WINTER BOOK & MOVIE

季節で選ぶこの一作

SELECTED BY SHUNSUKE MORI SHIRAKU TATEKAWA

森俊介さんオススメの
冬に読みたい一冊

『水曜の朝、午前三時』

蓮見 圭一 著(新潮文庫)

¥562

『水曜の朝、午前三時』

人生で一番好きだった元彼女が結婚してしまった頃に読んだ本です。寒くなると人恋しくなるのは老若男女に共通なのではないでしょうか。そんな時、会える人がいるのはとても羨ましい。たとえ一年に一度しか会えなかったとしても。たとえお互いに家庭があったとしても。『母が45歳で死ぬ間際に遺した肉声のテープ。そこで語られた彼女の半生には、娘の知らない、父親以外との恋に身を焦がした女性がいた』。あの時ああしていたら、という瞬間がある人に読んでほしい本。

森俊介

森俊介/Shunsuke Mori
「森の図書室」代表、図書委員長
大手企業から脱サラし、渋谷に「本と人がつながる場所」を作るために「森の図書室」をオープン。クラウドファンディングで出資者を募り、約1ヶ月で計953万円の資金を集めた。

立川志らくさんオススメの
冬に観たい一作

『ショウ・ボート』

ジョージ・シドニー 監督

販売元:ゴマブックス
DVD¥2,980+税

『ショウ・ボート』

初めて触れたのは、前座修業の頃。リバイバル上映の試写に、師匠談志に連れられて初めて観た。すべてのミュージカルの中で一番心が温まる作品。大晦日の晩、ショウ・ボートから逃げた歌手(娘)が、父である船長と場末のキャバレーで再会する。このシーンの素晴らしいこと。感動で心が温まる。冬のミュージカルでこれ以上の作品はない。

立川志らく

立川志らく/Shiraku Tatekawa
落語家
85年立川談志に入門、95年真打昇進。映画監督(日本映画監督協会所属)、映画評論家、エッセイスト、昭和歌謡曲博士、劇団主宰と幅広く活動している。脚本、演出、主演の舞台「不幸の家族」を5月に下北沢で開催。
photo: 山田雅子