外貨預金とは? メリットとリスクを初心者向けに解説!
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)/宅地建物取引士
宮島ムー
現在の日本では、金融機関にお金を預金してもほとんど利息がつきません。「だからといって投資するのはちょっと面倒」と感じている方は、外貨預金を検討してはいかがでしょうか。外貨預金は金融機関に円ではなく外国通貨で預け入れる形式で、高金利が期待できます。その一方で、外貨預金ならではのリスクも。どんなメリットやリスクがあるのか、詳しく説明していきます。
「外貨預金」とは、わかりやすく言うと何?
通常、金融機関に預金をするときには日本円をそのまま預け入れて、日本円で払い戻してもらいます。外貨預金では、資金を預け入れる際、日本円以外の外国通貨に交換したうえで預金。引き出すときには、外国通貨から日本円に交換して払い戻されます。
外国通貨と日本円の交換は、そのときの為替レートに応じて行われます。テレビのニュースなどで、「1ドル〇〇円」と言うのを聞いたことがある人も多いでしょう。その金額によって計算されたものが預金額や払戻額となるのです。
外貨預金のメリットとは?
円預金にはない外貨預金のメリットを紹介します。
・為替差益が期待できる
為替差益とは、為替レートで得をすること。たとえば1ドル100円のときに100万円外貨預金したとすると、1万ドル預金できます。これが払い戻すときに1ドル110円となっていたら、1万ドルが110万円になって戻ってくる計算に。実際には手数料がかかるので10万円の儲けというわけではありませんが、普通の円預金で100万円が110万円になることはなく、とても魅力的です。
・円預金と比べて高金利
2018年7月現在、日本のメガバンクの普通預金金利は0.001%です。1年間に100万円預けたとしても、わずか10円の利息しかつきません。しかも税金がとられるので、実際にもらえるのは8円です。定期預金でも0.01%で、100万円預けても80円しかもらえません。
外貨預金は円預金と比べて金利が高いのが特徴。金利は通貨によって異なりますが、高いものでは3%という通貨も。為替レートの変動を考慮しなければ、100万円預けて1年で3万円の利息がつくことになります。
・キャンペーンが行われることも
金融機関ではしばしば外貨預金を対象にしたキャンペーンが行われます。金利が上乗せされるキャンペーンではより多くの利息を手に入れることも可能です。預入時の手数料が0円になるキャンペーンもあるので、チェックしてみると良いでしょう。
リスクや注意点について確認しよう
外貨預金には円預金にはないメリットがある一方で、リスクや注意点もあります。しっかり理解しておきましょう。
・元本を割ることがある
外貨預金では元本を割ることがあります。先ほど説明したとおり、為替レートが円安に動けば得をするのですが、為替レートが円高になると損をしてしまうことに。
たとえば1ドル100円から90円に動いたとしましょう。もともと100万円だったものが、90万円になってしまいます。高い利息でプラスになる可能性もありますが、為替レートの変動によっては大きな損害を被ってしまうリスクも秘めているのです。
・手数料がかかる
外貨預金は預け入れと払い戻しの際に手数料がかかります。これは「為替手数料」や「為替コスト」と呼ばれるもの。金融機関や通貨の種類によって手数料は異なります。
楽天銀行を例に挙げると、米ドルは1ドルあたり25銭。手数料は金融機関が提示する為替レートに含まれており、預け入れの際に自動的に引かれます。仮に1ドル100円で100万円預け入れるとすると、およそ9,975ドルに交換される計算です。
・ペイオフの対象外
通常の普通預金や定期預金の場合、金融機関が破綻しても、1預金者あたり1,000万円まで保護されます。しかし、外貨預金はペイオフの対象外なので、万が一のときでも保護されません。
・確定申告が必要になることも
円預金でも外貨預金でも利息に税金がかかるのは同じです。外貨預金の場合、為替レートで出た利益は雑所得となり、一定額を超えると確定申告の対象となります。
外貨預金にはネット銀行が有利
外貨預金をするには実店舗のある金融機関より、ネット銀行のほうがオススメです。一番の理由として挙げられるのは、手数料が安いこと。楽天銀行の為替手数料は1ドルあたり25銭ですが、メガバンクでは1円です。金利もメガバンクと比べてネット銀行のほうが高く設定されており、同じ通貨でも高い利益が見込まれます。
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まずは余裕資金から始めてみては?
以上、外貨預金の基礎知識を説明しました。為替差益や高い金利など魅力のある外貨預金ですが、全財産を外貨預金につぎ込むのはオススメしません。特に、すべて同じ通貨で預金するのはNG。その通貨が暴落したとき大変なことになります。どの通貨であっても、まずは少額から始めると良いでしょう。外貨預金を増やすときには別の通貨を選ぶこと。時間をずらすことで、為替リスクを抑えることにもつながります。
外貨通貨を始めるとその国の情勢にも興味を持つようになり、新しい楽しみが増えるかもしれません。各金融機関の金利やキャンペーンをチェックして、気に入ったところで始めてみてください。
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著者:宮島ムーさん
関西に住む子育て中の主婦です。 お金や不動産に興味があり、日商簿記1級・FP2級・宅建などの資格を独学で取得しました。 記事ではなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明するよう心がけています。
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