございます。ポイント還元について詳細を見る
- ※2 新規入会特典2,000ポイント(通常ポイント)、カード利用特典8,000ポイント(うち6,000ポイントは期間限定ポイント、2,000ポイントは通常ポイント)特典の進呈条件について詳細を見る
死亡保険金に相続税がかかるケース

生命保険で受け取った死亡保険金に相続税がかかるのは、契約者(保険料負担者)と被保険者が同じ人で、別の人が保険金を受け取る場合です。例えば、夫が契約者で被保険者も夫、妻が受取人の場合などが該当します。
死亡保険金には、生命保険の契約者・被保険者・保険金受取人の組み合わせにより、相続税・所得税・贈与税のいずれかの課税対象になります。
死亡保険金に課税される税金一覧
契約者 | 被保険者 | 受取人 | 課税される税金 |
夫 | 夫 | 妻 | 相続税 |
夫 | 妻 | 夫 | 所得税 |
夫 | 妻 | 子供 | 贈与税 |
相続税がかかるのは、契約者と被保険者が同じ人で、受取人が別の人の場合です。上表のように、夫が自分に生命保険をかけて、保険金を受け取るのが妻というケースが該当します。
所得税がかかるのは、契約者と受取人が同じ人で、被保険者が別の人の場合です。夫が保険料を支払い、妻を被保険者とし、夫が保険金を受け取るケースが該当します。
贈与税がかかるのは、契約者・被保険者・受取人がすべて異なる場合です。契約者が夫、被保険者が妻、受取人が子供というケースが該当します。
保険金の非課税枠とは
死亡保険金は、遺族の生活にとって大切な資金であるため、非課税枠が設けられています。非課税枠により遺族は、より多くの保険金を手元に残すことが可能になるでしょう。
保険金の非課税枠は以下の計算式で求めることができます。
保険金のうち、非課税限度額までは相続税がかかりません。
法定相続人とは、民法により被相続人の財産を相続することが定められている人です。被相続人の配偶者は常に相続人となり、それ以外の人は次の順位で配偶者とともに相続人になります。
- 第1順位:死亡した人の子供
- 第2順位:死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
- 第3順位:死亡した人の兄弟姉妹
例えば、死亡した人に妻と子供がいる場合、法定相続人になるのは妻と子供です。
相続税の控除とは
相続税には「基礎控除」が適用され、課税される遺産総額から基礎控除額を差し引いた金額に対してのみ、相続税が課されます。相続財産のすべてが課税対象になるわけではなく、相続課税財産が基礎控除内に収まれば相続税は発生しません。
基礎控除は以下の計算式で求めます。
基礎控除額は最低でも3,600万円であり、法定相続人の数が多いほど、控除できる金額も多くなります。なお、相続放棄をした人も計算上ではその放棄がなかったものとし、法定相続人に含めて計算します。
死亡保険金の相続税を計算する方法

生命保険から死亡保険金を受け取った場合の相続税の計算方法を確認していきましょう。以下の手順で相続税を計算します。
- 死亡保険金額から非課税限度額を差し引く
- 基礎控除額を差し引き、相続税課税金額を求める
- 法定相続分を計算する
- 相続人ごとの相続税額を計算する
- 相続人全員の相続税額を合計する
シミュレーションは、以下のケースをもとに行います。
- 法定相続人:妻と子供2人の合計3人
- 死亡保険金額:4,000万円
- 預貯金:3,000万円
死亡保険金額から非課税限度額を差し引く
受け取った死亡保険金額から、非課税限度額を差し引いて、課税対象となる保険金額分を求めます。
法定相続人は妻と子供2人の合計3人であるため、1,500万円までは相続税がかかりません。
非課税限度額=500万円×法定相続人3人=1,500万円
したがって、死亡保険金4,000万円のうち課税対象となるのは、1,500万円を差し引いた2,500万円となります。
基礎控除額を差し引き、相続税課税金額を求める
次に、基礎控除額を求め、相続税課税金額を計算します。
法定相続人が3人の場合の相続税基礎控除は、計算式に当てはまると4,800万円です。
相続税基礎控除=3,000万円+(600万円×法定相続人3人)=4,800万円
預貯金3,000万円と相続税課税対象額2,500万円の合計から、基礎控除4,800万円を差し引くと、課税対象額は700万円になります。
3,000万円+2,500万円-4,800万円=700万円
法定相続分を計算する
各法定相続人が受け取る法定相続分を計算します。このケースでは、妻と子供2人それぞれが受け取る金額を求めます。
法定相続人が妻と子供の場合、それぞれの配分は以下のとおりです。
- 配偶者:2分の1
- 子供:2分の1(複数人いる場合は全員の合計で計算)
したがって、妻が2分の1を、子供が2分の1を半分ずつ分けるため4分の1ずつを相続します。
相続金額は、妻が350万円、子供がそれぞれ175万円ずつです。
妻:700万円×1/2=350万円
子供:700万円×1/2×1/2=175万円ずつ
なお、「配偶者と直系尊属」や「配偶者と兄弟姉妹」で分ける場合は、按分が異なります。
配偶者には「配偶者控除」が適用される
配偶者には、「配偶者控除」が適用され、1億6,000万円までは相続税が非課税になります。また、1億6,000万円を超えても法定相続分を超えなければ課税されません。
このケースでは妻の相続金額は350万円であるため、相続税はかからないことになります。
相続人ごとの相続税額を計算する
相続人ごとの配分額が決まったら、相続税額を計算します。税率は、相続金額により異なり、以下の「相続税の速算表」を用いて求めます。
相続税の速算表
法定相続分に応じた取得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円超から3,000万円以下 | 10% | - |
1,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超から5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超から1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超から2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超から3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超から6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
妻の相続金額は350万円ですが、配偶者控除が適用されるため相続税は課税されません。
子供の相続金額はそれぞれ175万円ずつです。相続税の速算表より、1,000万円以下の税率は10%となるため、子供1人につき17万5,000円が課税されます。
175万円×10%=17万5,000円
相続人全員の相続税額を合計する
各人の相続税額を合計し、相続税総額を計算します。
妻は相続税が非課税で、子供がそれぞれ17万5,000円ずつ課税されるため、相続税は合計で35万円となります。
17万5,000円×2人=35万円
なお、これはあくまでも簡易的なシミュレーションであり、実際のものとは異なります。
|
|
死亡保険を利用するメリット

相続税対策に死亡保険を利用するメットとして、主に次の4つが挙げられます。
- 受取人を指定できる
- 相続放棄をしても保険金を受け取れる
- すぐに支払われる
- 代償分割ができる
受取人を指定できる
死亡保険金は受取人を指定できるため、お金を受け取ってほしい人を指定すると、間違いなく遺すことが可能です。
原則として、相続財産は遺言書があればその内容が優先され、遺言書がない場合は遺産分割協議などで、誰がどの財産をいくら相続するのか話し合います。しかし、生命保険から受け取れる死亡保険金は、受取人固有の財産とみなされ、協議にかけることなく受取人が受け取ることが可能です。
受取人以外の人は受け取る権利がないため、協議でトラブルになりにくいでしょう。
相続放棄をしても保険金を受け取れる
死亡保険金は、死亡した人の遺産とは区別され、受取人固有の財産とみなされるため、たとえ相続放棄の手続きをしても受け取ることが可能です。
ただし、死亡保険金は「みなし相続財産※」として相続税の課税対象になることや、死亡保険金の非課税枠が適用されないことに注意が必要です。
※みなし相続財産:相続財産ではないものの、被相続人の死亡により発生する固有の財産のこと
すぐに支払われる
死亡保険金の支払いにかかる日数は保険会社ごとに異なりますが、手続き終了後すぐに支払われるケースが一般的です。例えば、保険金請求書が送付されてから原則5営業日以内に支払うなどと決められている場合もあります。
一般的に、死亡した人の銀行口座は死亡後に凍結され、遺産分割協議が終わるまで引き出せません。しかし、その間にも葬儀代や相続税の納付といった費用が発生し、お金が用意できない可能性があります。
死亡保険金は速やかに支払われるため、必要な支出に充てることができるでしょう。
代償分割ができる
死亡保険金は、複数の相続人がいる場合に代償分割をすることができます。代償分割とは、特定の相続人が不動産などの財産を相続する代わりとして、ほかの相続人にお金などを支払うことで財産の調整をする分割方法です。

例えば、被相続人に子供AとBがいるとします。相続人Aに不動産を相続させる場合、被相続人はAを保険金受取人とした生命保険に加入します。

相続発生後、Aは不動産を取得し、死亡保険金を受け取りますが、これではBの相続分がありません。そこでAは、相続した不動産の半分相当額を保険金でBに支払うことで調整できる仕組みです。
死亡保険を利用する際の注意点

死亡保険金を相続税対策に利用する場合、以下の点に注意しましょう。
- 受取人が死亡した場合は変更手続が必要
- リビング・ニーズ特約を使用した場合は非課税枠を使えない
- 一親等の血族および配偶者以外は相続税が2割増になる
受取人が死亡した場合は変更手続が必要
被保険者が存命中に、保険金受取人が死亡した場合は、速やかに受取人変更手続を取る必要があります。当初の受取人以外でお金を遺したい人を指定すると、万が一の場合にその人にお金を渡すことが可能です。
なお、被保険者の死亡時にすでに受取人が死亡していた場合は、一般的に受取人の法定相続人が受取人となります。
リビング・ニーズ特約を使用した場合は非課税枠を使えない
リビング・ニーズ特約により受け取った生前給付金は非課税となりますが、生存中に使いきれなかった分を遺族が相続する場合は、相続税の課税対象になります。
リビング・ニーズ特約とは、医師から余命6カ月以内と判断された場合、将来受け取る死亡保険金に代えて、3,000万円を上限として保険金の一部またはすべてを生前に受け取れる制度です。
先に解説したように、死亡保険金であれば「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が適用されますが、生前給付金の未使用額については適用されません。この点は注意が必要です。
一親等の血族および配偶者以外は相続税が2割増になる
相続により財産を受け取った人が、死亡した人の一親等の血族および配偶者以外の場合、相続税が2割加算されます。例えば、死亡した人の兄弟姉妹や甥・姪などが受取人の場合などが該当します。
仮に、算出された相続税が50万円だった場合、その2割である10万円をプラスした金額が加算され60万円になります。
死亡保険金にかかる相続税を理解して相続対策に役立てよう

生命保険から支払われる死亡保険金が相続税の課税対象になるのは、契約者と被保険者が同じ人で受取人が異なるケースです。
ただし、全額が課税対象になるわけではなく、非課税枠や控除などを利用すると課税対象金額を少なくでき、相続税がかからない場合もあります。
生命保険は、お金を遺したい人を指定できることやスピーディーに支払われるなど、相続税対策に役立つメリットもあります。
死亡保険金にかかる税金をよく理解し、相続対策に役立てていきましょう。


-
年会費が永年無料
-
100円につき1ポイント貯まる※1
-
新規入会&利用で
もれなく10,000ポイント※2
- ※1 一部ポイント還元の対象外、または還元率が異なる場合がございます。ポイント還元について詳細を見る
- ※2 新規入会特典2,000ポイント(通常ポイント)、カード利用特典8,000ポイント(うち6,000ポイントは期間限定ポイント、2,000ポイントは通常ポイント)特典の進呈条件について詳細を見る
このテーマに関する気になるポイント!
-
死亡保険金の受取人変更はどのような場合に必要ですか?
死亡保険金の受取人変更は、受取人が死亡した場合や、離婚によって受取人を変更したい場合などに必要です。受取人が死亡した場合は、速やかに変更手続きを行いましょう。
-
生命保険の税務調査はどのような場合に行われますか?
生命保険の死亡保険金が高額な場合や、相続財産全体が高額な場合に、税務署による税務調査が行われることがあります。
-
死亡保険金の特別受益とは何ですか?
死亡保険金は、相続財産とは別に受取人固有の財産とみなされますが、ほかの相続人との間で不公平が生じる場合、特別受益として考慮されることがあります。
-
生命保険の告知義務違反があった場合、保険金は支払われますか?
生命保険の加入時に告知義務違反があった場合、保険金が支払われなくなります。告知義務違反とは、過去の病歴や現在の健康状態などを告知しなかったり、虚偽の告知をしたりすることです。
-
死亡保険金の一時金と年金の違いは何ですか?
死亡保険金の受取方法には、一時金と年金があります。一時金は、保険金を一括で受け取る方法です。年金は、保険金を分割して定期的に受け取る方法です。受取方法によって税金の計算方法が異なる場合があります。
この記事をチェックした人におすすめの記事 |
|
|

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。