加給年金と振替加算とは?受給するための条件について分かりやすく解説!

リリース日:2020/12/01 更新日:2024/11/22

年金を受給できる年齢になった段階で配偶者や子供を養っている人は、加給年金や振替加算といった制度により通常より多くの年金をもらうことが出来ます。この記事では加給年金と振替加算の概要や受給条件について紹介します。

加給年金と振替加算とは?受給するための条件について分かりやすく解説!
  1. 加給年金とは?
  2. 加給年金受給のための条件
  3. 加給年金で受け取れる金額
  4. 加給年金の振替加算とは?
  5. なぜ加給年金には振替加算の制度があるのか?
  6. 厚生年金の「20年の壁」に注意!
  7. 老後の資産づくりは楽天証券のiDeCoで!

加給年金とは?

加給年金は、厚生年金の制度のひとつです。

 

そもそも日本の年金制度は、国民年金と厚生年金の「2階建て構造」になっています。国民年金はいわゆる基礎部分で、20歳以上のすべての国民が対象です。対して厚生年金は、会社員など雇用されて働く人が対象です。つまり会社員の人は、将来国民年金と厚生年金の2つを合わせて年金を受け取ることになります。

 

そして加給年金は、簡単に言えば「年金をもらい始めた段階で家族を扶養している場合、その分厚生年金が上乗せされる」というものです。配偶者や子供などがいる場合は家族を養うためのお金が必要になりますので、その分の手当としてもらえる年金が増えるというわけです。

加給年金受給のための条件

加給年金受給のための条件

加給年金を受け取るためには、以下の条件を満たさなくてはなりません。

(1)受給者の年齢が65歳以上であること
(2)受給者の厚生年金の被保険者期間が20年以上あること
(3)配偶者または子供がいること

 

配偶者または子供は次の条件を満たさなければなりません。

・加給年金の受給者によって生計を維持されている(具体的には同居しているか、別居の場合は定期的に仕送りをしている、健康保険の扶養に入っているなどの場合)

・前年の収入が850万円未満、または所得が655万5千円未満

さらにこの配偶者または子供が、以下の年齢にあてはまる必要があります。

配偶者の場合:65歳未満

子供の場合:
・18歳到達年度の末日(18歳になって最初の3月31日のこと)までの子
・または、1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子

加給年金で受け取れる金額

加給年金で受け取れる金額

加給年金で加算される金額(年額)は、2020年4月現在以下のとおりです。

配偶者:22万4,900円
1人目・2人目の子:各22万4,900円
3人目以降の子:各7万5,000円

 

また、配偶者加給年金額は、年金を受ける本人の生年月日によってさらに以下の特別加算が発生します。

 

 

例えば現在70歳(昭和25年生まれ)で、加給年金の条件を満たす60歳の妻がいる男性の場合、本来の配偶者加給年金22万4,900円にプラスして16万6,000円の特別加算が受けられるので、加給年金は合計39万900円になります。

加給年金の振替加算とは?

上記の加給年金が受給できるのは、配偶者が65歳になるまでです。配偶者も年金を受給できる年齢に達したときに打ち切られ、代わりに配偶者の年金に振替加算分が上乗せされます。家族を養うためとして今まで受け取っていた加給年金を、配偶者自身も年金を受け取れるようになったことで配偶者の方の年金へ移すというイメージです。

 

加給年金の対象者であった配偶者が年金を受給するようになったとき、以下の条件をすべて満たしていれば配偶者の年金に振替加算分が加算されます。

・大正15年(1926年)4月2日から昭和41年(1966年)4月1日までの間に生まれていること
・老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合、厚生年金保険および共済組合等の加入期間が合計240月未満であること
・35歳以降の厚生年金保険の加入期間が次の表未満であること(配偶者が夫にあたる場合は40歳以降)

 

 

ただし、加給年金の対象者から外れていても、特別な条件を満たせば振替加算が付くことがあります。例えば扶養されていた配偶者側が年上の場合です。このようなケースでは扶養者側への加給年金が付かなくても、配偶者が振替加算を受けられることがあります。

 

そのような場合は年金事務所に「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を提出し、自分から振替加算の請求をする必要があります。

 

※参考:日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html

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なぜ加給年金には振替加算の制度があるのか?

国民年金が全国民強制加入になったのは1991年4月のことです。それ以前は、専業主婦や学生、無職といった人は加入義務がありませんでした。

 

この時代に結婚して専業主婦となった人は現在の若い人に比べると年金額に反映される加入期間が短い方が多く、その分年金が少なくなってしまいです。その減少分を救済するための制度が振替加算です。

 

振替加算は年齢が若くなるほど金額が減っていき、昭和41年4月2日以降に生まれた方はゼロとなります。

厚生年金の「20年の壁」に注意!

加給年金は、本人の厚生年金の被保険者期間が240月(20年)以上なければ支給されません。1ヶ月でも足りなければ条件を満たせないので、会社員として働いていた期間が短い方や、転職や退職の経験がある方は注意しましょう。

 

厚生年金の加入期間は、日本年金機構から毎年届く「ねんきん定期便」で確認できます。また、「ねんきんネット」でも、Web上で自分の年金の情報を確認できます。ねんきんネットのアカウントを作成するためには、年金基礎番号が必要です。

老後の資産づくりは楽天証券のiDeCoで!

老後の主な収入源となるのが公的年金ですが、公的年金だけに頼らず、iDeCoつみたてNISAなどを活用して自分で将来の備えを作っていこうと考える人が増えています。

 

なかでもiDeCoは掛け金が全額所得控除となり、将来受け取る年金も非課税となるため節税効果も高いです。iDeCoの申し込みは楽天証券からできます。

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miso
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)
miso

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

演奏家、ライター、FPとして活動する複業フリーランス。 お金の管理や記録が好きで、独学で簿記3級、FP2級を取得しました。 特に確定申告や税金分野への関心が高いです。お金にまつわる様々な制度や仕組みについてわかりやすく解説します。

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