クレジットカードのキャッシングとは、カードのキャッシング枠を利用してお金を借りられるサービスです。

クレジットカードには、ショッピング時に利用できる「ショッピング枠」のほかに、借り入れができる「キャッシング枠」があります。

原則として、キャッシングした現金の使い道は自由なため、教育費が足りない、海外旅行に行くなど、一時的にお金が必要なときに利用できます。

キャッシング枠は、クレジットカードの申し込みと同時に設定できるほか、カード発行後に追加で申し込むことも可能です。また、利用可能枠の増枠もできます。ただし、追加申し込みや増枠申し込みの場合は、所定の審査があります。

キャッシングはお金を借りることであるため、利用金額や利用期間等に応じた利息を、元金とともに支払う必要があります。

次から、金利の決め方と利息の計算方法について解説します。

キャッシングの金利は、利息制限法により定められています。 借入金額ごとの上限金利は、以下のとおりです。

借入金額が10万円未満の場合は年利20.0％、10万円以上100万円未満の場合は18.0％、100万円以上の場合は15.0％です。

カード会社は、それぞれの上限を超えない範囲で独自に金利を決めており、目安としては年利15.0～18.0％ほどに設定しているところが多いです。

キャッシングの金利がわかれば、次の計算式を用いて利息を計算できます。

例えば、年利18.0％で10万円をキャッシングし、30日間借り入れた場合の利息は1,479円です。

計算式）借入利息＝10万円×18.0％÷365日×30日＝1,479円

なお、クレジットカードの公式サイトにある返済シミュレーションを利用すると、いくら利息がかかるのかすぐにわかります。

キャッシングには、主に以下のメリットがあります。

• 借りたお金の使い道は自由
• 必要なときにすぐに借りられる
• 海外でも借りられる

それぞれ確認していきましょう。

クレジットカードのキャッシングで借りたお金は、原則として使い道は自由です。例えば、子供の塾の特別講習の費用が必要なときや、冠婚葬祭、海外旅行に行く際の費用など、必要に応じて利用できます。

クレジットカードにすでにキャッシング枠が設定してあれば、お金が必要になったときにすぐに借り入れできます。現金が必要なときはATMで引き出せるほか、口座に入金したい場合はWebやアプリ、電話などで申し込むとネットキャッシングが利用可能です。

なお、クレジットカードにキャッシング枠が付いておらず追加で申し込む場合は、審査状況によって最短当日からキャッシングの利用が可能です。

クレジットカードにキャッシング枠が付いていない場合は、あらかじめ付けておくと、もしものときに役立ちます。

クレジットカードのキャッシングには「海外キャッシングサービス」があり、海外でも借り入れ可能です。海外で現金が必要になったときに、空港や銀行などのATMで現地通貨を引き出せます（※）。

※カードの国際ブランドがAmerican Expressのカードは、海外キャッシングが利用できません。

海外には治安の悪い国や地域があり、高額な現金を持ち歩くのが危険なケースがあります。その場合、ATMで必要な現金のみを引き出すようにすれば、仮に被害に遭っても最小限に抑えることが可能です。

クレジットカードのキャッシングには、以下の注意点があるため、理解したうえで利用しましょう。

• 申し込み時には審査がある
• キャッシングした分ショッピング枠が減る

それぞれの注意点を詳しく解説していきます。

クレジットカードのキャッシング枠を申し込む際には、審査を受ける必要があります。カード会社は貸したお金がきちんと返済されるか、返済能力を確かめる必要があるためです。

クレジットカードの発行と同時にキャッシングも申し込む場合は、審査は一緒に行われます。カード発行後に追加でキャッシング枠を付けることもできますが、再度審査を受けなければなりません。

また、クレジットカードにキャッシング枠が付いておらず追加で申し込む場合でも、審査状況によっては最短当日からキャッシングの利用が可能な場合もあります。

なお、楽天カードのキャッシングの貸し付け条件は以下のとおりです。

クレジットカードのキャッシング枠は、ショッピング枠に含まれているため、ショッピングするほどキャッシング枠が減ってしまう、またキャッシングするほどショッピング枠が減ってしまう点に注意が必要です。

例として、ショッピング枠が100万円、キャッシング枠が40万円の場合で考えてみましょう。これはショッピングで100万円、キャッシングで40万円まで利用できるわけではなく、ショッピングで70万円利用した場合はキャッシング枠が30万円しか利用できなくなります。

反対にキャッシング枠をすでに40万円利用している場合、ショッピング枠は60万円しか利用できないため、必要な買い物ができない可能性があります。

では、具体的にはどのようにキャッシングを利用して現金を引き出せば良いのでしょうか。次から、ATMキャッシングの利用方法について解説します。

手順としては以下のとおりです。

1. ATMにカードを挿入する
2. ご出金（借入）を押す
3. 暗証番号を入力する
4. 希望金額を入力する
5. 返済方法を選択する（一括払いまたはリボ払い）
6. カード・明細を受け取り、現金を取る

なお、事前に自身のクレジットカードにキャッシング枠が付いているか、何円まで借入が可能かを確認して利用するようにしましょう。

クレジットカードのキャッシング以外で、お金を用意するには以下の方法があります。

• 不要品を売る
• 生命保険の「契約者貸付制度」を利用する
• 銀行のカードローンを利用する

家にある不要品を売って現金を得る方法です。フリマアプリやフリマサイトなどを利用する方法や、リサイクルショップなどに持ち込む方法があります。

フリマアプリやフリマサイトなどの場合、高値で売れる可能性がありますが、メッセージのやりとりや発送の手配、売上金の振込手配などの手間がかかります。また、売れるまでやその後の手続きに時間がかかる場合もあるため、すぐにはお金を得られない可能性もあるでしょう。

リサイクルショップなら、その場で査定されるため、売れるまでの時間は短いですが、金額はフリマアプリなどよりも低くなる可能性があります。

生命保険に加入している場合「契約者貸付制度」を利用できることがあります。契約者貸付制度とは、生命保険を解約したときに受け取れる「解約返戻金」の一定範囲内において、貸し付けを利用できる制度です 。

保険商品や契約内容によっては利用できないケースもあるため、利用したい場合は保険会社に確認してみましょう。

ただし、返済しないままでいると、保険金が支払われる際に相殺されたり、保険契約が失効したりする可能性があるため、利用した場合は早めの返済を心がけましょう。

できるだけすぐにお金を借りたいときは、銀行のカードローンの利用も検討しましょう。

申し込みから借り入れまで最短即日のものもありますが、数日かかるものもあります。利用開始後は、利用限度額の範囲内で必要なときに必要なだけ借入可能なため、急にお金が必要になったときの心強い味方となってくれるでしょう。

クレジットカードのキャッシング枠を利用すると、いつでも必要なときに借り入れできます。使い道は自由なため、子供の教育費や冠婚葬祭、生活費の補填など幅広く活用可能です。

ただし、キャッシングは借り入れであるため利息が発生し、利用可能枠にも上限があります。クレジットカードごとに金利や利用可能枠が異なるため、利用する際には各カードのキャッシング利用条件をよく比較検討しましょう。