WINTER BOOK & MOVIE

季節で選ぶこの一作

SELECTED BY ASAYO TAKII REIKO YUYAMA

瀧井朝世さんオススメの
冬に読みたい一冊

『ウィンターズ・テイル(上・下)

マーク・ヘルプリン著・岩原明子訳
(ハヤカワepi文庫)

各¥980+税

『ウィンターズ・テイル(上・下)』

冬のニューヨークの美しさが満喫できる作品。19世紀末の冬のマンハッタンで、盗賊仲間に裏切り者扱いされたピーターは、絶体絶命のところに現れた一頭の白馬に助けられます。逃亡した果てに潜りこんだお屋敷で出会ったのは、病に侵された美しい少女。たちまち二人は恋に落ちるが、彼女の命は短くて……というロマンティックなラブストーリーが、やがて時空を超えたダイナミックなファンタジーへと昇華していく。神話的な古典的名作。映画化もされていますが、小説でぜひ。

瀧井朝世

瀧井朝世/Asayo Takii
フリーライター
WEB本の雑誌「作家の読書道」、本の話WEB「作家と90分」、『CREA』『anan』などで作家インタビュー、書評、対談などを担当。2009年〜13年にTBS系「王様のブランチ」ブックコーナーに出演。現在は同コーナーのブレーン。
photo: 文藝春秋

湯山玲子さんオススメの
冬に観たい一作

『竹山ひとり旅』

新藤兼人 監督

発売元:アスミック 販売元:角川映画
DVD¥4,700+税(店頭在庫のみ)

『竹山ひとり旅』

津軽三味線の大家、高橋竹山の伝記映画。3歳の時に麻疹をこじらせ、半失明となり、放浪芸人として生きた彼の若き日の竹山が描かれている。主人公が雪が吹きすさぶ厳しい東北地方を、家々をまわりながら放浪する姿に、林光の幻想的な映画音楽が被さるその映像美は、私にとっての「冬のイメージ」を決定した。主人公はそんな境遇の中でも、エネルギーの塊で、決して惨めではないという点も印象的。演歌などにも歌われてきた、日本の冬の原風景がこの映画にはある。

湯山玲子

湯山玲子/Reiko Yuyama
著述家・ディレクター
映画・音楽・食・ファッションなど文化全般を題材にコラム執筆やコメンテーターとして活躍。著作に『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)『女装する女』(新潮新書)『四十路越え!』(角川文庫)など。