仮想通貨投資の税金対策 個人でも簡単に出来る節税方法とは
仮想通貨投資をし、利益が出た場合はもちろん税金がかかります。こちらの記事では、最近話題の仮想通貨投資をした場合における、個人でも簡単にできる節税方法についてご紹介します。
もくじ
・仮想通貨での課税のタイミングは?
・仮想通貨でいくら利益を出したら課税対象になるの?
・節税方法10選
・まとめ
仮想通貨での課税のタイミングは?
仮想通貨で利益が出た!と言っても、その利益が出た、利益が確定した、と言えるのはどのタイミングでしょうか。利益が出て課税されるタイミングは以下の4つに分類されます。
1 仮想通貨を売った時
2 仮想通貨でモノやサービスを購入した時
3 仮想通貨同士の交換を行った時
4 仮想通貨をマイニング(採掘)により取得した時
それでは一つずつご説明します。
1は一番わかりやすいですね。仮想通貨を売れば、その時点での利益が出たと考えられるので、このタイミングで課税されます。
2は何かの商品を購入したりサービスを受けたりする際に仮想通貨での決済ができる場合があります。この時に仮想通貨が使われた、つまり「仮想通貨を売った」と同じ考えとなり、利益が確定して課税されます。
3は、仮想通貨を交換するということは、今ある仮想通貨を別の仮想通貨に変える、つまりこちらも「仮想通貨を一度売る」とみなされます。そこで利益が確定し、課税されることになります。
4は取得した時が課税のタイミングとなります。
仮想通貨でいくら利益を出したら課税対象になるの?
仮想通貨で利益がでたからと言って、いきなり税金がかかるわけではありません。個人が仮想通貨の取引によって利益を得た場合、原則「雑所得」となります。この雑所得は年間20万円以上の所得が出ない限りは申告不要となってますので、年間の利益が20万円以内であれば税金はかかりません。※
※ただし注意事項として、この「年間20万円以下の所得は申告不要」については、年末調整をしたサラリーマンしか使えませんので、ご注意ください。
また、年間の利益に注目してください。収入ではありません。例えば年間100万円の収入があっても、それにかかる経費が90万円であれば、利益は10万円となります。
【仮想通貨における申告不要例】
3月10日、仮想通貨であるビットコインを90万円で購入した。
5月25日、3月10日に購入したビットコインを100万円で売却した。
上記で取引が終わった場合、計算としては
100万円(売却価格)-90万円(購入価格)=10万円(所得金額)
以上のようになり、年間の所得が10万円ですので申告は不要。つまり税金はかかりません。20万円以上の利益が出た場合の税率ですが、日本の税金は累進課税となっており、最高税率は45%、住民税と合算すると50%になります。この税金を少しでも安くするための方法を次で説明します。
節税方法10選
様々な節税方法はありますが、個人でもできる節税方法を10個挙げました。以下でご紹介します。
1 長期保有(ガチホ)し、売らない(利益を確定させない)
2 個人事業主となる
3 損切することにより、他の利益と相殺する
4 ふるさと納税する
5 マイニング(採掘)を利用し、経費を計上する
6 年間20万円以上の利益を出さない
7 住宅を購入し、住宅ローン控除を使う
8 個人型確定拠出年金(iDeCo「イデコ」)を利用する
9 生命保険・介護保険、個人年金に加入する
10 投資用の分譲マンション(ワンルーム)を購入し、損益通算する
それでは1つずつ説明します。
1 長期保有(ガチホ)し、売らない(利益を確定させない)
仮想通貨は、含み益に対して課税されません。含み益とは、売ったり使ったりせず、そのままの状態で保有し続け、その後仮想通貨の価格が上昇した場合の「仮の利益」のことです。
その後、仮想通貨を売れば、利益が確定(利確)するのですが、売らなければ、確定していないことになります。この仮の利益に関しては課税されませんので、あえて保有することで、「利益調整」をします。
いずれにせよ、いつかは仮想通貨を売って利益を得るのですから、今しても来年しても一緒だと思われるかもしれませんが、「利益を出すタイミングを調整」することにより、節税することができます。
仮想通貨の利益は通常「雑所得」です。詳しい話は省きますが総合課税となり、他の所得と合算されます。
もしその年に多額のボーナスがでて収入が例年より飛びぬけた場合、その年の所得税率は例年よりも高い数字となり、より多くの税金を支払う必要があります。そしてその年に仮想通貨により多額の利益が出ていれば、所得税率がさらに上がることとなってしまいます。(仮想通貨は他の所得と合算されます)
ここであえて利益を確定せず、保有することで、来年に持ち越す方法をとれば、節税となります。もちろんタイミングをずらすことにより、仮想通貨が暴落してしまい、節税額よりも損をする可能性もありますので、この判断は慎重にすべきです。
2 個人事業主となる
個人事業主となれば、白色申告であれば10万の控除(経費)が使えます。さらに青色申告であれば65万円の控除(経費)が使えます。青色申告には要件があり、複式簿記で帳簿をつける必要がありますが、今はクラウド会計が進化したことにより、少し勉強すれば誰でも複式簿記で帳簿をつけることができる時代です。
最寄りの税務署に「開業届」「青色申告の承認申請書」を出せば青色申告の個人事業主となります。ただし、あくまでも事業として認められる必要があります。必ず日々の帳簿や領収証の管理、そして事業を営んでいることを証明しないといけません。事業計画を立て、利益を継続して追及していることが重要です。
3 損切することにより、他の利益と相殺する
これは年末に行うことをオススメします。仮想通貨の含み損があった場合、もし1年間で20万以上の利益が確定していれば、この含み損を売ることで損を確定し、利益と相殺してしまいます。12月に入れば、おおよその利益が予想されるでしょうから、上手に計画を立てれば、節税ができます。
4 ふるさと納税する
ふるさと納税をすれば、所得控除となりますので、節税となります。しかし、ふるさと納税には限度額があり、注意しないと節税額以上に損失を出してしまいます。目安は住民税の2割です。
仮想通貨で出た利益は総合課税となり、他の所得と合算されますが、その後、所得控除により所得を減らすことで節税となります。ちなみに日本の所得税の計算は下記のようになっています。
収入(売上など)-経費=所得(給与所得、事業所得、雑所得等)
所得-所得控除(基礎控除、扶養控除など)=課税総所得金額
課税総所得金額×税率=所得税となります。
5 マイニング(採掘)を利用し、経費を計上する
マイニング(採掘)を利用し得た利益に関しては、必要経費が計上できます。例えばパソコンなどです。しかしマイニングすること自体が大変ですし、もし経費をいろいろと計上しようと考えているのであれば、個人事業主になることをオススメします。
6 年間20万円以上の利益を出さない
あえて年間20万円以上の利益を出さないように調整すれば、申告義務がありませんので、節税となります。
ただ、無理やり調整することで、利益を得る機会をなくすのは、もったいないこと。節税を意識しすぎることで、むしろ損することもありますので、注意した方がいいでしょう。
7 住宅を購入し、住宅ローン控除を使う
住宅ローン控除は所得控除と違い、「税額控除」です。算出された所得税からさらに節税となりますので、所得控除よりも節税効果は大きいです。住宅ローン控除は、借入残高の1%が税額控除になり、さらに10年間(2018年購入時点)続きます。
もし仮想通貨をすることにより多額の利益がでた年で、住宅の購入を迷っていれば一つの決断の材料になるのではないでしょうか。
8 個人型確定拠出年金(iDeCo「イデコ」)を利用する
iDeCo「イデコ」は所得控除の一種です。年金を積立しつつ節税もできます。無理のない積立金額を設定すれば、長年にわたって節税できます。
9 生命保険・介護保険、個人年金に加入する
こちらも同じく所得控除の一つです。掛け金が大きすぎないように注意しないと、「保険貧乏」になりますが、自分にあったプランを選択することで節税できます。
10 投資用の分譲マンション(ワンルーム)を購入し、損益通算する
最後は、投資用の分譲マンション(ワンルーム)を購入し、節税する方法です。仮想通貨で得た利益のために分譲マンションを購入するわけではなく、将来の投資用資産の取得と同時に節税対策にもなります。
不動産所得を得ることにより、もし赤字でも、この不動産所得の赤字と仮想通貨の利益を相殺する(損益通算)ことができますので、節税になるのです。
まとめ
以上が仮想通貨投資の税金対策、個人でも簡単に出来る節税方法でした。無理をして全てを実行しなくても、自分に合った節税プランを選択し、少しでも税金を下げてみてはいかがでしょうか。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。