政策金利とは?景気との関係やどのような影響があるのかを解説!

リリース日:2025/01/21 更新日:2025/01/21

「政策金利」の言葉を聞いたことはあっても、意味や内容まではわからない人もいるのではないでしょうか。

政策金利とは、国の銀行である中央銀行が定めた金利です。

ここでは、政策金利の目的や景気への影響、日本とアメリカの政策金利の違いを解説します。生活やビジネスへの関係性も説明するため、参考にしてみましょう。

  1. 政策金利とは?
  2. 政策金利の目的
  3. 政策金利と景気の関係性
  4. 政策金利はどのような影響がある?
  5. 日本とアメリカにおける政策金利の違い
  6. 政策金利以外の金融政策
  7. 普段の生活でも金利を意識することが大事

政策金利とは?

政策金利とは?

政策金利とは、国の中央銀行(日本の場合は日本銀行)が設定する金利です。金融機関の預金金利や貸出金利などに影響を与え、世の中に出回るお金を調整する役割があります。

 

そもそも金利とは、お金を借り入れするときに発生する利息(利子)の割合です。例えば金利が年1%であれば、1万円を借りたときに1年で100円の利子を支払う必要があります。

 

一般的にインフレ(物価上昇)傾向になると、中央銀行は政策金利を上げることで経済活動を抑制し、景気の過熱を抑えようとします。一方で、デフレ(物価減少)の傾向になると、政策金利を引き下げることで経済活動を活性化させ、景気の回復を促します。

政策金利の目的

政策金利の目的

政策金利の大きな目的は、「物価(景気)を安定させること」です。物価の安定を図ることで、あらゆる経済活動や国民経済を発展させることを目指しています。

 

景気が良い状態では物価が上昇する一方で、景気が悪くなると物価も減少傾向になります。政策金利は物価上昇の波を穏やかにして、景気が安定した状態を保つために活用されているのです。




政策金利と景気の関係性

政策金利と景気の関係性

政策金利は景気の状況によって調整されます。以下では、景気が良いときと悪いときに分けて、景気と政策金利の関係性を解説します。

景気が良いとき(インフレ)

景気が良いときは、物価が上がりすぎないように、政策金利を引き上げます。企業の業績が良い状態では、商品の消費が活発になり、物価が上がっていくためです。

 

政策金利を引き上げると金融機関などの金利も引き上がり、企業や個人はお金を借りにくくなります。その結果、経済活動が落ち着き、物価の上昇も抑えられる効果が期待できます。

景気が悪いとき(デフレ)

景気が悪いときは、企業や個人が金融機関からお金を借りやすくして経済活動を活発にするために、政策金利を引き下げます

 

政策金利を引き下げると金融機関などの金利も引き下がり、企業や個人はお金を借りやすくなるでしょう。その結果、企業は新規事業を起こしたり新規雇用を増やしたりして、事業活動が活発になります。また個人でも、住宅や学資などのローンを借りる人が増えるでしょう。このようにして経済活動を活発化させ、物価が押し上がる効果が期待できます。

 

経済全体を活性化させ景気を回復させるには、政策金利の引き下げが重要です。

政策金利はどのような影響がある?

政策金利はどのような影響がある?

政策金利の変化は金融機関だけでなく、以下3つの分野にも影響を与えます。

 

  • 保有する金融商品(債券や株式など)
  • 生活
  • ビジネス

以下で詳しく見ていきましょう。

保有する金融商品(債券や株式など)への影響

政策金利の変動は、債権や株式などの金融商品の運用成績に影響を与えます。特に、債券や株式、またそれらを組み入れている投資信託などは、政策金利の上下によって値動きが変わります。下記の表で確認してみましょう。

政策金利と債券、株価の関係性

政策金利上昇 政策金利低下
債券価格 低下 上昇
債券利回り 上昇 低下
株価 下落の可能性あり 上昇または安定の可能性あり
 

表のとおり、政策金利の変動と債券価格は逆の動きをします。金利が上昇すると、新規の債券価格の利回りが高くなり、既存の債券価格が下がるためです。債券は定期的に一定の利息を支払う金融商品であるため、金利変動が債券の価値に影響を与えます。

 

例えば金利が上昇した場合、これまで発行されていた年利1%の債券よりも、年利2%の新規債券のほうが魅力的になります。年利1%の債券を買う人が少なくなるため、債券価格が下がります。

 

一方で、金利が下がった場合、すでに発行されている年利2%の債券は、年利1%の新規債券よりも利回りが良く魅力的なため債券価格が上がる仕組みです。

 

株式や株式を含む投資信託の場合は、政策金利が上昇すると企業の借入コストが増加し、経済全体の成長が抑制される傾向にあります。企業収益が減り、株価が下がる可能性があるため、株式を含む投資信託の価格も下落するリスクが高まるでしょう。

生活への影響

政策金利は、私たちが日常生活の中で金融機関などからお金を借りたり、預けたりするときに影響を受けます。

  

例えば、銀行にお金を預けている場合で考えてみましょう。政策金利が低い場合は預金金利も低くなる傾向があり、銀行にお金を預けていても利息がほとんど増えません

 

一方、政策金利が高い場合は預金金利も高くなるため、預金することでより多くの利息を得られます

 

家を買う場合も影響があります。住宅ローンの変動金利は政策金利に影響を受けるため、政策金利が低いとローンの金利も低くなる傾向があり、毎月の返済額を抑えられます。反対に、政策金利が高いと住宅ローンの金利も高くなるため、住宅購入の負担が大きくなる可能性があります。

ビジネスへの影響

政策金利は、企業の資金調達や投資計画など経済活動にも影響を与えます。金利による影響を下記の表で確認してみましょう。

政策金利のビジネスへの影響

政策金利が高い 政策金利が低い
企業の資金調達コスト 借入金の利息増加、コスト上昇 借入金の利息減少、コスト低下
新規事業への投資 利息負担が大きく、投資しにくい 利息負担が軽減され、投資しやすい
商品・サービスの価格 コスト増加で価格上昇の可能性 コスト低下で価格を下げやすい
 

政策金利が低い場合、企業は低い金利でお金を借りられるため、設備投資や新規事業への投資をしやすくなります。企業の活動が活発になれば、新しい雇用が生まれ、経済全体の活性化につながるでしょう。

 

一方、政策金利が高い場合、企業は高金利で資金を借りる必要があり、資金調達コストが増加します。そのため、新規投資や事業拡大を控える企業が増え、経済活動全体が停滞する可能性があります。

日本とアメリカにおける政策金利の違い

日本とアメリカにおける政策金利の違い

日本とアメリカでは、政策金利の設定やその影響が異なるため、下記の表から確認してみましょう。

日本とアメリカの政策金利の違い

日本 アメリカ
政策金利の決定機関 日本銀行 連邦準備制度理事会(FRB)
政策金利 0.25%(※) 4.25%~4.50%(※)
金利の特徴 長期にわたり低金利を維持 インフレや景気状況に応じて柔軟に調整
影響 低金利で企業はお金を借りやすいが、預金の利息が低い 金利上昇で借入コストが増えるが、預金の利息が増える

※2025年1月17日時点の情報です。

 

日本は、デフレの防止や経済の安定を目指すため、長期間にわたって低金利政策を続けていました。アメリカでは、FRBが物価の安定を目標に、経済状況に応じて金利を柔軟に調整しています。景気が過熱して物価が高まると金利を引き上げ、逆に景気が悪くなると金利を引き下げることで、経済のバランスを保ちます。

 

このように、日本とアメリカでは政策金利に対する考え方や影響が異なるのです。

政策金利以外の金融政策

政策金利以外の金融政策

政策金利以外にも金融政策は行われています。以下3つの金融政策を見ていきましょう。

公定歩合操作

公定歩合操作とは、かつて中央銀行が民間銀行にお金を貸し出すときに適用していた金利である「公定歩合」を調整して、経済をコントロールしようとする金融政策です。

 

景気を刺激したいときは公定歩合を引き下げ、民間銀行がより低金利で資金を調達しやすくすることで、企業や個人への融資を促進していました。

 

しかし、1994年の金利自由化以降、公定歩合は直接的に預金金利に影響を与えることがなくなり、名称は「基準割引率」および「基準貸付利率」に変更されました。

 

基準貸付利率は現在、民間銀行が日本銀行から短期的に資金を借りるときに適用される金利です。

公開市場操作(オペレーション)

公開市場操作は、中央銀行が金融市場で国債や社債などを売買して、市場に出回る資金の量を調整する金融政策です。

 

例えば、中央銀行が国債を買い入れると市場に資金が供給され、金融機関を通じて企業や個人が資金を借りやすくなります。経済活動が活発になるため、景気が回復に向かうでしょう。

 

一方、国債を売却すると市場から資金が減り、企業や個人が資金を借りにくくなるため、景気の過熱を抑える効果が期待できます。

 

身近な例を挙げると、公開市場操作により金利が下がると、住宅ローンの金利も低くなり家を買いやすくなります。金利が上がった場合は住宅ローンの返済額が増え、家計に負担がかかるでしょう。

預金準備率操作

預金準備率操作とは、金対象の融機関が中央銀行に預ける義務がある準備金の割合を調整する金融政策です。対象の金融機関は、預金の一部を中央銀行に預ける義務があり、預ける割合を預金準備率といいます。

 

中央銀行が預金準備率を引き下げると、金融機関はより多くのお金を貸し出せるようになり、企業や個人が借りやすくなります。結果、新規事業や投資が活発になり、経済活動が促進されるでしょう。

 

反対に経済を落ち着かせたいときは、預金準備率を引き上げて貸出可能なお金を減らし、景気の過熱を抑えます。

 

中央銀行は、預金準備率を変えることで、金融機関が貸し出しできるお金の量をコントロールしているのです。

普段の生活でも金利を意識することが大事

普段の生活でも金利を意識することが大事

政策金利は、中央銀行が物価や景気の安定を狙って行う金融政策です。ニュースで聞いたことがある人も普段の生活では意識しづらいでしょう。

 

日常生活で意識しやすい金利といえば銀行の預金金利です。

楽天銀行は、普通預金金利が年0.10%(税引後年0.079%)(※1)です。また、取り引きに応じて楽天ポイントを貯めることができ(※2)、楽天カードをはじめとした楽天グループの各サービスとあわせて使うことで、さらにお得に楽天ポイントを貯められるでしょう。

 

※1 表示金利は2025年1月17日時点のものです。
※ 利息には20.315%(国税15.315% 〈復興特別所得税含む〉+地方税5%)の税金がかかります。
※ 普通預金金利は変動金利であり、今後、金融情勢等により予告なく変更する場合があります。
※ 本金利は楽天カードのカード利用金額の引落(入出金明細には ラクテンカードサービス と表示されます)があるお客さまに、引き落としがあった日が属する月の翌月1ヶ月間適用される優遇金利です。
例)4月に引き落とし実績あり→5/1から優遇金利が適用開始
6月に引き落とし実績なし→7/1より通常金利が適用
※ 27日(土・日・祝日の場合は翌営業日)より後に引き落とされた場合、優遇金利の適用対象にはなりません。
※ 複数の金利優遇の条件を達成した場合でも、適用される金利は最も高い優遇金利のみとなります。(例:マネーブリッジの設定もされた場合でも、本金利よりマネーブリッジによる優遇金利が高いときには、マネーブリッジによる優遇金利のみが適用されます)。
※ OKB支店・NCB支店・JRE BANK口座の各支店は優遇金利対象外となります。
※ 楽天カードのカード利用金額の引落があるお客さまの普通預金の商品詳細説明はこちらをご確認ください。

 

※2 サービスの適用には、「ハッピープログラム(お客さま優待プログラム)」へのエントリー(無料)が必要です。

 

※この記事は2025年1月時点の情報をもとに作成しております。

このテーマに関する気になるポイント!

  • 政策金利とは?

    国の銀行である中央銀行が決める金利で、物価や景気を安定させるために行われます。

  • 金融機関以外への影響はある?

    主に「保有する投資信託」「生活」「ビジネス」などに影響があります。

  • 日本とアメリカでは政策金利に違いはある?

    日本とアメリカでは、政策金利に対する考え方や影響が違います。
    例えば日本は、長期にわたり低金利を維持していますが、アメリカはインフレや景気状況に応じて金利を柔軟に調整しています。

  • 政策金利以外にも金融政策はあるの?

    「公定歩合操作」「公開市場操作(オペレーション)」「預金準備率操作」などの金融政策があります。




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だいぞう
この記事を書いた人
だいぞう

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

九州在住のFP2級持ちWebライター。化粧品検定3級も持っており、日焼け止めは365日欠かしません。お金や生活に関する不安を解決できるような記事を心掛けており、誰が見てもわかりやすい内容に執筆します。

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